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① いいなぁ…
しおりを挟む「いってきまーす」
元気よく、玄関から飛び出す。
今日は、休み前の最終日。終業式なのである。
明日から【夏休み】
『楽しみだなー』 心は、ウキウキとはずんでいた。
プールに行ったり、虫とりをしたり…と、何かと いろいろ忙しい。
例外なく 宿題は出ているが、そんなの…なんのその。
ワリと なんとかなるものさ。
それに何より、このクソ暑い中、学校に行かなくて良いだけで…ありがたい。
何を隠そう。
けっこう マジで、、それが一番のラッキーだったりもする。
ウキウキした状態のまま 門をくぐろうとした時、
近くにいたネの姿コに 目が止まった。
さすがにネコも、暑さを 感じるのだろう
門によりかかるようにして 植えられた背の低い木。
それを日よけがわりにして、その根元で うずくまっていた。ぞくにいう コウバコスワリである。
そのまま 目をそらさずにいると、大きな口を開け のん気そうに あくびをしている。
いつもと 特に変わりのない光景のはずなのに、
なぜかその時は、
『いいなぁー!学校 行かなくてすんで…』と、
『一日中 ゴロゴロしていられて いいなあー』と うらやんでしまった。
だが…ふと 我に返り
『でも、ぼくも今日が最後。明日から 夏休みだもんね!』だから
「いっぱいあそんで、思いっきり…ゴロゴロ するもんねー」
はりあうようなステゼリフを 残し…
ぼくは、ネコから視線を外して、学校へときびすを返し歩き出した。
だから、ぼくは…気づけて なかった。
この時 背後で、ネコが顔を持ち上げ、その瞳にぼくの姿を写し出していたことに…。
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