30 / 35
第30話 自分より年下なのにカッチリとした服装の大人を見ると自信なくしません……?②
しおりを挟む
「どうぞ。おかけください」
「あ……はい。失礼します」
眼鏡をかけた男性に促され、俺はまるで面接にきた就活生のようなぎこちない動作で応接用のソファへ着席した。
「騎士団長のレオルグです。今日はわざわざお越しいただきありがとうございます」
「い、いえ、こちらこそお忙しいのに時間を作っていただいて……吉川です」
ま、まさか団長自ら会ってくれるなんて……完全に予想外だった。
たしかに書簡は送った。可能であれば会ってお話ししたいとも書いた。
でも気持ち的にはダメ元だった。いくら内容が元団長に関する内容とはいえ、いきなり見ず知らずの異世界人から手紙が届いて動くはずはないと心のどこかで高を括っていた。
なのに、どういうわけか返事はその日のうちに返って来て、そこには「明日本部へ来てください」的な内容が書いてあり、指定の時間に出向いた俺を受付のお姉さんは全て悟ったような顔でスムーズに最上階のこの部屋を案内してくれたのだ。
か、帰りてぇ……。
組織のトップと二人っきりでお話とか役員面接かよっ!? 元の世界で再就職の就活に連戦連敗だった俺には荷が重すぎる状況なんですけどっ!?
ミーサの父親が元団長という話を聞いていたもんだからなんとなく親近感を覚えていたが、とんだ思い違いだった。
正面に座るレオルグさんは見るからに物腰が柔らかく人当たりがよさそうな空気を纏っているのに、体の内側からは歴戦の強者のオーラがにじみ出ていた。
それこそ一代で会社を大企業に築き上げた経営者のような雰囲気だ。年齢的には俺と十かそこらしか違わなさそうだが、万年平社員の俺とは人間としての格の違いを感じる。
俺は空気に耐え兼ね訊いていた。
「どうして、今日はわざわざ会ってくれようと……?」
「それはもちろん、他ならぬガルスキン団長の事件のことでしたから。私は当時副団長として彼の片腕を担っていました。本当によくお世話になりました」
レオルグさんが懐かしそうに目を細める。
「事件のとき、私は別の任務に就いていました。もし私も同行していたらと……今でも思ってしまいます」
「そうですか……」
どうやらミーサが言っていたことは本当らしい。
その反応だけで、決して騎士団がこの事件を好きで見逃しているわけではないと感じた。他人事なのに少しだけ救われた気分になる。
だが、ホッとしたのも束の間、レオルグさんは次にとんでもない行動に出た。
「単刀直入に言います。どうかミーサさんを止めてください」
「!?」
応接用のソファに座っていたレオルグは、目の前のテーブルに額をつく勢いで頭を下げた。
けれど俺が驚いたのはそこではない。
「知っていたんですか……ミーサのやろうとしていること?」
「察していた、という程度ですが。タイミング的にも、勇者がこの国を去る前の今しかチャンスはありませんから。そこに――あなたの存在が決定打となった」
「え!? 僕……ですか?」
ま、まさか俺が手紙を送ったせいで……?
しかし、どうやらそうではないようだった。
「実は、吉川さんがよく草原で殺されているところはずっと見ていました」
「よく草原で殺されているところはずっと見ていました……!?」
凄まじい台詞が飛び出てきた。
レオルグさんによると、騎士団の人々もずっとミーサを気にかけていたらしい。それでひっそりとプライバシーを侵害しない程度に日々の生活を見守っていたそうだ。
そんな折、急に毎日決まった時間に町の外へと出ていくようになり、しかもすぐに帰ってくるものだからどうしたのだろうと少し探ってみたら、そこには俺の惨殺死体がありました……と、そういうことらしい。
「あんな無茶なやり方で強くなろうとする目的は一つしかない。それで確信しました」
なるほど。たしかに、ミーサのことを知っている人ならその結論に行き着いてもおかしくはない。
……うん、てゆーか知ってたのになぜ放置? 恩人の娘が危うく連続殺人犯になるところでしたよ?
「で、なぜ止めろと? まあ察しはつきますが」
倫理的、道義的、まあそんなとこだろう。
「それもあります」
頷きつつ、「ですが」とレオルグさんは付け加えた。
「なにより可能性がありません。あの男はそれだけ強い。はっきり申し上げて、勝ち目はほぼゼロでしょう」
「そんなに……ですか?」
恐る恐る尋ねると、レオルグさんは俺の目を見てこう言った。
「直感で構いません。私を見て、強いと感じますか?」
「それはもちろん……ひと目見てビンビンと言うか」
「その100倍くらいを想像してください」
「……マジですか」
聞きたくなかった……というか洒落にならんな。
作戦は用意してあるが、否が応でも不安を感じてしまう。果たしてあのままで大丈夫だろうか……。
「お願いです。どうかあの子を止めてもらえませんか? 我々もずっと以前から早まったことだけはしないでほしいと伝えてきました。でも、あの子はこうして準備を進めている。吉川さんの方からもどうか……」
レオルグが再び頭を下げる。
この人にとっても、ミーサは大事な存在なのだと伝わってくる。
「……わかりました。でもその前に」
大人として、無謀なことを企てる子どもを止めたいという気持ちは分かる。俺も最初はそう思った。
でも一方で、そのためにはまずやるべきことがあると思う……大人として。
「事件のこと、やっぱりどうにもならないんでしょうか?」
「……ッ!」
そう、俺はこれを確認に来たんだ。
「相手が王子で、難しいということは重々承知しています。それでも、正当に裁くことができれば彼女だってこんな手段を取ろうとしなかったかもしれません」
ただ我慢しろと言うだけなら容易い。
でも、それじゃ何も変わらないからミーサはやろうとしている。
「もしくはせめて名誉の回復だけでも。ずっと父親が汚名を着せられたままだなんて……。それでは風化できるものも風化できないと思います……誇りに思っていれば尚更」
気休め程度かもしれないが、せめて騎士団長として名誉の戦死を遂げたという事実だけでも残せればあるいは思いとどまってくれるかもしれない。
そう考えての質問。提言だった。
しかし。
「…………」
レオルグさんの表情は雄弁だった。
「……ダメ、ですか?」
「……申し訳ありません」
「まあ……そうですよね」
「吉川さん……!」
席を立つ俺に、レオルグさんが身を乗り出す。
「大丈夫です。最後の一線は越えないように善処します。ただその代わりと言ったらなんなんですけど、一つだけお願いしてもいいですか?」
「……はい。なんでしょう?」
言いかけた言葉をグッと飲み込み、レオルグさんが頷く。
「もし成功したら、そのときはなんとか見逃してもらえませんか? この国でそのまま暮らすっていうのは難しいでしょうけど、国の外に逃げるくらいまでは」
「…………」
正直、気が引けるお願いだ。
相手はいわば警察組織のトップみたいな人。そんな人に犯罪者を見逃せなど。
とはいえ必要なことだ。復讐して、でもそれで終わりじゃない。
ミーサの人生はその後も続いていく。
ならば、逃げ道は作ってやらないと。
そしてその気持ちは、どうやらレオルグさんも同じだったらしい。
「……承知しました。お任せください」
「ありがとうございます」
深々と一礼し、俺は部屋を後にした。
◇◇◇
「で? どうだった?」
家に戻ると、開口一番ミーサが訊いてきた。
「え? なにが?」
「騎士団のところに行ってきたんでしょ?」
「!?」
げ、バレてる……。
騎士団に行くことも、書簡を送ったこともミーサには言っていない。
だが、どうやら完全にバレていたらしい。
観念した俺は、無用な誤魔化しはせずに包み隠さず話すことにした。
「まあ……やっぱりダメだったよ。どうにもならんらしい」
「だろうね」
特にショックを受ける様子もなくミーサが頷く。
「てゆーかおじさん、そんなことしてもし警備が強化されたり、私たちが逮捕されたりされることになったらどうするつもりだったの?」
「う……」
それに関しては手紙を出した後で少し後悔していた。
実際、レオルグが作戦を知っているとわかったとき、真っ先に懸念したことだ。
「まさか考えてなかったの? 呆れた」
「す、すまん。どうしても、お前の現状とかを考えたら我慢ならなくて……つい」
これは斬首ものかもしれん。俺は明日の朝は草原で迎えることになりそうだと覚悟した。
「……ふ~ん。ま、いいよ。結果的には見逃してもらえることになったんでしょ?」
「え、ああ。そうらしい」
しかし、意外にもミーサはそれ以上咎めてこなかった。少し驚いた。
「まあ向こうが約束を守ってくれればだけど……」
「そこはたぶんレオルグさんなら大丈夫だと思うよ」
ああ、そうか。面識があるのか。まあ親父さんの片腕だったわけだしな。
「じゃ、これで心置きなく作戦を決行できるってことだね」
「……そうだな」
結局のところ、そういうことだった。
相手がどれだけ強かろうが、たとえ想像の100倍だろうが、こうなったらやるしかない。
そして、俺たちはとうとう決戦の日を迎えた。
「あ……はい。失礼します」
眼鏡をかけた男性に促され、俺はまるで面接にきた就活生のようなぎこちない動作で応接用のソファへ着席した。
「騎士団長のレオルグです。今日はわざわざお越しいただきありがとうございます」
「い、いえ、こちらこそお忙しいのに時間を作っていただいて……吉川です」
ま、まさか団長自ら会ってくれるなんて……完全に予想外だった。
たしかに書簡は送った。可能であれば会ってお話ししたいとも書いた。
でも気持ち的にはダメ元だった。いくら内容が元団長に関する内容とはいえ、いきなり見ず知らずの異世界人から手紙が届いて動くはずはないと心のどこかで高を括っていた。
なのに、どういうわけか返事はその日のうちに返って来て、そこには「明日本部へ来てください」的な内容が書いてあり、指定の時間に出向いた俺を受付のお姉さんは全て悟ったような顔でスムーズに最上階のこの部屋を案内してくれたのだ。
か、帰りてぇ……。
組織のトップと二人っきりでお話とか役員面接かよっ!? 元の世界で再就職の就活に連戦連敗だった俺には荷が重すぎる状況なんですけどっ!?
ミーサの父親が元団長という話を聞いていたもんだからなんとなく親近感を覚えていたが、とんだ思い違いだった。
正面に座るレオルグさんは見るからに物腰が柔らかく人当たりがよさそうな空気を纏っているのに、体の内側からは歴戦の強者のオーラがにじみ出ていた。
それこそ一代で会社を大企業に築き上げた経営者のような雰囲気だ。年齢的には俺と十かそこらしか違わなさそうだが、万年平社員の俺とは人間としての格の違いを感じる。
俺は空気に耐え兼ね訊いていた。
「どうして、今日はわざわざ会ってくれようと……?」
「それはもちろん、他ならぬガルスキン団長の事件のことでしたから。私は当時副団長として彼の片腕を担っていました。本当によくお世話になりました」
レオルグさんが懐かしそうに目を細める。
「事件のとき、私は別の任務に就いていました。もし私も同行していたらと……今でも思ってしまいます」
「そうですか……」
どうやらミーサが言っていたことは本当らしい。
その反応だけで、決して騎士団がこの事件を好きで見逃しているわけではないと感じた。他人事なのに少しだけ救われた気分になる。
だが、ホッとしたのも束の間、レオルグさんは次にとんでもない行動に出た。
「単刀直入に言います。どうかミーサさんを止めてください」
「!?」
応接用のソファに座っていたレオルグは、目の前のテーブルに額をつく勢いで頭を下げた。
けれど俺が驚いたのはそこではない。
「知っていたんですか……ミーサのやろうとしていること?」
「察していた、という程度ですが。タイミング的にも、勇者がこの国を去る前の今しかチャンスはありませんから。そこに――あなたの存在が決定打となった」
「え!? 僕……ですか?」
ま、まさか俺が手紙を送ったせいで……?
しかし、どうやらそうではないようだった。
「実は、吉川さんがよく草原で殺されているところはずっと見ていました」
「よく草原で殺されているところはずっと見ていました……!?」
凄まじい台詞が飛び出てきた。
レオルグさんによると、騎士団の人々もずっとミーサを気にかけていたらしい。それでひっそりとプライバシーを侵害しない程度に日々の生活を見守っていたそうだ。
そんな折、急に毎日決まった時間に町の外へと出ていくようになり、しかもすぐに帰ってくるものだからどうしたのだろうと少し探ってみたら、そこには俺の惨殺死体がありました……と、そういうことらしい。
「あんな無茶なやり方で強くなろうとする目的は一つしかない。それで確信しました」
なるほど。たしかに、ミーサのことを知っている人ならその結論に行き着いてもおかしくはない。
……うん、てゆーか知ってたのになぜ放置? 恩人の娘が危うく連続殺人犯になるところでしたよ?
「で、なぜ止めろと? まあ察しはつきますが」
倫理的、道義的、まあそんなとこだろう。
「それもあります」
頷きつつ、「ですが」とレオルグさんは付け加えた。
「なにより可能性がありません。あの男はそれだけ強い。はっきり申し上げて、勝ち目はほぼゼロでしょう」
「そんなに……ですか?」
恐る恐る尋ねると、レオルグさんは俺の目を見てこう言った。
「直感で構いません。私を見て、強いと感じますか?」
「それはもちろん……ひと目見てビンビンと言うか」
「その100倍くらいを想像してください」
「……マジですか」
聞きたくなかった……というか洒落にならんな。
作戦は用意してあるが、否が応でも不安を感じてしまう。果たしてあのままで大丈夫だろうか……。
「お願いです。どうかあの子を止めてもらえませんか? 我々もずっと以前から早まったことだけはしないでほしいと伝えてきました。でも、あの子はこうして準備を進めている。吉川さんの方からもどうか……」
レオルグが再び頭を下げる。
この人にとっても、ミーサは大事な存在なのだと伝わってくる。
「……わかりました。でもその前に」
大人として、無謀なことを企てる子どもを止めたいという気持ちは分かる。俺も最初はそう思った。
でも一方で、そのためにはまずやるべきことがあると思う……大人として。
「事件のこと、やっぱりどうにもならないんでしょうか?」
「……ッ!」
そう、俺はこれを確認に来たんだ。
「相手が王子で、難しいということは重々承知しています。それでも、正当に裁くことができれば彼女だってこんな手段を取ろうとしなかったかもしれません」
ただ我慢しろと言うだけなら容易い。
でも、それじゃ何も変わらないからミーサはやろうとしている。
「もしくはせめて名誉の回復だけでも。ずっと父親が汚名を着せられたままだなんて……。それでは風化できるものも風化できないと思います……誇りに思っていれば尚更」
気休め程度かもしれないが、せめて騎士団長として名誉の戦死を遂げたという事実だけでも残せればあるいは思いとどまってくれるかもしれない。
そう考えての質問。提言だった。
しかし。
「…………」
レオルグさんの表情は雄弁だった。
「……ダメ、ですか?」
「……申し訳ありません」
「まあ……そうですよね」
「吉川さん……!」
席を立つ俺に、レオルグさんが身を乗り出す。
「大丈夫です。最後の一線は越えないように善処します。ただその代わりと言ったらなんなんですけど、一つだけお願いしてもいいですか?」
「……はい。なんでしょう?」
言いかけた言葉をグッと飲み込み、レオルグさんが頷く。
「もし成功したら、そのときはなんとか見逃してもらえませんか? この国でそのまま暮らすっていうのは難しいでしょうけど、国の外に逃げるくらいまでは」
「…………」
正直、気が引けるお願いだ。
相手はいわば警察組織のトップみたいな人。そんな人に犯罪者を見逃せなど。
とはいえ必要なことだ。復讐して、でもそれで終わりじゃない。
ミーサの人生はその後も続いていく。
ならば、逃げ道は作ってやらないと。
そしてその気持ちは、どうやらレオルグさんも同じだったらしい。
「……承知しました。お任せください」
「ありがとうございます」
深々と一礼し、俺は部屋を後にした。
◇◇◇
「で? どうだった?」
家に戻ると、開口一番ミーサが訊いてきた。
「え? なにが?」
「騎士団のところに行ってきたんでしょ?」
「!?」
げ、バレてる……。
騎士団に行くことも、書簡を送ったこともミーサには言っていない。
だが、どうやら完全にバレていたらしい。
観念した俺は、無用な誤魔化しはせずに包み隠さず話すことにした。
「まあ……やっぱりダメだったよ。どうにもならんらしい」
「だろうね」
特にショックを受ける様子もなくミーサが頷く。
「てゆーかおじさん、そんなことしてもし警備が強化されたり、私たちが逮捕されたりされることになったらどうするつもりだったの?」
「う……」
それに関しては手紙を出した後で少し後悔していた。
実際、レオルグが作戦を知っているとわかったとき、真っ先に懸念したことだ。
「まさか考えてなかったの? 呆れた」
「す、すまん。どうしても、お前の現状とかを考えたら我慢ならなくて……つい」
これは斬首ものかもしれん。俺は明日の朝は草原で迎えることになりそうだと覚悟した。
「……ふ~ん。ま、いいよ。結果的には見逃してもらえることになったんでしょ?」
「え、ああ。そうらしい」
しかし、意外にもミーサはそれ以上咎めてこなかった。少し驚いた。
「まあ向こうが約束を守ってくれればだけど……」
「そこはたぶんレオルグさんなら大丈夫だと思うよ」
ああ、そうか。面識があるのか。まあ親父さんの片腕だったわけだしな。
「じゃ、これで心置きなく作戦を決行できるってことだね」
「……そうだな」
結局のところ、そういうことだった。
相手がどれだけ強かろうが、たとえ想像の100倍だろうが、こうなったらやるしかない。
そして、俺たちはとうとう決戦の日を迎えた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
(完結)私はそんなにお人好しではありません!
青空一夏
恋愛
私は子供が大好きだけれど子供ができない。最初の結婚ではそれが原因で離婚になった。
「いつまで経っても子供ができないですね。女なのに子供が産めないなんて欠陥品です。こんなことなら平民の妻など迎えなければ良かったですよ。愛があれば身分なんて関係ないと思っていましたが、跡継ぎができないのは致命的だ。綺麗なグレースを手放すのは惜しいですが、男爵のわたしの妻には相応しくない」
最初の夫はそう言って、私を捨てた。
もう男の愛なんて信じない。そう思い、実家に戻る。私は一人娘で実家は小さな商会を経営しており、それなりに儲かっていた。
ところが、お父様の部下の一人が私に猛烈アプローチ。子供が産めないし離婚歴もあるので丁重にお断りしても熱心に私への愛を口にする年下の男性だ。
「子供ができなくても構わないよ。子供の為に結婚するわけじゃないもの。僕はあなたを愛しているから一緒にいたいだけなのです。むしろ子供がいないことでお互いを見つめ合って愛が深まると思う。夫婦に大事なのは子供じゃないよ、お互いの信頼と思いやりじゃないかな?」
私はこの言葉に感動する。
「そうね、子供は養子をとることもできるしね」
私は漸く幸せを掴んだと思ったのだけれど・・・・・・!?
※異世界ざまぁ。現代的な言葉遣い、機器、調味料など出てくる場合あり。貴族のいる世界ですがヒロインは貴族ではありません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
(完結)妹が捨てた婚約者を拾ってみたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
妹はとても可愛いけれど移り気な性格だ。服も宝石もすぐに飽きて私に無理矢理押しつけ、自分は新しいものを買ってもらう。
「私、ダニエルに飽きちゃったわ。」
でも、まさか婚約者まで飽きるとは思わなかった。
私は彼を慰めているうちに・・・・・・
※異世界のお話、ゆるふわ設定、ご都合主義。
※誤字、脱字やりがちな作者です。教えていただけると助かります。
5話前後の短いお話になる予定です。表紙はpixabay(フリー画像素材)からのものです。
この世界では騎士団長になれば爵位がもらえる設定です。文官より騎士団員のほうが華やかでステータスがあると思われている世界です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる