18 / 35
第18話 こうして僕は30歳で魔法使いになった……いや、そういう意味の方ではなくガチで①
しおりを挟む
翌朝。
いつもの草原。
最近また起床時間が早くなっている気がする。
なぜだろう? もしかしてだが、俺に魔力が宿り始めたことと何か関係があるのだろうか?
特に根拠はないのだが、なんとなくそんな気がした。
あーあ、そのあたりも師匠に聞いておけばよかったな。というか、住所やらいろいろ聞いとくべきだった。
せっかくの異世界出身同士、これでもう二度と会えないのはもったいなすぎる。もっと有益な話が聞けたかもしれないのに。
くっ、つい魔法が使えるかもとテンションが上がってそこまで気が回らなかった。
まあでも、案外あの居酒屋に行けばまた会えそうな気もする。
なんせボトルキープしてたくらいだし……俺の金で。
礼を返すと言い出したのはこっちだから全然いいっちゃいいんだが、それにしても容赦なかったな……。
ちなみに昨日も例のごとくメスガキは草原にやってきたが、師匠の本は見つかっていない。
予め地面に埋めておいたおかげだ。
もし存在が知られたら最悪だったので、今朝掘り起こしたときは本当にホッとした。
俺が魔法を使えるようになっているかも、などと悟られたらもったいなさすぎる。不意を突けるという折角のアドバンテージをみすみす失いたくない。
それともう一つ。俺にはこの本をきちんと図書館へ返却するという義務があるのだ。
他人のせいで図書館の職員に怒られるなんてまっぴらごめんだ。
「さて……」
前置きが長くなったが、いよいよ魔法だ。
早速本を開く。
さてさて、いったいどんなことが書いているのやら……。
まずはパラパラとページをめくってみる。
さすが『ゴブリンでもわかる』と謳っているだけあって、図解が多く読みやすい。とっつきやすくて助かる。
そして肝心の内容だが、それも非常に解り易かった。
異世界人の俺にも、魔法を使っている自分の姿がきちんと想像できる。
各魔法の解説にはコツやワンポイントアドバイスなどが記されているのだが、どのようなイメージで魔法を放てばいいのか等の感覚的な話が多い。まるで書き手である師匠の思考を追体験しているようだ。
思えば、昨日もそんな感じだった気がする。
説明はフワッと、けれど結果的にきちんと俺は魔力を捉えることができた。
長年異世界人としてこの世界で過ごしたことで得た師匠の経験。
それがこの本に凝縮されている気がする。
ゴブリンでもわかる、と名付けたのは伊達ではないということだ。
……まあだからといってさすがにゴブリンは読めないだろうが。
いやでも、この世界のゴブリンがもし俺の想像するゴブリンと違って、海辺でハンモックに揺られながら読書をするのが日常みたいな知的生命体ということも……うん、ないな。
そんなインテリゴブリンいても会いたくない。そもそもゴブリンに会いたいとは思わんが。
「う~ん……どうしたもんか」
ひとしきり目を通したところで、俺は悩んだ。
開いたままの本を地べたに置き、腕を組んで唸る。
基本的に、ここに記されている魔法は練習すれば誰でも使えるようになるらしい。
『はじめに』のページにそう書いてあった。
だが、ここで問題が一つ。
「いったいどの魔法を選択すべきか……」
そう、今の俺にはアレコレ手を出す余裕はない。
なんでも使えるようになるといっても、魔力にだって限りがあるだろうし全部習得は無理だろう。
それに仮にいくつも魔法を覚えられたとして、使いこなすというのはまた別次元の話だ。修練の時間がいる。
結局、まずは一個の魔法に全力を注ぐしかないのだ。
だがしかし、そうは言ったものの如何せん数が多い。
本にはゆうに100を超える魔法が収録されている。
攻撃系や回復などの支援系、その他の特殊なもの。しかもそれぞれに属性なんてあったりもする。
これで初心者向けなのだから、この世界にはとんでもない数の魔法がありそうだ。
こうなると迷う。迷いまくる。俺はこういうとき優柔不断なのだ。
より取り見取りなのはありがたいが、いっそ今のあなたにはこれしか使えなませんと言ってくれた方が楽だったかもしれない。
こんなときゲームだったら1回セーブして、試しに1個選んで気に入らなかったらまた戻してとかするんだがなぁ……。
あ~、どうしよう……マジで迷うな。
このままでは埒が明かない。
俺は今一度、自分の目的と向き合うことにした。
俺の目的……それはもちろん、あのメスガキを屈服させ、元の世界へと帰してもらうこと。
そしてそのためには、身動きを封じて反撃できないようにする必要がある。
というわけで、それを踏まえてもう一度最初から本を読み直す。
普通に考えれば、まず検討すべきは攻撃系の魔法だろう。
オーソドックスなのは炎やら雷やら氷だが……正直これらはすべて却下だ。
単純に出力不足。現状、俺にあのメスガキ相手にダメージを与えられるだけの威力が引き出せるとは思えん。
とすると、拘束魔法はどうだろう? それこそ動きを封じるという意味で。
これなら威力は関係ない。
……う~ん、微妙だ。
高度なタイプはできないため、俺ができるとしたらせいぜい縄などの拘束具を相手に射出するくらい。
が、これは簡単に避けられそう。仮に当たったとして、例のバリアに弾かれる危険性もある。
あれもダメ…………。
これもダメ…………。
どれもダメ…………。
「……」
マズいな……全然いい手が浮かばん。
それっぽい案が浮かんでも、どうしても素人の浅知恵感が拭えない。
なにより、俺のイメージの中のメスガキが強すぎる。
これまでの対決のせいで完全にトラウマを植え付けられてしまった。
生半可な手じゃまるで通用しないと身体の方が先に理解してしまっている。
ちくしょう、相手はたかが年下の女の子ひとりなのに……!
さっきから手刀で首を刎ねられるエンディングばかり浮かんでくる。
思わず首に手を当て、「ちゃんとつながってるよな……?」と確認してしまった。
「ん?」
ふと、なにげなく開いたページの“とある魔法”が目に留まる。
普通の魔法だ。全然特殊ではない。
たぶん、どんなマンガやゲームにもほぼ100%同じ系統のものがあるはず。
攻撃にも使えるし、日常でも役に立ちそうなタイプ。
だが……こんな方法で使おうという人間は少ない気がする。
俺は魔法そのものではなく、使い方に注目した。
本によると、この世界の魔法はどうやらあまり使い方を限定するということはないらしい。
さっき攻撃魔法で炎を例に挙げたが、別にそれを調理に使っても暖房に使っても問題はない。
逆に言えば、同じ魔法でも使い方次第で可能性は無限大に広がる。
「いけるかもしれない……!」
いける。これなら条件も満たしている。
威力はほとんど必要ない。ゆえに魔力が少なくても問題ない。
加えて成功すれば、相手は身動きが取れなくなり反撃も防げる。
なにより習得が簡単そうなのもいい。
本には『魔法はイメージ』と口酸っぱく書かれている。であれば触れたことのないモノよりも、日常にありふれたモノの方がよい。コレなら絶対毎日触っている。
本の返却期限まで一週間。それまでに形にできそうな気がする。
「クク……ククク」
思わず笑みがこぼれる。
よし、決まりだ。
「【水流魔法】……これしかない」
いつもの草原。
最近また起床時間が早くなっている気がする。
なぜだろう? もしかしてだが、俺に魔力が宿り始めたことと何か関係があるのだろうか?
特に根拠はないのだが、なんとなくそんな気がした。
あーあ、そのあたりも師匠に聞いておけばよかったな。というか、住所やらいろいろ聞いとくべきだった。
せっかくの異世界出身同士、これでもう二度と会えないのはもったいなすぎる。もっと有益な話が聞けたかもしれないのに。
くっ、つい魔法が使えるかもとテンションが上がってそこまで気が回らなかった。
まあでも、案外あの居酒屋に行けばまた会えそうな気もする。
なんせボトルキープしてたくらいだし……俺の金で。
礼を返すと言い出したのはこっちだから全然いいっちゃいいんだが、それにしても容赦なかったな……。
ちなみに昨日も例のごとくメスガキは草原にやってきたが、師匠の本は見つかっていない。
予め地面に埋めておいたおかげだ。
もし存在が知られたら最悪だったので、今朝掘り起こしたときは本当にホッとした。
俺が魔法を使えるようになっているかも、などと悟られたらもったいなさすぎる。不意を突けるという折角のアドバンテージをみすみす失いたくない。
それともう一つ。俺にはこの本をきちんと図書館へ返却するという義務があるのだ。
他人のせいで図書館の職員に怒られるなんてまっぴらごめんだ。
「さて……」
前置きが長くなったが、いよいよ魔法だ。
早速本を開く。
さてさて、いったいどんなことが書いているのやら……。
まずはパラパラとページをめくってみる。
さすが『ゴブリンでもわかる』と謳っているだけあって、図解が多く読みやすい。とっつきやすくて助かる。
そして肝心の内容だが、それも非常に解り易かった。
異世界人の俺にも、魔法を使っている自分の姿がきちんと想像できる。
各魔法の解説にはコツやワンポイントアドバイスなどが記されているのだが、どのようなイメージで魔法を放てばいいのか等の感覚的な話が多い。まるで書き手である師匠の思考を追体験しているようだ。
思えば、昨日もそんな感じだった気がする。
説明はフワッと、けれど結果的にきちんと俺は魔力を捉えることができた。
長年異世界人としてこの世界で過ごしたことで得た師匠の経験。
それがこの本に凝縮されている気がする。
ゴブリンでもわかる、と名付けたのは伊達ではないということだ。
……まあだからといってさすがにゴブリンは読めないだろうが。
いやでも、この世界のゴブリンがもし俺の想像するゴブリンと違って、海辺でハンモックに揺られながら読書をするのが日常みたいな知的生命体ということも……うん、ないな。
そんなインテリゴブリンいても会いたくない。そもそもゴブリンに会いたいとは思わんが。
「う~ん……どうしたもんか」
ひとしきり目を通したところで、俺は悩んだ。
開いたままの本を地べたに置き、腕を組んで唸る。
基本的に、ここに記されている魔法は練習すれば誰でも使えるようになるらしい。
『はじめに』のページにそう書いてあった。
だが、ここで問題が一つ。
「いったいどの魔法を選択すべきか……」
そう、今の俺にはアレコレ手を出す余裕はない。
なんでも使えるようになるといっても、魔力にだって限りがあるだろうし全部習得は無理だろう。
それに仮にいくつも魔法を覚えられたとして、使いこなすというのはまた別次元の話だ。修練の時間がいる。
結局、まずは一個の魔法に全力を注ぐしかないのだ。
だがしかし、そうは言ったものの如何せん数が多い。
本にはゆうに100を超える魔法が収録されている。
攻撃系や回復などの支援系、その他の特殊なもの。しかもそれぞれに属性なんてあったりもする。
これで初心者向けなのだから、この世界にはとんでもない数の魔法がありそうだ。
こうなると迷う。迷いまくる。俺はこういうとき優柔不断なのだ。
より取り見取りなのはありがたいが、いっそ今のあなたにはこれしか使えなませんと言ってくれた方が楽だったかもしれない。
こんなときゲームだったら1回セーブして、試しに1個選んで気に入らなかったらまた戻してとかするんだがなぁ……。
あ~、どうしよう……マジで迷うな。
このままでは埒が明かない。
俺は今一度、自分の目的と向き合うことにした。
俺の目的……それはもちろん、あのメスガキを屈服させ、元の世界へと帰してもらうこと。
そしてそのためには、身動きを封じて反撃できないようにする必要がある。
というわけで、それを踏まえてもう一度最初から本を読み直す。
普通に考えれば、まず検討すべきは攻撃系の魔法だろう。
オーソドックスなのは炎やら雷やら氷だが……正直これらはすべて却下だ。
単純に出力不足。現状、俺にあのメスガキ相手にダメージを与えられるだけの威力が引き出せるとは思えん。
とすると、拘束魔法はどうだろう? それこそ動きを封じるという意味で。
これなら威力は関係ない。
……う~ん、微妙だ。
高度なタイプはできないため、俺ができるとしたらせいぜい縄などの拘束具を相手に射出するくらい。
が、これは簡単に避けられそう。仮に当たったとして、例のバリアに弾かれる危険性もある。
あれもダメ…………。
これもダメ…………。
どれもダメ…………。
「……」
マズいな……全然いい手が浮かばん。
それっぽい案が浮かんでも、どうしても素人の浅知恵感が拭えない。
なにより、俺のイメージの中のメスガキが強すぎる。
これまでの対決のせいで完全にトラウマを植え付けられてしまった。
生半可な手じゃまるで通用しないと身体の方が先に理解してしまっている。
ちくしょう、相手はたかが年下の女の子ひとりなのに……!
さっきから手刀で首を刎ねられるエンディングばかり浮かんでくる。
思わず首に手を当て、「ちゃんとつながってるよな……?」と確認してしまった。
「ん?」
ふと、なにげなく開いたページの“とある魔法”が目に留まる。
普通の魔法だ。全然特殊ではない。
たぶん、どんなマンガやゲームにもほぼ100%同じ系統のものがあるはず。
攻撃にも使えるし、日常でも役に立ちそうなタイプ。
だが……こんな方法で使おうという人間は少ない気がする。
俺は魔法そのものではなく、使い方に注目した。
本によると、この世界の魔法はどうやらあまり使い方を限定するということはないらしい。
さっき攻撃魔法で炎を例に挙げたが、別にそれを調理に使っても暖房に使っても問題はない。
逆に言えば、同じ魔法でも使い方次第で可能性は無限大に広がる。
「いけるかもしれない……!」
いける。これなら条件も満たしている。
威力はほとんど必要ない。ゆえに魔力が少なくても問題ない。
加えて成功すれば、相手は身動きが取れなくなり反撃も防げる。
なにより習得が簡単そうなのもいい。
本には『魔法はイメージ』と口酸っぱく書かれている。であれば触れたことのないモノよりも、日常にありふれたモノの方がよい。コレなら絶対毎日触っている。
本の返却期限まで一週間。それまでに形にできそうな気がする。
「クク……ククク」
思わず笑みがこぼれる。
よし、決まりだ。
「【水流魔法】……これしかない」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?
ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。
それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。
「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」
侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。
「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」
※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい……
◇テンプレ婚約破棄モノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
(完結)私はそんなにお人好しではありません!
青空一夏
恋愛
私は子供が大好きだけれど子供ができない。最初の結婚ではそれが原因で離婚になった。
「いつまで経っても子供ができないですね。女なのに子供が産めないなんて欠陥品です。こんなことなら平民の妻など迎えなければ良かったですよ。愛があれば身分なんて関係ないと思っていましたが、跡継ぎができないのは致命的だ。綺麗なグレースを手放すのは惜しいですが、男爵のわたしの妻には相応しくない」
最初の夫はそう言って、私を捨てた。
もう男の愛なんて信じない。そう思い、実家に戻る。私は一人娘で実家は小さな商会を経営しており、それなりに儲かっていた。
ところが、お父様の部下の一人が私に猛烈アプローチ。子供が産めないし離婚歴もあるので丁重にお断りしても熱心に私への愛を口にする年下の男性だ。
「子供ができなくても構わないよ。子供の為に結婚するわけじゃないもの。僕はあなたを愛しているから一緒にいたいだけなのです。むしろ子供がいないことでお互いを見つめ合って愛が深まると思う。夫婦に大事なのは子供じゃないよ、お互いの信頼と思いやりじゃないかな?」
私はこの言葉に感動する。
「そうね、子供は養子をとることもできるしね」
私は漸く幸せを掴んだと思ったのだけれど・・・・・・!?
※異世界ざまぁ。現代的な言葉遣い、機器、調味料など出てくる場合あり。貴族のいる世界ですがヒロインは貴族ではありません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
(完結)妹が捨てた婚約者を拾ってみたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
妹はとても可愛いけれど移り気な性格だ。服も宝石もすぐに飽きて私に無理矢理押しつけ、自分は新しいものを買ってもらう。
「私、ダニエルに飽きちゃったわ。」
でも、まさか婚約者まで飽きるとは思わなかった。
私は彼を慰めているうちに・・・・・・
※異世界のお話、ゆるふわ設定、ご都合主義。
※誤字、脱字やりがちな作者です。教えていただけると助かります。
5話前後の短いお話になる予定です。表紙はpixabay(フリー画像素材)からのものです。
この世界では騎士団長になれば爵位がもらえる設定です。文官より騎士団員のほうが華やかでステータスがあると思われている世界です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる