5 / 35
第5話 不意打ちが卑怯? 戦術と言ってもらおうか①
しおりを挟む
翌日。草原。
「あのメスガキ……もう許さん」
目が覚めた俺は怒りに震えていた。
人が下手に出ていれば調子に乗りやがって……。
――絶対にわからせてやる。
俺は昨日の誓いを改めて胸に刻んだ。
とはいえ、さすがに殺し合いを望んでいるわけではない。
向こうは俺と違って不死身でもないしな。
目的はあくまで元の世界に帰ること。
であれば、あのメスガキを屈服させ、こちらの要求を飲むしかない状況させ作り出せればそれで十分。
そうと決まれば早速策を練ろう。
どうやら今日は少し早く目が覚めたらしい。周囲にまだメスガキの姿はない。
ヤツが来るまでの間に、なんとか勝利する方法を考えるんだ。
「……やっぱり、力づくしかないよな」
少し考え、そう結論付けた。
体格差を生かして身動きを封じる。
シンプルだが妥当だろう。
いくらあのメスガキの態度がでかかろうが、所詮は大人と子ども。体格の差は歴然。
腕を掴んで後ろに回り込んで体重をかければ抵抗できまい。そうなれば、あとはいかようにでも料理できるはず。
「う~ん……いけるか?」
正直不安しかなかった。
というのも、当然ながら人生の中でそんな動きはやったことがない。
格闘漫画の知識でなんとなくのイメージこそできるが、身体がついてくるのか自信がない。
あと単純に俺の運動神経は別にそこまでよくない。せいぜい同世代の平均程度。
加えて社会人になってからの圧倒的な運動不足。
今の俺の足腰では、いざ襲い掛かってもあっさり躱される恐れが高い……。
が、そこで閃く。
「そうか……武器」
傷つけるためではなく、脅しとしての武器。
何度も言うが、所詮は子ども。
大人の俺が武器を持って「オラァ!」などと本気で凄めば必ず怯む。
そうして相手がビビって動けなくなったところを安全に取り押さえる――これだ。
名付けて『蛇に睨まれた蛙作戦』。
こいつで決める。
となると、次の問題はどうやって武器を調達するかだ。
着の身着のまま異世界にやってきたせいで、今の所持品はせいぜいスーツのポケットに入っていた財布とスマホだけだ。この状況ではクソの役にも立たない。
金が使えれば町に行って武器になりそうなものを購入するという手立てがあるが、生憎ここは異世界。日本円なんて持って行ってもきっと門前払いだろう。そもそも町に入れない可能性すらある。
さてどうする。
しかし、実のところ武器についてはもう目途が立っていた。
草原の向こう、少し遠目に森が見える。
あそこで武器となりそうな鋭い木の枝を拾ってくる。
少々心もとないが、女の子を脅す程度なら十分だろう。
というわけで、早速出発する。
急がないとあのメスガキがやって来てしまう。
森には歩いて5分ほどで着いた。
「うおぉ……」
テレビでも図鑑でも見たことのない種類の背の高い木が夥しく連なっている。
いかにも異世界らしい光景に圧倒されてしまった。
あとちょっと不気味だ。夜だったら引き返していたかもしれん。
「ハア、なんで俺がこんな目に……」
おずおずと森の中を練り歩きながら自然と愚痴がこぼれる。
本当なら今頃家でゴロゴロしながらポテチでも頬張っていたかもしれないのに……いや、無理か。せいぜい塩舐めるくらいだな。仕事ないし節約しないと。
「お」
歩き始めて数分、割とすぐに目的だった木の枝は見つかった。
長さも太さもちょうどいい。うまい具合に途中で折れ、先っぽが鋭く尖っている。
さながらちょっとした槍だ。男心をくすぐられる。
だがこんなところでテンションを上げている場合ではない。ここからが勝負だ。
「まだ来てない……か」
スタート地点の草原に戻り周りを見渡すも、未だメスガキの姿はなし。
時間的には昼を過ぎてそうだが、用事でもあるのだろうか。いや、来ないに越したことはないんだけど。
待っている間、俺は作戦が成功した後のシミュレーションをすることにした。
まずは当然謝罪だ。
俺を騙して異世界に召喚したこと、問答無用で首を刎ねたこと、そしてニートだのなんだのの暴言の数々。これらをきっちり謝罪してもらう。でなければ俺の怒りは収まらん。
元の世界に帰るのはあくまでその後だ。
「クク……」
自然と笑みがこぼれる。
正直、少しワクワクしている自分がいた。
大人としてこれでいいのかはともかく、はっきり言って見物だ。あの生意気な少女が力の差を思い知り、泣きながらごめんなさいと謝る姿を想像するだけで溜飲が止まらない。
「……待てよ?」
そこで、不意に嫌な予感がした。
これまでの経験が脳裏をよぎる。
すでに3回も殺された。そしてそのすべてが手刀による一閃。
俺は、一度でもあの手刀が見えただろうか……?
いや、見えなかった。
いずれのときも速すぎて斬られた後に気付くレベル。残像すら残らなかった。
あの速さ、某マンガに登場する団長の手刀を見逃さなかった人くらいでないと見切るのは不可能だろう。そしてその域に達するには相当な鍛錬が必要なはず。
「やばい……」
こうなると途端に雲行きが怪しくなってくる。
いくら武器を持って脅そうとしても、向かい合った瞬間に問答無用で首を刎ねられたらどうしようもない。
くっ、どうする……?
さすがにもうすぐであのメスガキもやってくるはず。
先ほどまでの愉悦はどこへやら、俺の心は急速に焦り散らかしていた。
このままただ棒立ちで待ち構えていたら、また生首を晒す羽目になってしまう。
しかし、土壇場で俺の脳みそが覚醒する。
「!」
天啓。
「いける。これなら……」
咄嗟に思い付いた作戦だが、この方法なら先手を取れるはず。
時間もないし、もうこれしかない。
俺はすぐさま行動に移った。
メスガキが来たのはその5分後だった。
「あのメスガキ……もう許さん」
目が覚めた俺は怒りに震えていた。
人が下手に出ていれば調子に乗りやがって……。
――絶対にわからせてやる。
俺は昨日の誓いを改めて胸に刻んだ。
とはいえ、さすがに殺し合いを望んでいるわけではない。
向こうは俺と違って不死身でもないしな。
目的はあくまで元の世界に帰ること。
であれば、あのメスガキを屈服させ、こちらの要求を飲むしかない状況させ作り出せればそれで十分。
そうと決まれば早速策を練ろう。
どうやら今日は少し早く目が覚めたらしい。周囲にまだメスガキの姿はない。
ヤツが来るまでの間に、なんとか勝利する方法を考えるんだ。
「……やっぱり、力づくしかないよな」
少し考え、そう結論付けた。
体格差を生かして身動きを封じる。
シンプルだが妥当だろう。
いくらあのメスガキの態度がでかかろうが、所詮は大人と子ども。体格の差は歴然。
腕を掴んで後ろに回り込んで体重をかければ抵抗できまい。そうなれば、あとはいかようにでも料理できるはず。
「う~ん……いけるか?」
正直不安しかなかった。
というのも、当然ながら人生の中でそんな動きはやったことがない。
格闘漫画の知識でなんとなくのイメージこそできるが、身体がついてくるのか自信がない。
あと単純に俺の運動神経は別にそこまでよくない。せいぜい同世代の平均程度。
加えて社会人になってからの圧倒的な運動不足。
今の俺の足腰では、いざ襲い掛かってもあっさり躱される恐れが高い……。
が、そこで閃く。
「そうか……武器」
傷つけるためではなく、脅しとしての武器。
何度も言うが、所詮は子ども。
大人の俺が武器を持って「オラァ!」などと本気で凄めば必ず怯む。
そうして相手がビビって動けなくなったところを安全に取り押さえる――これだ。
名付けて『蛇に睨まれた蛙作戦』。
こいつで決める。
となると、次の問題はどうやって武器を調達するかだ。
着の身着のまま異世界にやってきたせいで、今の所持品はせいぜいスーツのポケットに入っていた財布とスマホだけだ。この状況ではクソの役にも立たない。
金が使えれば町に行って武器になりそうなものを購入するという手立てがあるが、生憎ここは異世界。日本円なんて持って行ってもきっと門前払いだろう。そもそも町に入れない可能性すらある。
さてどうする。
しかし、実のところ武器についてはもう目途が立っていた。
草原の向こう、少し遠目に森が見える。
あそこで武器となりそうな鋭い木の枝を拾ってくる。
少々心もとないが、女の子を脅す程度なら十分だろう。
というわけで、早速出発する。
急がないとあのメスガキがやって来てしまう。
森には歩いて5分ほどで着いた。
「うおぉ……」
テレビでも図鑑でも見たことのない種類の背の高い木が夥しく連なっている。
いかにも異世界らしい光景に圧倒されてしまった。
あとちょっと不気味だ。夜だったら引き返していたかもしれん。
「ハア、なんで俺がこんな目に……」
おずおずと森の中を練り歩きながら自然と愚痴がこぼれる。
本当なら今頃家でゴロゴロしながらポテチでも頬張っていたかもしれないのに……いや、無理か。せいぜい塩舐めるくらいだな。仕事ないし節約しないと。
「お」
歩き始めて数分、割とすぐに目的だった木の枝は見つかった。
長さも太さもちょうどいい。うまい具合に途中で折れ、先っぽが鋭く尖っている。
さながらちょっとした槍だ。男心をくすぐられる。
だがこんなところでテンションを上げている場合ではない。ここからが勝負だ。
「まだ来てない……か」
スタート地点の草原に戻り周りを見渡すも、未だメスガキの姿はなし。
時間的には昼を過ぎてそうだが、用事でもあるのだろうか。いや、来ないに越したことはないんだけど。
待っている間、俺は作戦が成功した後のシミュレーションをすることにした。
まずは当然謝罪だ。
俺を騙して異世界に召喚したこと、問答無用で首を刎ねたこと、そしてニートだのなんだのの暴言の数々。これらをきっちり謝罪してもらう。でなければ俺の怒りは収まらん。
元の世界に帰るのはあくまでその後だ。
「クク……」
自然と笑みがこぼれる。
正直、少しワクワクしている自分がいた。
大人としてこれでいいのかはともかく、はっきり言って見物だ。あの生意気な少女が力の差を思い知り、泣きながらごめんなさいと謝る姿を想像するだけで溜飲が止まらない。
「……待てよ?」
そこで、不意に嫌な予感がした。
これまでの経験が脳裏をよぎる。
すでに3回も殺された。そしてそのすべてが手刀による一閃。
俺は、一度でもあの手刀が見えただろうか……?
いや、見えなかった。
いずれのときも速すぎて斬られた後に気付くレベル。残像すら残らなかった。
あの速さ、某マンガに登場する団長の手刀を見逃さなかった人くらいでないと見切るのは不可能だろう。そしてその域に達するには相当な鍛錬が必要なはず。
「やばい……」
こうなると途端に雲行きが怪しくなってくる。
いくら武器を持って脅そうとしても、向かい合った瞬間に問答無用で首を刎ねられたらどうしようもない。
くっ、どうする……?
さすがにもうすぐであのメスガキもやってくるはず。
先ほどまでの愉悦はどこへやら、俺の心は急速に焦り散らかしていた。
このままただ棒立ちで待ち構えていたら、また生首を晒す羽目になってしまう。
しかし、土壇場で俺の脳みそが覚醒する。
「!」
天啓。
「いける。これなら……」
咄嗟に思い付いた作戦だが、この方法なら先手を取れるはず。
時間もないし、もうこれしかない。
俺はすぐさま行動に移った。
メスガキが来たのはその5分後だった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
(完結)私はそんなにお人好しではありません!
青空一夏
恋愛
私は子供が大好きだけれど子供ができない。最初の結婚ではそれが原因で離婚になった。
「いつまで経っても子供ができないですね。女なのに子供が産めないなんて欠陥品です。こんなことなら平民の妻など迎えなければ良かったですよ。愛があれば身分なんて関係ないと思っていましたが、跡継ぎができないのは致命的だ。綺麗なグレースを手放すのは惜しいですが、男爵のわたしの妻には相応しくない」
最初の夫はそう言って、私を捨てた。
もう男の愛なんて信じない。そう思い、実家に戻る。私は一人娘で実家は小さな商会を経営しており、それなりに儲かっていた。
ところが、お父様の部下の一人が私に猛烈アプローチ。子供が産めないし離婚歴もあるので丁重にお断りしても熱心に私への愛を口にする年下の男性だ。
「子供ができなくても構わないよ。子供の為に結婚するわけじゃないもの。僕はあなたを愛しているから一緒にいたいだけなのです。むしろ子供がいないことでお互いを見つめ合って愛が深まると思う。夫婦に大事なのは子供じゃないよ、お互いの信頼と思いやりじゃないかな?」
私はこの言葉に感動する。
「そうね、子供は養子をとることもできるしね」
私は漸く幸せを掴んだと思ったのだけれど・・・・・・!?
※異世界ざまぁ。現代的な言葉遣い、機器、調味料など出てくる場合あり。貴族のいる世界ですがヒロインは貴族ではありません。
※ゆるふわ設定のご都合主義です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
(完結)妹が捨てた婚約者を拾ってみたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
妹はとても可愛いけれど移り気な性格だ。服も宝石もすぐに飽きて私に無理矢理押しつけ、自分は新しいものを買ってもらう。
「私、ダニエルに飽きちゃったわ。」
でも、まさか婚約者まで飽きるとは思わなかった。
私は彼を慰めているうちに・・・・・・
※異世界のお話、ゆるふわ設定、ご都合主義。
※誤字、脱字やりがちな作者です。教えていただけると助かります。
5話前後の短いお話になる予定です。表紙はpixabay(フリー画像素材)からのものです。
この世界では騎士団長になれば爵位がもらえる設定です。文官より騎士団員のほうが華やかでステータスがあると思われている世界です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
幼馴染をわからせたい ~実は両想いだと気が付かない二人は、今日も相手を告らせるために勝負(誘惑)して空回る~
下城米雪
青春
「よわよわ」「泣いちゃう?」「情けない」「ざーこ」と幼馴染に言われ続けた尾崎太一は、いつか彼女を泣かすという一心で己を鍛えていた。しかし中学生になった日、可愛くなった彼女を見て気持ちが変化する。その後の彼は、自分を認めさせて告白するために勝負を続けるのだった。
一方、彼の幼馴染である穂村芽依は、三歳の時に交わした結婚の約束が生きていると思っていた。しかし友人から「尾崎くんに対して酷過ぎない?」と言われ太一に恨まれていると錯覚する。だが勝負に勝ち続ける限りは彼と一緒に遊べることに気が付いた。そして思った。いつか負けてしまう前に、彼をメロメロにして告らせれば良いのだ。
かくして、実は両想いだと気が付かない二人は、互いの魅力をわからせるための勝負を続けているのだった。
芽衣は少しだけ他人よりも性欲が強いせいで空回りをして、太一は「愛してるゲーム」「脱衣チェス」「乳首当てゲーム」などの意味不明な勝負に惨敗して自信を喪失してしまう。
乳首当てゲームの後、泣きながら廊下を歩いていた太一は、アニメが大好きな先輩、白柳楓と出会った。彼女は太一の話を聞いて「両想い」に気が付き、アドバイスをする。また二人は会話の波長が合うことから、気が付けば毎日会話するようになっていた。
その関係を芽依が知った時、幼馴染の関係が大きく変わり始めるのだった。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる