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20日目(マッサージ2)

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 彼女の名はラフィ。
 この日も遅くまで執務室で書類の作成をしていた。


「ふぅ、例のごとく疲れましたね。相変わらず肩こりもひどいです」

「――なるほど。お揉みしましょう」

 ワキワキ。


「あなたは……」
「どうも、僕です」

 そう言って、男は歴戦の整体師のごとく指をうねらせながらニコリとほほ笑んだ。


「そうですね。ではお言葉に甘えてお願いしましょうか」
「えっ!? いいのですか……?」
「ただし!……い、淫紋はなしです」
「それはフリですか?」
「やっぱりやめま――」
「冗談です。やりましょう。肩でいいですか?」
「はい」(本当に大丈夫かしら……?)

 モミモミ。

「力加減はどうです? 痛くないですか?」
「ん……とても気持ちいいです。むしろもっと強くていいくらいです」
「そうですか。ではもう少し強めに」
「あっ……」
「大丈夫ですか?」
「いえ、続けてください……んぅ……やっ……あん……」
「…………」


 ~30分後~


「はぁ。とってもスッキリしました。肩が軽いです」
「それはなによりです」
「あの……もしご迷惑じゃなかったらまたお願いしてもいいですか?」
「迷惑だなんてそんな。いつでもどうぞ」
「ありがとうございます」
「それに、姫様をマッサージしていると僕も元気がもらえますから」
「元気?」

 股間<どうも、僕です。

「!?」
「いやぁ、姫様のエッチな声を聞いてたらこんなことに」
「やはりもう結構ですっ!」
「そ、そんな……」
 股間<シュン。

「連動しないでください! お引き取りをっ!」
「そうですか。しからば」
 股間<しからば。

 シュバッ。


「まったく。いつもながらとんでもない人ですね」





「…………あ、あんなに///」
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