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第一話 遊戯神の暗躍
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帝侵戦争の真っ只中、神界の最奥にてその様子を見つめる一柱の神がいた。
その神の名はパイディアー。遊戯神パイディアーだ。彼は遊戯神の名の通り娯楽を好む。だからこそ不満だった。人々に心の余裕がなく世界全体が殺伐としてしまうことは彼が最も忌避することである。
もっとも、人族以上に多種多様な文化を生み出し発展させる種族が存在したならば彼の興味はそちらにいっていたであろう。そんなものは無意味な仮定に過ぎないのだが……
彼にとって大切なのは文化の創造である。彼は停滞を嫌いはしない。それもまた創造の糧となるから。だが戦争は違う。戦争は心を荒ませる。それに書物も多大な被害を被るだろう。だから彼は戦争を嫌悪する。
戦争もまた創造の糧となるのは事実ではあるがそうして出来た物は人を笑顔にはさせない。必ず負の感情を抱かせる。遊戯は楽しくなければならない。笑顔でなければならない。
そうは言っても彼が戦争に手を出すことはない。彼が遊戯の神である故に……
戦争そのものに彼は手を出さないが戦後の復興のため、間接的に手を尽くしていた。侵略と占領が続けば人々の創造の炎は消えたしまうだろう。だから彼はとある神と交渉をした。
件の侵略者との戦いを五分五分に持って行き侵略者相手に停戦契約を結ぶことが出来る英雄をこの世界に降臨させるために。
異次元世界の住民をこの世界に転生させたい。そう告げるもどこも門前払い。それも当然の結果である。神にとっての最優先事項は当然自らの世界であり他の世界のことを気にすることなど基本的になく、自分の世界のことは自分で何とかしろと考えているのだ。
そもそも今回の場合は別に世界が危機に瀕しているわけでも他の世界から侵略を受けた訳でもないのだ。最高神ともあろうものが私情で他世界の神との交渉に来る。
それだけでも彼を拒絶する理由には十分なのだ。その協力は決して必要なものではないのだから。これに関しては遊戯神が全面的に悪い。仕事に私情を挟んでいるのだから断られて当然だろう。
数多くの世界を渡り歩き一柱の特異な神と出会った。その神とは多くの功績を残しながらも運悪く辺境に追いやられた苦労人であり、こと魂に限って言えば全ての神々の中でトップクラスの力を持つ冥王……冥界の主ハデスのことである。
彼が自らの世界への魂の融通を頼むとかの神は静かに頷き「最高神でもある貴様が世界のためではなく一種族がために頭を下げるか……実に面白い。その話、条件付きではあるが了承しよう。」と告げた。
『その条件というのは?』
「一つ、融通する魂は貴様の世界への転生を了承した死者のものであること。異世界召喚は禁忌である故これは当然だな。二つ、貴様の神力の3割を我に貸与すること。」
「問題ない。」
「即決、か。ますます貴様に興味が湧いた。貴様の世界の行く末を楽しませてもらうとしよう。」
『それは条件付きに入っていn「問題ない。我が勝手に覗くだけだからな。」』
その神の名はパイディアー。遊戯神パイディアーだ。彼は遊戯神の名の通り娯楽を好む。だからこそ不満だった。人々に心の余裕がなく世界全体が殺伐としてしまうことは彼が最も忌避することである。
もっとも、人族以上に多種多様な文化を生み出し発展させる種族が存在したならば彼の興味はそちらにいっていたであろう。そんなものは無意味な仮定に過ぎないのだが……
彼にとって大切なのは文化の創造である。彼は停滞を嫌いはしない。それもまた創造の糧となるから。だが戦争は違う。戦争は心を荒ませる。それに書物も多大な被害を被るだろう。だから彼は戦争を嫌悪する。
戦争もまた創造の糧となるのは事実ではあるがそうして出来た物は人を笑顔にはさせない。必ず負の感情を抱かせる。遊戯は楽しくなければならない。笑顔でなければならない。
そうは言っても彼が戦争に手を出すことはない。彼が遊戯の神である故に……
戦争そのものに彼は手を出さないが戦後の復興のため、間接的に手を尽くしていた。侵略と占領が続けば人々の創造の炎は消えたしまうだろう。だから彼はとある神と交渉をした。
件の侵略者との戦いを五分五分に持って行き侵略者相手に停戦契約を結ぶことが出来る英雄をこの世界に降臨させるために。
異次元世界の住民をこの世界に転生させたい。そう告げるもどこも門前払い。それも当然の結果である。神にとっての最優先事項は当然自らの世界であり他の世界のことを気にすることなど基本的になく、自分の世界のことは自分で何とかしろと考えているのだ。
そもそも今回の場合は別に世界が危機に瀕しているわけでも他の世界から侵略を受けた訳でもないのだ。最高神ともあろうものが私情で他世界の神との交渉に来る。
それだけでも彼を拒絶する理由には十分なのだ。その協力は決して必要なものではないのだから。これに関しては遊戯神が全面的に悪い。仕事に私情を挟んでいるのだから断られて当然だろう。
数多くの世界を渡り歩き一柱の特異な神と出会った。その神とは多くの功績を残しながらも運悪く辺境に追いやられた苦労人であり、こと魂に限って言えば全ての神々の中でトップクラスの力を持つ冥王……冥界の主ハデスのことである。
彼が自らの世界への魂の融通を頼むとかの神は静かに頷き「最高神でもある貴様が世界のためではなく一種族がために頭を下げるか……実に面白い。その話、条件付きではあるが了承しよう。」と告げた。
『その条件というのは?』
「一つ、融通する魂は貴様の世界への転生を了承した死者のものであること。異世界召喚は禁忌である故これは当然だな。二つ、貴様の神力の3割を我に貸与すること。」
「問題ない。」
「即決、か。ますます貴様に興味が湧いた。貴様の世界の行く末を楽しませてもらうとしよう。」
『それは条件付きに入っていn「問題ない。我が勝手に覗くだけだからな。」』
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