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慣れ
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なあ、黒の書。俺、フルマラソン選手を目指してるんだっけ?
『まらそん?ああ、マラソンね』
そう、あのひたすら走るマラソンだ。そして、フルマラソンとは、42.195キロメートルの道のりをひたすら走る競技だ。最も早く完走出来た者が勝者となる。いかに、一定のペースで走り続けることが出来るかが問われる競技だな。休憩を取らずのノンストップで走り続けるんだ。
『うわっ。大変そー。その途中で妨害があったりする?』
いや、妨害はないな。敢えて言うならば坂道とか雨とかじゃないか?俺もやったことはないから、詳しくは教えられないけど。
『ふーん。妨害はないんだー。でも、そういう競技に出る予定はなかったと思うよ』
やっぱりそうだよな。俺もそんな記憶はないから安心した。でも、今の状況がまさしくマラソンなんだよなー。
チラリと後ろを振り返れば、ワームの魔物の群れが地面を泳ぐように付いて来ていた。1体あたりのワームの太さが2メートルほどもある大型のワームだ。そんなワームの上半身、といえば良いのだろうか?地面から時折、体長の一部を覗かせて俺の姿を確認しているワームたちの全長が、どれぐらいあるかは知らない。しかし、見えている部分よりも見えない部分の方が長いことは予想出来る。かなり大きそうだ。
大きさは良い。いや、構わなくはないのだけれど。そして、その存在を強調するかのようなその色。ワームたちは、光沢のある黒を身に纏っていた。すべすべしていそうな質感の黒を纏った巨大なワームが、群れとなって追いかけてきている。地面に潜り姿を現していないならば良い。しかし、その姿を現した時が生理的に無理であった。うにょうにょと蠢いている姿は、気持ち悪いの一言に尽きる。1体だけならば別に平気だったのに。
そんな集団が俺を追いかけていたのだ。・・・またしても、である。もう、この状況にも慣れたもんだ。
『確かにー、なんかいつもの光景になってきたねー』
黒の書の危機感もだいぶなくなっていた。後ろを見なければ平気であるため、ボーっと前だけを見ながら黒の書と会話をしつつ足を動かす。いつかはワームたちの縄張りの外に出るだろう。そしたら俺を追って来ることもないはずだ。
『うんうん!のんびり走って行こう!』
いや、のんびり走れるほど相手は遅くないのだけれど。まあ、俺たちの心情としてはのんびりってことだな。
実際問題、今までの追いかけっこの中で最も余裕がある状態であった。慣れて来たというものあるのだろうが、今追いかけてきているワームたちの中に、悪魔がいないこともその一因だった。悪魔ならば、それぞれが有する呪いがどのような力か分からないため、常に後方に注意を向けて居なければならない。しかし、今回はワームだけだ。ワームは物理攻撃か地魔法の攻撃しかない。だが、地獄のワームは地魔法を使うことはなさそうだった。その代わり、体表の色と質感が違うため、防御力がとても高い可能性が窺えた。
おかげで、攻撃に注意を払う必要があまりなく、きちんと距離を取りさえすれば、いきなり加速して攻撃してきたとしても、ワームの攻撃を割けることが出来ていた。ワームたちの動きに注意しないというわけではなく、そこまで注意を払う必要がないということなのだ。
そりゃあ、心に余裕が出来てしまうのも仕方がないだろう。そう言えば、慣れた後ほど危険だとどこかで聞いたことがあるな。今の俺たちのように、注意力が低下するからだろう。けれど・・・、ずっと気を張り詰めているのは疲れるからなー。
『あ!何か見えて来た!』
ん?黒の書の声に意識を外に向けると、小さな何かが見えて来た。まだまだ距離はあるようだが、一体何があるのか。方向をそこに定め近づいて行くと、次第にたくさんの木々が見え始めた。どうやら森のようだ。
木、か・・・・。一瞬、脳裏にうねうねと蠢く木が過ったが、見た感じではあの時の木とは別の種類のようだ。だが、安心はできない。新たなエリアだからこそ、あの沼地のように何が起こるか分からないのだ。しかし・・・、俺は進行方向の左から右を簡単に見渡す。前方はどこも森であり、荒野の終わりを示していた。今から右か左かを選んで曲がったとしても、後ろのワームたちは最短距離を選んでくるため、追いつかれてしまう可能性が高い。これは、危険であっても森の中に入るしかないだろう。
『そうだね。それしか安全策はないね。一応気を付けながら入ろうか』
分かった。ワームたちは、俺が森に入り込もうとしていることに気付いたようだ。今までよりもスピードが上がり、俺とワームとの距離が縮まりだした。流石にこの調子では、俺が森に辿り着くよりも前に追いつかれそうだった。ワームはずっと加速していられるわけではないが、頭数はあるので可能性は十分にある。
俺もワームがスピードを上げた時に合わせて足の回転を速め、ワームが今までと同じ速度になれば、俺もその速度に合わせるという一定の距離間を保ち続けた。俺が加速した状態のままでないのは、単に疲れるのが嫌だからである。安全な距離を保つことさえできていれば、わざわざ疲れることをしなくともよいだろう。加速したところで、ワームたちの追跡を撒くことは出来ないのだから。出来ていたのならとっくの昔にやっている。
だんだんと近づいて来る森であったが、近づくにつれて違和感を覚えて行く。そして、残りの距離が1キロぐらいになった時、その違和感の正体に気付いた。
『凄い、大きいね・・・』
そう、木が異常に大きかったのだ。世界樹ほど大きいわけではないが、まるで世界樹で構成された森と錯覚してしまいそうな光景が広がっていた。木々が大きいため、木と木の間隔はかなり広い。後ろを追いかけてきているワームたちでも余裕で入り込める広さだ。森に入り込んでも、暫くは走り続けないといけないだろう。もしかしたら入り込んで来るかもしれない。
決意を固めて俺はそのまま走り続けた。そして、やっと森に到着する。足を止めずに森の中へ突っ込む。俺の体・・・縮んでいたりなんかはしていないよな?小人になっていないよな?そんな心配をしてしまうほど、視覚から得る感覚は今までに経験のない光景が映し出されている。
『もう大丈夫そうだよ』
黒の書の声で足を止める。後ろを振り返ると、森の入口で立ち止まっているワームたちの姿があった。やはり、ここに入って来ることは出来ないようだ。入口付近で俺を見ながらウロウロしている。俺が出て来ないか見張っているようだな。
『あのワームもなかなか大きいのに、ここの木と見比べると普通の大きさのワームっぽいね』
木と木の間隔は、視界に入り込むことすらないほど広い。首を動かして木とワームが同時に目に映るようにする。普通のワームというのが中間界のワームのことだろう。ここのワームよりは確かに小さい。だが、このレベルの大きさのワームがいないこともないため、一概に頷くことは出来なかった。
そうやって俺たちもワームのことを観察していたのが幸いした。ワームたちの内の一匹が怪しい動きをし出した。まるで、俺の周りの森の中を観察するかのように。眉を顰めて様子を窺っていると、ワームが動いた。
なっ!?一気に森の中に入り込んで来たのだ。俺に向かって真っすぐに。咄嗟にワームに対して背を向けて、俺は森の奥へ逃げ出す。なんで森の中にまで入って来るんだよ!!俺は思いっきり毒づきながら、森の奥へと再び駆けて行った。
『まらそん?ああ、マラソンね』
そう、あのひたすら走るマラソンだ。そして、フルマラソンとは、42.195キロメートルの道のりをひたすら走る競技だ。最も早く完走出来た者が勝者となる。いかに、一定のペースで走り続けることが出来るかが問われる競技だな。休憩を取らずのノンストップで走り続けるんだ。
『うわっ。大変そー。その途中で妨害があったりする?』
いや、妨害はないな。敢えて言うならば坂道とか雨とかじゃないか?俺もやったことはないから、詳しくは教えられないけど。
『ふーん。妨害はないんだー。でも、そういう競技に出る予定はなかったと思うよ』
やっぱりそうだよな。俺もそんな記憶はないから安心した。でも、今の状況がまさしくマラソンなんだよなー。
チラリと後ろを振り返れば、ワームの魔物の群れが地面を泳ぐように付いて来ていた。1体あたりのワームの太さが2メートルほどもある大型のワームだ。そんなワームの上半身、といえば良いのだろうか?地面から時折、体長の一部を覗かせて俺の姿を確認しているワームたちの全長が、どれぐらいあるかは知らない。しかし、見えている部分よりも見えない部分の方が長いことは予想出来る。かなり大きそうだ。
大きさは良い。いや、構わなくはないのだけれど。そして、その存在を強調するかのようなその色。ワームたちは、光沢のある黒を身に纏っていた。すべすべしていそうな質感の黒を纏った巨大なワームが、群れとなって追いかけてきている。地面に潜り姿を現していないならば良い。しかし、その姿を現した時が生理的に無理であった。うにょうにょと蠢いている姿は、気持ち悪いの一言に尽きる。1体だけならば別に平気だったのに。
そんな集団が俺を追いかけていたのだ。・・・またしても、である。もう、この状況にも慣れたもんだ。
『確かにー、なんかいつもの光景になってきたねー』
黒の書の危機感もだいぶなくなっていた。後ろを見なければ平気であるため、ボーっと前だけを見ながら黒の書と会話をしつつ足を動かす。いつかはワームたちの縄張りの外に出るだろう。そしたら俺を追って来ることもないはずだ。
『うんうん!のんびり走って行こう!』
いや、のんびり走れるほど相手は遅くないのだけれど。まあ、俺たちの心情としてはのんびりってことだな。
実際問題、今までの追いかけっこの中で最も余裕がある状態であった。慣れて来たというものあるのだろうが、今追いかけてきているワームたちの中に、悪魔がいないこともその一因だった。悪魔ならば、それぞれが有する呪いがどのような力か分からないため、常に後方に注意を向けて居なければならない。しかし、今回はワームだけだ。ワームは物理攻撃か地魔法の攻撃しかない。だが、地獄のワームは地魔法を使うことはなさそうだった。その代わり、体表の色と質感が違うため、防御力がとても高い可能性が窺えた。
おかげで、攻撃に注意を払う必要があまりなく、きちんと距離を取りさえすれば、いきなり加速して攻撃してきたとしても、ワームの攻撃を割けることが出来ていた。ワームたちの動きに注意しないというわけではなく、そこまで注意を払う必要がないということなのだ。
そりゃあ、心に余裕が出来てしまうのも仕方がないだろう。そう言えば、慣れた後ほど危険だとどこかで聞いたことがあるな。今の俺たちのように、注意力が低下するからだろう。けれど・・・、ずっと気を張り詰めているのは疲れるからなー。
『あ!何か見えて来た!』
ん?黒の書の声に意識を外に向けると、小さな何かが見えて来た。まだまだ距離はあるようだが、一体何があるのか。方向をそこに定め近づいて行くと、次第にたくさんの木々が見え始めた。どうやら森のようだ。
木、か・・・・。一瞬、脳裏にうねうねと蠢く木が過ったが、見た感じではあの時の木とは別の種類のようだ。だが、安心はできない。新たなエリアだからこそ、あの沼地のように何が起こるか分からないのだ。しかし・・・、俺は進行方向の左から右を簡単に見渡す。前方はどこも森であり、荒野の終わりを示していた。今から右か左かを選んで曲がったとしても、後ろのワームたちは最短距離を選んでくるため、追いつかれてしまう可能性が高い。これは、危険であっても森の中に入るしかないだろう。
『そうだね。それしか安全策はないね。一応気を付けながら入ろうか』
分かった。ワームたちは、俺が森に入り込もうとしていることに気付いたようだ。今までよりもスピードが上がり、俺とワームとの距離が縮まりだした。流石にこの調子では、俺が森に辿り着くよりも前に追いつかれそうだった。ワームはずっと加速していられるわけではないが、頭数はあるので可能性は十分にある。
俺もワームがスピードを上げた時に合わせて足の回転を速め、ワームが今までと同じ速度になれば、俺もその速度に合わせるという一定の距離間を保ち続けた。俺が加速した状態のままでないのは、単に疲れるのが嫌だからである。安全な距離を保つことさえできていれば、わざわざ疲れることをしなくともよいだろう。加速したところで、ワームたちの追跡を撒くことは出来ないのだから。出来ていたのならとっくの昔にやっている。
だんだんと近づいて来る森であったが、近づくにつれて違和感を覚えて行く。そして、残りの距離が1キロぐらいになった時、その違和感の正体に気付いた。
『凄い、大きいね・・・』
そう、木が異常に大きかったのだ。世界樹ほど大きいわけではないが、まるで世界樹で構成された森と錯覚してしまいそうな光景が広がっていた。木々が大きいため、木と木の間隔はかなり広い。後ろを追いかけてきているワームたちでも余裕で入り込める広さだ。森に入り込んでも、暫くは走り続けないといけないだろう。もしかしたら入り込んで来るかもしれない。
決意を固めて俺はそのまま走り続けた。そして、やっと森に到着する。足を止めずに森の中へ突っ込む。俺の体・・・縮んでいたりなんかはしていないよな?小人になっていないよな?そんな心配をしてしまうほど、視覚から得る感覚は今までに経験のない光景が映し出されている。
『もう大丈夫そうだよ』
黒の書の声で足を止める。後ろを振り返ると、森の入口で立ち止まっているワームたちの姿があった。やはり、ここに入って来ることは出来ないようだ。入口付近で俺を見ながらウロウロしている。俺が出て来ないか見張っているようだな。
『あのワームもなかなか大きいのに、ここの木と見比べると普通の大きさのワームっぽいね』
木と木の間隔は、視界に入り込むことすらないほど広い。首を動かして木とワームが同時に目に映るようにする。普通のワームというのが中間界のワームのことだろう。ここのワームよりは確かに小さい。だが、このレベルの大きさのワームがいないこともないため、一概に頷くことは出来なかった。
そうやって俺たちもワームのことを観察していたのが幸いした。ワームたちの内の一匹が怪しい動きをし出した。まるで、俺の周りの森の中を観察するかのように。眉を顰めて様子を窺っていると、ワームが動いた。
なっ!?一気に森の中に入り込んで来たのだ。俺に向かって真っすぐに。咄嗟にワームに対して背を向けて、俺は森の奥へ逃げ出す。なんで森の中にまで入って来るんだよ!!俺は思いっきり毒づきながら、森の奥へと再び駆けて行った。
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