334 / 340
束の間の休息
しおりを挟む
ちょっ!?何なんだよ!これ!
俺は命からがら沼地を転がりながら木の攻撃から逃げていた。そして、何とか木たちの攻撃範囲から抜けだすことに成功したのだが、休憩している間に気付いてしまった。体中に付着していた泥が固まってしまっていることに。でも、それだけならば別に構わない。軽く体を動かせば、ボロボロと崩れ落ちて行くだろう。しかし、そうではなかったのだ。固まった泥は、まるでコンクリートのように固く重い。再び荒野に戻って来て、休憩のために大の字で寝転がっていた俺は、地面と泥がくっ付いてしまい、身動きが取れない状態になってしまったのだ。
ここに来て薄々と感じてはいたが、地獄では、魔力体でも肉体がある時と同じような状態になるらしい。唯一、言葉だけが念話で置き換えられているぐらいだろう。つまり、地獄で起きることは、全て魔力体に影響を及ぼすということだ。
洞窟の中で出会った魔物のように、肉体を持っていても魔力の影響の方がここでは強いのだ。そして、物体でも魔力体に影響を及ぼすことが出来る。物理攻撃は効かない、などと甘えた考えでは足元を掬われてしまう。
『こんなところでのんびりしている時間はないよ!』
分かってるよ!?だからもう移動しようとしているじゃん!でも、出来ないんだよ!!現状を把握しているはずの黒の書に急かされ、俺は全力で腕や足を持ち上げようと試みるが微動だにしない。これは、肉体がない影響なのだろうか?肉体がないからこそ、身体能力に影響が出ているのかもしれない。肉体の性能には頼れなさそうだ。
俺の腕と足の部分の泥岩からは、ヒビが入った音すらなかった。全く歯が立たない状況になってしまっている。さて・・・・どうしたらいい?
目の前に広がる地獄の空は、雷雨前の怪しげな空模様だ。いつ雨が降り出してもおかしくはないが、何故かすぐには降りそうに見えない。地獄らしく、常にこのような天気なのだろう。晴天とかに会わないしな。
『ねえ!思考放棄して現実逃避しないで!』
だったらこの状況を打破する策を教えて欲しい。俺はいっぱい考えた。いっぱい走った。疲れた。
『そこまで思考放棄することなくない!?』
黒の書だって思考することは出来るんだから、俺の代わりに策を考えてくれよ。危険は今のところないのだから、暫くボーっとさせてくれ。
『・・・・だったら、第1章第1節第2項か、第4項を使うんだね』
・・・・解決策がまさかの魔法か。普通なら魔法を使うのだろうけど、俺の魔法はこんな状況で解決策になるようなものではないと思うんだけど・・・。
『嫌なら自分で他の策を考えなよ。望み通りちゃんと答えたでしょ』
まあ、うん。答えてくれた、な。黒の書に言い返す言葉が見つからない。魔法を使えば、再び悪魔や魔物たちに見つかる危険がある。しかし、魔法を使わなくとも、いつかは見つかってしまう危険がこの場にはある。そして、この状況では黒の書の意見が最も最適であることも分かる。他に方法はないのだから。
だけど問題は・・・。
『召喚は大丈夫だよ。岩人形になった君の右手部分に出て来るから』
岩人形・・・。いや、実際そうなのだから何も言うまい。心配だった召喚が問題なくできるのであれば、魔法も問題なく行使できるな。それにしても、こんなことで俺が魔法を使う日が来るとは。
『その“こんなこと”を解決できないから魔法を使う状況になっているんでしょう』
ごもっとも。黒の書ってなんだかズィーリオスみたいだな。
『君の相手をしていると否応にもそうなっちゃんだよ。はあ』
え、やばっ。今黒の書に溜息吐かれたんだけど!?
『どうでも良いからさっさと魔法を行使するっ!!』
あ、はい。黒の書に叱られて、俺は魔法の内容に思考を向ける。黒の書がおススメしていたのは、第1章第1節の第2項と第4項。第2項は火魔法で、第4項は水魔法だ。水魔法ならばイメージはつく。再び泥に戻して洗い流せってことなのだろう。しかし、選ばれたもう一つの属性は水と対となる火属性。
リアル寸法の人形陶器が完成するなー。中国の兵馬俑にある兵士の一体にさせられるのだろうか。俺、顔まで全部が泥を被ったわけではないぞ?沼地を転がったため、肩から腕、腰から足に掛けて多く泥が付いただけで。あ、後背中もか。顔を含めた他の部分は、僅かに付着した程度だ。頬にもついていることは感覚で分かる。表情を動かす度にむず痒い。
『別に意味もなく火魔法を推薦するわけがないでしょ。焼くのは正解だけど』
あら、焼くのは正解なのか。ってことは・・・・。
『そういうこと!やっとまともに思考してくれた!高火力の火炎を利用して、リュゼの体の周りの泥岩を全部燃やし尽くしてしまおうってこと!』
ちょっと待って。その方法だと、確かに熱波や火炎は俺に効果はないが、溶けた泥岩は俺に影響を与えるんじゃないか?熱せられて溶けているわけだから、相当な温度になっているぞ?
『あー、そこが微妙なところだねー。まあ、大丈夫だとは思うけど・・・行使した魔法によって生じた変化には影響を受けないはずだから』
うーん。これは水魔法の方が良さそうだな。火魔法以外に選択肢がないならばまだしも、最も効果的に見える水魔法があるのだ。ならば、ここは安全を考慮して水魔法を行使しよう。魔法行使後は、完全に危険度が跳ね上がるけど。
水で洗い流した後に、急いで走って逃げよう。そろそろゆっくりと休憩する時間が欲しい。今も休憩の時間ではあったが、この状況は穏やかに休憩できる状況ではないため、息を整える程度の小休憩だった、ということで・・・。
『魔力もあるし問題ないね!よし、やろうか!』
ねえ、ふと思ったんだけどさー。やる気に満ち溢れている黒の書に声を掛ける。魔法を行使した後に、折角散らした悪魔や魔物が再び集まって来るなら、いっそのこと暫くこのままで良くないか?
『・・・・・』
黒の書は何も言わない。だが、黒の書が聞いていることは分かっているため、そのまま俺は理由を述べた。
この状態に悪魔や魔物が集まったら、余計に魔法を行使する。だったら、悪魔と魔物の両方を蹴散らしつつ、この張り付き状態を脱出した方が効率が良くないだろうか。その分、本来ならば今魔法を行使することによって遭遇するかもしれなかった敵を、確実に屠ることが出来る。移動先の安全を気にしながら休憩をする必要もない。そもそも、移動先で休憩が出来るかも分からない。ならば、今ここで大胆に休憩することで、逃げた後の対応がしやすくなるだろ?
『それは・・・あるね』
黒の書が俺の意見に理解を示した。そして、黒の書は自身の判断を肯定するように、もう一度肯定の言葉を吐いた。
『目が覚めてからここまで、色々なことがあったのは事実だ。そして、君の精神にも疲れが見えてきている。束の間でも安全が確保されている今こそ、きちんと休憩をとった方が良いかもしれないね』
おお!?ということは?
『敵が来るまでここで休んで行こうか。まあ、この状態で休めるのかは不明だけど』
お休みの許可をゲットー!荒野で体の半分近くを泥岩で固められたまま、休憩を取る日が来るとは思わなかった。けれど、黒の書の言う通り、束の間でも確実に休憩が得られたのはありがたい。
『お休み・・・?まあ、お休みかな?うん』
そういうことだから、敵の気配がしたらすぐに起こしてな!黒の書に索敵を頼み、俺はいつの間にか力んでいた全身の力を抜く。すると、俺の予想以上に疲弊していたのだろう。あっと言う間に意識が沈んでいった。
俺は命からがら沼地を転がりながら木の攻撃から逃げていた。そして、何とか木たちの攻撃範囲から抜けだすことに成功したのだが、休憩している間に気付いてしまった。体中に付着していた泥が固まってしまっていることに。でも、それだけならば別に構わない。軽く体を動かせば、ボロボロと崩れ落ちて行くだろう。しかし、そうではなかったのだ。固まった泥は、まるでコンクリートのように固く重い。再び荒野に戻って来て、休憩のために大の字で寝転がっていた俺は、地面と泥がくっ付いてしまい、身動きが取れない状態になってしまったのだ。
ここに来て薄々と感じてはいたが、地獄では、魔力体でも肉体がある時と同じような状態になるらしい。唯一、言葉だけが念話で置き換えられているぐらいだろう。つまり、地獄で起きることは、全て魔力体に影響を及ぼすということだ。
洞窟の中で出会った魔物のように、肉体を持っていても魔力の影響の方がここでは強いのだ。そして、物体でも魔力体に影響を及ぼすことが出来る。物理攻撃は効かない、などと甘えた考えでは足元を掬われてしまう。
『こんなところでのんびりしている時間はないよ!』
分かってるよ!?だからもう移動しようとしているじゃん!でも、出来ないんだよ!!現状を把握しているはずの黒の書に急かされ、俺は全力で腕や足を持ち上げようと試みるが微動だにしない。これは、肉体がない影響なのだろうか?肉体がないからこそ、身体能力に影響が出ているのかもしれない。肉体の性能には頼れなさそうだ。
俺の腕と足の部分の泥岩からは、ヒビが入った音すらなかった。全く歯が立たない状況になってしまっている。さて・・・・どうしたらいい?
目の前に広がる地獄の空は、雷雨前の怪しげな空模様だ。いつ雨が降り出してもおかしくはないが、何故かすぐには降りそうに見えない。地獄らしく、常にこのような天気なのだろう。晴天とかに会わないしな。
『ねえ!思考放棄して現実逃避しないで!』
だったらこの状況を打破する策を教えて欲しい。俺はいっぱい考えた。いっぱい走った。疲れた。
『そこまで思考放棄することなくない!?』
黒の書だって思考することは出来るんだから、俺の代わりに策を考えてくれよ。危険は今のところないのだから、暫くボーっとさせてくれ。
『・・・・だったら、第1章第1節第2項か、第4項を使うんだね』
・・・・解決策がまさかの魔法か。普通なら魔法を使うのだろうけど、俺の魔法はこんな状況で解決策になるようなものではないと思うんだけど・・・。
『嫌なら自分で他の策を考えなよ。望み通りちゃんと答えたでしょ』
まあ、うん。答えてくれた、な。黒の書に言い返す言葉が見つからない。魔法を使えば、再び悪魔や魔物たちに見つかる危険がある。しかし、魔法を使わなくとも、いつかは見つかってしまう危険がこの場にはある。そして、この状況では黒の書の意見が最も最適であることも分かる。他に方法はないのだから。
だけど問題は・・・。
『召喚は大丈夫だよ。岩人形になった君の右手部分に出て来るから』
岩人形・・・。いや、実際そうなのだから何も言うまい。心配だった召喚が問題なくできるのであれば、魔法も問題なく行使できるな。それにしても、こんなことで俺が魔法を使う日が来るとは。
『その“こんなこと”を解決できないから魔法を使う状況になっているんでしょう』
ごもっとも。黒の書ってなんだかズィーリオスみたいだな。
『君の相手をしていると否応にもそうなっちゃんだよ。はあ』
え、やばっ。今黒の書に溜息吐かれたんだけど!?
『どうでも良いからさっさと魔法を行使するっ!!』
あ、はい。黒の書に叱られて、俺は魔法の内容に思考を向ける。黒の書がおススメしていたのは、第1章第1節の第2項と第4項。第2項は火魔法で、第4項は水魔法だ。水魔法ならばイメージはつく。再び泥に戻して洗い流せってことなのだろう。しかし、選ばれたもう一つの属性は水と対となる火属性。
リアル寸法の人形陶器が完成するなー。中国の兵馬俑にある兵士の一体にさせられるのだろうか。俺、顔まで全部が泥を被ったわけではないぞ?沼地を転がったため、肩から腕、腰から足に掛けて多く泥が付いただけで。あ、後背中もか。顔を含めた他の部分は、僅かに付着した程度だ。頬にもついていることは感覚で分かる。表情を動かす度にむず痒い。
『別に意味もなく火魔法を推薦するわけがないでしょ。焼くのは正解だけど』
あら、焼くのは正解なのか。ってことは・・・・。
『そういうこと!やっとまともに思考してくれた!高火力の火炎を利用して、リュゼの体の周りの泥岩を全部燃やし尽くしてしまおうってこと!』
ちょっと待って。その方法だと、確かに熱波や火炎は俺に効果はないが、溶けた泥岩は俺に影響を与えるんじゃないか?熱せられて溶けているわけだから、相当な温度になっているぞ?
『あー、そこが微妙なところだねー。まあ、大丈夫だとは思うけど・・・行使した魔法によって生じた変化には影響を受けないはずだから』
うーん。これは水魔法の方が良さそうだな。火魔法以外に選択肢がないならばまだしも、最も効果的に見える水魔法があるのだ。ならば、ここは安全を考慮して水魔法を行使しよう。魔法行使後は、完全に危険度が跳ね上がるけど。
水で洗い流した後に、急いで走って逃げよう。そろそろゆっくりと休憩する時間が欲しい。今も休憩の時間ではあったが、この状況は穏やかに休憩できる状況ではないため、息を整える程度の小休憩だった、ということで・・・。
『魔力もあるし問題ないね!よし、やろうか!』
ねえ、ふと思ったんだけどさー。やる気に満ち溢れている黒の書に声を掛ける。魔法を行使した後に、折角散らした悪魔や魔物が再び集まって来るなら、いっそのこと暫くこのままで良くないか?
『・・・・・』
黒の書は何も言わない。だが、黒の書が聞いていることは分かっているため、そのまま俺は理由を述べた。
この状態に悪魔や魔物が集まったら、余計に魔法を行使する。だったら、悪魔と魔物の両方を蹴散らしつつ、この張り付き状態を脱出した方が効率が良くないだろうか。その分、本来ならば今魔法を行使することによって遭遇するかもしれなかった敵を、確実に屠ることが出来る。移動先の安全を気にしながら休憩をする必要もない。そもそも、移動先で休憩が出来るかも分からない。ならば、今ここで大胆に休憩することで、逃げた後の対応がしやすくなるだろ?
『それは・・・あるね』
黒の書が俺の意見に理解を示した。そして、黒の書は自身の判断を肯定するように、もう一度肯定の言葉を吐いた。
『目が覚めてからここまで、色々なことがあったのは事実だ。そして、君の精神にも疲れが見えてきている。束の間でも安全が確保されている今こそ、きちんと休憩をとった方が良いかもしれないね』
おお!?ということは?
『敵が来るまでここで休んで行こうか。まあ、この状態で休めるのかは不明だけど』
お休みの許可をゲットー!荒野で体の半分近くを泥岩で固められたまま、休憩を取る日が来るとは思わなかった。けれど、黒の書の言う通り、束の間でも確実に休憩が得られたのはありがたい。
『お休み・・・?まあ、お休みかな?うん』
そういうことだから、敵の気配がしたらすぐに起こしてな!黒の書に索敵を頼み、俺はいつの間にか力んでいた全身の力を抜く。すると、俺の予想以上に疲弊していたのだろう。あっと言う間に意識が沈んでいった。
1
お気に入りに追加
1,854
あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
異世界でひっそりと暮らしたいのに次々と巻き込まれるのですが?
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
旧名「異世界でひっそりと暮らしたいのですが」
俺──柊 秋人は交通事故で死んでしまった。
気付き目を開けると、目の前には自称女神様を名乗る神様がいた。そんな女神様は俺を転生させてくれた。
俺の転生する世界、そこは剣と魔法が飛び交うファンタジー世界!
その転生先はなんと、色鮮やかな花々が咲き乱れる楽園──ではなかった。
神に見放され、英雄や勇者すら帰ることはないとされる土地、その名は世界最凶最難関ダンジョン『死を呼ぶ終焉の森』。
転生から1年経った俺は、その森の暮らしに適応していた。
そして、転生してから世界を観てないので、森を出た俺は家を建ててひっそりと暮らすも次々と巻き込まれることに──……!?

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる