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精霊の園へ
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『お前の眷属も付けておかなくて良いのか?』
トストスと軽やかな足音が森の中に響き渡る中、たまにパキッと枝が折れる音が混じる。風を切る音が、白い残像と共に森を駆けていった。白い残像となっている一体の白い獣が森の中を走り回る。他に生命の気配はない森は、どこか生物の本能的な恐怖を駆り立てる。だが、神々しい雰囲気をまとう白い獣は、なんともない様子でどこかへ向かう。その足取りに迷いはない。
『大丈夫よぉ。ちゃんと約束は守るってくれるものぉ』
白い獣の少し前方にて、透けた体をした美女が浮かぶように飛んでいる。その美女が白い獣を先導する形で彼等は進んでいた。美女は実体がないのだろう。立ち塞がる木々を物ともせず最短距離で突き進んでいく。木々を透過しながら進む美女の後ろを、白い獣はそのしなやかな肉体で一定に距離を保ちながら追いかけている。白い獣は木々を避けながら進んでいるが、その背中には、1人の少年を乗せていた。それにも関わらず、少年が白い獣の背中から落ちる気配は微塵もない。
『悪魔とは思えない程真面目なタイプだからねぇ』
『そうかもしれないな』
後ろを付いて来ている白い獣のことを、全く配慮する気のない道のりを進むユヴェーレンは、置いてきた仲間のことを心配しているズィーリオスに、あっけらかんと答える。
かなりテキトーで軽い返答だが、ズィーリオスよりもユヴェーレンの方がアバドンとの交友歴は長い。ズィーリオスはユヴェーレンに何も言うことなく黙って後を追い駆ける。
そして再び、ズィーリオスの足音と風を切る音だけが森に響き渡る。
『大人しく待っているのはまあ、大丈夫だと思う。多分新メニューの開発でもして時間を潰しているだろうから。だが、種をちゃんと持っているか気になるな。次元収納に入れていたらダメだろ?それでちゃんと持ってたとか言い出しそうだ・・・』
唐突にズィーリオスがユヴェーレンに投げ掛ける。今までずっと黙っている間、未だにアバドンのことについて考えていたらしい。
『大丈夫よぉ。ちゃんとポケットに入れておくように言い聞かせておいたからぁ』
間を置かずにユヴェーレンは返答する。アバドンに対する信頼が厚い。そんな自信満々なユヴェーレンに、ズィーリオスはこれ以上何かをいうことは止めたようだ。視線をユヴェーレンよりさらに奥、進行方向のその先に向ける。そこは何もない森が広がるのみで、特別のものは何も見えない。
『精霊の園って聖域の近くにあるのか?方向が同じだな・・・』
『あらぁ。そうなのぉ?』
ユヴェーレンが目を丸くしてズィーリオスの方向に目を向ける。ユヴェーレンの案内でズィーリオス達は精霊の園に向かっているのだが、その方向が聖域の方向でもあったのだ。
『ならぁ、貴方としてはそっちに行きたい感じかしらぁ?リュゼを送ってくれたら行って来てもいいわよぉ?』
『ふん。聖域の方は後回しで良い』
少々煽り気味な口調のユヴェーレンが、口角を上げてわざわざズィーリオスの近くまで戻ってきた。そして、ユヴェーレンがズィーリオスの周囲を八の字で飛び回っていると、ズィーリオスが半目でユヴェーレンを一瞥して顔を逸らした。相手をするつもりがないことが良く分かる。
『そんなことよりも、リュゼを精霊の園に放置していく方が問題だ。ただでさえお前みたいなのがいるのに』
『ちょっとぉっ!どういうことよぉ!』
ユヴェーレンを置いてズィーリオスが先に進む。残されたユヴェーレンは、その後ろ姿に文句を良いながら駆けて行くズィーリオスを追って行った。
『着いたわぁ』
『ここ?』
ユヴェーレンとズィーリオスが進むこと暫く。
突如、ユヴェーレンが声を上げた。しかし、ズィーリオスはユヴェーレンの言っていることを理解出来ずに首を傾げる。そこは何の変哲もない森の中であった。今までの森の景色と変わらない光景だが、ユヴェーレンはドヤ顔でズィーリオスを見下ろす。先ほどのことをまだ根に持っていたのだろう。
『何も見えないし感じないでしょぉ?そりゃあそうよねぇ!』
ズィーリオスの目が再び半目になる。ズィーリオスは、もう完全に相手にしないことを決めたらしい。さっさと状況説明をしろ、という催促の視線をユヴェーレンに送っていた。しかし、ユヴェーレンは何も出来ないズィーリオスの姿に愉悦を感じてしまっているようだ。ズィーリオスの催促を無視し、ドヤ顔で焦らし始めていた。
ズィーリオスもそこまで焦らされるとは思っていなかったようだ。5分が経過しても説明を始めないユヴェーレンに、ズィーリオスの方が少しイラつき始めた。地面を軽く掘りながらイライラを拡散していた。そんなズィーリオスの姿に味を占めたユヴェーレンは、更に焦らしを行うことにしたようだ。
ズィーリオスがイラつきのあまり、飛び出していた爪で地面を抉る。ズィーリオスの牙が剥き出しになった時、ズィーリオスの動きが止まる。背中に乗っていたリュゼが身じろぎをしたのだった。その瞬間、ズィーリオスは冷静になったようで、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせた。
『あらぁ?忍耐力が凄いわねぇー』
つまらなさそうに唇を尖らせてユヴェーレンがズィーリオスの目の前に現れた。しかし、ズィーリオスは剥き出しだった爪を収納し、ユヴェーレンに背を向けて距離を取る。ズィーリオスは、ユヴェーレンを相手にこの程度の距離を取ることに意味がないことは知っているが、視界からユヴェーレンを追い出すことを優先したらしい。そんなズィーリオスの態度に溜息を吐いたユヴェーレンは、やっと説明する気になったようだった。
『精霊の園の入口の付近一帯には結界が張られているのぉ。そしてぇ、入口の目の前にも更に別の結界がねぇ。外側の結界はぁ、外から来る者達が入口付近に辿り着けないようにするための目隠しねぇ。方向感覚を狂わせてぇ、内側までは来れないような結界ねぇ。ここまで来ようとしても外に出ちゃう結界よぉ。そしてぇ、こっちの入口にあるのが精霊以外は感知することすら出来ない結界ねぇ。完全に隠しているでしょぉ?』
ユヴェーレンが自信満々に説明する。今までは聖域を感知出来なかった立場だから、見事にお互いの立場が逆になったことを強調していた。
『だが、この結界をユヴェーレンが張っているわけじゃないだろ?』
『・・・・』
ユヴェーレンの笑みが固まる。そして、ズィーリオスの言葉が聞こえなかったフリをして、1本の木の側に移動して行った。
『やっぱりそうだよな。ユヴェーレンどころかどの精霊王でも無理だ。俺にさえ感知を許さない結界となると・・・・』
ズィーリオスはユヴェーレンを見る。ユヴェーレンはもう、あからさまにズィーリオスに背中を見せていた。ズィーリオスはユヴェーレンを一瞥し、背中のリュゼを風魔法でしっかり安定する位置に移動させた。
『おい。話を『さぁー!行くわよぉー』・・・・』
ズィーリオスのセリフを遮って、ユヴェーレンがワザとらしい明るい声を上げる。もうズィーリオスは何も言わなくなった。
『こんなに長い間外に出たことがなかったからぁ、短い間と言えども久しぶりに感じるわねぇ。さぁって。皆がどんな顔をするか楽しみだわぁ!』
テンションが高めのユヴェーレンが何の変哲もない木に触れると、その木の幹の部分が歪みだし、人一人分ほどの大きさの白い何かが発生した。先ほどまで合った木は完全になくなっており、木に見えていた物が実際は何もない空間であったことが明らかになった。あの木自体が結界を開くための鍵なのだろう。
『行きましょうかぁ。さぁー、どうぞぉ?』
白い空間に向いたユヴェーレンは、その一言を言い放ち腕を白い空間に向けた。そして、ズィーリオスはその白い空間の中へ躊躇うことなく入って行った。白い空間に消えたズィーリオスの後ろ姿を確認したユヴェーレンは、同じく白い空間の中に消えていく。
2人が消えた後には、元通りの何の変哲もない森があるだけだった。
トストスと軽やかな足音が森の中に響き渡る中、たまにパキッと枝が折れる音が混じる。風を切る音が、白い残像と共に森を駆けていった。白い残像となっている一体の白い獣が森の中を走り回る。他に生命の気配はない森は、どこか生物の本能的な恐怖を駆り立てる。だが、神々しい雰囲気をまとう白い獣は、なんともない様子でどこかへ向かう。その足取りに迷いはない。
『大丈夫よぉ。ちゃんと約束は守るってくれるものぉ』
白い獣の少し前方にて、透けた体をした美女が浮かぶように飛んでいる。その美女が白い獣を先導する形で彼等は進んでいた。美女は実体がないのだろう。立ち塞がる木々を物ともせず最短距離で突き進んでいく。木々を透過しながら進む美女の後ろを、白い獣はそのしなやかな肉体で一定に距離を保ちながら追いかけている。白い獣は木々を避けながら進んでいるが、その背中には、1人の少年を乗せていた。それにも関わらず、少年が白い獣の背中から落ちる気配は微塵もない。
『悪魔とは思えない程真面目なタイプだからねぇ』
『そうかもしれないな』
後ろを付いて来ている白い獣のことを、全く配慮する気のない道のりを進むユヴェーレンは、置いてきた仲間のことを心配しているズィーリオスに、あっけらかんと答える。
かなりテキトーで軽い返答だが、ズィーリオスよりもユヴェーレンの方がアバドンとの交友歴は長い。ズィーリオスはユヴェーレンに何も言うことなく黙って後を追い駆ける。
そして再び、ズィーリオスの足音と風を切る音だけが森に響き渡る。
『大人しく待っているのはまあ、大丈夫だと思う。多分新メニューの開発でもして時間を潰しているだろうから。だが、種をちゃんと持っているか気になるな。次元収納に入れていたらダメだろ?それでちゃんと持ってたとか言い出しそうだ・・・』
唐突にズィーリオスがユヴェーレンに投げ掛ける。今までずっと黙っている間、未だにアバドンのことについて考えていたらしい。
『大丈夫よぉ。ちゃんとポケットに入れておくように言い聞かせておいたからぁ』
間を置かずにユヴェーレンは返答する。アバドンに対する信頼が厚い。そんな自信満々なユヴェーレンに、ズィーリオスはこれ以上何かをいうことは止めたようだ。視線をユヴェーレンよりさらに奥、進行方向のその先に向ける。そこは何もない森が広がるのみで、特別のものは何も見えない。
『精霊の園って聖域の近くにあるのか?方向が同じだな・・・』
『あらぁ。そうなのぉ?』
ユヴェーレンが目を丸くしてズィーリオスの方向に目を向ける。ユヴェーレンの案内でズィーリオス達は精霊の園に向かっているのだが、その方向が聖域の方向でもあったのだ。
『ならぁ、貴方としてはそっちに行きたい感じかしらぁ?リュゼを送ってくれたら行って来てもいいわよぉ?』
『ふん。聖域の方は後回しで良い』
少々煽り気味な口調のユヴェーレンが、口角を上げてわざわざズィーリオスの近くまで戻ってきた。そして、ユヴェーレンがズィーリオスの周囲を八の字で飛び回っていると、ズィーリオスが半目でユヴェーレンを一瞥して顔を逸らした。相手をするつもりがないことが良く分かる。
『そんなことよりも、リュゼを精霊の園に放置していく方が問題だ。ただでさえお前みたいなのがいるのに』
『ちょっとぉっ!どういうことよぉ!』
ユヴェーレンを置いてズィーリオスが先に進む。残されたユヴェーレンは、その後ろ姿に文句を良いながら駆けて行くズィーリオスを追って行った。
『着いたわぁ』
『ここ?』
ユヴェーレンとズィーリオスが進むこと暫く。
突如、ユヴェーレンが声を上げた。しかし、ズィーリオスはユヴェーレンの言っていることを理解出来ずに首を傾げる。そこは何の変哲もない森の中であった。今までの森の景色と変わらない光景だが、ユヴェーレンはドヤ顔でズィーリオスを見下ろす。先ほどのことをまだ根に持っていたのだろう。
『何も見えないし感じないでしょぉ?そりゃあそうよねぇ!』
ズィーリオスの目が再び半目になる。ズィーリオスは、もう完全に相手にしないことを決めたらしい。さっさと状況説明をしろ、という催促の視線をユヴェーレンに送っていた。しかし、ユヴェーレンは何も出来ないズィーリオスの姿に愉悦を感じてしまっているようだ。ズィーリオスの催促を無視し、ドヤ顔で焦らし始めていた。
ズィーリオスもそこまで焦らされるとは思っていなかったようだ。5分が経過しても説明を始めないユヴェーレンに、ズィーリオスの方が少しイラつき始めた。地面を軽く掘りながらイライラを拡散していた。そんなズィーリオスの姿に味を占めたユヴェーレンは、更に焦らしを行うことにしたようだ。
ズィーリオスがイラつきのあまり、飛び出していた爪で地面を抉る。ズィーリオスの牙が剥き出しになった時、ズィーリオスの動きが止まる。背中に乗っていたリュゼが身じろぎをしたのだった。その瞬間、ズィーリオスは冷静になったようで、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせた。
『あらぁ?忍耐力が凄いわねぇー』
つまらなさそうに唇を尖らせてユヴェーレンがズィーリオスの目の前に現れた。しかし、ズィーリオスは剥き出しだった爪を収納し、ユヴェーレンに背を向けて距離を取る。ズィーリオスは、ユヴェーレンを相手にこの程度の距離を取ることに意味がないことは知っているが、視界からユヴェーレンを追い出すことを優先したらしい。そんなズィーリオスの態度に溜息を吐いたユヴェーレンは、やっと説明する気になったようだった。
『精霊の園の入口の付近一帯には結界が張られているのぉ。そしてぇ、入口の目の前にも更に別の結界がねぇ。外側の結界はぁ、外から来る者達が入口付近に辿り着けないようにするための目隠しねぇ。方向感覚を狂わせてぇ、内側までは来れないような結界ねぇ。ここまで来ようとしても外に出ちゃう結界よぉ。そしてぇ、こっちの入口にあるのが精霊以外は感知することすら出来ない結界ねぇ。完全に隠しているでしょぉ?』
ユヴェーレンが自信満々に説明する。今までは聖域を感知出来なかった立場だから、見事にお互いの立場が逆になったことを強調していた。
『だが、この結界をユヴェーレンが張っているわけじゃないだろ?』
『・・・・』
ユヴェーレンの笑みが固まる。そして、ズィーリオスの言葉が聞こえなかったフリをして、1本の木の側に移動して行った。
『やっぱりそうだよな。ユヴェーレンどころかどの精霊王でも無理だ。俺にさえ感知を許さない結界となると・・・・』
ズィーリオスはユヴェーレンを見る。ユヴェーレンはもう、あからさまにズィーリオスに背中を見せていた。ズィーリオスはユヴェーレンを一瞥し、背中のリュゼを風魔法でしっかり安定する位置に移動させた。
『おい。話を『さぁー!行くわよぉー』・・・・』
ズィーリオスのセリフを遮って、ユヴェーレンがワザとらしい明るい声を上げる。もうズィーリオスは何も言わなくなった。
『こんなに長い間外に出たことがなかったからぁ、短い間と言えども久しぶりに感じるわねぇ。さぁって。皆がどんな顔をするか楽しみだわぁ!』
テンションが高めのユヴェーレンが何の変哲もない木に触れると、その木の幹の部分が歪みだし、人一人分ほどの大きさの白い何かが発生した。先ほどまで合った木は完全になくなっており、木に見えていた物が実際は何もない空間であったことが明らかになった。あの木自体が結界を開くための鍵なのだろう。
『行きましょうかぁ。さぁー、どうぞぉ?』
白い空間に向いたユヴェーレンは、その一言を言い放ち腕を白い空間に向けた。そして、ズィーリオスはその白い空間の中へ躊躇うことなく入って行った。白い空間に消えたズィーリオスの後ろ姿を確認したユヴェーレンは、同じく白い空間の中に消えていく。
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