172 / 340
ベン領からの帰途
しおりを挟む
「ああ良かった!無事でしたか!?」
ベン領主邸から出て、離れた位置にある街の入口に辿り着くと、その入り口の側にエリムが立っていた。お腹が空き過ぎて疲れ果てた俺は、モフモフで快適な移動・・・・はさせてもらえず、人化したズィーリオスに負ぶわれていた。筋肉質な背中は硬い。
赤黒く変わってしまったドレスは着替えており、ズィーリオスのクリーンのおかげで全身綺麗にスッキリとしていた。だが、クリーンをしたときに髪の色も纏めて落ちてしまったので、懐かしさすら感じるフードを被っている。
「あれ程の化け・・・も・・・・・な、なんで一緒にいるんですか!?」
笑顔で俺たち一同を見渡したエリムの顔は笑顔のまま引きつり、次第に相好を崩して形容しがたい表情になる。器用だな。
「拾わざるを得なかったから拾った。分かっていると思うけど、あいつが悪魔だってことは内密にしてくれ」
「は、はい。分かりました。混乱を招きますからね」
かくかくとした動きでエリムがズィーリオスの言葉に肯く。すぐそばで鼻歌を歌っている悪魔は、見るからにエリムと違って随分と機嫌が良い。俺たちに同行が許された悪魔は、唯一1人だけご機嫌なのである。同行したいなら悪魔だとバレないように、変に目立たないようにと言い聞かせたため、死を感じさせるような威圧は全く発していない。されに悪魔も人化が可能なようで、滅茶苦茶目立っていた角は綺麗さっぱりなくなっていた。だがそのお陰で、どこぞの貴族の護衛騎士のような雰囲気である。別の意味で目立つ。
「はぁ、一応あの悪魔は精霊王の知り合いらしい。あいつは大丈夫とのことだから心配しなくていい」
今は大人しくしている悪魔だが、されど悪魔は悪魔であるためいつ豹変するか分からない。不安を拭いきれないエリムだったが、精霊王の知り合いと聞き、なら大丈夫なのかとホッとしたように息を吐いた。精霊王への信頼度が半端ない。あのテキトーな精霊王に幻想を抱いているに違いないな。
エリムを先導にして街の中に入る。街の中には普段通りに生活している住民たちの姿があった。
「あれ?住民たちは避難させなかったのか?」
俺の誰にともない疑問にエリムが答える。ベン領の領主邸は、ダガリスのところのように町中にあるわけではなく、街から少し離れた小高い丘の上に立っている。そのため領主邸からここまでは距離があるが、遠いということもない。大体500メートルぐらいだろうか。そして俺が囚われていた部屋は、領主邸の地下道を通った先にある地下室だった。その部屋の地上部は領主邸の裏に広がる森であり、英雄の森の外周部に隣接している場所だった。領主邸ではなく、その部屋の位置からこの街までの距離で見た時、明らかに黒の書の影響範囲内だった。
「ええ。避難させなかったというよりも、避難させれなかったと言った方が正しいですね。闇の精霊王様が領主邸から出来るだけ距離を取るようにとおっしゃられたので、援軍に来た者だけではなく街の住人も避難させた方が良いと判断しました。そのため、援軍の者達は保護した者達とすぐに移動を開始させました」
エリムは実際に自分の目で悪魔の姿を見たのだから、その危険性を十分すぎる程理解したのだろう。
「けれど。住民たちは念のための避難だと言っても聞く耳を持たず、領主の指示でないなら聞かないと誰も動きませんでした。裏であのような事をしていたにも関わらず、領民からしてみたら真面目な良い領主だったのでしょう。ですから最悪の場合を想定し、私が最も領主邸に近い西門にて待機していたのです。少しでも被害を抑えるために」
溜息を吐いて立ち止まったエリムは振り返る。
「もちろん、上手くいって皆さんが戻って来るのを出迎えたかったという気持ちもありますよ?」
薄く笑いながら言うエリムは、何も起きずに良かったと胸を撫で下ろした。何も考えずに俺が黒の書を発動していたら、今頃エリムは死んでいただろう。それを想像し、少しだけ変な気分になる。だが、すぐに消えた感情を俺はその後気にすることはなかった。
避難させていたメンバーは既に先行しているらしい。なので俺たちも帰ることにし、俺たちのために用意していたらしい馬車に乗り、ダガリスの屋敷に帰るその道中。
俺、ズィーリオス、精霊王、悪魔の4名だけになった馬車の中で、悪魔から色々と聞くために話をした。因みにエリムは御者台に座っている。
そして多少、悪魔の脱線した話を戻す手間暇がかかったが、いくつか聞きたいことは聞けた。悪魔がどういう者達なのか他を知らないので何とも言えないが、結構会話が成立がするので危険性は感じない。
だがやはり、悪魔は悪魔なのだと認識することとなった。
消えたラダーガについて聞くと、願いを聴いた対価として魂を貰い受け、肉体は腐敗させたため消滅したように見えたらしい。魂を貰い受けたと言っていたが、俺からしたら奪ったようにしか見えなかった。お互い対価を払う形で対等的に交渉が成立しているので、図式化してみた場合は、確かに貰い受けたという表現が適切だろう。けれど、ダガリスがあれ程命を懸けてまで殺すのではなく無力化を選んだ様子を見ていた側としては、もう少しタイミングというものがあっただろうと思わざるを得ない。
ダガリスの目が覚めた時、ラダーガは死んだと聞かされるのだ。殺さず行動を無効化したということは、ダガリスはラダーガに罪を償って欲しかったのではないか。魂を貰い受けるのはそのあとでも良かったのではないか。その推察が正しいのかは分からないが、例えそうだったとしても、もうラダーガはいない。
だからこれ以上、終わったことに対して文句を言っても仕方ない。過ぎたこととして自分を納得させた。
肉体を腐敗させた理由はきちんとあった。既に戦いの影響で見た目はボロボロ。さらに、力を与えたことによりその力の大きさにラダーガの体が耐え切れず、体内から体の崩壊が始まっていたらしい。意識がある状態で苦痛に悶え死ぬよりは、意識がない状態でさっさと殺してやった方が良いだろうという、悪魔なりの慈悲だった。
最終的に放っておいたとしても、遺体は同じように跡形も残らず消えていたようだ。それが悪魔に願いを聞いた貰った全ての者の最期だという。何一つ残ることなく、魂すらも悪魔に捧げなくなる。俺のように転生する機会すらなくなるのだ。そうなると分かっていても、ラダーガはダガリスに勝ちたいと悪魔を喚んだ。
しかし結果は引き分けだった。それだけダガリスが強かったのだ。その結果をラダーガはどう受け止めるのだろう。もう自我などなくなり、二度と行いを振り返ることも出来ないが。
そんなラダーガだが、彼が予定していた召喚方法とは違った方法でこの悪魔は現れた。ラダーガにとっては、俺というイレギュラーの存在により計画が頓挫しかけていたためラッキーだっただろうが、今後同じような状況になりかけたら阻止しないといけない。必ずしもこの悪魔のように友好的な悪魔がやって来るとは限らないのだ。悪魔自身が言っていた、本来現れるはずだった悪魔が嗜虐性の強い悪魔であったかもしれない。この悪魔も俺に付いて行くのが目的の一部と言っていた。だからもし俺があの場に居なければ、大虐殺が起きていた可能性もある。何が召喚の条件だったか確認する必要があるだろう。
そして悪魔の話を聞くと、どうやら大部分は俺に責任が、というかほとんど俺のせいだった。
ベン領主邸から出て、離れた位置にある街の入口に辿り着くと、その入り口の側にエリムが立っていた。お腹が空き過ぎて疲れ果てた俺は、モフモフで快適な移動・・・・はさせてもらえず、人化したズィーリオスに負ぶわれていた。筋肉質な背中は硬い。
赤黒く変わってしまったドレスは着替えており、ズィーリオスのクリーンのおかげで全身綺麗にスッキリとしていた。だが、クリーンをしたときに髪の色も纏めて落ちてしまったので、懐かしさすら感じるフードを被っている。
「あれ程の化け・・・も・・・・・な、なんで一緒にいるんですか!?」
笑顔で俺たち一同を見渡したエリムの顔は笑顔のまま引きつり、次第に相好を崩して形容しがたい表情になる。器用だな。
「拾わざるを得なかったから拾った。分かっていると思うけど、あいつが悪魔だってことは内密にしてくれ」
「は、はい。分かりました。混乱を招きますからね」
かくかくとした動きでエリムがズィーリオスの言葉に肯く。すぐそばで鼻歌を歌っている悪魔は、見るからにエリムと違って随分と機嫌が良い。俺たちに同行が許された悪魔は、唯一1人だけご機嫌なのである。同行したいなら悪魔だとバレないように、変に目立たないようにと言い聞かせたため、死を感じさせるような威圧は全く発していない。されに悪魔も人化が可能なようで、滅茶苦茶目立っていた角は綺麗さっぱりなくなっていた。だがそのお陰で、どこぞの貴族の護衛騎士のような雰囲気である。別の意味で目立つ。
「はぁ、一応あの悪魔は精霊王の知り合いらしい。あいつは大丈夫とのことだから心配しなくていい」
今は大人しくしている悪魔だが、されど悪魔は悪魔であるためいつ豹変するか分からない。不安を拭いきれないエリムだったが、精霊王の知り合いと聞き、なら大丈夫なのかとホッとしたように息を吐いた。精霊王への信頼度が半端ない。あのテキトーな精霊王に幻想を抱いているに違いないな。
エリムを先導にして街の中に入る。街の中には普段通りに生活している住民たちの姿があった。
「あれ?住民たちは避難させなかったのか?」
俺の誰にともない疑問にエリムが答える。ベン領の領主邸は、ダガリスのところのように町中にあるわけではなく、街から少し離れた小高い丘の上に立っている。そのため領主邸からここまでは距離があるが、遠いということもない。大体500メートルぐらいだろうか。そして俺が囚われていた部屋は、領主邸の地下道を通った先にある地下室だった。その部屋の地上部は領主邸の裏に広がる森であり、英雄の森の外周部に隣接している場所だった。領主邸ではなく、その部屋の位置からこの街までの距離で見た時、明らかに黒の書の影響範囲内だった。
「ええ。避難させなかったというよりも、避難させれなかったと言った方が正しいですね。闇の精霊王様が領主邸から出来るだけ距離を取るようにとおっしゃられたので、援軍に来た者だけではなく街の住人も避難させた方が良いと判断しました。そのため、援軍の者達は保護した者達とすぐに移動を開始させました」
エリムは実際に自分の目で悪魔の姿を見たのだから、その危険性を十分すぎる程理解したのだろう。
「けれど。住民たちは念のための避難だと言っても聞く耳を持たず、領主の指示でないなら聞かないと誰も動きませんでした。裏であのような事をしていたにも関わらず、領民からしてみたら真面目な良い領主だったのでしょう。ですから最悪の場合を想定し、私が最も領主邸に近い西門にて待機していたのです。少しでも被害を抑えるために」
溜息を吐いて立ち止まったエリムは振り返る。
「もちろん、上手くいって皆さんが戻って来るのを出迎えたかったという気持ちもありますよ?」
薄く笑いながら言うエリムは、何も起きずに良かったと胸を撫で下ろした。何も考えずに俺が黒の書を発動していたら、今頃エリムは死んでいただろう。それを想像し、少しだけ変な気分になる。だが、すぐに消えた感情を俺はその後気にすることはなかった。
避難させていたメンバーは既に先行しているらしい。なので俺たちも帰ることにし、俺たちのために用意していたらしい馬車に乗り、ダガリスの屋敷に帰るその道中。
俺、ズィーリオス、精霊王、悪魔の4名だけになった馬車の中で、悪魔から色々と聞くために話をした。因みにエリムは御者台に座っている。
そして多少、悪魔の脱線した話を戻す手間暇がかかったが、いくつか聞きたいことは聞けた。悪魔がどういう者達なのか他を知らないので何とも言えないが、結構会話が成立がするので危険性は感じない。
だがやはり、悪魔は悪魔なのだと認識することとなった。
消えたラダーガについて聞くと、願いを聴いた対価として魂を貰い受け、肉体は腐敗させたため消滅したように見えたらしい。魂を貰い受けたと言っていたが、俺からしたら奪ったようにしか見えなかった。お互い対価を払う形で対等的に交渉が成立しているので、図式化してみた場合は、確かに貰い受けたという表現が適切だろう。けれど、ダガリスがあれ程命を懸けてまで殺すのではなく無力化を選んだ様子を見ていた側としては、もう少しタイミングというものがあっただろうと思わざるを得ない。
ダガリスの目が覚めた時、ラダーガは死んだと聞かされるのだ。殺さず行動を無効化したということは、ダガリスはラダーガに罪を償って欲しかったのではないか。魂を貰い受けるのはそのあとでも良かったのではないか。その推察が正しいのかは分からないが、例えそうだったとしても、もうラダーガはいない。
だからこれ以上、終わったことに対して文句を言っても仕方ない。過ぎたこととして自分を納得させた。
肉体を腐敗させた理由はきちんとあった。既に戦いの影響で見た目はボロボロ。さらに、力を与えたことによりその力の大きさにラダーガの体が耐え切れず、体内から体の崩壊が始まっていたらしい。意識がある状態で苦痛に悶え死ぬよりは、意識がない状態でさっさと殺してやった方が良いだろうという、悪魔なりの慈悲だった。
最終的に放っておいたとしても、遺体は同じように跡形も残らず消えていたようだ。それが悪魔に願いを聞いた貰った全ての者の最期だという。何一つ残ることなく、魂すらも悪魔に捧げなくなる。俺のように転生する機会すらなくなるのだ。そうなると分かっていても、ラダーガはダガリスに勝ちたいと悪魔を喚んだ。
しかし結果は引き分けだった。それだけダガリスが強かったのだ。その結果をラダーガはどう受け止めるのだろう。もう自我などなくなり、二度と行いを振り返ることも出来ないが。
そんなラダーガだが、彼が予定していた召喚方法とは違った方法でこの悪魔は現れた。ラダーガにとっては、俺というイレギュラーの存在により計画が頓挫しかけていたためラッキーだっただろうが、今後同じような状況になりかけたら阻止しないといけない。必ずしもこの悪魔のように友好的な悪魔がやって来るとは限らないのだ。悪魔自身が言っていた、本来現れるはずだった悪魔が嗜虐性の強い悪魔であったかもしれない。この悪魔も俺に付いて行くのが目的の一部と言っていた。だからもし俺があの場に居なければ、大虐殺が起きていた可能性もある。何が召喚の条件だったか確認する必要があるだろう。
そして悪魔の話を聞くと、どうやら大部分は俺に責任が、というかほとんど俺のせいだった。
11
お気に入りに追加
1,854
あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる