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成長への願い〈ズィーリオス視点〉
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なぜはっきりと口にしないんだ!リュゼ!?
リュゼの魔力に乗る感情は、目の前の本人の言動と一致していない。棒の付いた甘い菓子、ペロペロキャンディーなるものを口に含んだリュゼを、隣の席から見下ろしていた。その時のことを、隣の部屋で着替えるリュゼを待つ間に回想する。
女性の恰好は、女性と良く見間違われるリュゼにとって、絶対にやりたくないものの一つであろうことは容易に想像できた。けれど俺は、リュゼが人と共に生きていけるように、色々な後押しをする役割を先代から任されている。
『人は人の中で生きるべきだ』
先代にそう言われ、リュゼを引っ張り実際に森の中から出て、人間だけでなく獣人やエルフ、ドワーフなどの“人”と関わり合い触れ合うことで、俺自身も先代と同じ考えを持つに至った。
例え世の中が辛かろうとも、人は人の中にいてこそ得られる力がある。そして、学びがある。特に人間などの、短い時の中を生きる人は、その辛い出来事を乗り越えることで見えてくる景色がある。
俺たち聖獣や精霊、ドラゴンなどの長命種は、人のように全力で立ち向かわないといけないほどの、辛い出来事などそうそう起こりえないのだ。
たった一人でもなんの問題もなく生きていけるのだから、他者に頼ろうなどという考えが思い浮かばない。己の力で乗り越えられることがほとんどで、それも苦労するようなものではない。だからこそ、自由に生きる。少しでも嫌な事があるのなら、やらなければいい。避ければいい。そうしたとしても、これからの生になんの影響も受けないのだから。
繁殖をして種を残す生物であるドラゴンでも、人のように頻繁に種を残すことはない。2,3百年に一体の幼いドラゴンが生まれるかどうかぐらいだ。生殖本能やその必要が一切ない、聖獣や精霊に至っては、苦労などという現象は起こること自体が稀だ。特に精霊は、自由を体現したような存在であるため、それが顕著に見られる。成すべき役割を運命付けられている聖獣でも、その役割を果たせばいいだけなのだから、割と自由に生きていける。
けれど、短かな時を生きる“人”は弱く脆い存在である。群れなければ他の生命体に食い殺されてしまいかねない。種の生存に関わるため、繁殖を繰り返し、その数を増やすことによって圧倒的数の暴力によって繁栄してきた。そして、群れることによってお互いを守り、僅かばかりの持てる力を持ち寄って助け合い生きている。そうすることでしか生き残れないと、本能が知っているから。
そうした社会の中では、苦楽を免れない。必然的に酸いも甘いも知ることになる。中でも、荒波に飲み込まれ揉みくちゃにされてしまうこともある。力尽きて沈んでしまう人もいれば、必死になって耐えどうにか陸地に上がることが出来る人もいる。陸に上がれた者は、荒波に落ちる前とは比べ物にならない程、その精神は堅牢になっている。足元の岩に躓き、壁に進路を妨害されたとしても、立ち上がり、壁の先へ進むための試行錯誤を行う。この程度のことは乗り越えられると、内にある自らの経験から推察が出来るのだ。
自信という確固たる強さを手に入れる。勿論荒波に飲まれるのは、一度や二度では済まないかもしれない。けれど、険しい道のりを超えたその先に、自らの理想郷が広がっているはずだから。
けれど、その理想郷に辿り着くことが出来るのは、ごく僅かな者だけだ。多くの者達が、その道のりを歩むことをやめてしまう。
しかし、理想郷に足を踏み入れる権利があるのは“人”のみなのだ。
聖獣や精霊、ドラゴンの多くにはその権限は存在しない。荒波に飲まれる前に、簡単に回避してしまうのだから。必死で歩むことのない道のりの先を見たとしても、その風景はいつも見ている光景となんら変わりはない。それは偏に、理想郷の存在しないつまらない景色だ。つまらない景色を何百年、何千年も見ているなど、なんの意味があるのだろうか。
リュゼは実力的なものだけを考えると、本人の考えている通り、人と関わらずとも生きていくことは可能だ。人離れしたその力は、自由に生きていくだけなら十分過ぎる。
けれど、リュゼは人間だ。
人間のみならず、人は人と関わりを持つことによって、人生の生きる糧となる。周りの人との関係が良い者ほど、長生きすると言われている。長命種からしたら僅かな延命であるが、短な時しかない人にとって、その時間はかなり大きな差となる。
それだけではなく、リュゼが人間だからこそ、理想郷に辿り着く権利を有しているのだ。俺には見ることの出来ないその景色を見て欲しい。
だけどそれは、リュゼに荒波に飲まれて欲しいと言ってるに相応しい。辛い姿は見たくない。荒波に浮き輪を投げ入れたい。けれど、それではリュゼの成長の機会を奪ってしまう。成長の邪魔をすることはしたくない。特にリュゼは、あの魔導書の持ち主だ。
あの魔導書が何たるかを知っている俺としては、今後のために余裕がある今のうちに、成長する機会を見す見す逃すことは許容出来ない。そうすることによって、リュゼが立ち直れない程の大けがを負う可能性があるのだから。面と向かって本人に言うことでもないけど。
だからまずは、少しづつでも他人と関わっていく練習から初めてもらおうとした。再び人の中で生活したいといつかリュゼが思うようになった時、何不自由なく人と接することが出来るように。いくら俺がずっと側にいるといっても、俺は人ではない。人と接することから学べることは多い。俺と一緒にいるだけでは、学ぶことの出来ないことがある。それをリュゼには知っていて欲しい。それを知っても尚、人は嫌だと言うのなら仕方ない。
でも俺は、リュゼが本心から人の事を嫌っているわけではないことを知っている。本当に人は誰も信じず嫌っているのなら、口調が悪いというだけの問題以外にも色々引き起こしていたはずだ。それに、王族の子どもと実の弟との関係だって修復することはなかっただろう。ドワーフの子供や、ジュリアを助けることもしなかったはずだ。
少なくともリュゼは、自分より小さな子供には優しい。それだけがわかっただけでも、十分だろう。リュゼはなんだかんだと手を差し伸べている。
だから今回も、簡単に手を貸してくれると思っていた。けれど、女の人のなりをするということを伝えた時、リュゼから伝わって来た感情は僅かばかりの「諦め」とほとんどを占める「無」であった。
ペロペロキャンディーを食べながら無意識に乗せてしまっていたのだろう。俺以外は気付いていないようだったが、その顔に感情はなかった。食い意地が張っているリュゼが、美味しい物を食べたいという言葉は嘘ではないだろう。けれど、それほどでもないという言葉は怪しい。
自分の心を一度無にし、別の事に焦点を当てている。防御本能が働いたようだった。それは明確な、リュゼにとっての乗り越えなければならない壁。リュゼの場合は、先代が荒波から助けたことによって、自力で陸に上がったわけではない。そしてそのことから目を逸らしている。つまり、リュゼは逃げ続けているのだ。
そして今、目の前の岩に躓いた。既に罅が入った状態で、堅牢に修復されていない状態で、躓いてしまった。石だらけの道だったのか、足を怪我している。それでも俺は手を差し伸べてやることは出来ない。自力で立ち上がり、歩を進めなければいけない。
ねえ、リュゼ?自分に嘘をつきたくないと言うのなら。
今回はちゃんと、向き合うんだよ?
リュゼの魔力に乗る感情は、目の前の本人の言動と一致していない。棒の付いた甘い菓子、ペロペロキャンディーなるものを口に含んだリュゼを、隣の席から見下ろしていた。その時のことを、隣の部屋で着替えるリュゼを待つ間に回想する。
女性の恰好は、女性と良く見間違われるリュゼにとって、絶対にやりたくないものの一つであろうことは容易に想像できた。けれど俺は、リュゼが人と共に生きていけるように、色々な後押しをする役割を先代から任されている。
『人は人の中で生きるべきだ』
先代にそう言われ、リュゼを引っ張り実際に森の中から出て、人間だけでなく獣人やエルフ、ドワーフなどの“人”と関わり合い触れ合うことで、俺自身も先代と同じ考えを持つに至った。
例え世の中が辛かろうとも、人は人の中にいてこそ得られる力がある。そして、学びがある。特に人間などの、短い時の中を生きる人は、その辛い出来事を乗り越えることで見えてくる景色がある。
俺たち聖獣や精霊、ドラゴンなどの長命種は、人のように全力で立ち向かわないといけないほどの、辛い出来事などそうそう起こりえないのだ。
たった一人でもなんの問題もなく生きていけるのだから、他者に頼ろうなどという考えが思い浮かばない。己の力で乗り越えられることがほとんどで、それも苦労するようなものではない。だからこそ、自由に生きる。少しでも嫌な事があるのなら、やらなければいい。避ければいい。そうしたとしても、これからの生になんの影響も受けないのだから。
繁殖をして種を残す生物であるドラゴンでも、人のように頻繁に種を残すことはない。2,3百年に一体の幼いドラゴンが生まれるかどうかぐらいだ。生殖本能やその必要が一切ない、聖獣や精霊に至っては、苦労などという現象は起こること自体が稀だ。特に精霊は、自由を体現したような存在であるため、それが顕著に見られる。成すべき役割を運命付けられている聖獣でも、その役割を果たせばいいだけなのだから、割と自由に生きていける。
けれど、短かな時を生きる“人”は弱く脆い存在である。群れなければ他の生命体に食い殺されてしまいかねない。種の生存に関わるため、繁殖を繰り返し、その数を増やすことによって圧倒的数の暴力によって繁栄してきた。そして、群れることによってお互いを守り、僅かばかりの持てる力を持ち寄って助け合い生きている。そうすることでしか生き残れないと、本能が知っているから。
そうした社会の中では、苦楽を免れない。必然的に酸いも甘いも知ることになる。中でも、荒波に飲み込まれ揉みくちゃにされてしまうこともある。力尽きて沈んでしまう人もいれば、必死になって耐えどうにか陸地に上がることが出来る人もいる。陸に上がれた者は、荒波に落ちる前とは比べ物にならない程、その精神は堅牢になっている。足元の岩に躓き、壁に進路を妨害されたとしても、立ち上がり、壁の先へ進むための試行錯誤を行う。この程度のことは乗り越えられると、内にある自らの経験から推察が出来るのだ。
自信という確固たる強さを手に入れる。勿論荒波に飲まれるのは、一度や二度では済まないかもしれない。けれど、険しい道のりを超えたその先に、自らの理想郷が広がっているはずだから。
けれど、その理想郷に辿り着くことが出来るのは、ごく僅かな者だけだ。多くの者達が、その道のりを歩むことをやめてしまう。
しかし、理想郷に足を踏み入れる権利があるのは“人”のみなのだ。
聖獣や精霊、ドラゴンの多くにはその権限は存在しない。荒波に飲まれる前に、簡単に回避してしまうのだから。必死で歩むことのない道のりの先を見たとしても、その風景はいつも見ている光景となんら変わりはない。それは偏に、理想郷の存在しないつまらない景色だ。つまらない景色を何百年、何千年も見ているなど、なんの意味があるのだろうか。
リュゼは実力的なものだけを考えると、本人の考えている通り、人と関わらずとも生きていくことは可能だ。人離れしたその力は、自由に生きていくだけなら十分過ぎる。
けれど、リュゼは人間だ。
人間のみならず、人は人と関わりを持つことによって、人生の生きる糧となる。周りの人との関係が良い者ほど、長生きすると言われている。長命種からしたら僅かな延命であるが、短な時しかない人にとって、その時間はかなり大きな差となる。
それだけではなく、リュゼが人間だからこそ、理想郷に辿り着く権利を有しているのだ。俺には見ることの出来ないその景色を見て欲しい。
だけどそれは、リュゼに荒波に飲まれて欲しいと言ってるに相応しい。辛い姿は見たくない。荒波に浮き輪を投げ入れたい。けれど、それではリュゼの成長の機会を奪ってしまう。成長の邪魔をすることはしたくない。特にリュゼは、あの魔導書の持ち主だ。
あの魔導書が何たるかを知っている俺としては、今後のために余裕がある今のうちに、成長する機会を見す見す逃すことは許容出来ない。そうすることによって、リュゼが立ち直れない程の大けがを負う可能性があるのだから。面と向かって本人に言うことでもないけど。
だからまずは、少しづつでも他人と関わっていく練習から初めてもらおうとした。再び人の中で生活したいといつかリュゼが思うようになった時、何不自由なく人と接することが出来るように。いくら俺がずっと側にいるといっても、俺は人ではない。人と接することから学べることは多い。俺と一緒にいるだけでは、学ぶことの出来ないことがある。それをリュゼには知っていて欲しい。それを知っても尚、人は嫌だと言うのなら仕方ない。
でも俺は、リュゼが本心から人の事を嫌っているわけではないことを知っている。本当に人は誰も信じず嫌っているのなら、口調が悪いというだけの問題以外にも色々引き起こしていたはずだ。それに、王族の子どもと実の弟との関係だって修復することはなかっただろう。ドワーフの子供や、ジュリアを助けることもしなかったはずだ。
少なくともリュゼは、自分より小さな子供には優しい。それだけがわかっただけでも、十分だろう。リュゼはなんだかんだと手を差し伸べている。
だから今回も、簡単に手を貸してくれると思っていた。けれど、女の人のなりをするということを伝えた時、リュゼから伝わって来た感情は僅かばかりの「諦め」とほとんどを占める「無」であった。
ペロペロキャンディーを食べながら無意識に乗せてしまっていたのだろう。俺以外は気付いていないようだったが、その顔に感情はなかった。食い意地が張っているリュゼが、美味しい物を食べたいという言葉は嘘ではないだろう。けれど、それほどでもないという言葉は怪しい。
自分の心を一度無にし、別の事に焦点を当てている。防御本能が働いたようだった。それは明確な、リュゼにとっての乗り越えなければならない壁。リュゼの場合は、先代が荒波から助けたことによって、自力で陸に上がったわけではない。そしてそのことから目を逸らしている。つまり、リュゼは逃げ続けているのだ。
そして今、目の前の岩に躓いた。既に罅が入った状態で、堅牢に修復されていない状態で、躓いてしまった。石だらけの道だったのか、足を怪我している。それでも俺は手を差し伸べてやることは出来ない。自力で立ち上がり、歩を進めなければいけない。
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