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魔力の使い道
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「グッ!?うぅ」
攻撃の衝撃を完全には流しきることが出来ず、初めて怪我らしき怪我を負う。何とか均衡を保ち続けていたその流れが、この瞬間、傾く。
ズィーリオスに念話が繋がらず、未だ増援の気配のしない薄暗い地下の通路。
停滞していた空気が動き出す。
俺にとっては逆風として、敵にとっては追い風として。
ただでさえ不利な状況が、更に絶望的な状況へと傾いていく。
そんな俺に生まれた隙は大きい。追い打ちをかけるようにザスの攻撃が重く、早く、鋭くなる。いくら身体強化で底上げをしていても、負傷前から受けきることが出来ず、受け流すことしか出来なかった攻撃を、片手一本で為せるはずがない。熾烈を極めていくザスの攻撃に比例して、俺の体に刻まれていく傷が増えていっていた。これ以上の重症を避けるために、細かな回復しきれなくなる傷が増殖していく。
その状況でも、魔法攻撃は止まない。
それどころか魔法による補助も加わったことで、一切の余裕がなくなった。魔法を気にしていられると切られ、剣を気にすると魔法の餌食になる。
ザスと細身の男の連携は、気持ち悪い程に噛み合っていた。
制限を掛けている場合ではない。このままでは最悪、死体になりかけの瀕死の重傷になって連行されるかもしれない。いや、本当の最悪として、なりかけではなくなってしまうかも。死体に。
馬鹿みたいにある魔力を体外に放出し、体の周りに分厚い魔力鎧を展開する。もう鎧とは言えないレベルの分厚さだが、その魔力の濃度の高さは一種の魔力溜まりであった。
動く魔力溜まり。
その異変を感じ取ったようで、ザスが攻撃の手を止めて俺から距離を取る。急激な魔力の高まりに、俺の周囲に風が発生し出す。
魔力による圧力、魔圧差から生じた上昇気流だ。被っていたマントの裾がはためく。はためきが強くなり、そして、フードが・・・・・捲り上げられる。
一気に開けた視界が、俺の目に映るかどうかというタイミングでザスに肉薄し、最速の剣技である突きを放つ。
見開いたザスの黄緑色の瞳に俺が映りこむ。
結んでいた髪が、度重なる熾烈な剣戟に耐え切れなかったようで、解けていた。腰まで届く長く白い髪を、空中にまき散らした俺の姿が。
だが、次の瞬間には俺の剣がその瞳に映り、ハッとしたザスが回避行動をとる。が、僅かな隙を見逃してやるはずがない。伸ばした腕へ全力の部位強化を掛けて加速させていた。
ザスより一足早く俺の部位強化に気付き、我に返った細身の男がザスの前に光の壁を展開させるが、俺の領域と化した魔力鎧の中に入った瞬間、その莫大な魔力に晒されて消滅した。回避行動をとっていたお陰か、ザスは俺の剣に当たることはなかった。
薄皮一枚を切るかどうかのギリギリでかわしきった。ように見えた。
俺の剣をもろに食らうことはなかったが、攻撃は・・・・届いた。
魔力をまとった剣は多少の距離など関係なく、避けたはずのザスの脇腹を切りつけたのだ。それも、かなりざっくりと。
赤い鮮血が薄暗闇の中で飛び散った。
その様子を、苦痛に耐えながら驚愕の表情で眺めていたザスが動きを止めたと同時に、俺は一転して細身の男へと突っ込む。しかし、こちらはザスとは違い冷静だった。
腰に下げていた剣の柄に手を掛けた、ように見えた途端、ゾクッとした寒気を感じて剣の軌道を強引に変え、剣を立てて横なぎに払う。
ギィーーン。
直後、金属音が通路に響き渡る。
払ったそれは、両刃の剣ではなく。レイピアだった。
速さに特化した攻撃が特徴的な片手剣。
再度振るわれたレイピアの剣先は、俺に当たるには距離があった。けれど、当たるはずがないその距離は、関係ない。
切っ先周辺から複数の光の矢が生まれ、放たれたからだ。
ただのレイピアではない。杖と同じ効力を持った、魔法補助の役目も担っているようだった。
しかしながら、距離も魔法補助も今の俺には関係ない。
俺の魔力鎧の領域に入った魔法はその全てが消滅していた。
そして細身の男の魔法がピタリと止み、レイピアを構えた。
「強引な魔力による魔法消滅。なるほど。倍以上の魔力をぶつけると発動した魔法を消し潰せるのか」
先ほどの光の壁の消滅と、今しがたの光の矢の消滅現象から答えを導き出したようだが、正解だと教えてやる気はない。
後方ではザスが傷口を抑えながら俺に剣を構え、隙あらば切りかかって来ようとしている事が気配で分かる。
「それにしても、白い髪、か。こんな所にいたとは。人魚も領主の孫とやらなんかどうでもいい。ザス、予定変更だ」
「わーってるっつうの」
人魚もジュリアもどうでもいい?それは返してくれるということだろうか。
普段であれば気付いただろう俺自身へ向けられた不穏なセリフも、今だけは聞き流してしまっていた。
俺は大量の汗を掻いていた。汗が止まらず、服がしっとりとし出してずいぶん経つ。動くたびに揺れる折れた左手首の腕の痛みのせいであった。
強烈な痛みは思考力を奪う。
もう俺は、目的であるジュリアと人魚の人質たちを奪還する事だけを考えていた。いかに早く奪還出来るか。いかに早く、この地獄の様な痛みから解放されるか。その為には、救出しきらないといけない。ただそれだけを考えていた。
「おい、お前が俺に怪我を負わせることが出来た褒美をやろう」
「褒美?」
先ほどまでの殺伐とした戦いの空気が無くなり、戦う気はもうないと言わんばかりに剣を収めたザスが、興味深げに俺を見ながら言い放つ。
剣を収めた瞬間に振り返り、ザスを切りつけようと僅かに動いた途端、前方の細身の男から今までにない猛烈な殺気が放たれ、動くことが出来ずに硬直してしまった。しかし、そんな明らかな隙が出たにも関わらず、細身の男は俺にレイピアを突き立てる動きを見せなかった。
本当に攻撃する気はないのだろう。というか、最初から俺を殺すつもりはなかったのだ。本気で殺そうとしていたら既に死んでいたはずだ。様子を窺いつつ剣を鞘に納めると、殺気が無くなり、再び抜こうとした途端殺気が膨れ上がるので、大人しく剣を収めた。魔力鎧も通常通りに戻す。
彼ら2人共先ほどは、俺を強引に連れて行こうとしていたが、もし死んだとしたらドンマイだな、ぐらいの様子だった。けれど今は、殺すことなく連れて行こうという雰囲気であった。
「そう、褒美だ。もうお前は限界だろ?」
ニヤリと片方の口角を上げてザスが笑う。答える気はやはり無いが、内心その通りだった。頭が朦朧とし出していた。
「俺とアンドリューは手をださないでやる。ただし、条件がある」
細身の男に向けて顎をしゃくりながら告げる。最も強い2人が邪魔をしない。それはとても魅力的な話だ。
「条件?」
だからだろう。無意識で反復する。
「ああそうだ。お前が抵抗せずに俺たちに付いて来る事。ただそれだけだ。簡単だろう?」
終わりの見えない朦朧とした意識のまま圧倒的格上と戦うより、ただ俺が付いて行けば良いだけというのはとても容易い。
だって逃げてはいけないとは言われていないし、付いて来いということは、彼らのアジトに行くということだ。なら、他の消えた行方不明者たちがいるかもしれない。どうせズィーリオスなら助けに行くと言い、俺も手を貸すことになるだろうな。俺が行けば探す手間が省けるし、ズィーリオスならおれの居場所が分かる。断る必要はない。
「わ「何言ってるんですか!お二人さんよぉ!?」」
「分かった」と答えようとしたタイミングで、今まで大人しくしていた他の敵のうちの一人である、先頭で周囲を照らしていた男がザスに突っかかる。
条件で、2人は手を出さないと言っていた。ならば他の敵を助けることはしないということ。
チャンスであった。
ザスに突っかかった男に肉薄して剣を一閃。その後ろで固まっている人質3人を過ぎ去り、その背後にいた3人の男たちを魔力の斬撃で一撃で殲滅する。
「取引は成立ということだな」
血払いをして剣を収めた俺を見て、満足気にザスが頷く。
通路には、ザスとアンドリューと呼ばれた細身の男が裏切った元仲間の死体が転がった。
振り返り、ジュリアと人魚の2人が元気なことを確認して、笑う。
もう人質は解放された。
ここに来た目的は、果たした。
攻撃の衝撃を完全には流しきることが出来ず、初めて怪我らしき怪我を負う。何とか均衡を保ち続けていたその流れが、この瞬間、傾く。
ズィーリオスに念話が繋がらず、未だ増援の気配のしない薄暗い地下の通路。
停滞していた空気が動き出す。
俺にとっては逆風として、敵にとっては追い風として。
ただでさえ不利な状況が、更に絶望的な状況へと傾いていく。
そんな俺に生まれた隙は大きい。追い打ちをかけるようにザスの攻撃が重く、早く、鋭くなる。いくら身体強化で底上げをしていても、負傷前から受けきることが出来ず、受け流すことしか出来なかった攻撃を、片手一本で為せるはずがない。熾烈を極めていくザスの攻撃に比例して、俺の体に刻まれていく傷が増えていっていた。これ以上の重症を避けるために、細かな回復しきれなくなる傷が増殖していく。
その状況でも、魔法攻撃は止まない。
それどころか魔法による補助も加わったことで、一切の余裕がなくなった。魔法を気にしていられると切られ、剣を気にすると魔法の餌食になる。
ザスと細身の男の連携は、気持ち悪い程に噛み合っていた。
制限を掛けている場合ではない。このままでは最悪、死体になりかけの瀕死の重傷になって連行されるかもしれない。いや、本当の最悪として、なりかけではなくなってしまうかも。死体に。
馬鹿みたいにある魔力を体外に放出し、体の周りに分厚い魔力鎧を展開する。もう鎧とは言えないレベルの分厚さだが、その魔力の濃度の高さは一種の魔力溜まりであった。
動く魔力溜まり。
その異変を感じ取ったようで、ザスが攻撃の手を止めて俺から距離を取る。急激な魔力の高まりに、俺の周囲に風が発生し出す。
魔力による圧力、魔圧差から生じた上昇気流だ。被っていたマントの裾がはためく。はためきが強くなり、そして、フードが・・・・・捲り上げられる。
一気に開けた視界が、俺の目に映るかどうかというタイミングでザスに肉薄し、最速の剣技である突きを放つ。
見開いたザスの黄緑色の瞳に俺が映りこむ。
結んでいた髪が、度重なる熾烈な剣戟に耐え切れなかったようで、解けていた。腰まで届く長く白い髪を、空中にまき散らした俺の姿が。
だが、次の瞬間には俺の剣がその瞳に映り、ハッとしたザスが回避行動をとる。が、僅かな隙を見逃してやるはずがない。伸ばした腕へ全力の部位強化を掛けて加速させていた。
ザスより一足早く俺の部位強化に気付き、我に返った細身の男がザスの前に光の壁を展開させるが、俺の領域と化した魔力鎧の中に入った瞬間、その莫大な魔力に晒されて消滅した。回避行動をとっていたお陰か、ザスは俺の剣に当たることはなかった。
薄皮一枚を切るかどうかのギリギリでかわしきった。ように見えた。
俺の剣をもろに食らうことはなかったが、攻撃は・・・・届いた。
魔力をまとった剣は多少の距離など関係なく、避けたはずのザスの脇腹を切りつけたのだ。それも、かなりざっくりと。
赤い鮮血が薄暗闇の中で飛び散った。
その様子を、苦痛に耐えながら驚愕の表情で眺めていたザスが動きを止めたと同時に、俺は一転して細身の男へと突っ込む。しかし、こちらはザスとは違い冷静だった。
腰に下げていた剣の柄に手を掛けた、ように見えた途端、ゾクッとした寒気を感じて剣の軌道を強引に変え、剣を立てて横なぎに払う。
ギィーーン。
直後、金属音が通路に響き渡る。
払ったそれは、両刃の剣ではなく。レイピアだった。
速さに特化した攻撃が特徴的な片手剣。
再度振るわれたレイピアの剣先は、俺に当たるには距離があった。けれど、当たるはずがないその距離は、関係ない。
切っ先周辺から複数の光の矢が生まれ、放たれたからだ。
ただのレイピアではない。杖と同じ効力を持った、魔法補助の役目も担っているようだった。
しかしながら、距離も魔法補助も今の俺には関係ない。
俺の魔力鎧の領域に入った魔法はその全てが消滅していた。
そして細身の男の魔法がピタリと止み、レイピアを構えた。
「強引な魔力による魔法消滅。なるほど。倍以上の魔力をぶつけると発動した魔法を消し潰せるのか」
先ほどの光の壁の消滅と、今しがたの光の矢の消滅現象から答えを導き出したようだが、正解だと教えてやる気はない。
後方ではザスが傷口を抑えながら俺に剣を構え、隙あらば切りかかって来ようとしている事が気配で分かる。
「それにしても、白い髪、か。こんな所にいたとは。人魚も領主の孫とやらなんかどうでもいい。ザス、予定変更だ」
「わーってるっつうの」
人魚もジュリアもどうでもいい?それは返してくれるということだろうか。
普段であれば気付いただろう俺自身へ向けられた不穏なセリフも、今だけは聞き流してしまっていた。
俺は大量の汗を掻いていた。汗が止まらず、服がしっとりとし出してずいぶん経つ。動くたびに揺れる折れた左手首の腕の痛みのせいであった。
強烈な痛みは思考力を奪う。
もう俺は、目的であるジュリアと人魚の人質たちを奪還する事だけを考えていた。いかに早く奪還出来るか。いかに早く、この地獄の様な痛みから解放されるか。その為には、救出しきらないといけない。ただそれだけを考えていた。
「おい、お前が俺に怪我を負わせることが出来た褒美をやろう」
「褒美?」
先ほどまでの殺伐とした戦いの空気が無くなり、戦う気はもうないと言わんばかりに剣を収めたザスが、興味深げに俺を見ながら言い放つ。
剣を収めた瞬間に振り返り、ザスを切りつけようと僅かに動いた途端、前方の細身の男から今までにない猛烈な殺気が放たれ、動くことが出来ずに硬直してしまった。しかし、そんな明らかな隙が出たにも関わらず、細身の男は俺にレイピアを突き立てる動きを見せなかった。
本当に攻撃する気はないのだろう。というか、最初から俺を殺すつもりはなかったのだ。本気で殺そうとしていたら既に死んでいたはずだ。様子を窺いつつ剣を鞘に納めると、殺気が無くなり、再び抜こうとした途端殺気が膨れ上がるので、大人しく剣を収めた。魔力鎧も通常通りに戻す。
彼ら2人共先ほどは、俺を強引に連れて行こうとしていたが、もし死んだとしたらドンマイだな、ぐらいの様子だった。けれど今は、殺すことなく連れて行こうという雰囲気であった。
「そう、褒美だ。もうお前は限界だろ?」
ニヤリと片方の口角を上げてザスが笑う。答える気はやはり無いが、内心その通りだった。頭が朦朧とし出していた。
「俺とアンドリューは手をださないでやる。ただし、条件がある」
細身の男に向けて顎をしゃくりながら告げる。最も強い2人が邪魔をしない。それはとても魅力的な話だ。
「条件?」
だからだろう。無意識で反復する。
「ああそうだ。お前が抵抗せずに俺たちに付いて来る事。ただそれだけだ。簡単だろう?」
終わりの見えない朦朧とした意識のまま圧倒的格上と戦うより、ただ俺が付いて行けば良いだけというのはとても容易い。
だって逃げてはいけないとは言われていないし、付いて来いということは、彼らのアジトに行くということだ。なら、他の消えた行方不明者たちがいるかもしれない。どうせズィーリオスなら助けに行くと言い、俺も手を貸すことになるだろうな。俺が行けば探す手間が省けるし、ズィーリオスならおれの居場所が分かる。断る必要はない。
「わ「何言ってるんですか!お二人さんよぉ!?」」
「分かった」と答えようとしたタイミングで、今まで大人しくしていた他の敵のうちの一人である、先頭で周囲を照らしていた男がザスに突っかかる。
条件で、2人は手を出さないと言っていた。ならば他の敵を助けることはしないということ。
チャンスであった。
ザスに突っかかった男に肉薄して剣を一閃。その後ろで固まっている人質3人を過ぎ去り、その背後にいた3人の男たちを魔力の斬撃で一撃で殲滅する。
「取引は成立ということだな」
血払いをして剣を収めた俺を見て、満足気にザスが頷く。
通路には、ザスとアンドリューと呼ばれた細身の男が裏切った元仲間の死体が転がった。
振り返り、ジュリアと人魚の2人が元気なことを確認して、笑う。
もう人質は解放された。
ここに来た目的は、果たした。
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