37 / 340
順調な旅路
しおりを挟む
馬車から降りたアイゼンは周囲を見渡し、俺を見つけるとニヤニヤとした顔を向けて来た。
「なんでアイゼンがここにいるんだ?」
暫くアイゼンを見つめた後に、言葉を発する。その間の俺の表情が余程間抜け面になってしまっていたのか、肩を震わせながら腹を抱えるアイゼン。アンナはそれを、溜息を吐きながら首を横に振って見やる。
「よろしく頼むと言ったはずだぞ。ぷっ。くっくっく」
「いやいやいや!アンナのことを、だと普通思うだろ!護衛対象が増えてるじゃないか!」
「なに、英雄ならこれぐらい大した問題ではないだろう?それに、”普通”に生きる気はないんじゃなかったのか?」
「くっ!確かに普通に生きる気はないが、護衛対象が1人増えるだけでだいぶ負担が大きくなるぞ?しかも護衛依頼初受注の人にこんなことをやるなど、リスクが大き過ぎる。理解出来ない」
「安心しろ。この王都に繋がる道では強い魔物が出ることはない。英雄ほどの実力者なら手こずることはないだろ」
「対処可能なレベルであれば構わないが。あ、あと、その英雄って呼ぶの止めてくれ。他の場所ではただの冒険者だ。ガルム達もいて、その呼び方の人が多すぎて一々訂正はしなかったが、これからはそうもいかない」
アイゼンを護衛するのはもうこの際構わない。付いてきてしまっている時点でどうしようもない。それよりも、気になっていた英雄呼びについて止めるように伝える。ネーデでは仕方ないと思っていたが、今いるメンバーでネーデの英雄といえば俺を指すことになる。そんな小っ恥ずかしい状況に陥りたくない。良い意味でも悪い意味でも目立つ。余計なトラブルはお断りだ。
「”普通”なら何故と問うところだが”普通”じゃないお前なら理解出来なくもない。目立ちたくない、余計なことに巻き込まれたくないというところか?」
「そうだ。」
「わかった。では、一貫してリュゼと呼ぶことにしよう」
良かった。英雄呼びは回避できたようだ。それにしても、アイゼンとはあまり交流をしていないのに、俺の性格を大体把握出来ているのが凄いな。ギルマスたちとの会話も把握しているようだが、以前聞いたとは言っていた程度からこれほどのことがわかるものなのか?ストーカー?だとしたら、ズィーリオスが気付くだろうし、視線に関しては俺も感じることは得意なんだがな。やっぱり、本人のスキルなのかもしれない。だから陞爵出来たのかもな。
アイゼンとアンナは、いつの間にか準備されていたテーブルとイスに座り、休憩に入る。その側では、昼食の準備が進められていた。
周辺に魔物の気配はしないので、ズィーリオスの昼食は確保出来そうにない。人と同じもので、且つ魔力が含まれているもので我慢してもらうしかないだろう。こんな時にマジックバックがあれば、ズィーリオスの食料を持ち歩くことが出来るのにな。早いとこダンジョンに潜ろう。
昼食を食べ終え、再び進路を王都にとる。夜になるにつれて魔物は活発になっていくので、襲撃の1回や2回はあると思っていたが全くなかった。本当に強い魔物はいないようだ。
ズィーリオス曰く、かなり遠く離れたところにそれなりの魔物の気配がする時もあるが、近づいて来ることはないらしい。
強くランクの高い魔物が現れず文句を言うのは俺たちぐらいだろうな。今後護衛依頼を受ける必要はないのだから、自分たちのみで移動する時は、獣道や道なき道を進んでいく方がいいかもしれない。ズィーリオスの食料を確保したい時は特に。
夜になり、到着した町でアイゼンたちとは別行動になり、宿の確保を行う。その後、ズィーリオスと一緒に町の壁を超えて外に出て、狩りに出かける。この辺りの魔物はランクが低いからか、道中ズィーリオスに恐れて近寄ってこなかった。夕方ごろになると昼間よりは近寄ってはいたようだが、それでも結果に変わりがないため、ズィーリオスの食材を確保しに近くの森へと向かった。多くの生物が森のあちらこちらから様子を窺っているのがわかる。だが、ズィーリオスと一緒にいては魔物が逃げてしまうため、今夜の鍛錬代わりに俺が狩りに行くことにした。つまりズィーリオスは森の入口でお留守番である。
ズィーリオスに教えてもらった方向に向かって、身体強化をかけてひたすら走る。夜の森の中だが、慣れ親しんだ状況であるため、いつものように20分近く森を走り抜ける。すると魔物の気配を感じたので、気配を消し、近づいて様子を窺うと、はぐれらしきオークがいた。血の匂いに反応して集まって来てもらった方が都合がいいので、サクッと首を刎ね、血の噴出が止まるのを待つ。気配が消えたことで倒したことが伝わったのか、ズィーリオスが近づいて来る。後の処理は任せ、近くに他の魔物が寄ってきていないか気配を探り、見つけたら狩るという流れで狩りを行っていく。
このような日々を繰り返しながら、王都までの道のりを進んでいった。初めて訪れたネーデの街でのトラブルが嘘のように、危険のない穏やかな旅が続いていた。通常なら多少の魔物の襲撃があるようだが、ズィーリオスのおかげで予定よりも2日程早く着くようだ。明日の昼過ぎには到着できそうというわけで、のんびりと長めのランチタイムを取っていた。
「明日にはもうお別れしてしまいますのね。わかっていたとはいえ、寂しくなりますわ。このまま旅を続けたいぐらいです」
「そんなに学園に行くのはいやか?」
「ええ、あまり気が乗りませんわ」
食後の暖かい日差しの中で、ズィーリオスにもたれながらウトウトしていると、アイゼンとアンナの会話が聞こえた。そうか、アンナは学園に通っていてもおかしくない年齢だ。だが何故、遠く離れたネーデにいたのだろう。
「アンナは学園生だったのか」
「ええ、そうよ。夏期休暇中よ。だけどそろそろ学園が始まるから、帰っていた領地から王都に戻っているところよ」
「ふーん。そうだったのか」
「あまり興味なさそうね」
「関係ないからな」
行く可能性もあった学園だが、今は大した興味もない。生返事になるのも仕方ないだろう。すると急にアイゼンが何かに思い至ったような顔をし、出発前に見せたような表情を向けてくる。また嫌な予感がする。
王立学園は基本貴族の学び舎だが、平民であっても入学することは出来る。商人のように多額のお金を支払うか、どこかの貴族の支援を受けて入学する方法だ。そのままにするには勿体ないと思われるほどの優秀な者が、貴族にパトロンになってもらう方法として一般的だ。
このような可能性があるからこそ、嫌な予感が掻き立てられる。
「そういえば、アンナ。夏期休暇明けに合同訓練があったよな?」
「ええ、ありますわ。休暇明けの1週間後です」
「そこにリュゼ達を連れて行くのはどうだ?」
「なるほど!いいですわね!是非ともお願いしたいですわ!」
どうやら入学に関することではなかったようだ。だが合同訓練とはなんだ?昔はなかったはずだが。そこに俺を連れて行くということも意味が分からない。俺は部外者だぞ?
アンナが凄く期待した目を向けて来るが、分からないものに返答は出来ない。
「合同訓練とはなんだ?」
「合同訓練は、中等部を卒業予定の3年生が、入学したばっかりの1年生の後輩とグループになり、泊りがけで戦闘訓練を行う合宿というものですわ。下級生が上級生との交流を図りつつ、上級生は下級生に理解してもらえるように、野営の仕方から戦闘の注意点等を教えるためのイベントらしいのです。1年生の頃は目的を理解していませんでしたので、今年は身の締まるイベントなのですよ。特に教えるということは、自分が理解できていないと出来ない行為なので、評価にも関わってきますね。」
なるほど。そういう意味での合同訓練なのか。小学校の時にやる自然教室の、上級生有り、戦闘有りと考えればいいのだろう。王都に近いこの辺りも強い魔物はいないのだ。学生の訓練にはうってつけなのだろう。
「そしてこの合同訓練には、高位貴族の子女も多く参加する。だから念のために冒険者を護衛に付けるのだが、その護衛依頼を受けるつもりはないか?最終的には学園が選定するが、高位貴族からの推薦があれば大体通る。俺が推薦してやるぞ。アンナの護衛に付いてくれないか?」
アイゼンが思いついたのは、まさかの護衛依頼の延長願いだった。
「なんでアイゼンがここにいるんだ?」
暫くアイゼンを見つめた後に、言葉を発する。その間の俺の表情が余程間抜け面になってしまっていたのか、肩を震わせながら腹を抱えるアイゼン。アンナはそれを、溜息を吐きながら首を横に振って見やる。
「よろしく頼むと言ったはずだぞ。ぷっ。くっくっく」
「いやいやいや!アンナのことを、だと普通思うだろ!護衛対象が増えてるじゃないか!」
「なに、英雄ならこれぐらい大した問題ではないだろう?それに、”普通”に生きる気はないんじゃなかったのか?」
「くっ!確かに普通に生きる気はないが、護衛対象が1人増えるだけでだいぶ負担が大きくなるぞ?しかも護衛依頼初受注の人にこんなことをやるなど、リスクが大き過ぎる。理解出来ない」
「安心しろ。この王都に繋がる道では強い魔物が出ることはない。英雄ほどの実力者なら手こずることはないだろ」
「対処可能なレベルであれば構わないが。あ、あと、その英雄って呼ぶの止めてくれ。他の場所ではただの冒険者だ。ガルム達もいて、その呼び方の人が多すぎて一々訂正はしなかったが、これからはそうもいかない」
アイゼンを護衛するのはもうこの際構わない。付いてきてしまっている時点でどうしようもない。それよりも、気になっていた英雄呼びについて止めるように伝える。ネーデでは仕方ないと思っていたが、今いるメンバーでネーデの英雄といえば俺を指すことになる。そんな小っ恥ずかしい状況に陥りたくない。良い意味でも悪い意味でも目立つ。余計なトラブルはお断りだ。
「”普通”なら何故と問うところだが”普通”じゃないお前なら理解出来なくもない。目立ちたくない、余計なことに巻き込まれたくないというところか?」
「そうだ。」
「わかった。では、一貫してリュゼと呼ぶことにしよう」
良かった。英雄呼びは回避できたようだ。それにしても、アイゼンとはあまり交流をしていないのに、俺の性格を大体把握出来ているのが凄いな。ギルマスたちとの会話も把握しているようだが、以前聞いたとは言っていた程度からこれほどのことがわかるものなのか?ストーカー?だとしたら、ズィーリオスが気付くだろうし、視線に関しては俺も感じることは得意なんだがな。やっぱり、本人のスキルなのかもしれない。だから陞爵出来たのかもな。
アイゼンとアンナは、いつの間にか準備されていたテーブルとイスに座り、休憩に入る。その側では、昼食の準備が進められていた。
周辺に魔物の気配はしないので、ズィーリオスの昼食は確保出来そうにない。人と同じもので、且つ魔力が含まれているもので我慢してもらうしかないだろう。こんな時にマジックバックがあれば、ズィーリオスの食料を持ち歩くことが出来るのにな。早いとこダンジョンに潜ろう。
昼食を食べ終え、再び進路を王都にとる。夜になるにつれて魔物は活発になっていくので、襲撃の1回や2回はあると思っていたが全くなかった。本当に強い魔物はいないようだ。
ズィーリオス曰く、かなり遠く離れたところにそれなりの魔物の気配がする時もあるが、近づいて来ることはないらしい。
強くランクの高い魔物が現れず文句を言うのは俺たちぐらいだろうな。今後護衛依頼を受ける必要はないのだから、自分たちのみで移動する時は、獣道や道なき道を進んでいく方がいいかもしれない。ズィーリオスの食料を確保したい時は特に。
夜になり、到着した町でアイゼンたちとは別行動になり、宿の確保を行う。その後、ズィーリオスと一緒に町の壁を超えて外に出て、狩りに出かける。この辺りの魔物はランクが低いからか、道中ズィーリオスに恐れて近寄ってこなかった。夕方ごろになると昼間よりは近寄ってはいたようだが、それでも結果に変わりがないため、ズィーリオスの食材を確保しに近くの森へと向かった。多くの生物が森のあちらこちらから様子を窺っているのがわかる。だが、ズィーリオスと一緒にいては魔物が逃げてしまうため、今夜の鍛錬代わりに俺が狩りに行くことにした。つまりズィーリオスは森の入口でお留守番である。
ズィーリオスに教えてもらった方向に向かって、身体強化をかけてひたすら走る。夜の森の中だが、慣れ親しんだ状況であるため、いつものように20分近く森を走り抜ける。すると魔物の気配を感じたので、気配を消し、近づいて様子を窺うと、はぐれらしきオークがいた。血の匂いに反応して集まって来てもらった方が都合がいいので、サクッと首を刎ね、血の噴出が止まるのを待つ。気配が消えたことで倒したことが伝わったのか、ズィーリオスが近づいて来る。後の処理は任せ、近くに他の魔物が寄ってきていないか気配を探り、見つけたら狩るという流れで狩りを行っていく。
このような日々を繰り返しながら、王都までの道のりを進んでいった。初めて訪れたネーデの街でのトラブルが嘘のように、危険のない穏やかな旅が続いていた。通常なら多少の魔物の襲撃があるようだが、ズィーリオスのおかげで予定よりも2日程早く着くようだ。明日の昼過ぎには到着できそうというわけで、のんびりと長めのランチタイムを取っていた。
「明日にはもうお別れしてしまいますのね。わかっていたとはいえ、寂しくなりますわ。このまま旅を続けたいぐらいです」
「そんなに学園に行くのはいやか?」
「ええ、あまり気が乗りませんわ」
食後の暖かい日差しの中で、ズィーリオスにもたれながらウトウトしていると、アイゼンとアンナの会話が聞こえた。そうか、アンナは学園に通っていてもおかしくない年齢だ。だが何故、遠く離れたネーデにいたのだろう。
「アンナは学園生だったのか」
「ええ、そうよ。夏期休暇中よ。だけどそろそろ学園が始まるから、帰っていた領地から王都に戻っているところよ」
「ふーん。そうだったのか」
「あまり興味なさそうね」
「関係ないからな」
行く可能性もあった学園だが、今は大した興味もない。生返事になるのも仕方ないだろう。すると急にアイゼンが何かに思い至ったような顔をし、出発前に見せたような表情を向けてくる。また嫌な予感がする。
王立学園は基本貴族の学び舎だが、平民であっても入学することは出来る。商人のように多額のお金を支払うか、どこかの貴族の支援を受けて入学する方法だ。そのままにするには勿体ないと思われるほどの優秀な者が、貴族にパトロンになってもらう方法として一般的だ。
このような可能性があるからこそ、嫌な予感が掻き立てられる。
「そういえば、アンナ。夏期休暇明けに合同訓練があったよな?」
「ええ、ありますわ。休暇明けの1週間後です」
「そこにリュゼ達を連れて行くのはどうだ?」
「なるほど!いいですわね!是非ともお願いしたいですわ!」
どうやら入学に関することではなかったようだ。だが合同訓練とはなんだ?昔はなかったはずだが。そこに俺を連れて行くということも意味が分からない。俺は部外者だぞ?
アンナが凄く期待した目を向けて来るが、分からないものに返答は出来ない。
「合同訓練とはなんだ?」
「合同訓練は、中等部を卒業予定の3年生が、入学したばっかりの1年生の後輩とグループになり、泊りがけで戦闘訓練を行う合宿というものですわ。下級生が上級生との交流を図りつつ、上級生は下級生に理解してもらえるように、野営の仕方から戦闘の注意点等を教えるためのイベントらしいのです。1年生の頃は目的を理解していませんでしたので、今年は身の締まるイベントなのですよ。特に教えるということは、自分が理解できていないと出来ない行為なので、評価にも関わってきますね。」
なるほど。そういう意味での合同訓練なのか。小学校の時にやる自然教室の、上級生有り、戦闘有りと考えればいいのだろう。王都に近いこの辺りも強い魔物はいないのだ。学生の訓練にはうってつけなのだろう。
「そしてこの合同訓練には、高位貴族の子女も多く参加する。だから念のために冒険者を護衛に付けるのだが、その護衛依頼を受けるつもりはないか?最終的には学園が選定するが、高位貴族からの推薦があれば大体通る。俺が推薦してやるぞ。アンナの護衛に付いてくれないか?」
アイゼンが思いついたのは、まさかの護衛依頼の延長願いだった。
60
お気に入りに追加
1,854
あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
転生少女、運の良さだけで生き抜きます!
足助右禄
ファンタジー
【9月10日を持ちまして完結致しました。特別編執筆中です】
ある日、災害に巻き込まれて命を落とした少女ミナは異世界の女神に出会い、転生をさせてもらう事になった。
女神はミナの体を創造して問う。
「要望はありますか?」
ミナは「運だけ良くしてほしい」と望んだ。
迂闊で残念な少女ミナが剣と魔法のファンタジー世界で様々な人に出会い、成長していく物語。
鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~
月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―
“賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。
だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。
当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。
ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?
そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?
彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?
力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

チートな親から生まれたのは「規格外」でした
真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て…
これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです…
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
時々さかのぼって部分修正することがあります
誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)
感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる