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母様と姉様
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シゼとの読書後、お昼時ということもありお腹が空いた私達は、昼食を食べに食堂へ向かっていた。手を繋ぎ、シゼの歩幅に合わせてゆっくりと歩く。
読書中、一時余計な邪魔が入ったのだが、隣を小さな歩幅で一生懸命に歩くシゼを見るとどうでも良いと思えてくる。折角のシゼとの時間を邪魔され、ささくれ立っていた心も穏やかになるというものだ。
実は読書を開始から暫くした後、自室にいないことに気付いた私付きの侍女が乱入してきたのだ。
普段は、先生から出された課題を誰かしらの侍女に見張られた中でやっているため、集中しづらく時間がかかっていた。その為、今日も課題に時間がかかると思ったらしく、休憩用のお茶と茶菓子の準備のために部屋から出て行っていたのだ。
それも私1人を残して。そう、たまたま今回は誰も部屋にいなかったのだ。勿論それを見逃す私ではない。脳をフル活用し、過去最速で仕上げた。そして私は、侍女が帰って来る前に行動あるのみ!とシゼの部屋に突撃していた。いないことに気付いた侍女は、真っ直ぐにシゼの部屋へやって来たという。流石である。
侍女たちが来て早々、課題をやらせるためだろう、部屋に戻らされそうになった。しかし、全て終わらせたことを確認させて黙らし、再び読書に戻った。やることはきちんと終わらせたのだ。文句は言わせない。そうだ!今後も侍女たちには、課題中は部屋から出て行ってもらおうか。そうすれば、残りの時間は全てシゼに会いに行ける!
今後の方針が決まり、内心上機嫌になっていると、前方から光沢を放つ綺麗な甘栗色の髪をポニーテールにした美女の姿が見えた。
「こんにちは。母様」
「こんにちは。かあさま!」
「あら、こんにちは。ルーデリオ。シゼルス。そのまま一緒に、食堂へ向かいましょうか」
「はい」
「うん!」
前方から来ていたのは母様だ。同じく食堂へ向かっている最中だった。母様は、やさしく穏やかな家族思いの良い人なのだが、どうにもよそよそしくなってしまう。母という存在が、前世の母親のイメージに引っ張られてしまい、どう接して良いのかわからない。ちなみに父様にもよそよそしくなってしまう。こちらも前世由来なのだが。
母様と合流したところから食堂は近かったので直ぐに到着する。食堂内には、真っ赤な美しい髪をストレートに伸ばし、甘栗色の瞳をした可愛い少女が、長いテーブルの真ん中辺りに座っていた。
「こんにちは!母様。シゼルス。ルーちゃん!やっと来ましたのね」
彼女は私の姉様であり、名前はリルシーアという。今年で9歳だ。バルネリア家は代々、男児ばかりが生まれるため、女の子の誕生はかなり珍しいことらしく、とても大切に育てられている。
その為か、少々わがままなところがあるが、酷い程ではないのが救いだろう。いい姉だと思う。姉自体前世にいなかったし、周りの人の例もあまり知らないので主観なのだけれども。
そして私は現在、姉様にぎゅうぎゅうに抱き締められ、軽く意識が飛びかけていた。
「リルシーア。ルーデリオを放してあげなさい」
「ごめんなさい。ルーちゃん。大丈夫?」
母様に言われ、姉様が慌てて謝りながら私を解放する。少しフラフラとするが、深呼吸をし、意識をはっきりとさせる。
「大丈夫ですよ、姉様。ただ、次はもう少し軽くしてもらえると嬉しいです」
「ええ、そうだったわね。次からは気を付けるわ」
数日間は気を付けているが、結局また今みたいになるということを知っている私としては、その言葉はあまり信用ならない。でもそれだけ気に入られているということだろう。嫌われるよりは、やはり好かれている方がいい。だから姉様の行動の改善は既に諦めている。
どうやら姉様は妹が欲しかったらしいのだ。私の見た目が中性的な為、昔からよく姉様のお下がりの服や、新しい服を着せられ”妹”になっている。
自分で言うのもなんだが、実際可愛い女の子にしか見えない。そうやって”妹”になることがあるので、髪は伸ばされ、今は緩く首の後ろで結んでいる状態だ。中身は元女だからか嫌ではないのだが、現在は男である故に少し複雑だ。何故かって?”妹”状態をシゼに見られると困るからだ。
シゼの前ではかっこいい兄でありたい。今のところは、姉様の部屋中だけなのでまだ大丈夫だろう。
「ルーちゃん。午後の稽古の後は暇でしょう?私のところに来るのよ。リーナが新しい服を持って来てくれたのよ!だから絶対に来るのよ?」
「あら、それは面白そうね。私も参加していいかしら?」
「勿論です!お母様。是非いらして下さい!」
どうやら私の午後の予定が決まってしまったようだ。姉さまと母様が言っているのは、私の着せ替えファッションショーのことである。しかも、たまに参加する母様が今日は来るようだ。今も私抜きで盛り上がっている。
リーナとは姉様の専属侍女のことで、実は犬の獣人だ。この世界にはファンタジーらしく、獣人やエルフ、ドワーフといった亜人と呼ばれる人達がいるのだが、この話はまた別の機会に説明するとしよう。
リーナの立場である専属侍女とは、他の侍女達とは違う。侍女だけではないのだが、専属契約は雇用形態が変わってくる。通常は、当主を主として契約し、その家に仕えるという形になる。
しかし専属となるとその形が違う。リーナを例にすると、姉様を主として契約し、姉様に仕えるという形になるのだ。2人はリーナが13歳で年が近いこともあり、結構仲が良かった。
姉様とリーナの時は、数着ほど着せ替えられ愛でられるのだが、母様が加わると、それこそ十数着にも及ぶ。ただでさえ着せ替え人形にさせられ疲れるというのに、さらにハードな状態が確定してしまった。
想像しただけでドッと疲れが沸き上がり、思わず遠い目になってしまう。シゼに心配そうに袖を引かれ、見上げられる。うっ!その上目遣いは反則だ!
ベクトルの違う攻撃が心臓に刺さったが、それは心の癒しにもなる。ああ、剣の稽古後は、シゼと一緒にお昼寝をしようと思ったのに。しかたない。今度、いや、明日は一緒にお昼寝しよう。なんたって私は今、5歳児なのだ。お昼寝したって良いと思うんだ。
感情が浮上した頃、この部屋に訪れる最後の人物が姿を現した。赤茶色の髪と同じ色の瞳をした、私より背の高い、不機嫌そうな顔の少年だ。彼は2番目の兄様のカイザス少年、7歳だ。
「母様、姉様、遅くなり申し訳ございません。さあ、席にお座り下さい。昼食を頂きましょう」
カイザス兄様の言葉により、母様と姉様はずっと立っていたことに気付き、席へと移動する。私とシゼも席に移動し、シゼを座らせその隣に腰掛ける。
今邸宅にいる家族が全員揃ったことにより、食事が運ばれ、それぞれ食べ始める。
バルネリア家のルールとして、なるべく家族全員で食事をとると決まっているのだ。その為、現在登城し仕事中の父様と、王立学園の小等部に通っている長男の兄様を除いた家族がここに集まっていた。
カイザス兄様は1番上の兄様と仲が良く、私やシゼとは会話らしい会話もせず、基本無視である。どうやら嫌われているらしい。特に何かした覚えはないので、年下が嫌いなのかもしれない。嫌がっている人に好かれようとは思わないので、私もあまり気にしていない。
それよりも、シゼを独占出来るため万々歳だ。今も目の前にある料理を、一生懸命ナイフとフォークを使い食べようとしているシゼは可愛い。シゼの食事の補佐に勤しむ私である。
異世界料理は何の食材を使っているか全くわからないが、気にしたら負けだ。美味しければいい。ただ最近、和食が食べたくてしょうがない。あの胃に優しい、出汁の利いた食べ物が食べたい。そんな心の底に渦巻く欲望をねじ伏せ、目の前のフルコースを食べきる。これも美味しいんだけどね。ああ、満腹だ。
食事が終われば各自解散となり、私とシゼは誰もいなくなった食堂を後にした。
読書中、一時余計な邪魔が入ったのだが、隣を小さな歩幅で一生懸命に歩くシゼを見るとどうでも良いと思えてくる。折角のシゼとの時間を邪魔され、ささくれ立っていた心も穏やかになるというものだ。
実は読書を開始から暫くした後、自室にいないことに気付いた私付きの侍女が乱入してきたのだ。
普段は、先生から出された課題を誰かしらの侍女に見張られた中でやっているため、集中しづらく時間がかかっていた。その為、今日も課題に時間がかかると思ったらしく、休憩用のお茶と茶菓子の準備のために部屋から出て行っていたのだ。
それも私1人を残して。そう、たまたま今回は誰も部屋にいなかったのだ。勿論それを見逃す私ではない。脳をフル活用し、過去最速で仕上げた。そして私は、侍女が帰って来る前に行動あるのみ!とシゼの部屋に突撃していた。いないことに気付いた侍女は、真っ直ぐにシゼの部屋へやって来たという。流石である。
侍女たちが来て早々、課題をやらせるためだろう、部屋に戻らされそうになった。しかし、全て終わらせたことを確認させて黙らし、再び読書に戻った。やることはきちんと終わらせたのだ。文句は言わせない。そうだ!今後も侍女たちには、課題中は部屋から出て行ってもらおうか。そうすれば、残りの時間は全てシゼに会いに行ける!
今後の方針が決まり、内心上機嫌になっていると、前方から光沢を放つ綺麗な甘栗色の髪をポニーテールにした美女の姿が見えた。
「こんにちは。母様」
「こんにちは。かあさま!」
「あら、こんにちは。ルーデリオ。シゼルス。そのまま一緒に、食堂へ向かいましょうか」
「はい」
「うん!」
前方から来ていたのは母様だ。同じく食堂へ向かっている最中だった。母様は、やさしく穏やかな家族思いの良い人なのだが、どうにもよそよそしくなってしまう。母という存在が、前世の母親のイメージに引っ張られてしまい、どう接して良いのかわからない。ちなみに父様にもよそよそしくなってしまう。こちらも前世由来なのだが。
母様と合流したところから食堂は近かったので直ぐに到着する。食堂内には、真っ赤な美しい髪をストレートに伸ばし、甘栗色の瞳をした可愛い少女が、長いテーブルの真ん中辺りに座っていた。
「こんにちは!母様。シゼルス。ルーちゃん!やっと来ましたのね」
彼女は私の姉様であり、名前はリルシーアという。今年で9歳だ。バルネリア家は代々、男児ばかりが生まれるため、女の子の誕生はかなり珍しいことらしく、とても大切に育てられている。
その為か、少々わがままなところがあるが、酷い程ではないのが救いだろう。いい姉だと思う。姉自体前世にいなかったし、周りの人の例もあまり知らないので主観なのだけれども。
そして私は現在、姉様にぎゅうぎゅうに抱き締められ、軽く意識が飛びかけていた。
「リルシーア。ルーデリオを放してあげなさい」
「ごめんなさい。ルーちゃん。大丈夫?」
母様に言われ、姉様が慌てて謝りながら私を解放する。少しフラフラとするが、深呼吸をし、意識をはっきりとさせる。
「大丈夫ですよ、姉様。ただ、次はもう少し軽くしてもらえると嬉しいです」
「ええ、そうだったわね。次からは気を付けるわ」
数日間は気を付けているが、結局また今みたいになるということを知っている私としては、その言葉はあまり信用ならない。でもそれだけ気に入られているということだろう。嫌われるよりは、やはり好かれている方がいい。だから姉様の行動の改善は既に諦めている。
どうやら姉様は妹が欲しかったらしいのだ。私の見た目が中性的な為、昔からよく姉様のお下がりの服や、新しい服を着せられ”妹”になっている。
自分で言うのもなんだが、実際可愛い女の子にしか見えない。そうやって”妹”になることがあるので、髪は伸ばされ、今は緩く首の後ろで結んでいる状態だ。中身は元女だからか嫌ではないのだが、現在は男である故に少し複雑だ。何故かって?”妹”状態をシゼに見られると困るからだ。
シゼの前ではかっこいい兄でありたい。今のところは、姉様の部屋中だけなのでまだ大丈夫だろう。
「ルーちゃん。午後の稽古の後は暇でしょう?私のところに来るのよ。リーナが新しい服を持って来てくれたのよ!だから絶対に来るのよ?」
「あら、それは面白そうね。私も参加していいかしら?」
「勿論です!お母様。是非いらして下さい!」
どうやら私の午後の予定が決まってしまったようだ。姉さまと母様が言っているのは、私の着せ替えファッションショーのことである。しかも、たまに参加する母様が今日は来るようだ。今も私抜きで盛り上がっている。
リーナとは姉様の専属侍女のことで、実は犬の獣人だ。この世界にはファンタジーらしく、獣人やエルフ、ドワーフといった亜人と呼ばれる人達がいるのだが、この話はまた別の機会に説明するとしよう。
リーナの立場である専属侍女とは、他の侍女達とは違う。侍女だけではないのだが、専属契約は雇用形態が変わってくる。通常は、当主を主として契約し、その家に仕えるという形になる。
しかし専属となるとその形が違う。リーナを例にすると、姉様を主として契約し、姉様に仕えるという形になるのだ。2人はリーナが13歳で年が近いこともあり、結構仲が良かった。
姉様とリーナの時は、数着ほど着せ替えられ愛でられるのだが、母様が加わると、それこそ十数着にも及ぶ。ただでさえ着せ替え人形にさせられ疲れるというのに、さらにハードな状態が確定してしまった。
想像しただけでドッと疲れが沸き上がり、思わず遠い目になってしまう。シゼに心配そうに袖を引かれ、見上げられる。うっ!その上目遣いは反則だ!
ベクトルの違う攻撃が心臓に刺さったが、それは心の癒しにもなる。ああ、剣の稽古後は、シゼと一緒にお昼寝をしようと思ったのに。しかたない。今度、いや、明日は一緒にお昼寝しよう。なんたって私は今、5歳児なのだ。お昼寝したって良いと思うんだ。
感情が浮上した頃、この部屋に訪れる最後の人物が姿を現した。赤茶色の髪と同じ色の瞳をした、私より背の高い、不機嫌そうな顔の少年だ。彼は2番目の兄様のカイザス少年、7歳だ。
「母様、姉様、遅くなり申し訳ございません。さあ、席にお座り下さい。昼食を頂きましょう」
カイザス兄様の言葉により、母様と姉様はずっと立っていたことに気付き、席へと移動する。私とシゼも席に移動し、シゼを座らせその隣に腰掛ける。
今邸宅にいる家族が全員揃ったことにより、食事が運ばれ、それぞれ食べ始める。
バルネリア家のルールとして、なるべく家族全員で食事をとると決まっているのだ。その為、現在登城し仕事中の父様と、王立学園の小等部に通っている長男の兄様を除いた家族がここに集まっていた。
カイザス兄様は1番上の兄様と仲が良く、私やシゼとは会話らしい会話もせず、基本無視である。どうやら嫌われているらしい。特に何かした覚えはないので、年下が嫌いなのかもしれない。嫌がっている人に好かれようとは思わないので、私もあまり気にしていない。
それよりも、シゼを独占出来るため万々歳だ。今も目の前にある料理を、一生懸命ナイフとフォークを使い食べようとしているシゼは可愛い。シゼの食事の補佐に勤しむ私である。
異世界料理は何の食材を使っているか全くわからないが、気にしたら負けだ。美味しければいい。ただ最近、和食が食べたくてしょうがない。あの胃に優しい、出汁の利いた食べ物が食べたい。そんな心の底に渦巻く欲望をねじ伏せ、目の前のフルコースを食べきる。これも美味しいんだけどね。ああ、満腹だ。
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