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いつもと違う朝
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ジリリリリリリリリリリリリリ!!!
「うわ!」
このけたたまし目覚まし時計は僕だけではなく他の部屋にいる家族さえも起こしてしまう代物だ
でも今はこの家に僕一人だけだ
父も母も仕事に狂気を感じるくらい没頭しているのだ、深夜病院の医者だ
ここ一か月はまともに顔さえも見ていない
当然キッチンからは目玉焼きの焼ける音やパンの香ばしく焼けるにおいもしない
僕は高校生になってから随分と寂しい人間になってしまった
そんなことを考えていると昨日の夢のような現実を思い出した
僕は紅茶を片手にリビングから見える防音室に突っ立っているピアノをみつめた
しばらく僕はピアノとにらめっこしていたが、ふと時計を見ると家を出なくてはいけない7:30になっていた
急いで支度をし家の扉をたたくように開け鍵を閉めた
間一髪バスに間に合うと後ろの席に座り息を整えた
「今日はバイトか、、、」
心の中でため息をついた
でもこのため息はバイトがめんどくさいから出たため息ではない、昨日のピアノをもしかしたらもう一度聞けるかもしれないというため息だ
自分でもびっくりしている一回聞いただけであんなに心を奪われたことはない
昨日のあの演奏を聞いた瞬間からずーと耳にこびりつき何回も頭の中で再生される
そのたび昔を思い出す
「次は北高まえー」
バスを降りると後ろから声がした
「信二!おはよー」
周りの人の視線がそいつに集まるほど大きな声で朝のあいさつをされた
「おはよ」
「おいおいそんな元気ない声であいさつするなよ」
「違う、お前が元気すぎるんだよ、これが普通なの」
この元気すぎる男が斎藤一馬だ、バスケ部のエースにしてモテ男、僕とは天と地の差がある
でもなぜかわからないが俺にまとわりついてくる僕の唯一の友達と呼べる男だ
そんなことはどうでもいい、今一番気になっていることは本だ
「あとちょっとで終わりだったのに」
心の中で呟いたつもりだったのに
「え?なにが?」
うっかり口に出ていたみたいだ
「あー、なんでもない」
説明するのも面倒なので話を変えようとしたとき
「ねえ君、昨日本落としたよね」
僕の心臓は急にエンジンをかけたように激しく打った
「うわ!」
このけたたまし目覚まし時計は僕だけではなく他の部屋にいる家族さえも起こしてしまう代物だ
でも今はこの家に僕一人だけだ
父も母も仕事に狂気を感じるくらい没頭しているのだ、深夜病院の医者だ
ここ一か月はまともに顔さえも見ていない
当然キッチンからは目玉焼きの焼ける音やパンの香ばしく焼けるにおいもしない
僕は高校生になってから随分と寂しい人間になってしまった
そんなことを考えていると昨日の夢のような現実を思い出した
僕は紅茶を片手にリビングから見える防音室に突っ立っているピアノをみつめた
しばらく僕はピアノとにらめっこしていたが、ふと時計を見ると家を出なくてはいけない7:30になっていた
急いで支度をし家の扉をたたくように開け鍵を閉めた
間一髪バスに間に合うと後ろの席に座り息を整えた
「今日はバイトか、、、」
心の中でため息をついた
でもこのため息はバイトがめんどくさいから出たため息ではない、昨日のピアノをもしかしたらもう一度聞けるかもしれないというため息だ
自分でもびっくりしている一回聞いただけであんなに心を奪われたことはない
昨日のあの演奏を聞いた瞬間からずーと耳にこびりつき何回も頭の中で再生される
そのたび昔を思い出す
「次は北高まえー」
バスを降りると後ろから声がした
「信二!おはよー」
周りの人の視線がそいつに集まるほど大きな声で朝のあいさつをされた
「おはよ」
「おいおいそんな元気ない声であいさつするなよ」
「違う、お前が元気すぎるんだよ、これが普通なの」
この元気すぎる男が斎藤一馬だ、バスケ部のエースにしてモテ男、僕とは天と地の差がある
でもなぜかわからないが俺にまとわりついてくる僕の唯一の友達と呼べる男だ
そんなことはどうでもいい、今一番気になっていることは本だ
「あとちょっとで終わりだったのに」
心の中で呟いたつもりだったのに
「え?なにが?」
うっかり口に出ていたみたいだ
「あー、なんでもない」
説明するのも面倒なので話を変えようとしたとき
「ねえ君、昨日本落としたよね」
僕の心臓は急にエンジンをかけたように激しく打った
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