必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「グッッ」
「ガァッッ」
 先の紫呉を真似たのだろうか、突然に飛び掛かってきた者達を槍でなぎ倒し、その心臓を正確に貫く。無為にいたぶる趣味など持ち合わせていないので、それは一瞬だ。
 光明同様、僅かの抵抗も許されず地に伏した仲間を見て兵たちに戦慄が走る。ボタボタと汗が流れて止まらない。
「ひ、怯むなッ! 奴は一人! 一斉にかかれぇぇぇッッ!」
 おそらく指揮官なのだろう男が叫ぶ。それに呼応するように雄叫びが響き、兵たちは一斉に紫呉へ襲い掛かった。
「ま、流石に烏合の衆ではいてくれねぇか」
 振り下ろされた刃を槍で防ぎ、薙ぎ払うと同時に刺し貫く。動揺しようと恐怖に支配されようと彼らは兵士であるというべきだろうか、少しの隙はあるものの連携された動きに眉を寄せながらも紫呉はその力で薙ぎ払い、次々と彼らを地に伏せさせる。
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