必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「将軍の抑えも効かず、近臣たちが報復として領主邸に火を放ちました。当主の御尽力でほぼ未然に防ぐことができましたが、当主の話を無視した者の屋敷が燃えました。その混乱に乗じ、尊皇を謳う過激派が襲撃。その際、火野 蒼と由弦が刀によって切られ、同時刻には庵の方にも襲撃があり、周も刀に貫かれ、戦っていた雪也はそれを知って服毒。全員、命を落としました」
「――ッッ!」
 いっそ不自然なほど淡々と語られるその言葉に紫呉は息を呑む。
 彼は、何と言った?
「……まさか……、そんなはず……」
 違うと言ってほしい。質の悪い冗談だと。しかし月路は何も言わない。当たり前だ。彼は生真面目で、こんな冗談を言う男ではないのだから。
「なんで、あいつらが……」
 無意識のうちに零れ落ちるが、その理由を紫呉が思い浮かばぬはずもない。
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