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「その、原因は何かまったくわからないのですが、食事をしていたら急に……出てしまったらしくて……。その時は腹痛とかもなく気が付いたら、というような感じだったようなのですが、何が起こったのかと慌てていたら腹痛も襲ってきたようで……今、大惨事です」
それは想像以上に大惨事だ。雪也にだけ聞こえるようにしていてもハッキリと言うのは憚られたのか兵衛は誤魔化してはいたが、おそらく出たのはアレだろう。
「腹痛ということは、意識はあるのですよね?」
「はい、苦しそうではありますが意識はあります。大惨事ですが」
どうやら兵衛は想像以上に混乱し慌てているらしい。その様子に優から教えてもらった食中毒や毒などの症状をあれこれと思い出しながら雪也は籠に幾つかの薬を放り込んだ。
「今のところ思いつくものが無いのですが、とにかくご本人に会わないと何もわからないので連れて行っていただけますか?」
腹痛関連の薬を籠に入れたものの、雪也には思い当たる病や毒が無い。ならば会う以外にないだろうと言う雪也に兵衛は頷き、周と由弦は慌てて立ち上がった。
「雪也が行くなら一緒に」
「そうだぜ。一人は駄目だって言っただろ」
今はどこもかしこも物騒だ。絶対に一人にならないと話し合ったばかりだろうと二人は詰め寄る。普段であればその必死さは異様であっただろうが、今の武衛ではあちこちで見られる光景であり、兵衛も不思議には思わなかった。
それは想像以上に大惨事だ。雪也にだけ聞こえるようにしていてもハッキリと言うのは憚られたのか兵衛は誤魔化してはいたが、おそらく出たのはアレだろう。
「腹痛ということは、意識はあるのですよね?」
「はい、苦しそうではありますが意識はあります。大惨事ですが」
どうやら兵衛は想像以上に混乱し慌てているらしい。その様子に優から教えてもらった食中毒や毒などの症状をあれこれと思い出しながら雪也は籠に幾つかの薬を放り込んだ。
「今のところ思いつくものが無いのですが、とにかくご本人に会わないと何もわからないので連れて行っていただけますか?」
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