必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「私個人の意見だが、確かに今のままではいけないだろう。どのみち終焉は訪れる。だが、あなたたちのやり方にも賛同はしない。たとえ劇的な変化がすぐに訪れなかったとしても、犠牲を伴わない道をどこまででも探すべきだ。どうしてもすぐに動きが欲しいというのなら、私から春風殿に話を持っていっても良い。あの家ならばすべてを衛府に流すこともしないだろう」
 民から大切な者を奪いたくないと、そのためにも杜環の慈悲に縋りたいのだと言った弥生の姿が脳裏に蘇る。時代の流れは変えられないし、衛府の為に無理矢理その流れを変えようとも思わないと示した杜環に弥生は理解を示し、否定もしなかった。そんな彼にならば光明のどこか甘い夢想であっても耳を傾けてくれるだろう。春風家は当主も弥生も衛府の中で一番柔軟で、一番話が通じる相手だ。それを杜環は疑ったことなどない。しかし光明はそんな杜環の提案に渋面を作って拒絶を示した。
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