必ず会いに行くから、どうか待っていて

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　キィ、と扉が開いた瞬間に周と由弦が勢いよく振り返った。いつにもまして雪也が念入りに扉を閉めるのを見て、周は思わず駆け寄る。その姿に湊が慌てて間に入った。
「ちょちょちょちょッ！　包丁！　周ほうちょう持ったままぁあぁぁぁぁぁッッ！」
　耳をつんざくような本気の悲鳴に、周はハッとして立ち止まった。その手には丁度夕食の準備で使っていた包丁が握られたままで、それに気づいた瞬間に慌ててまな板の上に戻す。その姿に悲鳴を上げた張本人である湊は深く息をつくと、ヘナヘナと崩れ落ちた。
「み、湊、ごめん」
「すごい悲鳴だったね～」
　床にへたり込んでしまった湊に周が慌てて駆け寄り、蒼がクスリと笑いながら手を差し出した。
「サクラー、ちょっと出てきてくんねぇと俺動けないんだけど」
　蒼の手を取って立ち上がった湊が、その声に由弦の方を振り返る。どうやら先程の悲鳴でビックリしたサクラが避難場所を求め、なぜか由弦の袴の中に潜り込んで太ももにしがみついているようだ。その部分だけモッコリと不自然に袴が膨らんでいて、確かにそこにサクラがいるなら由弦は下手に動けないだろうと湊が近づいた。