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「肉屋の親父さんが雪ちゃんの所に行ったって聞いてね~。多分雪ちゃんは出られなくなってるんじゃないかな? って思って、親父に頼んで手伝いに来たよ~」
「雪也は心配症だからね。蒼から聞いて俺も手伝いに来た! ついでに一緒に晩ご飯も食べたい」
 雪也の性格をよくわかっている蒼と湊の言葉に苦笑するが、彼らの気遣いはとても嬉しい。思わず口元が綻び、安堵の息を零した。
「ありがとう。素直に言えば、今ちょうどそれで悩んでいた」
 由弦一人だけであれば、もしも男が暴れたとしても逃げたりすることはできるだろうが、この庵には犬のサクラと子供の周がいる。流石に、由弦一人で抱えるには負担が大きいだろう。だが蒼と湊が居てくれるなら、万が一のことを考えて男の刀を隠す程度で問題は無いかもしれない。
「ふふふ、やっぱり。僕らがここにいるから、行ってきて良いよ~」
 柔らかに微笑む蒼に申し訳なさを覚えるが、今は甘える方が良いだろう。素早く立ち上がって籠に分けておいた薬包を入れる。
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