必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「ちょっとね、親父の古い知り合いなんだけど、最近咳がよく出るらしくってね~。客商売だから困ってるらしいんだけど、昔嫌な事があったみたいで大の医者嫌いの上に、城下町の薬屋も信用できない! って頑固なんだよね~。だから、親父が雪ちゃんに話しようか? って言ったみたい。その知り合いも弥生様と懇意にしてる人で、優様が手ほどきした人ならって言って、来てほしいって言ってるんだけど、どう?」
 野菜を売っているだけあって蒼の父親は顔が広く、知り合いも多い。だが誰彼構わず仲良くしているわけではなく、信用できるか否かは見極めているようではあるし、今回は弥生や優のことも知っているようだから、怪しい者ではないだろう。そう結論付けて、雪也はコクンと頷いた。
「僕で解決できるかどうかはわからないけど、行くくらいなら大丈夫。僕としてもお客さんが増えるのはありがたいことだし」
 薬というものはそれなりに需要が高い。だからこそ周や由弦、サクラを養っていくことができるのだが、それでも顧客は多ければ多い方が良いのは雪也も同じこと。誰一人知り合いがいない状態で始めた雪也にとって、こうして紹介してもらえることは非常にありがたい。
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