必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 紫呉や周が起きていたことに気づいていない雪也は、静かに周と紫呉の間に横たわり、まるでずっとそこにいたかのように身体を脱力させて瞼を閉じる。微かに寝息が聞こえたのを確認して、紫呉はゴロンと雪也の方へ寝がえりをうった。
(お前も難儀だな)
 親のような気持ちで雪也と接してきた紫呉としてはどうにかしてやりたいと思うが、こればかりは紫呉の役目ではない。
 いつか、雪也が好きになる人が現れたら――否、その相手が女人であった場合は、やはり問題は解決されないのではないだろうか? だが、無理矢理に男へ奉仕させられていた雪也が、男に恋情を抱くことなどあるのだろうか。
(あぁ、駄目だ。なんにもわかんねぇ。考えるのは苦手なんだって!)
 雪也達を起こすわけにはいかないから寝たふりを続けるしかないが、思いっきり頭を搔きむしりたい気分だ。胸の内で大きくため息をつく。
(ま、でも……まだ希望は残ってるかもな)
 今すぐには無理だろう。けれどあと数年、周が今よりも大きくなって、大人の事情も分かるようになれば、あるいは解決への道も開けるかもしれない。
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