必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 初めて城で対面する時の座る場所、敷物の有無、着物に履物まで、数えればキリがないほど大なり小なり様々なことで火花を散らしているせいか、基本的に意地を張るような性格ではない女院と静宮本人たちも関係がギクシャクしている。間に入っている茂秋のおかげで少しずつ関係が改善されているようではあるが、まだまだ危うい。
 たかが女たち、たかが大奥での対立。そう片付けるには大奥の権勢は大きすぎ、君臨している女院や静宮の出自も高すぎる。できれば衛府の為にも民の為にも仲良くなどとは言わないので、せめて対立し敵対することは止めてほしいと近臣の立場である弥生は願うが、なかなか難しいようだ。そんな状況で、間に入っている茂秋が倖玖へ向かい、城を離れる。嫌な予感がしないでもないが、弥生は供として茂秋と倖玖へ向かうので、城のことは他の近臣に任せるしかない。
 大奥に行って義母である女院と妻の静宮に出立の挨拶をしている茂秋を控えの間で待っていれば、さほど時間も経たずに茂秋がやって来た。
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