必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 初めて刀を握った時、同じく刀を腰に佩いた紫呉は強さと速さ、どちらが良いかと雪也に問いかけた。
〝強さを取るなら刀の重み、まぁ、つまり攻撃の重みを重視することになる。一撃必殺ってな感じだな。だがそれを叶えるには筋肉が必要だからよ、必然的に速さは無くなる。逆に速さを取るなら、筋肉は必要以上につける必要は無い。むしろつけるな。刀の重さよりは速さで勝負して、より早く、より正確に急所を狙う。お前は、どっちを取る?〟
 力を持つ意味が違えば、強さか速さかも変わってくるだろう。細かく言えば使う得物も変わってくる。どう見ても強さを取ったのであろう立派な体躯を持つ紫呉を前に、雪也は少し悩むと、刀を強く握りしめ、己の答えを紡いだ。

〝では、――を〟

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