私は死に続ける

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私は死ぬ。

断崖から飛び降りて。



私は死ぬ。

喉を切り裂いて。



私は死ぬ。

毒杯を呷って。



私は死ぬ。

撃鉄を引いて。



私は死ぬ。

魔物の群れに飛び込んで。



私はーー







もう何度も死んでいる。
この世界で。
何度死んでも生き返る、この世界で。
死の瞬間に意識の空白を味わい、そしてまた生き返る。
ほら、今もまたーー




底なしの沼に、飲み込まれて死んだ。









システムにより軽減された痛みと苦しみ。その最大値を選んで。
そして訪れる意識の空白。本当に死ぬ時に体験するものとはきっと異なるのだろうそれに、そっと安堵の息を吐く。


ああ、また死ねた。




謂わばこれは死の予行演習。
現実では死ねない臆病者が、仮初めにでも死ぬ為の。


この世界ゲームでは、死は制限されない。物理演算による条件が達成されれば、当然の如く死が訪れる。それはとても平等で公平で、ただ当たり前で。

死の一歩手前で意識の接続を切る方法もあるにはある。恐らく、そう設定している人の方が圧倒的に多いのだろう。純粋にこの世界で生きる・・・事を楽しむならば、そうする方が自然なのかもしれない。

けれど私は逆だから。
死ぬ為にこの世界に存在する私はーー


何度も何度も死を繰り返す。
自分を罰するように。
自らの存在を消し続ける。
自分を貶めるように。
自らを殺し続ける。


いつかーー




いつか、この世界と現実・・を違える事ができたならーー