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どん亀のプロローグ ②
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黒龍王の住処には、吹き飛んだ肉片が壁にぶつかったり、辺りの散らかったり、血吹雪が飛び散ってたりと酷い様子に成り果てていた。
これも全て僕の所為だった。
ついさっきまで黒龍王が寝転んでいた場所には、生まれ変わった僕が立ち尽くす。
首を長く伸ばして自分の姿形を見てみると──。
──超巨大な姿で。
──この世の物とは思えない大きな甲羅を背負って。
──そびえ立つ山を連想する程の驚異の巨体。
──その姿を一言で言うと、まさしく『亀』。
勿論、普通の亀であるはずがない。
何故なら、こんなに巨大な亀なんて、何処にも居やしないからだ。
僕の巨大な身体は、黒龍王の住処であった巨大空間のほぼ半分の面積を占めていた。
これが、真種族『玄武人族』に生まれ変わった僕の真の姿。
その姿には、亀の尻尾の部分からとぐろを巻きつく長い蛇が付いていた。
「よう、兄弟、俺達の勝利だったな」
この声は細長く全身真黒な姿をした蛇の話し声。
こいつは、3つの蛇眼を細めて俺を見詰める。
眩しく煌く鱗をした、こいつの名前はロウル。
BOSS腹の中で生まれ変わった時に名づけた名前だ。
僕の名前クロウルから捩って付けてやった。
「グア─、グギャギャ」
この声は、大きくなった僕の話し声。
えっ、嘘だ、まじっすか、そりゃないよ。
巨大化したら、僕だけ怪獣言語になるらしい。
ロウルのほうだけ、なんでそんなに高性能なんだ。
これも納得いかないな。
ロウルなら、この僕の言葉を理解すると信じて、そのまま、普通を装い話しかけた。
「グア─、グッギャ」
ロウルが俺の話しを聞こうと、身体をうねらせ、俺の正面まで近づいてきた。
「グギャギャキャグギャギャグギャキャグギャキャ」
「グガガ、グギャギャキャグギャキャギャギャ」
あの壮絶な戦いで聖女達と一緒に黒龍王に食われたんだけど、咄嗟に仲間達に行使したスキルによって、同じく腹の中で生き延びていた。
「グギャギャギャキャグギャキャグギャギャ」
一方的に話した僕だけど、やっぱり不安が押し寄せる。
この言葉が伝わっているか、ドキドキしながらロウルの返事を待つ。
そんな僕の気持ちを察したようなロウルは空かさず、僕に返事を返してくれた。
「聖女ちゃんなら、兄弟が変身する時に俺っちのスキルで守ってたから生きてるぜ」
良かった。話が通じたようだ。ほっと僕はため息を吐く。
巨大化した状況で、お互いの話が通じ合わなくなったら、何かと厄介だと思っていたからな。
聖女──エルシア達には一応変身するときに、僕のスキル──真甲羅を使った甲羅状の住処の中にじっとしているように言ってはおいたけど、どうにも心配だったし、それで、もしものことがあったらと不安な気持ちがあったけど、じっと我慢して押さえ込んでいたんだ。
えっと、確かロウルの防御スキルいえば【とぐろ防壁】だったよな。
効果はよく聞いてもわかんなかったけど、取り敢えず無事でなによりだ。
「今はお前の腹の保護膜に包まれてよ、ちゃんと守りはバッチリだぜ」
へー、ロウルを言うことを信じてはいたけど。
完全体には仲間を守る保護膜まで内蔵されてんだ。
そんな力まであるかと思うと、やっぱり嬉しい気分になる。
「後の2人と一緒にな。今は暴れださね─ように、俺っちが気を利かせて眠らせといたからな。俺っちに感謝の心を持ったほうがいいぜ」
これは、ロウルの蛇眼の力を行使したんだろう。
眼を合わせていないのに発揮する力は、なんとも異様な力なんだけど、こいつが味方だと思うと頼もしくすら思えてくるから不思議だなぁ。
「おっと、そうだった。礼を言うなら今だと思うぜ、そら、さっさと言っちまいな」
ロウルの言葉を聞けて、ようやく勝利を実感し始めた。
本来ならお礼を言うところかもしれないけどな。
ロウルは妙に厚かましい態度が感に触る。
まあ、ロウルのお陰なのは、確かだしな。
褒めるぐらいだったら、別に減るもんじゃないし、まあ、いっか。
「グッギャ、グギャギャギャキャグギャギャギャキャ」
「ガオ~、グギャギャキャグギャキャ」
僕の声を聞いたロウルはウネウネしだす。
「うっひょ~~~、お前の体に生まれてよ、初めて役にたてたんだ」
褒められたのが、よっぽど嬉しかったのか。
ロウルは全身を使って喜びを表現しだした。
「しかもよ、初めて褒められたんだぜ!!」
天にも昇るような勢いで、ロウルは天井に何度も体当たりを繰り返す。
「ヒャッホ~~イ、嬉しいぜ~~」
喜びの舞を表現するロウルは、かなりウザかった。
壁や岩柱を次々に破壊していく。
天井から岩の雨が降ってきて、僕に沢山降り注ぐ。
痛くも痒くもないけど、埃を被った後みたいに、不快な気分になった。
次からは、褒め方を慎重にすると心に留めた。
「グガ─、グギャギャギャギャ。グギャギャギャグギャギャギャグギャギャギャ」
「いや~、わり─、わり─」
「前の人生じゃよ、これといった役に立てなかったからな」
「だからよ、めっちゃ嬉しかったんだ」
その言葉は、陰ながら僕をディスッている。
だけど僕は大人だ。その言葉はスルーした。
「グア─、、グギャギャキャ、グギャグッギャグギャギャキャ。」
「グギャギャギャキャ。グギャ」
「おう、此れからは、俺っちが兄弟を陰ながら支えてやるから安心しな」
何とも頼もしい言葉を貰った。
「グギャグギャギャギャキャ、グギャギャギャキャ」
「グガガ、グギャギャギャキャ、グギャギャキャグギャギャギャキャ」
「グギャギャギャキャ、グギャ、グギャギャギャ」
「ああ、解ったぜ、ちょっくら待ってくんな」
ご機嫌そうにくねくね身体を巻きつけながら、思考に耽るロウル。
ロウルは自分のステータスを確認して、スキルの内容を検索しだした。
これは、何故か、僕には出来なかった。
ステータスを閲覧する権限が無かったから。
だから、ロウルに任せることにした。
だけど……。
ロウルは、まだ気づいてないのかな?
──僕とロウルの主従関係が逆転していることに。
生まれ変わった僕達なんだけど、ロウルの方が主人におもえ僕が従者に思えてならなかった。
でも、頭のいいロウルの事だ。
もしかして、知ってても言葉にはしない、そんないい奴なのかもな。
「おう、兄弟、待たせたな。やり方解ったぜ、方法はよ、兄弟と俺っちの魔力を全身に生き渡した後に、同時に叫ぶらしいぜ。『玄武人化』ってよ」
「ガオ~、グッギャ」
「グギャ、グギャギャグギャギャギャギャグギャギャギャグギャギャギャギャギャグギャギャギャギャキャ」
「ああ、大丈夫そうだぜ。今から説明してやるよ」
「なんでもよ、そのスキルを使うと兄弟と俺っちは再構成されるらしくてよ」
「どうやら、今の巨大な亀の身体を抜け出して、新しい身体になるらしいぜ」
「兄弟と俺っちは、脱皮した抜け殻の近くに新たな身体で出現するみたいだからよ、この方法だったら、兄弟と俺っちの安全は確かだと思うけどな」
「兄弟が心配してる腹の保護膜にいる聖女ちゃん達は、そのまま巨大な抜け殻の方に取り残されるみたいだけどよ、兄弟と俺っちのどっちかが願えば、兄弟と俺っちの近くに転移出来るみたいだぜ」
「まっ、平たく言えばよ、どっちも安全ってこった」
「グギャギャギャキャ、グギャギャギャキャ」
グギャギャグギャギャギャグギャギャグギャギャ」
「グギャギャ、グギャギャキャ」
「おう、聖女ちゃん達の様子は、俺っちの蛇眼でしっかり見ててやるから、兄弟は自分の仕事に集中しな」
ロウルは事あるごとに僕を立ててくれる。
なんといい奴なんだろう。
こんなロウルが、元は僕の股の間に生息していた息子だったとは──。
正直に言うと、その事実が未だに受け入れられない。
ああ、玄武人化した後に、もう一度ロウルを見たら、気持ちも変わると思う。
どうしても、受け入れざるを得ないだろ。
初めからの居場所──股の間に生息してるのは変わらないからな。
これも全て僕の所為だった。
ついさっきまで黒龍王が寝転んでいた場所には、生まれ変わった僕が立ち尽くす。
首を長く伸ばして自分の姿形を見てみると──。
──超巨大な姿で。
──この世の物とは思えない大きな甲羅を背負って。
──そびえ立つ山を連想する程の驚異の巨体。
──その姿を一言で言うと、まさしく『亀』。
勿論、普通の亀であるはずがない。
何故なら、こんなに巨大な亀なんて、何処にも居やしないからだ。
僕の巨大な身体は、黒龍王の住処であった巨大空間のほぼ半分の面積を占めていた。
これが、真種族『玄武人族』に生まれ変わった僕の真の姿。
その姿には、亀の尻尾の部分からとぐろを巻きつく長い蛇が付いていた。
「よう、兄弟、俺達の勝利だったな」
この声は細長く全身真黒な姿をした蛇の話し声。
こいつは、3つの蛇眼を細めて俺を見詰める。
眩しく煌く鱗をした、こいつの名前はロウル。
BOSS腹の中で生まれ変わった時に名づけた名前だ。
僕の名前クロウルから捩って付けてやった。
「グア─、グギャギャ」
この声は、大きくなった僕の話し声。
えっ、嘘だ、まじっすか、そりゃないよ。
巨大化したら、僕だけ怪獣言語になるらしい。
ロウルのほうだけ、なんでそんなに高性能なんだ。
これも納得いかないな。
ロウルなら、この僕の言葉を理解すると信じて、そのまま、普通を装い話しかけた。
「グア─、グッギャ」
ロウルが俺の話しを聞こうと、身体をうねらせ、俺の正面まで近づいてきた。
「グギャギャキャグギャギャグギャキャグギャキャ」
「グガガ、グギャギャキャグギャキャギャギャ」
あの壮絶な戦いで聖女達と一緒に黒龍王に食われたんだけど、咄嗟に仲間達に行使したスキルによって、同じく腹の中で生き延びていた。
「グギャギャギャキャグギャキャグギャギャ」
一方的に話した僕だけど、やっぱり不安が押し寄せる。
この言葉が伝わっているか、ドキドキしながらロウルの返事を待つ。
そんな僕の気持ちを察したようなロウルは空かさず、僕に返事を返してくれた。
「聖女ちゃんなら、兄弟が変身する時に俺っちのスキルで守ってたから生きてるぜ」
良かった。話が通じたようだ。ほっと僕はため息を吐く。
巨大化した状況で、お互いの話が通じ合わなくなったら、何かと厄介だと思っていたからな。
聖女──エルシア達には一応変身するときに、僕のスキル──真甲羅を使った甲羅状の住処の中にじっとしているように言ってはおいたけど、どうにも心配だったし、それで、もしものことがあったらと不安な気持ちがあったけど、じっと我慢して押さえ込んでいたんだ。
えっと、確かロウルの防御スキルいえば【とぐろ防壁】だったよな。
効果はよく聞いてもわかんなかったけど、取り敢えず無事でなによりだ。
「今はお前の腹の保護膜に包まれてよ、ちゃんと守りはバッチリだぜ」
へー、ロウルを言うことを信じてはいたけど。
完全体には仲間を守る保護膜まで内蔵されてんだ。
そんな力まであるかと思うと、やっぱり嬉しい気分になる。
「後の2人と一緒にな。今は暴れださね─ように、俺っちが気を利かせて眠らせといたからな。俺っちに感謝の心を持ったほうがいいぜ」
これは、ロウルの蛇眼の力を行使したんだろう。
眼を合わせていないのに発揮する力は、なんとも異様な力なんだけど、こいつが味方だと思うと頼もしくすら思えてくるから不思議だなぁ。
「おっと、そうだった。礼を言うなら今だと思うぜ、そら、さっさと言っちまいな」
ロウルの言葉を聞けて、ようやく勝利を実感し始めた。
本来ならお礼を言うところかもしれないけどな。
ロウルは妙に厚かましい態度が感に触る。
まあ、ロウルのお陰なのは、確かだしな。
褒めるぐらいだったら、別に減るもんじゃないし、まあ、いっか。
「グッギャ、グギャギャギャキャグギャギャギャキャ」
「ガオ~、グギャギャキャグギャキャ」
僕の声を聞いたロウルはウネウネしだす。
「うっひょ~~~、お前の体に生まれてよ、初めて役にたてたんだ」
褒められたのが、よっぽど嬉しかったのか。
ロウルは全身を使って喜びを表現しだした。
「しかもよ、初めて褒められたんだぜ!!」
天にも昇るような勢いで、ロウルは天井に何度も体当たりを繰り返す。
「ヒャッホ~~イ、嬉しいぜ~~」
喜びの舞を表現するロウルは、かなりウザかった。
壁や岩柱を次々に破壊していく。
天井から岩の雨が降ってきて、僕に沢山降り注ぐ。
痛くも痒くもないけど、埃を被った後みたいに、不快な気分になった。
次からは、褒め方を慎重にすると心に留めた。
「グガ─、グギャギャギャギャ。グギャギャギャグギャギャギャグギャギャギャ」
「いや~、わり─、わり─」
「前の人生じゃよ、これといった役に立てなかったからな」
「だからよ、めっちゃ嬉しかったんだ」
その言葉は、陰ながら僕をディスッている。
だけど僕は大人だ。その言葉はスルーした。
「グア─、、グギャギャキャ、グギャグッギャグギャギャキャ。」
「グギャギャギャキャ。グギャ」
「おう、此れからは、俺っちが兄弟を陰ながら支えてやるから安心しな」
何とも頼もしい言葉を貰った。
「グギャグギャギャギャキャ、グギャギャギャキャ」
「グガガ、グギャギャギャキャ、グギャギャキャグギャギャギャキャ」
「グギャギャギャキャ、グギャ、グギャギャギャ」
「ああ、解ったぜ、ちょっくら待ってくんな」
ご機嫌そうにくねくね身体を巻きつけながら、思考に耽るロウル。
ロウルは自分のステータスを確認して、スキルの内容を検索しだした。
これは、何故か、僕には出来なかった。
ステータスを閲覧する権限が無かったから。
だから、ロウルに任せることにした。
だけど……。
ロウルは、まだ気づいてないのかな?
──僕とロウルの主従関係が逆転していることに。
生まれ変わった僕達なんだけど、ロウルの方が主人におもえ僕が従者に思えてならなかった。
でも、頭のいいロウルの事だ。
もしかして、知ってても言葉にはしない、そんないい奴なのかもな。
「おう、兄弟、待たせたな。やり方解ったぜ、方法はよ、兄弟と俺っちの魔力を全身に生き渡した後に、同時に叫ぶらしいぜ。『玄武人化』ってよ」
「ガオ~、グッギャ」
「グギャ、グギャギャグギャギャギャギャグギャギャギャグギャギャギャギャギャグギャギャギャギャキャ」
「ああ、大丈夫そうだぜ。今から説明してやるよ」
「なんでもよ、そのスキルを使うと兄弟と俺っちは再構成されるらしくてよ」
「どうやら、今の巨大な亀の身体を抜け出して、新しい身体になるらしいぜ」
「兄弟と俺っちは、脱皮した抜け殻の近くに新たな身体で出現するみたいだからよ、この方法だったら、兄弟と俺っちの安全は確かだと思うけどな」
「兄弟が心配してる腹の保護膜にいる聖女ちゃん達は、そのまま巨大な抜け殻の方に取り残されるみたいだけどよ、兄弟と俺っちのどっちかが願えば、兄弟と俺っちの近くに転移出来るみたいだぜ」
「まっ、平たく言えばよ、どっちも安全ってこった」
「グギャギャギャキャ、グギャギャギャキャ」
グギャギャグギャギャギャグギャギャグギャギャ」
「グギャギャ、グギャギャキャ」
「おう、聖女ちゃん達の様子は、俺っちの蛇眼でしっかり見ててやるから、兄弟は自分の仕事に集中しな」
ロウルは事あるごとに僕を立ててくれる。
なんといい奴なんだろう。
こんなロウルが、元は僕の股の間に生息していた息子だったとは──。
正直に言うと、その事実が未だに受け入れられない。
ああ、玄武人化した後に、もう一度ロウルを見たら、気持ちも変わると思う。
どうしても、受け入れざるを得ないだろ。
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