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第16話 終末の日常⑤ 舞台裏の日常 メグちゃん顕現

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・・円型回復神能陣起動準備・準備完了・円型回復神能陣起動・展開開始・

巨大水晶岩ダイグラスポッドは、シャルリアの神体の疲労を回復させる円型神能陣を彼女神の足元に展開するように調整して実行した。

音楽の曲超が変わると同時に汗まみれのシャルリアの回りに突如、光り輝く円型回復神能陣が展開され、より強い輝きが垂直に昇る。

円型回復神能陣の内側は純白光に染まり純白光の柱が高くそびえ、シャルリアを覆い隠した。

(((あ~テステス只今マイクのテスト中)))
(((シャル、聞こえたら両手を挙げなさい)))

現実世界で光に覆われたシャルリアだが、脳裏世界でも暖かい色の光に染まった思念のなみ、神霊思念波が世界を一瞬の内に暖かく包み込んだ。

ー(((((メグちゃん、バンザーーイ))))))
ー(((バンザーイ))) (((バンザーイ)))
ー(バンザーイでしゅ)((((バンザーイ))))
ー(((バンザーイ))) (((バンザーイ)))
ー(((((メグちゃん、バンザーーイ))))))
ー((バンザーイ)) ((((バンザーイ))))
ー(メグちゃん、まんざーい、しよ)

おっかい議事堂中央舞台で振り付け隊を見ながら一生懸命に踊っていたシャルリアと、見守るようにテキパキ作業をしていた500柱の幼いシャルリア達が、

一斉に空間頭上を見上げて、みんな揃って大きく万歳。そして、501柱の歓声がおっかい議事堂内に響き渡った。幼いシャルリア達は万歳を何回も行い場が一気に盛り上がっていく。

(((シャル、聞こえてる? そろそろ助けが必要な頃合でしょ。)))

暖かい波動の波が辺り一帯に満ちていた暗い不安な心の色を押し流していくように広がっていく。

波にさらされた箇所は、次々に暖かい色合いに輝きを取り戻していった。

(うん。もう、どうしたらお母さん助けられるか、スッゴイ不安だったの)
(このままじゃ駄目だってわかってきたけど、どうすればいいかわかんなくて)
ーやったーメグちゃんが来たからもう安心。
ーうれしー。早く助けて、メグちゃん。
ーこのブラック改善計画一緒に考えて、メグちゃん
ー・・・(残りの幼いシャルリアの魂の叫び)・・・・

脳裏世界のおっかい議事堂は、501柱の歓声で騒然となりけたたましい声が鳴り止まず 、
大きなうねりとなり会場は喧騒けんそうに飲み込まれてしまった。

(((まぁ後は私に任せておけば大丈夫よ)))
(((これからみんなにも説明するから、)))
((((((((静まりなさい))))))))

少しだけ熱くかなり大きな神霊波動が会場上空に突如とつじょ出現、一瞬にして会場の全てに接触するように広がり、波はそのまま全てを突き抜けていく。

幼いシャルリア達のお顔に少し熱い波が突き刺さり、白髪が強い突風に襲われるように髪が激しく乱れる。

ー(((((しーーーーーーーーーーん))))))
ー(((しーーーん))))(((しーーーん))))
ー(((しーーーーーーん)))((しーーーーん)))
ー(((((しーーーーーーーーーーん))))))

全ての幼いシャルリア達は怖いよ、静かにしたよ、もう騒がないよ、と必死に自己アピールするため、幼シャルシア達は擬音ぎおんを一斉にかなでていく。

会場には、ピンと張り詰めた緊張した空気となり、静寂がおっかい議事堂円卓えんたくの間をすっぽり包み込んでしまった。

その張り詰めた空気の漂う円卓の間中央に、突如何の前触れもなく光柱が突然垂直に立ち上る。

辺りに霊子光の雪がゆっくりと現れ始め、きらきらと淡い蛍のような光を灯して舞い落ちていく。

幼いシャルリア達はあっマニュアル33のご来光顕現けんげんパターンだとピンときた。

聖神霊教会神達はどうすれば、より神霊らしく顕現けんげん出来るかを日々夜遅くまで討議している。

聖神霊教会神の1柱がシャルリア脳裏世界に神霊体として顕現する兆候が捉えられたということだ。

ー(((しーーーーーーん)))((しーーーーん)))
ー(((しーーーーーーーーーーーーーーーーーん)))
ー(((しーん)))((しーん)))((しーん)))
ー(((しーーーーーーん)))((しーーーーん)))
ー(((しーん)))((しーん)))((しーん)))

今騒いだら叱られるとちゃんと理解してる幼いシャルリア達はそのまま擬音を奏で続ける。

会場中央では、少しずつゆっくりと霧のような淡い霊光がふわふわと寄せ集まり、

徐々に神体の特徴に形作り、やがてゆらゆら揺れて落ちていく霊光雪に混じって、

うっすらと神秘的に見えるようにメグフェリーゼがようやく顕現けんげんした。

(ただいま、シャル)

うっすらと顕現したメグフェリーゼは、声をシャルリアに掛けながら、すぐに実体をともなった神体になり、

足元まで余裕で届くほど大きくてなまめかしい闇色に染まった1対の翼を神体に背負い、

その翼を優雅に羽ばたかせ、長い漆黒のつやのある腰まで届く髪を弾ませて、漆黒の甘美な神衣装に風をまとわせ、

日焼けしたような焦げ茶色のハリのあるお肌を震わせ、美神といっても全く問題ないお顔立ちのほほを赤く染め上げ、

切れ長のはっきりした瞳を淡くにじませ、甘い吐息を吐きながら、

シャルリア本神目掛けてお顔をさらに高揚こうちょうさせながら走り駆け寄り、飛びつき、そして強烈に抱きしめた。

そのまま2柱の空間に隙間がないほど密着して、貴女神あなたとやっと出会えたとお互い強く抱きしめ合った。

(メグちゃん、会いたかったよー)

超絶で熱すぎる抱擁プチュ交わしたピチャピチャ交わし続けたレロ…レロレロ交わし続けたレロ…レロレロ交わし続けたレロ…レロレロ

(メグちゃんに学んだお技で今日こそメグちゃんに勝つわ)

まだ交わし続けているクチュッチュパまだ全然満足しクチュッチュパていないのかレロ…レロレロまだ交わし続けているクチュッチュパ

(あっメグちゃん、やっぱり凄い。全然勝てる気がしないわ)

いつまで続けクチュッチュパるつもりなのかレロ…レロレロまだ全然満足しクチュッチュパていないのかレロ…レロレロまだ辞めないのかクチュッチュパ

(でも私は諦めない。負けたくないわ。私はメグちゃんの神友だから)

そろそろいいだろうレロ…レロレロまだ辞めないのかクチュッチュパまだ交わし続けているクチュッチュパ

(メグちゃんの思いを絶対に受け止めきって見せるわよ)

2柱が愛し合ってチュッチュッチュッいるのは充分チュル…チュル伝わったはずだレロレロ‥チュルそろそろいいだろうレロ…レロレロ

(強いメグちゃんの思いにもうメロメロになってきたわ。ふにゅ~) 

まだ足りないのかクチュッチュパ何処まで行くのかチュッチュッチュッそれは2柱の女神レロ…レロレロだけが知っているクチュッチュパ

(一瞬気を失ってしまったわ。まだ、負けてないわ。ふわ~)

そろそろ宴も酣チュル…チュルということで話を進チュッチュッチュッませたいのだがレロ…レロレロすいませんチュル…チュル

(もう、何も考えられないわ。もう、メグちゃんにおまかせだわ)

もう少しだけレロ…レロレロそうですかチュル…チュルかしこまりましたレロ…レロレロごゆっくりレロ…レロお楽しみくださいクチュッチュパ

(メグちゃん、だーーいーーーすーーーき。ふにゃららら~)

これは長い時間レロ…レロレロ暫くかかりそうだクチュッチュパ

ここで一旦、説明しよう。

この行為は、メグフェリーゼがシャルリアに行った幼児教育の成果が遺憾無く発揮され、その成果が今まさに実践されているいつもの日常の状景である。

メグフェリーゼは、おはようのキス&ハグプチュッチュパッ

いただきますのキス&ハグプチュッチュパッ、ごちそうさまのキス&ハグプチュッチュパッ

いってらっしゃいのキス&ハグプチュッチュパッ、こんにちはのキス&ハグプチュッチュパッ

こんばんはのキス&ハグプチュッチュパッ、ありがとうのキス&ハグプチュッチュパッ

どういたしましてのキス&ハグプチュッチュパッ、うれしいのキス&ハグプチュッチュパッ

かなしいのキス&ハグプチュッチュパッ、ただいまのキス&ハグプチュッチュパッ

おかえりなさいのキス&ハグプチュッチュパッ、おやすみなさいのキス&ハグプチュッチュパッ

神友だからこそ絶対にお互いが満足するまでしなければならないと、口を酸っぱくしながら説明し、

実践じっせん方式ですでに洗脳するように教育を施していた。2柱の神友の間では、この光景は、既に2柱の絆を確かめあう常識の範囲内の事である。

その際には、ちゃんとお舌を上手に使いましょうねと実践方式で教育、シャルリアは何度も再試験を受けさせられたがなんとか試験に合格して、

嬉しさのあまり2柱で喜び合い乳繰ちちくり合ったのは、2柱の些細な記憶として脳裏世界の片隅に創造されたシャルちゃん宝物殿に大切に保管されている。

メグフェリーゼは、今度はお手々も使ってする方法も伝授しようと画策していたが、さすがに同僚に早すぎると注意され、

それでも諦めきれずに、同僚の神眼を掻い潜りかいくぐり静かに教育する機会が訪れるのを、今か今かと待ち望み、実行にいつでも移せるように計画を立てていた。

ー(((しーーおーーーん)))((しーいーーん)))
ー(((いーーーーーーーいーーーーうーーーーん)))
ー(((あーん)))((しーん)))((しーん)))
ー(((おーーーーーーん)))((うーーーーん)))
ー(((いーん)))((えーん)))((おーん)))

幼いシャルリア達は、みんな手で顔を覆っているが、指の隙間から神眼でガン見しながら、私見てないよ、ここにいないよアピールをする為、引き続きみんなで擬音を奏で続けている。

ただ、擬音を鳴らし続けるのにも、中央で2柱で新たな世界ラブラブワールドを作り出していて、いいな私たちも仲間に入れて欲しいなと考えてしまい、上手く集中できず、違う擬音が流れてしまう。

(見てるだけじゃ、つまらないものね。みんなの思い、受け取ったわ)
(私が、みんなの思い、スッキリ叶えてあげるわ)

そこは、みんなの心をしっかり捉えているキャッチ我らがメグちゃん、幼いシャルリアもしっかり守備範囲内の大好物、さぁみんな一斉にかかってきなさいとばかりに無駄にメグちゃん無双の熱い炎が激しく燃え上がる。

辺り一帯に霊光雪がしとしととゆっくり落ていたのが、次第に数が多くなりあたり一面を覆い尽くし視界が真っ白に染まったかに思うとその霊光の雪が一斉に集まりだし、激しい光雪が突然降り止むと中央部一面に500柱の幼いメグフェリーゼの姿が顕現された。

((それじゃあ、みんなも一緒にただいまの練習しましょうね))
ー((((やったー))))
ー私、頑張るわ
ーメグちゃんお願いします
ー私も負けないからね
ーぺっこりん

500柱の幼いメグフェリーゼは、それぞれ500柱の幼いシャルリアの手をやさしく取って円卓の間の自神の席に座らせて、

幼いメグフェリーゼはその上に座り、そこでも幼児教育一環として、ただいまのやり方をみんながしっかり出来るようになるまで、とろけてくずれ落ちてしまうまで続けられた。

ー超すごいー
ーかみとものただいまさいこう
ーとろける~
ーふやける~
ーふわー
ーふにゃららら~
ーおほしさまがまわってる~

さて、どれくらい時間が経ったかというと全く立っていない。ここはシャルリアの脳裏世界だがメグフェリーゼがちょこちょこっと調整して、メグフェリーゼの御力で展開された超神速世界となっている。

どれだけ超神速世界で時間が経とうとも現実世界では、一瞬の出来事だ。

メグフェリーゼがいじくった超神速世界の事は、いじくった本神が一番よくわかっている。

彼女神は、まだまだ夜はこれからよと言わんばかりにじっくり堪能たんのうしていく。

シャルリアの脳裏世界が桃色に染まり、円卓の机と椅子はそのままで、おっかい議事堂は霞みがかったように消え失せる。

周辺一帯は緑の芝生で覆われた丘の上に向こうには、青々と茂った森も見えうさぎの形をした神獣が沢山かけてくる。

いろいろな種類の神獣が寄り集まり、シャルリア達の幸せ空間をじっくり観察していた。

脳裏世界では、シャルちゃん牧場に舞台を移動したようだ。

証拠にもなくメグフェリーゼがまたシャルリア脳裏世界をちょこちょこっと弄ったようである。

彼女神はメグちゃん雰囲気を変えて、まだまだこれからよ、じっーくり楽しみつくしてあげるわ、みんな覚悟しなさいといわんばかりにみんなと一緒に一心不乱に教育にいそしんでいた。

そういう訳なので、まだまだ時間がかなりかかると思うがその間に、さらに説明しよう。

メグフェリーゼは、うっとりと遊んでいるように見えるがそうではない。

今はシャルリアに御力を注ぎ込んでいるだけなのだ。いつもシャルリアに御力を注ぎ込む役目は彼女神メグちゃんが1柱で担っている。

神能研究所や他の研究所でも神達は機会あればシャルリアに御力を注ぎ込もうとするが彼女神メグちゃんが全て排除してきた。

シャルリアの神能力量は、同じ年代の神子候補生と変わらない。

そのため神能不足(御力切れ又は御力欠おちけつ)になりそうになると彼女神メグちゃんが毎回満タンまで神能力量を回復させているのであった。

巨大水晶岩ダイグラスポッドがシャルリアの御力を正常値まで回復させたのだが、それは本来は彼女神メグちゃんの役目なのだ。

新参者は引っ込んでいろと言わんばかりに幼いシャルリア達に熱く幼児教育を施していく。

それに今後の作戦を成功に導くために、シャルリアの神能力量ギリギリまで御力を注ぎ込む必要があり、敢えてこのような方法を取っているのだ。

決して欲望の為だけにそうしているのではない。

具体的に数字で説明すると[メグちゃんの欲望80:理性ある計画20]の割合だ。

理性ある計画の値が20も割かれていた。これで欲望の為だけに行っていないことが数字の面で証明できたのではなかろうか。

もし仮に理性ある計画の値が0だったら、シャルディリアースシャルのお母さんをぶっ飛ばしてKOして終了。

物語もそもそも成り立たない。物語を破壊する行為だ。それはそれで面白そうだが、是非ともやめてもらいたい。

ここは彼女神メグちゃんなりに我慢しての、この現在の行為と理解してあげて欲しい。

そもそも何故彼女神メグちゃんは、シャルディリアースシャルのお母さんをまだ放置しているのか。それは、大掛かりな計画にシャルディリアースシャルのお母さんがかかわっているからだ。

彼女神メグちゃんだけの判断では、処理できない。もしぶっ飛ばしてKOするとすれば、彼女神メグちゃん上位神じょうしの許可がいるが今回の事態に限れば許可は決して降りるはずが無い。

メグフェリーゼの上位神じょうしは、聖神霊教会・教皇神『セント・バランシャイラ・レイ・ルリーア』

バランシャイラは、教皇神にして、神霊界の最高神の系譜『レイ』の名が名乗れる程の超大神。

メグフェリーゼは教皇神バランシャイラの第7位階梯かいてい秘書官。只の秘書官。

セント=シャルディリアース、シャルリアのお母さんはメグフェリーゼの部下神。

本来ならばメグフェリーゼの部下神の処分は上司であるメグフェリーゼが行える。

但し、今回は超神界と神霊界の間で勃発している神界戦争が今回の事態に大きく関わってしまった。

現在のところ超神界と神霊界の神界戦争は、率直に述べると神霊界の分が悪い。

簡単な勝率で説明すると、

超神界 勝 6:神霊界 勝 4で神界戦争の各戦線で微妙に負け越していた。

その超神界は神界戦争において、様々な破壊工作を仕掛けてきている。

神霊界でも諜報神達が破壊工作や情報工作に駆り出され、両神界同士の水面下で暗闘がおこなわれていた。

その一環として神霊界諜報神達の間諜かんちょう工作計画が超神界で実行され、その過程である情報が神霊界に舞い込んできたのが事の発端となっている。

その情報とは、超神界の工作神達が天神界である計画が進行しているという簡単な内容だった。

内容を詳しく神霊情報局内で情報精査・解析・分析・内定調査をより詳しくおこなっていく過程で霧で覆われた視界がゆっくり晴れていくように少しずつ計画の詳細が判明してきた。

それは、天神界と神霊界の希望の鍵を奪うか、破壊するか、または傷つける、もしくは無くす、

そのいづれかの手段で両神界の同盟に楔を打ち込む計画が現在進行中、さらに派生した計画も進行開始段階にあるということらしい。

そもそも持ち込まれた情報自体が信用できる内容なのか、はたまた向こうが仕掛けた罠に上手く誘い込まれているのか、まだ神霊界側では事態を正確に掴みきれていない。

この件については神霊情報局にて情報精査・収集され現在もまだ調査中ではあるが、今のところ神霊界側が掴んでいる情報にそうように事態が推移しているようである。

神霊界側としては、この計画を白日のもとに晒して、神々の世論を神霊界側に引き込みたいという思惑や狙いがあった。

そのために神霊界側の諜報機関である神霊情報局が懸命に工作活動を行っている。

その工作活動にメグフェリーゼも不本意ながら、かなり関わることに結果的になってしまった。

彼女神メグちゃんは智謀を巡らすのもお好きだが、あまりチマチマしすぎると盤上をひっくり返したくなり、ちょっとプチッと来る時がある。

今は外見上は、普通に見えるように取り繕っているが、内心ではプチッとくる前兆が脳裏世界で始まっていた。

メグフェリーゼが、脳裏世界の前兆を鎮める為に、今もなお続いている授業を、仕方が無く行っていると信じたい。

(シャル、ありがとう、しっかり成分補給できたわ)
(シャルのお味はやっぱり最高だわ)

メグフェリーゼは、艶かしい瞳でシャルリアを見つめながら神念話を送る。
2柱がゆっくりとお互いに距離を取り出した。やっと終わった。長かった。

(メグちゃん、最高にただいまの気分になれたよ。ありがとう)

シャルリアは、日常の行為が終了すると腰が砕けたように、

ペッタンコ座りに移行しながら微笑んだにっこりさん

シャルリアとメグフェリーゼが満足しているように神眼を潤わせお互い見つめ合っている。

(シャル、今回のただいまは70点よ。もう少しよ)
(80点以上とったらご褒美あげるからもっと精進なさい)

メグフェリーゼは衝撃の事実をシャルリアに告げた。

(次は80点を取れるように頑張る!!)
(次こそ絶対メルちゃんをギャフンっていわせるわ)

シャルリアは強気な発言宣言を予告し、次は見てろよとふんすと鼻息を吐いた。

(じゃあ、次はおかえりの実習よ。これはシャルから来るのよ)

まだ、終わってなかった。続きがあったらしい。メグフェリーゼは勿論やる気満々MAXだ。

(今度は負けないからね。行くよメグちゃん)
(おかえり。メグちゃん)

ふらふらしながらも必死に立ち上がるシャルリア。そしてお口を舐めて戦闘準備完了。

今度はシャルリアのほうから、抱きつき甘える声を発しながら、おかえりの口づけを交わした。

甘い抱擁でお互いの吐息がゆっくり聞こえるように優しくなめらかに口づけを交わし続ける。

シャルリアの愛情がメグフェリーゼに伝わるように心を込めて口と口を合わせ続ける。

ゆっくりとした甘い空間が辺りに満ちていき、空間全体でメグフェリーゼを包み込むように優しい暖かい風が2柱をふんわりと包み込んだ。

メグフェリーゼが剛なら、シャルリアは柔でみずからの技術を駆使して甘えるような口づけで交わっていく。

とても長い時間をお互いが密着しあい、愛を確かめ合い続けた。

メグフェリーゼもシャルリアに逆らわずに身を完全に委ねていてうっとりとした表情を浮かべていた。

やがて、2柱のおかえりは全てとどこうりなく、終わりを告げた。

(おかえり、メグちゃん)

2柱が離れてから、終わりを告げるシャルリア、そして優しい笑顔愛情のにっこりさんをメグフェリーゼに見せる。

(ただいま、シャル)

メグフェリーゼも終わりを告げて、これで2柱の儀式は幕を下ろした。

(80点よ。シャル。素敵だったわ)

お得意のうすら笑いを浮かべながら、満足げに結果を伝えるメグフェリーゼ。

(やったー。久しぶりの80点だー)

採点を発表を聞いたシャルリアは嬉しさのあまり、その場で飛び上がった。

(さっきご褒美くれるって言ったけど、大丈夫?)


さきほどメグフェリーゼが宣言した約束をもう達成してしまい、ちょっと申し訳なさそうなシャルリア。

(大丈夫よ。もう準備してあるけど、こんな忙しい場所じゃなくて、2柱でゆっくりできるときに約束を必ずはたすわ)

(ありがとう。メグちゃん。楽しみに待ってるね)

シャルリアに語りかけながらメグフェリーゼは周囲を見渡すと、幼いメグフェリーゼはお役目を見事果たし既に立ち消えており、

椅子の背もたれにもたれかかるように満足して熟睡している500柱の幼いシャルリア達のお姿がメグフェリーゼの視野に収められた。

傍に集まっていた神獣達が500柱の幼いシャルリアのお顔をペロペロと舐めている。

メグフェリーゼは目を瞑り顔を横に振り、ちょっとやりすぎたわね、次からはもう少しだけソフトにしようかしらと反省したと伺わせるような仕草をする。

(説明したいけど、みんな寝てしまったわね。よっぽどお仕事大変だったのね)

違う。そうではない。メグフェリーゼの教育が厳しすぎたのだ。

シャルリアはみんなごめんねと表情をちょっと曇らせる。

(結構みんなに無理させちゃったね)

みんなを見渡し、神念話をみんなに送り、次こそもっとしっかりするからねと気合を新たにするシャルリア。

(あの子達は後で説明するとして、まずシャルに先に説明するわ)

メグフェリーゼは、自神の発言に無理矢理納得し、説明を開始する。

(そうねえ・・そうそう。まず説明する前に)
(シャル凄くお歌上手だったわよ、感動しちゃったわ)

神速で話を脱線したメグフェリーゼ、そしてメグちゃんの感想を聞けて嬉しいシャルリア。

あれだけ2柱で濃密な時間を過ごしたのに、メグフェリーゼのシャルへの思いは尽きないらしい。

嬉しさのあまり、脳裏空間の大空には花火が大量に打ち上げられ綺麗な広がる光のお花で大空を染めた。
だが、ここからメグフェリーゼの弾丸トークが炸裂する。

(シャルの真っ直ぐで必死で純粋な思いが込められた心の歌)
((私の心を大きく揺らしたわ))
((もう、心の底から震えが、振動が伝わってきたわ))
((それは、もう本当に神体が震えてしまったわ))
((これが魅了される感触なのね))
((私はもうシャルにメロメロなのね))
         :
        省略
         :              
(((シャルの心の歌を聴いてたら、))
((私も思わず口ずさんでいたのよ)))
(((私が口ずさんで、シャルが歌って2柱でこの世界に声を届けることができたわ))))
         :
        省略
         :
(((今日はなんて素敵な日なのかしら。新しい記念日の誕生だわ)))
(メグちゃん。もう分かったから、もうやめて、はずかしいよ)

両腕を駆使し翼も大きく羽ばたかせて神体全体で表現し、

いかに素晴らしかったかを神眼で収めた四次元映像を展開して、

ここが良かった、この表情素敵よなど、事細かく発表プレゼンしていくメグフェリーゼは、

しばらく暴走して脱線しまくったが、お顔を真っ赤にしたシャルリアに止められ、無事正気を取り戻すことができた。

熟睡していた500柱の幼いシャルリア達もすっかり元気になって、メグフェリーゼの愛情発表愛のプレゼンを真剣に紳紙に書き込んで、

ーそれ私が考えたステップよ、
ーヤッターそこ褒めてもらえたわ、
ーやっぱり、会心の出来だったわ、
ー次はメグちゃんも一緒に歌おうよ、

など、すっかり幼いシャルリア達の体調も回復したようだ。

(踊って歌ってる時は凄い高揚感あって楽しかった)
(でも私がお顔を赤面させながら、歌ってるところ後から見直すとか精神がもたねいわ)
(しかもメグちゃんの真剣な解説とみんなの酷評つき)

シャルリアは、自神の新たな黒歴史をみんなの前で酷評され、

恥ずかしさと羞恥心が心を突き抜けてしまい、両手を地面につけて項垂うなだれている。

(メグちゃんの愛の言葉が次々私を貫いて、もう私はヘロヘロさ)

脳裏空間の大空はシャルリアのお顔と同じく真っ赤に染まっていた。

大空から見下ろすと緑の芝生だった丘一面が色とりどりの綺麗な神花で覆い尽くされて、

大勢の小さな妖精達が飛び跳ねるように可愛らしい踊りを真似まねして踊っていた。

(おほん、あら、みんな起きたのね。気持ちがのめり込みしすぎて気づかなかったわ)

メグフェリーゼはあら、いたのみたいなのりでみんなを見渡し

今思いついたようにパンと手を叩いて、そうよそうよと一人で勝手に何かを理解している。

(シャルリアの1歳誕生日、私祝ってなかったわ。行きたかったけどお仕事で無理だったでしょ)
(今みんなを見てたら思い出したわ)

勿論嘘である。彼女は昨日も隠れてシャルリアの影となって護衛していた。

計画進行中の為、シャルには内緒にしているので、メグフェリーゼにも罪悪感があるようだ。

彼女神メグちゃんお得意のうすら笑みを浮かべみんなにむけて嬉しそうに話しだした。

(シャルリア。1歳お誕生日おめでとう。さぁこちらにいらっしゃい)

落ち込んでいるシャルリアが勝手に空中に持ち上がり、ふわふわとメグフェリーゼの元に運ばれていく。

(さぁシャルリア、さっきはただいまの実習だったけど、次はお誕生日おめでとうの実習よ)

そういうとメグフェリーゼ監修によるおめでとうの教育実習が始まった。

いつもより、熱い、熱い、焼け付くような熱い口づけを2柱で気が済むまで行われた。

勿論、周りにいる幼いシャルリアも、もれなく巻き込まれた。

そして、メグフェリーゼは、ずーーっと前から計画してやっと用意できたプレゼントをシャルリアに渡すことができた。

シャルリアは一番の笑顔で受け取ってくれた。

そのプレゼントは、かわいらしい神洋服と神靴とネックレス型の神晶鍵だった。

その神靴の靴底くつぞこは何故か光っていたピカピカピカリン
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