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第2話 神子展覧会の風景
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『水晶神宮殿』《クリスタルパレス》
上位神が己の持つ神能を下級神人に分け与える神の儀式【神能の儀】、
下級神人を神子として下界転属永久隷属させる神の儀式【転神の儀】、
他にも様々な神儀式がこの場所でしめやかに執り行われる場である。
貴神等からその名称を名付けられた場は、
1つの大きな神街と言っても過言ではない程の広大な敷地面積をほこり、
荘厳な神晶岩石に、華麗な彫刻を施し用いられた数多くの神殿構造物が、
所狭しと規則正しく立ち並ぶ、壮大で神聖な神域空間であった。
上空には、虹色に煌めく数え切れない程の神晶石と無数の神鏡球が、
現下の神宮殿を警戒監視するよう見下ろしている。
地上部では、多種多様の蛍光色で彩られた柱や、
100は軽く超えるであろう水晶神殿建造物、
そして様々な形状の水晶体で、辺り一帯を水晶の大地のように埋め尽くしていた。
天空に向かって突き出している水晶群の多くは水晶神石であり、
あらゆる敷地内に点在し、大街道の中央部に幅を取り一列に規則正しく設置されていたり、
神殿横の街路樹の傍に規則正しく置かれていたり、
神宮殿内のありとあらゆる場所に、観覧しやすいよう設置されていた。
このあらゆる場所に設置された全ての水晶神石は、
普通の気軽に採掘できる有り触れた水晶神石では無く、
純度の高い水晶神石を用い創造神錬金された貴神等の創造物、
水晶岩という名称が貴神等から与えられた輸送型神具機器である。
この世界では様々な性能・装備が追加装備された大量の水晶岩が、
社会に自動運用されるように用いられていた。
水晶岩は、神が水晶神石を創造神錬金してつくられたものだが、
その水晶体が水晶神宮殿の広大な敷地に所狭しと大量に設置してあった。
その水晶岩《グラスポッド》の放つ輝きにより、神秘的な空間で満たされ、
周辺一面が眩く燦めかせるように見えている。
その眩い燦めきが幻想的な神風景を作り出し、
数多くの貴神達の神眼を楽しませていたが、
そのほとんどの貴神達の興味は別にあり、
貴神等の視線はそれに集中していた。
それとは、ここでは水晶岩に搭乗軟禁されている神の事をさしている。
搭乗している神は神でも下級神、
天神界の神民権も獲得していない創造されたばかりの新しい神、
彼神らはいずれ地上に投下される予定の神子候補生達である。
その神を搭乗軟禁されている水晶岩が、水晶神宮殿内を埋め尽くしていた。
見世物とかした神等は、本日の主役としての役割を、それぞれ必死に演じている。
その水晶岩の周囲を貴神達が取り囲み、展示品である候補生らが演じる姿を、
神の神眼で見定め批評し反応を伺う行為が、何処の場所でも行われ、
貴神達の関心を惹きつけていた。
貴神等は候補生らを大量に祭り、会場はお祭り騒ぎのような大盛り上がりとなり、
この祭典は間違いなく大成功だと言っても、過言ではないだろう。
掛け合う声がこちらの方まで響いてくる。
「あの子強そうね」
「どんな、御力もってるのかしら」
「これは、女神様。神眼がお強い」
「この子は当神殿お勧めの候補生となっております」
「この子は聖剣創造の御力をこの前承ったばかりの自慢の逸品でございます」
「いいわね。この子を候補にいれるわ」
「この子の競売は何時からかしら」
どうやら水晶岩の中に座っている子供神を気に入ったようだ。
このようなやり取りがどこの会場に行っても行われている。
彼神等、彼女神らはみんな、水晶岩に軟禁状態で展示され、
周囲でバカ騒ぎをする貴神等の視線と聴衆の関心を集めていた。
今日、この水晶神宮殿内の100を軽く超える神殿内、
全てで『神子博覧会』が盛大に行われている。
どの会場でもかなり混みあった賑やかな市場のような歓声が辺りに木霊していた。
「寄ってらっしゃい。見てらっしゃい」
「本日こちらで、凄い子が出展されてるよ」
「生娘、生まれたてのほやほやだぞ」
「おい、兄ちゃんこの子どうだい」
「自神好みに育てて、飽きたら下界にポイすりゃOK」
「まだまだ、いいの揃ってるよ」
「おいちゃん。あの子いくらだい」
「おいら、気に入っちまったよ」
「おやじ、活きのいいの見繕ってくれ」
何処も彼処も貴神等で大盛況だ。
そしてここでも、『聖神霊教会』辺境支部主催の『聖神霊協会 神子展覧会』が、
神宮殿街の中央部に位置する第55豊穣神殿の神講堂内で開催されていた。
神講堂はかなり大きな円形構造の神殿風建築物だ。
内部は吹き抜け構造として円形に沿うように水晶柱が連なっていた。
神子展覧会は、貴神等の一般常識としては、
「こいつ、俺をずっとにらんでやがるぜ。気に入った」
「お前に俺の神能わけてやるぜ。せいぜい足掻いて生き延びな」
お気に入りの下級神に御力を継承させる育成の場。
「あら、この子いいわね。顔つきが私ごのみよ」
「ちょうど、お手伝い女神を下界に追放したから、かわりにもらおうかしら」
競り落とした子を手元に置き愛でる隷属の場。
「おー、いいね、その強がってる顔最高だよ」
「今から、お前ら俺の統治する世界で生涯働いてもらうぜ」
「よろしくな、こきつかってやるよ」
自神の統治世界で未来永劫使役する強制の場として周知され貴信達の集いの場として利用されてきた。
売買が成立するということは、辺り一帯に点在する水晶岩に軟禁されている神子達は、皆競売にかけられるということでなる。
「1000億銭じゃ」
「おーと、ここで、大台になってしまいました」
「誰か、他にいませんか。いませんね」
「おめでとうございます」
「神子候補番号2571番マリティカ落札です」
「いやーみんなー助けてー誰かー助けてよー誰でもいいからさー」
「まだ、みんなと一緒に居たいだけなんだよ」
「許して、お願い」
「それでは、お手続きは、あちらのカウンターでお願いいたします」
落札された神子候補生の水晶岩が運ばれていった。
このような競売がこの会場では、普通の出来事とかしてしまっている。
競り落とされた下級神は、最終的にはほとんどの者が地上に投下されてしまうのだろう。
地上に投下され神界から追放となる下級神は、
不老不死を司る神核消滅、記憶抹消、精神漂白され未来永劫に渡り、
その世の創造神から廃棄を言い渡されるその日まで、
輪廻転生の輪に加わり続ける。
そして、その世界を管理する貴神等の手足、つまり奴隷隷属し、
その世の創造神の使徒、又はその世の調整神である貴神等の使徒として、
日夜強制労働をしいられる運命が待っている。
「お前ら、ぜってーいつか復讐してやるぞー」
1柱の神子候補生が捨て台詞を残して、輪廻転生の輪に落ちていったようだ。
1柱の神の冥福を祈ろう。
このように輪廻転生の輪に落ちていく時には毎回、
特に念入りに記憶抹消、精神漂白が施され能力は基本スペックに戻される。
強くてNEWGAMEは決して叶えられない。
ただし、貴神等の世界で賜った御力は、そのまま持っていくことができる。
つまり、日々計画性無く次々創造されていく新しい貴神等達を
どのように今後対応するかという神人口対策の一環として、
いらない神はどんどんゴミ箱にポイと捨てていくシステム、
それがこの天神界では日常的に行われているのだ。
水晶岩で埋め尽くされた空間では、
ひときわ目に付く巨大な水晶岩が部屋の中央でゆったりと浮かんでいる。
時折眩しく輝く巨大な中央水晶の中には、愛らしい少女が立っていた。
愛らしい少女の名は、『シャルリア』と呼ばれている。
巨大水晶岩の回りには、
統括神霊『セント=シャルディリアース』と数多くの作業神達が、
その水晶岩に向かって一心不乱に神威の御力を送り込んでいる。
シャルリアは展示会の本日最終商品で最高落札予定商品として、
いままさに最高のお持て成しを受けていた。
シャルリア達は皆とお母さんと一緒に旅行で浮遊水晶島にきて、
その島にある水晶神宮殿《クリスタルパレス》を見学中に、
見事お母さんの策略にはまり、皆と別々に引き裂かれ、
いまは、この水晶岩に結果的に軟禁され閉じ込められている。
今日の『聖神霊協会 神子展覧会』に関することは何も知らされていなかった。
他の神子候補生達も、お母さんと旅行に連れて行ってもらえると、
喜んでついてきたがまさか自分自神が、このような事態に巻き込まれることになるとは、
全く夢にも思っていなかったのだ。
そしてこの展覧会を統括している神霊、
『セント=シャルディリアース』は、
この場にいる全ての神子候補生達の創造神である。
つまり、母親である。シャルリアはお母さんと言って慕っていた。
神子候補生達は皆この神霊様を憎まれ口を叩きながらも慕ってきた。
「お母さん。助けてよー。こっち向いてよ」
「もう帰りたいよ」
「誰か助けてよ」
「こっちくんな」
「俺は、下界世界には、行かねえぞ」
「お母さん。冗談やめて帰ろうよ」
「この裏切り者。俺たちをずっと騙してやがったな」
声を上げれる子達は、それぞれが持つ思いの丈を全て吐き出して必死に助けを求めている。
いつかはこうなるだろうと考えてはいたが、信頼していた神のまさかの突然の裏切りに、
全ての神子候補生達の心が引き裂かれんばかりに打ちひしがれていた。
そんな中、シャルリアは我が事ではないように達観していて、
ただ作業神達が行っている作業を観察し続けていた。
----------メモ設定 参考資料------------
天神界(天神界の最高神が面倒臭いからこれでいいんじゃないと言う事で決まった。)
1年 1000日
光月 100日
火月 100日
水月 100日
木月 100日
金月 100日
土月 100日
雷月 100日
氷月 100日
闇月 100日
創月 100日
1日 100時間
1時間 100分
----------メモ設定 参考資料-----------
水晶神宮殿
100を超える神殿構造物が立ち並んだ神殿区画。遥か昔に神の1柱が神水晶の鉱脈が欲しいが為に浮遊水晶諸島を創造した時に同時に作成した区画である。普段は無神であり、大量の掃除神具機が掃除・洗浄・補修をして景観を保っている。
新しい神
天神界では、天神民ではない生まれたばかりの神には最長1年間の滞在が許可されている。その期間を超えると天神界強制退去処分となる。神子候補生になると最長5年間滞在が認められる為、多くの新しい神は神子候補生の道を選んでいく。
神子候補生
神の世界で階層が一番下の神がこのような待遇を受ける。候補生達は、5年間神子学園に通い、神としての知識、技能、神としての心のあり方を学ぶ。5年間、自分自神の進路を見定める期間が与えられている。
水晶岩
形状は形状変形可能な水晶神石、通常は神達の神速移動用小型艇として利用されている。水晶室内に展示物を入れて観賞用展示台としても使われている。御神船からの緊急脱出カプセルとしても利用可能。地面駐機時には、地面設置面が地面に沿うよう形状変形し機体が倒れないよう駐機するよう設計されている。
巨大水晶岩
シャルリアが搭乗し軟禁状態に閉じ込められている神機体。超高級品で一般家庭の下級神民には、目玉が飛び出るほどの御神銭額であった。空間固定ユニット、室内空間循環ユニット、小型創造ユニット標準装備など多種多様な装備が充実している超高額御神銭額商品である。
神晶石
形状は四角錐水晶、拠点防衛、補修、救助、警戒監視を任務とした神速飛行が可能な超小型神兵器。
神鏡球
形状は円球型、鏡のような表面処理が施されている。当初軍事用偵察神兵器として開発されたが、現在では、天神法の改正によって民生放送用として使用すること可能になった撮影用神兵器。
神能
神の持つ特別なスキル。御力とも言う。
----------メモ設定 参考資料-------------
銭
天神界のお金の名称
貨幣の種類は、
1銭硬貨
5銭硬貨
10銭硬貨
50銭硬貨
百銭硬貨
5百銭硬貨
1千銭硬貨、紙幣
5千銭硬貨、紙幣
1万銭硬貨、紙幣
5万銭硬貨、紙幣
10万銭硬貨、紙幣
50万銭硬貨、紙幣
百万銭硬貨、紙幣
1千万銭硬貨、紙幣
1億銭硬貨、紙幣
10億銭硬貨、紙幣
百億銭硬貨、紙幣
1千億銭硬貨、紙幣
1兆銭硬貨、紙幣
10兆銭硬貨、紙幣
百兆銭硬貨、紙幣
1千兆銭硬貨、紙幣
1京銭硬貨、紙幣
硬貨は全て中心に穴が空いている。価値の高い硬貨・紙幣になるとデザインと品質がグレードアップしていく。天神界では、硬化の中心の穴に神念糸を重ねて通して、ミサンガ・ブレスレット・ネックレス・ベルト替わりにしたりと、お洒落に着こなすのが、定番となっている。補足として、硬化には、同じ種類の借銭硬貨があり、天神界では、ある一定の借銭額を超えると必ず、神体のわかる場所に身につけなければならない法律がある。
上位神が己の持つ神能を下級神人に分け与える神の儀式【神能の儀】、
下級神人を神子として下界転属永久隷属させる神の儀式【転神の儀】、
他にも様々な神儀式がこの場所でしめやかに執り行われる場である。
貴神等からその名称を名付けられた場は、
1つの大きな神街と言っても過言ではない程の広大な敷地面積をほこり、
荘厳な神晶岩石に、華麗な彫刻を施し用いられた数多くの神殿構造物が、
所狭しと規則正しく立ち並ぶ、壮大で神聖な神域空間であった。
上空には、虹色に煌めく数え切れない程の神晶石と無数の神鏡球が、
現下の神宮殿を警戒監視するよう見下ろしている。
地上部では、多種多様の蛍光色で彩られた柱や、
100は軽く超えるであろう水晶神殿建造物、
そして様々な形状の水晶体で、辺り一帯を水晶の大地のように埋め尽くしていた。
天空に向かって突き出している水晶群の多くは水晶神石であり、
あらゆる敷地内に点在し、大街道の中央部に幅を取り一列に規則正しく設置されていたり、
神殿横の街路樹の傍に規則正しく置かれていたり、
神宮殿内のありとあらゆる場所に、観覧しやすいよう設置されていた。
このあらゆる場所に設置された全ての水晶神石は、
普通の気軽に採掘できる有り触れた水晶神石では無く、
純度の高い水晶神石を用い創造神錬金された貴神等の創造物、
水晶岩という名称が貴神等から与えられた輸送型神具機器である。
この世界では様々な性能・装備が追加装備された大量の水晶岩が、
社会に自動運用されるように用いられていた。
水晶岩は、神が水晶神石を創造神錬金してつくられたものだが、
その水晶体が水晶神宮殿の広大な敷地に所狭しと大量に設置してあった。
その水晶岩《グラスポッド》の放つ輝きにより、神秘的な空間で満たされ、
周辺一面が眩く燦めかせるように見えている。
その眩い燦めきが幻想的な神風景を作り出し、
数多くの貴神達の神眼を楽しませていたが、
そのほとんどの貴神達の興味は別にあり、
貴神等の視線はそれに集中していた。
それとは、ここでは水晶岩に搭乗軟禁されている神の事をさしている。
搭乗している神は神でも下級神、
天神界の神民権も獲得していない創造されたばかりの新しい神、
彼神らはいずれ地上に投下される予定の神子候補生達である。
その神を搭乗軟禁されている水晶岩が、水晶神宮殿内を埋め尽くしていた。
見世物とかした神等は、本日の主役としての役割を、それぞれ必死に演じている。
その水晶岩の周囲を貴神達が取り囲み、展示品である候補生らが演じる姿を、
神の神眼で見定め批評し反応を伺う行為が、何処の場所でも行われ、
貴神達の関心を惹きつけていた。
貴神等は候補生らを大量に祭り、会場はお祭り騒ぎのような大盛り上がりとなり、
この祭典は間違いなく大成功だと言っても、過言ではないだろう。
掛け合う声がこちらの方まで響いてくる。
「あの子強そうね」
「どんな、御力もってるのかしら」
「これは、女神様。神眼がお強い」
「この子は当神殿お勧めの候補生となっております」
「この子は聖剣創造の御力をこの前承ったばかりの自慢の逸品でございます」
「いいわね。この子を候補にいれるわ」
「この子の競売は何時からかしら」
どうやら水晶岩の中に座っている子供神を気に入ったようだ。
このようなやり取りがどこの会場に行っても行われている。
彼神等、彼女神らはみんな、水晶岩に軟禁状態で展示され、
周囲でバカ騒ぎをする貴神等の視線と聴衆の関心を集めていた。
今日、この水晶神宮殿内の100を軽く超える神殿内、
全てで『神子博覧会』が盛大に行われている。
どの会場でもかなり混みあった賑やかな市場のような歓声が辺りに木霊していた。
「寄ってらっしゃい。見てらっしゃい」
「本日こちらで、凄い子が出展されてるよ」
「生娘、生まれたてのほやほやだぞ」
「おい、兄ちゃんこの子どうだい」
「自神好みに育てて、飽きたら下界にポイすりゃOK」
「まだまだ、いいの揃ってるよ」
「おいちゃん。あの子いくらだい」
「おいら、気に入っちまったよ」
「おやじ、活きのいいの見繕ってくれ」
何処も彼処も貴神等で大盛況だ。
そしてここでも、『聖神霊教会』辺境支部主催の『聖神霊協会 神子展覧会』が、
神宮殿街の中央部に位置する第55豊穣神殿の神講堂内で開催されていた。
神講堂はかなり大きな円形構造の神殿風建築物だ。
内部は吹き抜け構造として円形に沿うように水晶柱が連なっていた。
神子展覧会は、貴神等の一般常識としては、
「こいつ、俺をずっとにらんでやがるぜ。気に入った」
「お前に俺の神能わけてやるぜ。せいぜい足掻いて生き延びな」
お気に入りの下級神に御力を継承させる育成の場。
「あら、この子いいわね。顔つきが私ごのみよ」
「ちょうど、お手伝い女神を下界に追放したから、かわりにもらおうかしら」
競り落とした子を手元に置き愛でる隷属の場。
「おー、いいね、その強がってる顔最高だよ」
「今から、お前ら俺の統治する世界で生涯働いてもらうぜ」
「よろしくな、こきつかってやるよ」
自神の統治世界で未来永劫使役する強制の場として周知され貴信達の集いの場として利用されてきた。
売買が成立するということは、辺り一帯に点在する水晶岩に軟禁されている神子達は、皆競売にかけられるということでなる。
「1000億銭じゃ」
「おーと、ここで、大台になってしまいました」
「誰か、他にいませんか。いませんね」
「おめでとうございます」
「神子候補番号2571番マリティカ落札です」
「いやーみんなー助けてー誰かー助けてよー誰でもいいからさー」
「まだ、みんなと一緒に居たいだけなんだよ」
「許して、お願い」
「それでは、お手続きは、あちらのカウンターでお願いいたします」
落札された神子候補生の水晶岩が運ばれていった。
このような競売がこの会場では、普通の出来事とかしてしまっている。
競り落とされた下級神は、最終的にはほとんどの者が地上に投下されてしまうのだろう。
地上に投下され神界から追放となる下級神は、
不老不死を司る神核消滅、記憶抹消、精神漂白され未来永劫に渡り、
その世の創造神から廃棄を言い渡されるその日まで、
輪廻転生の輪に加わり続ける。
そして、その世界を管理する貴神等の手足、つまり奴隷隷属し、
その世の創造神の使徒、又はその世の調整神である貴神等の使徒として、
日夜強制労働をしいられる運命が待っている。
「お前ら、ぜってーいつか復讐してやるぞー」
1柱の神子候補生が捨て台詞を残して、輪廻転生の輪に落ちていったようだ。
1柱の神の冥福を祈ろう。
このように輪廻転生の輪に落ちていく時には毎回、
特に念入りに記憶抹消、精神漂白が施され能力は基本スペックに戻される。
強くてNEWGAMEは決して叶えられない。
ただし、貴神等の世界で賜った御力は、そのまま持っていくことができる。
つまり、日々計画性無く次々創造されていく新しい貴神等達を
どのように今後対応するかという神人口対策の一環として、
いらない神はどんどんゴミ箱にポイと捨てていくシステム、
それがこの天神界では日常的に行われているのだ。
水晶岩で埋め尽くされた空間では、
ひときわ目に付く巨大な水晶岩が部屋の中央でゆったりと浮かんでいる。
時折眩しく輝く巨大な中央水晶の中には、愛らしい少女が立っていた。
愛らしい少女の名は、『シャルリア』と呼ばれている。
巨大水晶岩の回りには、
統括神霊『セント=シャルディリアース』と数多くの作業神達が、
その水晶岩に向かって一心不乱に神威の御力を送り込んでいる。
シャルリアは展示会の本日最終商品で最高落札予定商品として、
いままさに最高のお持て成しを受けていた。
シャルリア達は皆とお母さんと一緒に旅行で浮遊水晶島にきて、
その島にある水晶神宮殿《クリスタルパレス》を見学中に、
見事お母さんの策略にはまり、皆と別々に引き裂かれ、
いまは、この水晶岩に結果的に軟禁され閉じ込められている。
今日の『聖神霊協会 神子展覧会』に関することは何も知らされていなかった。
他の神子候補生達も、お母さんと旅行に連れて行ってもらえると、
喜んでついてきたがまさか自分自神が、このような事態に巻き込まれることになるとは、
全く夢にも思っていなかったのだ。
そしてこの展覧会を統括している神霊、
『セント=シャルディリアース』は、
この場にいる全ての神子候補生達の創造神である。
つまり、母親である。シャルリアはお母さんと言って慕っていた。
神子候補生達は皆この神霊様を憎まれ口を叩きながらも慕ってきた。
「お母さん。助けてよー。こっち向いてよ」
「もう帰りたいよ」
「誰か助けてよ」
「こっちくんな」
「俺は、下界世界には、行かねえぞ」
「お母さん。冗談やめて帰ろうよ」
「この裏切り者。俺たちをずっと騙してやがったな」
声を上げれる子達は、それぞれが持つ思いの丈を全て吐き出して必死に助けを求めている。
いつかはこうなるだろうと考えてはいたが、信頼していた神のまさかの突然の裏切りに、
全ての神子候補生達の心が引き裂かれんばかりに打ちひしがれていた。
そんな中、シャルリアは我が事ではないように達観していて、
ただ作業神達が行っている作業を観察し続けていた。
----------メモ設定 参考資料------------
天神界(天神界の最高神が面倒臭いからこれでいいんじゃないと言う事で決まった。)
1年 1000日
光月 100日
火月 100日
水月 100日
木月 100日
金月 100日
土月 100日
雷月 100日
氷月 100日
闇月 100日
創月 100日
1日 100時間
1時間 100分
----------メモ設定 参考資料-----------
水晶神宮殿
100を超える神殿構造物が立ち並んだ神殿区画。遥か昔に神の1柱が神水晶の鉱脈が欲しいが為に浮遊水晶諸島を創造した時に同時に作成した区画である。普段は無神であり、大量の掃除神具機が掃除・洗浄・補修をして景観を保っている。
新しい神
天神界では、天神民ではない生まれたばかりの神には最長1年間の滞在が許可されている。その期間を超えると天神界強制退去処分となる。神子候補生になると最長5年間滞在が認められる為、多くの新しい神は神子候補生の道を選んでいく。
神子候補生
神の世界で階層が一番下の神がこのような待遇を受ける。候補生達は、5年間神子学園に通い、神としての知識、技能、神としての心のあり方を学ぶ。5年間、自分自神の進路を見定める期間が与えられている。
水晶岩
形状は形状変形可能な水晶神石、通常は神達の神速移動用小型艇として利用されている。水晶室内に展示物を入れて観賞用展示台としても使われている。御神船からの緊急脱出カプセルとしても利用可能。地面駐機時には、地面設置面が地面に沿うよう形状変形し機体が倒れないよう駐機するよう設計されている。
巨大水晶岩
シャルリアが搭乗し軟禁状態に閉じ込められている神機体。超高級品で一般家庭の下級神民には、目玉が飛び出るほどの御神銭額であった。空間固定ユニット、室内空間循環ユニット、小型創造ユニット標準装備など多種多様な装備が充実している超高額御神銭額商品である。
神晶石
形状は四角錐水晶、拠点防衛、補修、救助、警戒監視を任務とした神速飛行が可能な超小型神兵器。
神鏡球
形状は円球型、鏡のような表面処理が施されている。当初軍事用偵察神兵器として開発されたが、現在では、天神法の改正によって民生放送用として使用すること可能になった撮影用神兵器。
神能
神の持つ特別なスキル。御力とも言う。
----------メモ設定 参考資料-------------
銭
天神界のお金の名称
貨幣の種類は、
1銭硬貨
5銭硬貨
10銭硬貨
50銭硬貨
百銭硬貨
5百銭硬貨
1千銭硬貨、紙幣
5千銭硬貨、紙幣
1万銭硬貨、紙幣
5万銭硬貨、紙幣
10万銭硬貨、紙幣
50万銭硬貨、紙幣
百万銭硬貨、紙幣
1千万銭硬貨、紙幣
1億銭硬貨、紙幣
10億銭硬貨、紙幣
百億銭硬貨、紙幣
1千億銭硬貨、紙幣
1兆銭硬貨、紙幣
10兆銭硬貨、紙幣
百兆銭硬貨、紙幣
1千兆銭硬貨、紙幣
1京銭硬貨、紙幣
硬貨は全て中心に穴が空いている。価値の高い硬貨・紙幣になるとデザインと品質がグレードアップしていく。天神界では、硬化の中心の穴に神念糸を重ねて通して、ミサンガ・ブレスレット・ネックレス・ベルト替わりにしたりと、お洒落に着こなすのが、定番となっている。補足として、硬化には、同じ種類の借銭硬貨があり、天神界では、ある一定の借銭額を超えると必ず、神体のわかる場所に身につけなければならない法律がある。
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ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
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