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シフィ姉ちゃんの深層思考の考察⑭
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♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「ありがとうございます」
「それではお尋ねしますが、コスタドル様は今この場においても、普通に高圧的な手法を用いられていますが、その高圧的な手法で、全ての望みが解決できると、本当にそうお思いになっているのですか?」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
明確にコスタおじちゃんとやり合うつもりのラスレちゃんは、貴族なら誰もが陥りがちな、高圧的な態度を批判するかのような質問を投げ掛けた。
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あららっ全く手を抜く気は、サラサラもなさそう。
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だけど、魔導神水晶杖を前面に押し出して戦う訳でもなさそうだから、まだ平和的に解決するよう、模索中ってところかな??
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時折、清涼剤のグランさんを後ろから見つめつつ、ラスレちゃんは、更に追求の一手を指し示して行く方法を思考する為なのか、または恋の模様から恋の燃料を注ぎ込む為なのか、ラスレちゃんの天使の視線は1度上空を一通り見渡し、それから攻略目標の茹で蛸魔王に天使の視線をむけ、天使の微笑を浮かべつつ、次の攻略戦を開始しようとしている。
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「もし、そう信じ込むに至る確証をお持ちでしたら、その根拠が何なのか、是非教えていただきたいですし、何故そう頑なに力を誇示なさるのかも、是非とも教えていただきたいのです」
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今まで散々脅され、かなり鬱憤を溜めていたのか、声に不動の意思の力を込めたのが感じとれ、歯向かう意思が明確に伝わる程の、明瞭で聞き取りやすい高音域の澄んだ声音が、またも追求者のコスタおじちゃんに投げ掛けられた。
2人の護衛は、護衛対象者の交渉の行方を邪魔させないように、もう一部の隙も見せまいとした姿勢をとりつつ、コスタおじちゃんを凝視していた。
そのコスタおじちゃんは、ちょっと憤慨してるように見えたけど、蛸鬼怪獣の仮面を装備し手は魔導剣の柄をしっかり握り、距離を縮めるようにじりじりと歩を進め、態勢を整えつつ話を切り出す。
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「は──っラスレ嬢、君は貴族の令嬢としては、まだまだ知識が足りないな」
「王国貴族に逆らう奴など、本当に頭の足りん阿呆しかおるまい」
「あのような見た事もない奇天烈な魔道具を作る御人ならば、知能も我々よりも格段に高いだろう」
「そういう頭のよい計算高い奴らは、力の強い我ら貴族に歯向かうなどという、愚かな真似をする筈がなかろう」
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自身が放った触手拘束が失敗に終わり、軽い動揺がみられるコスタおじちゃんは、ラスレちゃんを小馬鹿にするかのような口調で語り、貴族の論理を明々白々と当たり前のように説き、自分達貴族は、特別なんだという傲慢な考えを披露し、偉そうに貴族の教育をしてやろうと熱意あふれる熱弁をふるう。
確かに支配者階級に生まれたら、変な空気に犯されて、こう言う考えも抱くのも仕様がないのかもしれないけど....。
それなら私は、早く次の下宿先を見つけて移り住んで欲しい、居候の女神様をこの身に宿してるんだけど、この場合だとさ、どっちのほうが偉いんだろう??
質問したいけど、誰に聞けば教えてくれるかな?
私のお母さんになる為に目下努力中で、あのフワフワした性格のクリスリアお母さんには、勿論相談出来ない内容だね。
この場合だと、いざという時にやっぱり頼りになるエディスカルお父さんが適任かな?
そういえば、ちょっと前に開催終了した女神の女子会で、メグフェリーゼ様からも色々な指摘を受けたけど、ちょっときつい説教もされたんだった。
私がそう過去を振り返る思いを描いただけで、いきなり記憶の再生されていた景色が一変した。
あれっ..うひょっ....流石は女神様だね。やっぱ凄いよ。
今のシフィ姉ちゃんの記憶風景を塗りつぶして、直ぐに当時の記憶が蘇ってきたよ。
後で見ようと考えてたんだけど、少しだけ見てみよう。ちょっとだけだよ。
この風景は、私の工房兼寝室の粉かな部分まで、ばっちり映像として鮮明に再現されてるね。
2神の女神様も中央の作業机の椅子に、私を2神の女神様が向かい合うようにゆったりと座っていた。
その作業机の上のそれぞれの席の前には、お菓子と飲み物が置かれている。
それは、御自神で瞬間創造した、見たことが無い綺麗に輝く神水晶製の大皿に、美味しそうでみた目がフワフワした小さい丸形の、色とりどりの神菓子を乗せてあるのと、甘い香りがする神紅茶の入った素敵な神水晶製の神食器具であった。
女神が瞬間創造した、神菓子と神紅茶を目の前にして、1人と2神で話し合っていた。
この場面は、私がメグフェリーゼ様にお叱りを受けてる時の様子を再現した記憶映像だね。
「この世に生を受けた当初は、アヴィとマリは、完全な1つの神人格だったわ」
「だけど、アヴィ、貴女がマリを完全否定するから、貴女とマリが分離して今の状況に陥る結果になったのよ」
「まずは、しっかり理解してから反省しなさい」
そのお告げで、私の予想はやはり的中してたのが判明したけど、背後霊よりも面倒でエロエロな存在に、これからも干渉されると思うと、ちょっと嫌気が差してしまいそうになった。
そして、そのありがたいお叱りのお言葉は、まだまだ続くことになって......
「まだ言い足りないわ、アヴィ」
「これ以上マリの存在を否定し続けるのは、いい加減に止めなさい」
メグフェリーゼ様の話すお言葉はきつい口調だけど、そのご尊顔と神体に纏う神威の優しい波動は、慈愛に満ちていたから、恐れ慄いたりはしなかったけど、やっぱりちょっとへにょんとしちゃう。
「貴女がマリの存在を否定することで、マリにはその都度、強い苦痛がじかに神体を覆うけど、その痛みにも弱音の一言も吐こうともしないし、これまでずっと無言のままで、耐え続けているわ」
マリティカ女神様の肩をもつ内容を、心と脳に直接響く神言で神の啓示として語るメグフェリーゼ様。
そのお姿は、透けて見える自神の背中から、強烈な存在感を放つ漆黒の翼を優雅に羽ばたかせていた。
私は、メグフェリーゼ様のしっかり聞こうと思うけど、どうしても言うことを聞かない私の両目は、メグフェリーゼ様の透けて見える御神体と強烈な存在感を放つ翼にすっかり目を奪われて、虜になるように放心してしまう。
「貴女にも弱音を見せないように隠してるようだけど、貴女の半神のマリは、貴女よりも苦悩しつつ、それでもなお貴女の身を案じているわ」
宿敵マリティカ様の身を案じるよう、神言を語るメグフェリーゼ様だけど、私はその御神体に心奪われてメロメロだから、神言の御力で全ての情景が私の脳に直接記憶されてるのは、なんとなくわかるけど、私は自由を殆ど奪われ虜になったまま、頷くことしか出来ない。
「アヴィ、貴女もそろそろ、知っておくべきね」
私の考えを改めるように、諭すように語る神言は、私の脳に直接響き、脳に直接刻まれるように刻印される。
「私は、これ以上黙って見ていられないから口をだすけど──アヴィ、貴方はもう少しマリに歩み寄るようになさい」
女神は、意識すらしていない微かな神威の前に、口を差しはなむことすら出来ない私は頷くか、心の中で思いを伝えるしか、手段が残されていない。
私は前者の頷くことで、返事を返す。
「それから、次の機会には、私がアヴィとマリの神人格の修復をするから、心の準備をしておくことね」
その神言の宣告を告げられて、舞台の照明が全て消えるように、目の前が真っ暗になった。
でも、そこは、私が憧れを抱く女神様。
神眼でしっかり私の心の色合いや心の中に思い浮かべる言葉とかを見て、私を司る全ての存在や、そうなった原因も全て考慮してくれて、その後詳しく説明され、解決策まで提示してくれたから大分安心できた。
そしてメグフェリーゼ様は、「まずは、アヴィの意見を組んで、少しずつ段階を踏んで修復していくわ。貴方の心は傷1つ付けないから安心なさい」と自愛に満ちたご尊顔を見せて、約束まで交わしてくれたから、私はそのお言葉の全てを受け入れたんだ。
──おっと!!今はラスレちゃんの動向のほうが気になるんだった。
メグフェリーゼ様、続きはまた今度しっかり見ますから、許してください。
今は、ラスレちゃんの恋の大戦線の行方と、モフモフ素材の山の中に埋もれてるシフィ姉ちゃんの監視をしっかりしたいんです。
私がそう念じるとまた直ぐに、見ている風景が記憶が再生された映像に切り替わる。
あれっ殆ど時間が経過してないようだね。
もしかしたら、記憶再生されるこの世界も、私色に染まってきたのかな?
それとも、女神様パワーで時間事態が止まっていたのかな?
まあ、いいや!どっちでもいいよ!!
そのまま直ぐに続きが見られるなら、気にしない!気にしない!
おっと、蛸鬼怪獣のコスタおじちゃんも頑張ってるね。
あの女神様を見返した後だと、全然迫力が足りないよ。もっと精進なさい。
でもさ、蛸鬼怪獣に変身してるコスタおじちゃんもさ、そろそろ折れてくれてもいい頃合なのに、全然引かないね。
ラスレちゃんもいろいろ、思考錯誤して頑張ってるけど、脳筋さんの相手をするのは、やっぱり疲れるよね。
私は、シフィ姉ちゃんだけでお腹が満腹でこれ以上は入らないから、これ以上の脳筋さんは、本当にお断りしたいんだけどな。
その私が注視してる純粋な脳筋種のコスタおじちゃんは、下種な笑みを見せつつ、両手を広げてラスレちゃんを嘲笑うような仕草と態度を晒した。
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「冒険者の真似事をして、お遊びをしているラスレ嬢には、やはり理解出来ないようだな。君のご両親も今の発言を聞いたら、きっと嘆き悲しむであろう」
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ラスレちゃんを見下す態度と、横風で失礼な口調で話すコスタおじちゃんに、私のほうが我慢しきれずに不満を爆発させそうになる。
もう、コスタおじちゃん性格悪すぎ!!
超最悪で超最低で超迷惑だよ。
仲よし子よしのラスレちゃんを、あんまり虐めないでよ。
虐めすぎると、只じゃ置かないから、覚悟しなさいよ。
怒りがこみ上げてきたから、直ぐに心をさらけ出し発散した私だけど、仲よし子よしのラスレちゃんが必死に自分の感情を隠し、天使の微笑を浮かべて耐えてるのが見えてしまう。
だから私は、ラスレちゃんの思いを汲み取りつつ、その姿を見習って、これからはもっとしっかり見守ろうと心に誓う。
私は、ラスレちゃんの勝利を祈るから、蛸鬼怪獣さんなんかには、負けないでね。
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「ご忠告ありがとうございます」
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ラスレちゃんは、無礼な物言いにも、全く気にせずに、笑顔を浮かべ礼を言いつつ、軽く貴族令嬢の畏まったお辞儀を返した。
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「──ですが、ご心配にはお呼びません」
「私も勿論わかっておりますし、貴族とは、力を誇示するのが、何より好きな者達の集まりですから、そうコスタドル様がなさるのも、貴族としては、当たり前の行為で、普通の行いであり、そのような考えが貴族の一般的な法則なのかもしれません」
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「──しかしながら、今回に限り言いますと、その手法は明らかに間違いだと、はっきり申し上げましょう」
「普通の一般庶民でしたら、そのお考えで問題無いのですけど、このような優れた魔道具を簡単につくる製作者は、一般人の枠には、全く収まらない存在です」
「そもそも一般人と同じ括りにするのが、間違っていますし、勿論普通ではないのです」
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「そして、そのような高圧的な態度のままだと、製作者のご家族以外では、良くて廃人、悪ければ次の日から、完全に心をなくした操り人形になりますので、尚の事、コスタドル様を製作者にあわせるわけにはいきません」
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ラスレちゃんの暴露話を聞き、全く信じていない態度のコスタおじちゃんよりも、その話を聞いた私のほうが、ビックリしたよ。
うっ.....あっちゃ──!!ラスレちゃんには、しっかり見られてたのね。
失敗、失敗、大失敗!!次からもっとしっかり隠蔽しようよ。そうしよう。
そうれ!!ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!ショイ!
あ─あ、次からは、見られないように気を付けよう。
確かに、高圧的な態度も一定水準までは我慢するけど、我慢の限界を超えると、もう無理ぽっ。
だって、そうなると一気に心が冷えちゃうもん。
それから後はいつもやりすぎて、後から後悔するのがお約束。
でも、それでも一応は最大限の慈悲をかけてるつもりなんだけどな。
だって、人間の身体なんて、本当に脆くて弱いから、私が念じるだけで、神水に触れる物質全てが気化することも簡単に出来ちゃうし、身体をあっという間に融解して、人間の魂も身体も全て、神水の御力として取り組むこともできるんだから。
マッドサイエンティストの私でも、それは絶対やっちゃいけないって、自分をいつも戒めてる。
──でもさ、どうしようも無い場合には、躊躇なく使用しちゃうんだよね。
これがさ──わかってはいるけど、怒りが頂点に達すると、自分の感情が制御できなくなっちゃうから、感情の制御をもっとしっかりするのが、今後の課題なんだよ。
まだまだ私は、純粋な乙女のお子様だからね。
これからの成長に期待するってことで──お願い!!許してっCHU♡!!
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「馬鹿が!!貴族に逆らうなど、聞いたことがないぞ」
「ラスレ嬢、君は交渉の仕方もしらんのか?」
「冒険者などと、うつつを抜かさず、もっと貴族の勉強を真面目に取り組みたまえ」
「今のこの交渉の場では、そのような冗談を口にすべきでは無いぞ。」
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私が下らない考え事をしてると、コスタおじちゃんの喚き声が聞こえてきた。
交渉のド下手なコスタおじちゃんが、いつの間にか交渉の教官役のように、ラスレちゃんを説教してる。
こんなのが、教官役をこなせる貴族っていったいどんな生き物なんだろう。
ある意味、そんな変な生き物がのさばる世界に、少し興味が出てきたかも?
でもまあ確かに、貴族に逆らうお馬鹿さんなんて私も見たことないから、そう思うのは仕方が無いかもしれないけど、事実だから仕様がないもん。
ちゃん。ちゃん。ちゃん。──つづく
だってさ、普段はあんまり使わないようにしてる神水パワーだけど、危険が及べば話は全然違うよ。
コスタおじちゃんみたいな傲慢で、鼻持ちならない超強引なお貴族様は、みんな私に面会した後にはその性格を、私のその日の気分で、ガラリと変化させちゃうことにしてるんだ。
そんなお貴族様は、必ずまず最初に私が最初に立ち上げた、『シンフィリスを愛でる会』の正会員に登録するのが、今では当然のお約束なんだ。
正会員になれば、色々素敵な特典があるから、機会があればコスタおじちゃんも仲間にいれてあげようかな?
──どうしようかな?
取り敢えず、要検討案件に、追加1丁!!出前1丁!!
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「そもそも貴族に逆らう愚か者など、いるわけがなかろうが」
「ラスレ嬢、君のお遊びに付き合うのにも、そろそろ飽きてきたぞ」
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そろそろラスレちゃんのとの会話を打ち切り、実力行使をしようと企んでいそうな目付きの悪いコスタおじちゃん。
そんなおじちゃんに対して私の思考は、止まらない。
逆らいはしないけど、よっぽどのことをされると、性格を面白可笑しく変えるけど、それでもいいの?
サラの件があったから、私もメグフェリーゼ様とは、違う方法で姿形も変える実験をしたくなってたんだよね。
神水の新しい可能性が見つかるかもしれないし、メグフェリーゼ様から頂いたプレゼントの効果も絶対に確かめたいし、ここはやっぱり、コスタおじちゃんを被検体にして、実験しちゃおうかな?
どうせ実験するなら、やっぱり真紅の蛸に進化させてあげたいな。
この閃きは面白そうだし、是非叶えてあげたいから、ラスレちゃんが押し切られてしまったら、私の方は、コスタおじちゃんと2人きりでなら、喜んで面会したげる。
まずは、コスタおじちゃんを神水に溶かし込んで、そこから色々実験を始めてみようかな?
勿論後のことは、オロおじちゃんに丸なげしちゃうから。
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「──嫌.....待てよ」
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そんなコスタおじちゃんは、ふと何かに気づいたような言葉を小さく呟くと、考察に耽る表情になり、蛸鬼怪獣の仮面が簡単に外れてしまい、真面目な顔が現れた。
それとほぼ同時に、触手のような気の奔流も空間に溶け込むように消えていく。
あれれっもしかして、切れやすいのも、実は演技だったの??
もう、大人はみんなずる賢いから、もっと素直に成りなさいよ。
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「──まさかとは思うが、君は魔術的な契約を無理矢理結ばれて、話すことが出来ないのではないのかね?」
「......そのような精神状態の中で、私にその製作者の御仁が、実はかなりの高位貴族だと、暗に伝えたいのではないか?」
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お―発想が大分飛躍したけど、ちょっとちがうべさ。
私は、ずっと平民だべさ。
平民だども、先日、エロチビデブ王族に貴族にならないかって勧誘されたべさ。
んだけど、速攻で断っちゃったべさ。テヘペロ
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「すいません」
「製作者の個人情報に関しては、今のところ何も答えられないのです」
「申し訳ございません」
「しかしながら、漸く思考の注意力をこちらに傾けていただいき、更に話しに多少なりとも興味を持たれましたコスタドル様に、ここで重要なご忠告を1つ、お伝え致します」
「そのままお静かにお聞きください」
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ラスレちゃんが、コスタおじちゃんの話に答え、直後にまた綺麗なショートボブの茶髪をかきあげる仕草をした。
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ラスレちゃんが真面目な場所で、髪をかきあげる仕草をすると、それはきっと緊張をほぐそうとする時によく見られる癖だよ。
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それか、自分が仕込んだ計画が上手くいくか、失敗するか重要な局面時によくする仕草なんだ。
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つまり、ここからの話が正念場となるんじゃないかな?
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「コスタドル様は、その身を持って王族の力の一部を体幹されたでしょうから、王族の力の巨大さは、身にしみていることでしょう」
「実は、そのコスタドル様が恐れている王族が、製作者の背後に控えています」
「ですから、貴族の力の論理など通用しませんし、力を行使するなど、そもそも論外でしょう」
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「ありがとうございます」
「それではお尋ねしますが、コスタドル様は今この場においても、普通に高圧的な手法を用いられていますが、その高圧的な手法で、全ての望みが解決できると、本当にそうお思いになっているのですか?」
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明確にコスタおじちゃんとやり合うつもりのラスレちゃんは、貴族なら誰もが陥りがちな、高圧的な態度を批判するかのような質問を投げ掛けた。
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あららっ全く手を抜く気は、サラサラもなさそう。
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だけど、魔導神水晶杖を前面に押し出して戦う訳でもなさそうだから、まだ平和的に解決するよう、模索中ってところかな??
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時折、清涼剤のグランさんを後ろから見つめつつ、ラスレちゃんは、更に追求の一手を指し示して行く方法を思考する為なのか、または恋の模様から恋の燃料を注ぎ込む為なのか、ラスレちゃんの天使の視線は1度上空を一通り見渡し、それから攻略目標の茹で蛸魔王に天使の視線をむけ、天使の微笑を浮かべつつ、次の攻略戦を開始しようとしている。
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「もし、そう信じ込むに至る確証をお持ちでしたら、その根拠が何なのか、是非教えていただきたいですし、何故そう頑なに力を誇示なさるのかも、是非とも教えていただきたいのです」
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今まで散々脅され、かなり鬱憤を溜めていたのか、声に不動の意思の力を込めたのが感じとれ、歯向かう意思が明確に伝わる程の、明瞭で聞き取りやすい高音域の澄んだ声音が、またも追求者のコスタおじちゃんに投げ掛けられた。
2人の護衛は、護衛対象者の交渉の行方を邪魔させないように、もう一部の隙も見せまいとした姿勢をとりつつ、コスタおじちゃんを凝視していた。
そのコスタおじちゃんは、ちょっと憤慨してるように見えたけど、蛸鬼怪獣の仮面を装備し手は魔導剣の柄をしっかり握り、距離を縮めるようにじりじりと歩を進め、態勢を整えつつ話を切り出す。
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「は──っラスレ嬢、君は貴族の令嬢としては、まだまだ知識が足りないな」
「王国貴族に逆らう奴など、本当に頭の足りん阿呆しかおるまい」
「あのような見た事もない奇天烈な魔道具を作る御人ならば、知能も我々よりも格段に高いだろう」
「そういう頭のよい計算高い奴らは、力の強い我ら貴族に歯向かうなどという、愚かな真似をする筈がなかろう」
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自身が放った触手拘束が失敗に終わり、軽い動揺がみられるコスタおじちゃんは、ラスレちゃんを小馬鹿にするかのような口調で語り、貴族の論理を明々白々と当たり前のように説き、自分達貴族は、特別なんだという傲慢な考えを披露し、偉そうに貴族の教育をしてやろうと熱意あふれる熱弁をふるう。
確かに支配者階級に生まれたら、変な空気に犯されて、こう言う考えも抱くのも仕様がないのかもしれないけど....。
それなら私は、早く次の下宿先を見つけて移り住んで欲しい、居候の女神様をこの身に宿してるんだけど、この場合だとさ、どっちのほうが偉いんだろう??
質問したいけど、誰に聞けば教えてくれるかな?
私のお母さんになる為に目下努力中で、あのフワフワした性格のクリスリアお母さんには、勿論相談出来ない内容だね。
この場合だと、いざという時にやっぱり頼りになるエディスカルお父さんが適任かな?
そういえば、ちょっと前に開催終了した女神の女子会で、メグフェリーゼ様からも色々な指摘を受けたけど、ちょっときつい説教もされたんだった。
私がそう過去を振り返る思いを描いただけで、いきなり記憶の再生されていた景色が一変した。
あれっ..うひょっ....流石は女神様だね。やっぱ凄いよ。
今のシフィ姉ちゃんの記憶風景を塗りつぶして、直ぐに当時の記憶が蘇ってきたよ。
後で見ようと考えてたんだけど、少しだけ見てみよう。ちょっとだけだよ。
この風景は、私の工房兼寝室の粉かな部分まで、ばっちり映像として鮮明に再現されてるね。
2神の女神様も中央の作業机の椅子に、私を2神の女神様が向かい合うようにゆったりと座っていた。
その作業机の上のそれぞれの席の前には、お菓子と飲み物が置かれている。
それは、御自神で瞬間創造した、見たことが無い綺麗に輝く神水晶製の大皿に、美味しそうでみた目がフワフワした小さい丸形の、色とりどりの神菓子を乗せてあるのと、甘い香りがする神紅茶の入った素敵な神水晶製の神食器具であった。
女神が瞬間創造した、神菓子と神紅茶を目の前にして、1人と2神で話し合っていた。
この場面は、私がメグフェリーゼ様にお叱りを受けてる時の様子を再現した記憶映像だね。
「この世に生を受けた当初は、アヴィとマリは、完全な1つの神人格だったわ」
「だけど、アヴィ、貴女がマリを完全否定するから、貴女とマリが分離して今の状況に陥る結果になったのよ」
「まずは、しっかり理解してから反省しなさい」
そのお告げで、私の予想はやはり的中してたのが判明したけど、背後霊よりも面倒でエロエロな存在に、これからも干渉されると思うと、ちょっと嫌気が差してしまいそうになった。
そして、そのありがたいお叱りのお言葉は、まだまだ続くことになって......
「まだ言い足りないわ、アヴィ」
「これ以上マリの存在を否定し続けるのは、いい加減に止めなさい」
メグフェリーゼ様の話すお言葉はきつい口調だけど、そのご尊顔と神体に纏う神威の優しい波動は、慈愛に満ちていたから、恐れ慄いたりはしなかったけど、やっぱりちょっとへにょんとしちゃう。
「貴女がマリの存在を否定することで、マリにはその都度、強い苦痛がじかに神体を覆うけど、その痛みにも弱音の一言も吐こうともしないし、これまでずっと無言のままで、耐え続けているわ」
マリティカ女神様の肩をもつ内容を、心と脳に直接響く神言で神の啓示として語るメグフェリーゼ様。
そのお姿は、透けて見える自神の背中から、強烈な存在感を放つ漆黒の翼を優雅に羽ばたかせていた。
私は、メグフェリーゼ様のしっかり聞こうと思うけど、どうしても言うことを聞かない私の両目は、メグフェリーゼ様の透けて見える御神体と強烈な存在感を放つ翼にすっかり目を奪われて、虜になるように放心してしまう。
「貴女にも弱音を見せないように隠してるようだけど、貴女の半神のマリは、貴女よりも苦悩しつつ、それでもなお貴女の身を案じているわ」
宿敵マリティカ様の身を案じるよう、神言を語るメグフェリーゼ様だけど、私はその御神体に心奪われてメロメロだから、神言の御力で全ての情景が私の脳に直接記憶されてるのは、なんとなくわかるけど、私は自由を殆ど奪われ虜になったまま、頷くことしか出来ない。
「アヴィ、貴女もそろそろ、知っておくべきね」
私の考えを改めるように、諭すように語る神言は、私の脳に直接響き、脳に直接刻まれるように刻印される。
「私は、これ以上黙って見ていられないから口をだすけど──アヴィ、貴方はもう少しマリに歩み寄るようになさい」
女神は、意識すらしていない微かな神威の前に、口を差しはなむことすら出来ない私は頷くか、心の中で思いを伝えるしか、手段が残されていない。
私は前者の頷くことで、返事を返す。
「それから、次の機会には、私がアヴィとマリの神人格の修復をするから、心の準備をしておくことね」
その神言の宣告を告げられて、舞台の照明が全て消えるように、目の前が真っ暗になった。
でも、そこは、私が憧れを抱く女神様。
神眼でしっかり私の心の色合いや心の中に思い浮かべる言葉とかを見て、私を司る全ての存在や、そうなった原因も全て考慮してくれて、その後詳しく説明され、解決策まで提示してくれたから大分安心できた。
そしてメグフェリーゼ様は、「まずは、アヴィの意見を組んで、少しずつ段階を踏んで修復していくわ。貴方の心は傷1つ付けないから安心なさい」と自愛に満ちたご尊顔を見せて、約束まで交わしてくれたから、私はそのお言葉の全てを受け入れたんだ。
──おっと!!今はラスレちゃんの動向のほうが気になるんだった。
メグフェリーゼ様、続きはまた今度しっかり見ますから、許してください。
今は、ラスレちゃんの恋の大戦線の行方と、モフモフ素材の山の中に埋もれてるシフィ姉ちゃんの監視をしっかりしたいんです。
私がそう念じるとまた直ぐに、見ている風景が記憶が再生された映像に切り替わる。
あれっ殆ど時間が経過してないようだね。
もしかしたら、記憶再生されるこの世界も、私色に染まってきたのかな?
それとも、女神様パワーで時間事態が止まっていたのかな?
まあ、いいや!どっちでもいいよ!!
そのまま直ぐに続きが見られるなら、気にしない!気にしない!
おっと、蛸鬼怪獣のコスタおじちゃんも頑張ってるね。
あの女神様を見返した後だと、全然迫力が足りないよ。もっと精進なさい。
でもさ、蛸鬼怪獣に変身してるコスタおじちゃんもさ、そろそろ折れてくれてもいい頃合なのに、全然引かないね。
ラスレちゃんもいろいろ、思考錯誤して頑張ってるけど、脳筋さんの相手をするのは、やっぱり疲れるよね。
私は、シフィ姉ちゃんだけでお腹が満腹でこれ以上は入らないから、これ以上の脳筋さんは、本当にお断りしたいんだけどな。
その私が注視してる純粋な脳筋種のコスタおじちゃんは、下種な笑みを見せつつ、両手を広げてラスレちゃんを嘲笑うような仕草と態度を晒した。
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「冒険者の真似事をして、お遊びをしているラスレ嬢には、やはり理解出来ないようだな。君のご両親も今の発言を聞いたら、きっと嘆き悲しむであろう」
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ラスレちゃんを見下す態度と、横風で失礼な口調で話すコスタおじちゃんに、私のほうが我慢しきれずに不満を爆発させそうになる。
もう、コスタおじちゃん性格悪すぎ!!
超最悪で超最低で超迷惑だよ。
仲よし子よしのラスレちゃんを、あんまり虐めないでよ。
虐めすぎると、只じゃ置かないから、覚悟しなさいよ。
怒りがこみ上げてきたから、直ぐに心をさらけ出し発散した私だけど、仲よし子よしのラスレちゃんが必死に自分の感情を隠し、天使の微笑を浮かべて耐えてるのが見えてしまう。
だから私は、ラスレちゃんの思いを汲み取りつつ、その姿を見習って、これからはもっとしっかり見守ろうと心に誓う。
私は、ラスレちゃんの勝利を祈るから、蛸鬼怪獣さんなんかには、負けないでね。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「ご忠告ありがとうございます」
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ラスレちゃんは、無礼な物言いにも、全く気にせずに、笑顔を浮かべ礼を言いつつ、軽く貴族令嬢の畏まったお辞儀を返した。
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「──ですが、ご心配にはお呼びません」
「私も勿論わかっておりますし、貴族とは、力を誇示するのが、何より好きな者達の集まりですから、そうコスタドル様がなさるのも、貴族としては、当たり前の行為で、普通の行いであり、そのような考えが貴族の一般的な法則なのかもしれません」
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「──しかしながら、今回に限り言いますと、その手法は明らかに間違いだと、はっきり申し上げましょう」
「普通の一般庶民でしたら、そのお考えで問題無いのですけど、このような優れた魔道具を簡単につくる製作者は、一般人の枠には、全く収まらない存在です」
「そもそも一般人と同じ括りにするのが、間違っていますし、勿論普通ではないのです」
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♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「そして、そのような高圧的な態度のままだと、製作者のご家族以外では、良くて廃人、悪ければ次の日から、完全に心をなくした操り人形になりますので、尚の事、コスタドル様を製作者にあわせるわけにはいきません」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
ラスレちゃんの暴露話を聞き、全く信じていない態度のコスタおじちゃんよりも、その話を聞いた私のほうが、ビックリしたよ。
うっ.....あっちゃ──!!ラスレちゃんには、しっかり見られてたのね。
失敗、失敗、大失敗!!次からもっとしっかり隠蔽しようよ。そうしよう。
そうれ!!ワッショイ!ワッショイ!ワッショイ!ショイ!
あ─あ、次からは、見られないように気を付けよう。
確かに、高圧的な態度も一定水準までは我慢するけど、我慢の限界を超えると、もう無理ぽっ。
だって、そうなると一気に心が冷えちゃうもん。
それから後はいつもやりすぎて、後から後悔するのがお約束。
でも、それでも一応は最大限の慈悲をかけてるつもりなんだけどな。
だって、人間の身体なんて、本当に脆くて弱いから、私が念じるだけで、神水に触れる物質全てが気化することも簡単に出来ちゃうし、身体をあっという間に融解して、人間の魂も身体も全て、神水の御力として取り組むこともできるんだから。
マッドサイエンティストの私でも、それは絶対やっちゃいけないって、自分をいつも戒めてる。
──でもさ、どうしようも無い場合には、躊躇なく使用しちゃうんだよね。
これがさ──わかってはいるけど、怒りが頂点に達すると、自分の感情が制御できなくなっちゃうから、感情の制御をもっとしっかりするのが、今後の課題なんだよ。
まだまだ私は、純粋な乙女のお子様だからね。
これからの成長に期待するってことで──お願い!!許してっCHU♡!!
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「馬鹿が!!貴族に逆らうなど、聞いたことがないぞ」
「ラスレ嬢、君は交渉の仕方もしらんのか?」
「冒険者などと、うつつを抜かさず、もっと貴族の勉強を真面目に取り組みたまえ」
「今のこの交渉の場では、そのような冗談を口にすべきでは無いぞ。」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
私が下らない考え事をしてると、コスタおじちゃんの喚き声が聞こえてきた。
交渉のド下手なコスタおじちゃんが、いつの間にか交渉の教官役のように、ラスレちゃんを説教してる。
こんなのが、教官役をこなせる貴族っていったいどんな生き物なんだろう。
ある意味、そんな変な生き物がのさばる世界に、少し興味が出てきたかも?
でもまあ確かに、貴族に逆らうお馬鹿さんなんて私も見たことないから、そう思うのは仕方が無いかもしれないけど、事実だから仕様がないもん。
ちゃん。ちゃん。ちゃん。──つづく
だってさ、普段はあんまり使わないようにしてる神水パワーだけど、危険が及べば話は全然違うよ。
コスタおじちゃんみたいな傲慢で、鼻持ちならない超強引なお貴族様は、みんな私に面会した後にはその性格を、私のその日の気分で、ガラリと変化させちゃうことにしてるんだ。
そんなお貴族様は、必ずまず最初に私が最初に立ち上げた、『シンフィリスを愛でる会』の正会員に登録するのが、今では当然のお約束なんだ。
正会員になれば、色々素敵な特典があるから、機会があればコスタおじちゃんも仲間にいれてあげようかな?
──どうしようかな?
取り敢えず、要検討案件に、追加1丁!!出前1丁!!
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「そもそも貴族に逆らう愚か者など、いるわけがなかろうが」
「ラスレ嬢、君のお遊びに付き合うのにも、そろそろ飽きてきたぞ」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
そろそろラスレちゃんのとの会話を打ち切り、実力行使をしようと企んでいそうな目付きの悪いコスタおじちゃん。
そんなおじちゃんに対して私の思考は、止まらない。
逆らいはしないけど、よっぽどのことをされると、性格を面白可笑しく変えるけど、それでもいいの?
サラの件があったから、私もメグフェリーゼ様とは、違う方法で姿形も変える実験をしたくなってたんだよね。
神水の新しい可能性が見つかるかもしれないし、メグフェリーゼ様から頂いたプレゼントの効果も絶対に確かめたいし、ここはやっぱり、コスタおじちゃんを被検体にして、実験しちゃおうかな?
どうせ実験するなら、やっぱり真紅の蛸に進化させてあげたいな。
この閃きは面白そうだし、是非叶えてあげたいから、ラスレちゃんが押し切られてしまったら、私の方は、コスタおじちゃんと2人きりでなら、喜んで面会したげる。
まずは、コスタおじちゃんを神水に溶かし込んで、そこから色々実験を始めてみようかな?
勿論後のことは、オロおじちゃんに丸なげしちゃうから。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「──嫌.....待てよ」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
そんなコスタおじちゃんは、ふと何かに気づいたような言葉を小さく呟くと、考察に耽る表情になり、蛸鬼怪獣の仮面が簡単に外れてしまい、真面目な顔が現れた。
それとほぼ同時に、触手のような気の奔流も空間に溶け込むように消えていく。
あれれっもしかして、切れやすいのも、実は演技だったの??
もう、大人はみんなずる賢いから、もっと素直に成りなさいよ。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「──まさかとは思うが、君は魔術的な契約を無理矢理結ばれて、話すことが出来ないのではないのかね?」
「......そのような精神状態の中で、私にその製作者の御仁が、実はかなりの高位貴族だと、暗に伝えたいのではないか?」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
お―発想が大分飛躍したけど、ちょっとちがうべさ。
私は、ずっと平民だべさ。
平民だども、先日、エロチビデブ王族に貴族にならないかって勧誘されたべさ。
んだけど、速攻で断っちゃったべさ。テヘペロ
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「すいません」
「製作者の個人情報に関しては、今のところ何も答えられないのです」
「申し訳ございません」
「しかしながら、漸く思考の注意力をこちらに傾けていただいき、更に話しに多少なりとも興味を持たれましたコスタドル様に、ここで重要なご忠告を1つ、お伝え致します」
「そのままお静かにお聞きください」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
ラスレちゃんが、コスタおじちゃんの話に答え、直後にまた綺麗なショートボブの茶髪をかきあげる仕草をした。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
ラスレちゃんが真面目な場所で、髪をかきあげる仕草をすると、それはきっと緊張をほぐそうとする時によく見られる癖だよ。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
それか、自分が仕込んだ計画が上手くいくか、失敗するか重要な局面時によくする仕草なんだ。
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
つまり、ここからの話が正念場となるんじゃないかな?
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
「コスタドル様は、その身を持って王族の力の一部を体幹されたでしょうから、王族の力の巨大さは、身にしみていることでしょう」
「実は、そのコスタドル様が恐れている王族が、製作者の背後に控えています」
「ですから、貴族の力の論理など通用しませんし、力を行使するなど、そもそも論外でしょう」
♡゜*。♥。゜♡゜*。♥。゜♡゜。♥
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