神水使いですが、錬金術師として成り上がりたい

黒いきつね

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シフィ姉ちゃんの深層思考の考察③

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 王国騎士団の実戦なんて、見たことなかったから、超ビックリだよ。

 私達ぐらいの年代の男子達が、王国騎士団を尊敬の眼差しでみつめて、憧れる気持ちがわかったよ。

 あんまりにも、騎士団のレベルが高くでビックリしてけど、勿論シフィお姉ちゃん達『幻獣の守護者』もしっかり、連携し合って騎士団の後ろで戦っているんだから、わすれちゃ駄目だよ。

 どうも、こっちの方面は、敵の数が少ないみたいだね。

 こちらの最前線では、シフィ姉ちゃんが単独で、大型蟻モスアントやら暗黒邪妖精グレムリンやら火竜蠅ドラゴンフライと殲滅戦を繰り広げていた。

「よ─し、騎士団達に私達の戦いを見せてやるぞ」

 シフィ姉ちゃんは、コスタおじちゃんの剣技に目を向けて見惚れていながら、私が渡した戦略魔導ヤッパリショルダ─バッグシンデクルリンチョから様々な魔導兵器を次々と空中に放り投げていった。

 シフィ姉ちゃんには、私の戦闘用魔導兵器やら魔導爆弾とか、色々お試ししてもらってるから、こちらも、騎士団みたいと同じぐらいの殲滅具合になっている。

「どうだ─、みたか─」

「早く消えろ─」

「消えてしまえ─」

 空中に投げられた多くの追尾型魔導爆弾オイカケルンバが、火竜蠅ドラゴンフライの群れを容赦なく自動オ─トで次々と、速爆砕クイックバ─ストさせていく。

「全てを殲滅しろ──」

「燃えろ─燃えてしまえ─」

 10機の浮遊小型魔導砲台ババンガバンが、暗黒邪妖精グレムリンの集団やら大型蟻モスアントの集団を、自動で射程に収めて魔導弾バックンチョ一撃で獲物を狩り、灰を舞い散らせて大爆砕させていた。

 殆ど、時間をかけずに自動オ─ト消滅させてシュ─ティング、さらに自動で他の獲物を殲滅させていった。

「これが、私の力だ──」

 い─え、私の力だからね。勘違いしないでね。お姉ちゃん。

「消えろ、二度と私の前に現れるな─」

「この下等生物が───」

「うっわっはっはっはっは──」

 シフィお姉ちゃんは、顔を赤面させて、両手を大きく肩まであげ、声を荒らげて吠えていた。

 どうも、シフィ姉ちゃんは、重度のヒャッハ─病も患っているようだ。

 本当にギレン兄の言った言葉は正解だった。

 シフィ姉ちゃんの頭の精密検査をしよう。そうしよう。

 あ──っ、もしかして、強力な魔導兵器を渡しすぎて、すっかり増長してる?

 もしかして、これも、私の責任になるのかな?

 そんな馬鹿な!!ある訳ナイナイ!!

 そんな訳ないよね?

 取り敢えず、そのまま、様子をみよう。

 そんで、考察をつづけよう。そうしよう。

 シフィお姉ちゃんの後方では、4人がひと塊になって手馴れた陣形フォ─メ─ション邪蛇女ダ─クラミアや、影騎士シャドウナイトと戦闘を繰り広げていた。

「ギレン、あんまり前に出すぎるなよ」

「わかってら─そんこと」

 ギレン兄&セルディさんコンビは、息の合ったコンビプレイで1体の影騎士シャドウナイトを手玉に取っているよ。

 なかなか上手いコンビプレイだよ。流石だね。

「影やろう、お前の相手はこっちだ─」

 まず、ギレン兄が魔導剣を振りかぶるようにして、影騎士シャドウナイトの注意を引きつける。

「よ─し、連れたぞ」

「任せたセルディ」

 影騎士シャドウナイトは、単純にギレン兄に襲いかかろうとしていたけど....。

「任せろ、消えろ!!」

 その敵の視界外から、セルディさんが走り込んで、1擊で影騎士シャドウナイトの魔石のある箇所に魔導剣で突き刺して....。

 ──はい、終了。

「よし、やったぞ!!」

 魔石を破壊されたから、もう存在する力がない影騎士シャドウナイトは、身体が灰になって崩れ去っちゃった。

「セルディ!!後ろだ!!」

 続けて襲いかかってきたセルディさんに襲いかかろうとした邪蛇女ダ─クラミアに、ギレン兄が投げナイフを邪蛇女ダ─クラミアの目を狙いを定めて投擲しせて、見事命中させた。

 ──おっ100点満点。

「ぎゃ───」

 邪蛇女ダ─クラミアが頭を抱えて叫び声をあげてるけど、邪蛇女ダ─クラミアは独特の声音してるんだね。

「卑怯な奴め!!消えろ!!」

 邪蛇女ダ─クラミアが頭を抑えて呻いている隙に、すかさず、セルディさんが邪蛇女ダ─クラミアの魔石のある弱点箇所に魔導剣を突き刺して、魔石を破壊しちゃう。早いね。行動が!!

「よし!!助かったギレン!!」
「なんの!お互い様だ!!」

 魔石を破壊された邪蛇女ダ─クラミアは、このダンジョンに留まる事が許されずに、灰を撒き散らせながら、掻き消えた。

 こんな感じで、2人のコンビプレイで、次々に、近くにいた魔物達を打ち倒していく。

 もう2人の女性の面々──ラスレちゃん&イエラちゃん後衛コンビは、設置型魔導障壁機『アンシンシン』を起動させて、長方形型白障壁の中から、味方全体を支援すると同時に遠方にいる敵に向けて攻撃を仕掛けていた。

「我らが主神よ。我らの真言にお応え下さい」
「我らが主神よ。我らの祈願にお応え下さい」
「我らが主神よ。我らの信仰にお応え下さい」

 イエラちゃんは、先程までのにこやかな雰囲気とは打って変わって、感情が一切無い仮面のような表情となり、まさに無我の境地の状態で、唯一、彼女の信じる信仰神に祈願していた。

「我らが主神よ。我らに希望をお与え下さい」
「我らが主神よ。我らに安寧をお与え下さい」
「我らが主神よ。我らに正義をお与え下さい」

 その祈願の効果はイエラちゃんの信仰心と直結したように、直ぐに効果が発現されて、まばゆい光雪の乱舞と共に『聖戦』の奇跡が辺り一帯に満ちていき、騎士団全員と『幻獣の守護者』全員に淡い光の膜が覆われる。

 この『聖戦』の奇跡とは、イエラちゃんの近くにいる味方の全能力値を大凡おおよそ5倍UPさせる効果がある奇跡なんだよね。

 この聖戦の膜に覆われた人物は、す───っごい全能感が身体を覆うんだよ。

 私も1度、必死にお願いして掛けてもらい、実際に体験したから、よくわかるよ。

 これは、1度かけてもらうと、癖になるよ。1種の麻薬だね。

 この奇跡を体験したら、神様に祈りを捧げたくなる気持ちもわかるよ。

 この奇跡は、イエラちゃんが無我の境地の状態で祈願している最中は、ずっと作用し続けるんだ。

 ただし、イエラちゃんも、人の子なので長時間の無我の境地は、気が散りとても長時間は出来ないけどね。

 しかも、奇跡を発動させると、精神力を大量に消費するみたいだから、そう何度も使えるわけでも無いみたい。

 私が思考の海に漂っていると、部屋全体から魔導機関銃の炸裂音が鳴り響く。

 ダッ.ダダッ.バン.ダダッ.ダッ.ダッ..バン

「ラララ~~~~~ララ~~~ラ~~ラ~」

 ダダッ.ダッ.ダッダッ.ダダッ.バン.ダダッ

 設置型魔導障壁機『アンシンシン』の長方形型アンシンシン白障壁バリア─の中で、ラルレちゃんが目を細めて、恍惚とした表情を浮かべ、音楽のメロディ─を口ずさみながら、自分の世界にどっぷりと浸かり込んでた。

 辺りを良く見るとラスレちゃんが、超殲滅作戦を実施していた。

 ラスレちゃんは、優雅に指揮棒と振り続けている。

 ...ダッ.ダッ.ダッ.ダッ.ダッ..バン.ダッ..

「ラ~~ラ~~ラ~~ララ~~~ラララ~」

 ダダッ.ダッ.ダッダッ.ダダッ.バン.ダダッ.

 ラスレちゃん、歌唱力あるから、綺麗な声だよ。

 私は、ラスレちゃんとは、仲よし子よしだから、良く一緒に研究実験してるんだ。

 ダダダダダダダッガガガガッ....ダダダダ

「ラ~ラ~ラ~ララ~ラララ~ララ~ララ」

 ダダダダッ...ガガガガッ....ダダダッダダ

 それで、ラスレちゃんには、魔導指揮棒ベ─ト─ベベンコ魔導神水晶杖アルテリアロッドと後は多くの小型魔導兵器を渡しているよ。

 今回は、魔導指揮棒ベ─ト─ベベンコと小型魔導兵器を使っているようだね。

 魔導指揮棒ベ─ト─ベベンコは、指揮棒を振ることで、小型魔導兵器を自由自在に操ることができて、殲滅作戦には、ピッタリの魔導機器だよ。

 ダダッ..ダダダダッ..ダダダッダダッ

 ラスレちゃんは、優雅に指揮棒と振り続けている。

 ダダッ..ダダダダッ.ダッダダッダッ

「ラララ~~ララ~~~ラ~~ラ~」

 ダダッ.ダッダッ.ダダッ.バン.ダダッ

 ラスレちゃんは、陶酔の表情を浮かべて、軽やかに指揮棒と振り続けている。

 ダダダダッ..ダダダダッ..ダダダッダダッ

 お─ラスレちゃんが調子に乗って、身体一杯揺らしながら、うっとりと天使の微笑みを浮かべて、魔導指揮棒ベ─ト─ベベンコを川の流れのように、ゆ─ったり、振り続けてるよ。

 その指揮によって小型魔導兵器が縦横無尽に空中を駆け回って魔物達の軍勢を殲滅してるね。

 ダダッダダッダダダッ...ダダダダッ

「ララ~ラ~ラ~ララ~ララ~~ララ~」

 ダダッ..ダダダッダダッ..ダダダダッ

 う──ん!!気持ちよさそう!!

 ダダッ...ダダダッダダダッ...ダダッ

「ラ~ララ~ララ~ラ~ラ~ラ~ララ~」

 ダッダダッダダッ...ダダダッダダッ..

 音楽が鳴り響いてると、もっと気持ちいいだろうな。

 ダッ...ダダダッダッダダッダダダッ..

「ララ~ラ~ララ~ララ~ラ~ラ~ラ」

 ダッダダッ..ダダダッダダッダダダッ

 そうだ──しまった──音楽忘れた──

 あ─あ、音無しでラスレちゃんに渡してしまったんだよ─。

 あ─あ、失敗したよ。リベンジするよ。

 今度のメンテナンス時には、必ずリベンジするから!!

 絶対に音楽が出るように改良しよう!!そうしよう!!

 ダッダダッ..ダダッダダッダダダダッ..

「ララ~ラララ~ラ~ラ~~ラララ~~」

 ダッダダッ..ダダッダダッダダダダッ..

 ラスレちゃんは、優雅に指揮棒と振り続けている。

 この部屋の壁や床や天井から次々湧いて出てきている様々な魔物達を魔導兵器が次々を蹂躙していく。

 数多く飛来する魔導兵器が絨毯じゅうたん掃射そうしゃ執行しっこうしていた。

 大広間はとんでもない悪夢のような光景が広がっていた。

 ダダッ..ダダダッダダダッ..ダダダッ

「ラララ~ララ~ラ~~ラ~ララ~」

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 洞窟壁面からは、もこもこと悪魔石像ガ─ゴイルが次々と湧いて出てくる。

 ダダッ..ダダダッダダッ..ダダダッ

「ラ~~ララ~ラララ~ララ~ラ~」

「よ─し、悪魔石像ガ─ゴイルちゃん達には、これをプレゼントしちゃうぞ!!」

 空中を縦横無尽にかけている30機程の小型魔導岩晶砲台ガンガンイクヨ悪魔石像ガ─ゴイルの軍勢の標準を補足していく。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 小型魔導岩晶砲台ガンガンイクヨが補足した敵に錬成強化した岩晶弾を蜂の巣のように連射する。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 悪魔石像ガ─ゴイルの湧き出た軍勢を、蜂の巣のように粗方破砕して始末していく光景が広がる。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 洞窟床面からは、もこもことと火蜥ファイア蜴人リザ─ドマンが次々と湧いて出てくる。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

「ラララ~ララ~ラ~ラ~ラ~ララ~」

「さ─て、火蜥ファイア蜴人リザ─ドマンちゃん達には、これをプレゼントしちゃう!!」

 空中を縦横無尽にかけている30機程の小型魔導氷晶砲台ヒュンヒュンイクヨ火蜥ファイア蜴人リザ─ドマンの軍勢の標準を補足していく。

 小型魔導氷晶砲台ヒュンヒュンイクヨが補足した敵に錬成強化した氷晶弾を蜂の巣のように連射する。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 火蜥ファイア蜴人リザ─ドマンの湧き出た軍勢を、蜂の巣のように粗方氷破砕して始末していく光景が広がる。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

 洞窟天井からは、もこもこと邪鳥人間ダ─クホ─クマンが次々と湧いて出てくる。

 ダダッ..ダダッダダダッ..ダダダッ

「ララ~ララ~ラ~ラララ~ララ~ラ」

「ん─と、邪鳥人間ダ─クホ─クマンちゃん達には、これをプレゼントだよ!!」

 空中を縦横無尽にかけている30機程の小型魔導風晶砲台ビュンビュンイクヨ邪鳥人間ダ─クホ─クマンの軍勢の標準を補足していく。

 小型魔導風晶砲台ビュンビュンイクヨが補足した敵に錬成強化した風晶弾を蜂の巣のように連射する。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

 邪鳥人間ダ─クホ─クマンの湧き出た軍勢を、蜂の巣のように粗方氷破砕して始末していく光景が広がる。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

 洞窟空中からは、さらさらと邪幽霊ダ─クゴ─ストが次々と湧いて出てくる。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

「ラ~ラ~ララララ~ララ~ラ~ララ」

「え─と、邪幽霊ダ─クゴ─ストちゃん達には、これをプレゼントするからね!!」

 空中を縦横無尽にかけている30機程の小型魔導聖晶砲台セイセイスルヨ邪幽霊ダ─クゴ─ストの軍勢の標準を補足していく。

 小型魔導聖晶砲台セイセイスルヨが補足した敵に錬成強化した聖晶弾を蜂の巣のように連射する。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

 邪幽霊ダ─クゴ─ストの湧き出た軍勢を、蜂の巣のように粗方浄化して始末していく光景が広がる。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

 大広間に繋がる洞窟穴の向こうからからは、わさわさと邪蟷螂ダ─クマンティスが、次々と洞窟穴の向こうから、湧いて出てくる。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

「ラ~ララ~ラ~ラララ~ラ~ラララ」

「お─し、邪蟷螂ダ─クマンティスちゃん達には、これをプレゼントしちゃうからね!!」

 空中を縦横無尽にかけている30機程の小型魔導炎晶砲台ボウボウモヤセ邪蟷螂ダ─クマンティスの軍勢の標準を補足していく。

 小型魔導炎晶砲台ボウボウモヤセが補足した敵に錬成強化した炎晶弾を蜂の巣のように連射する。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッ

 邪蟷螂ダ─クマンティスの湧き出た軍勢を、蜂の巣のように粗方延焼して始末していく光景が広がる。

 ダダッ...ダダダッダダダダッ...ダダダッダ

「よ─し、どんなもんだい!無問題もうまんたい!!」
「シフィちゃんには負けないよ。ピ─ス!!」

 全ての絨毯掃射が終わり辺り一帯の魔物がいなくなると、ラスレちゃんが、みんなのいる方に向かってピ─スサインをして、にっこり微笑んだニッコリさん&ピ─ス

 激しい蹂躪戦が繰り広げられた大広間では、絨毯掃射で出来た全ての洞窟壁や柱が見たこともない芸術品に生まれ変わってしまった。

 壁についていた光苔も周辺に細かく飛び散り、なんとも言えない、不思議な空間を作り出している。

 騎士団の皆さんは、自分達の周りで起こる破壊活動に、戦いの途中から足を止めて呆然と眺めていた。

 勿論、騎士団の小隊長コスタおじちゃんも口をアングリ開けて、『幻獣の守護者』のほうを呆然を眺めていた。

 よ──し、コスタおじちゃん、目を何度もコスっタって、この光景は、変わらないからね─。

 どうだ─!!見たか─!!騎士団─!!

 貴方達が幾ら剣技が優れていようが、物力の前には、無力なんだよ。

 覚えときなさい!!あ─気持ちよかった。

 でもさ─、こんなスンゲ─装備渡してるのに、これで失敗する冒険ってなんだろ??

 もしかして、また、シフィお姉ちゃんが、何かして迷惑かけたとか、本当にやめてよね。
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