神水使いですが、錬金術師として成り上がりたい

黒いきつね

文字の大きさ
上 下
1 / 46

夢世界の出来事①

しおりを挟む
 真っ白い空間の中に、私は佇んでいた。

 どこまでも続くような白い空間が目に映る。

 どの方角を見渡しても同じ風景が続いていて、それが私の視界に映りこんでいる。

「はー、この夢....また寝ながら体験するのね」

 あーあ、これはまた例の夢世界の中にいるみたい。

 朝起きてからも、夢の内容が、鮮明に思い出せるし不思議な夢世界に、また迷路に迷い込むように入り込んじゃったみたいだよ。

 この夢はふと忘れた頃に見る夢で、その夢世界の中では、私は自由に声を出して喋れるんだ。

 いろいろと胡散臭い内容の夢だけど、私にとっては、とても興味深い物語が演じられているんだよ。

 まあ、取り敢えずまずは、いつもこの胡散臭い夢世界に紛れ込んだ時にするように、自分自身をペタペタ触りつつ、私自身の身体が欠けたりせずに、この夢世界にしっかり入り込んで存在できているとか、簡単な確認作業の工程を次々にこなしていく。

簡単な身体検査から、簡単なストレッチに移行して、次は発声確認だね。

「あーあー、声のテスト、声のテスト」

「私の名前は、アヴィリスカです」

「私は、とっても可愛い女の子です」

「学校の男性陣の注目の的です」

「いつも影では、可憐で綺麗と噂されてます」

「そんな学校生活では、分厚い猫を被ってます」

「よーし、声も問題なく発声出来てる」

「ふぅ、今回も全然問題ないみたい」

 発声出来るのを確認した私は、次に自分の姿がしっかりと投影されてるか、調べたいなーと心の中で思い浮かべて見た。

 すると、真白な地面から透明な水が凄い勢いで逆流するように上り、瞬く間に私の正面に水で出来た鏡が現れた。

 細かいことには気にしない私は、その鏡で自分をよく観察する。

 この夢世界に迷い込んだ私の姿は、10歳の子供に見える、ぺったんこの微笑ましい体型をしてる。

 そんで、お顔のパーツもいつもと全く変わらず可愛らしく整っていた。

 どうせだから、悩殺ポーズやら、ウインクしてみたり、危ないポーズや様々な姿勢をとって遊んでみる。

 そこで思った私の結論──私ってば、めちゃめちゃ可愛い!!

 このままずっとポーズを決めて遊んでいたいけど、目的は忘れちゃいないよ。

 ある程度ポーズを決めて満足できたから、1人で色々ポーズをとるのは、そろそろお仕舞いにして、次の工程にいこうかな。

 そうした中で、改めて確認してみると、水の鏡から見て色々なポーズを決めた夢の世界の自分の姿が、何処も失われていない完璧な状態だったから、ひとまず異常がなさそうで安堵した。

 透き通り澄んだお水のように青くて柔らかい自慢の長髪も、しっかり夢世界で存在できていたから、それがちょっと嬉しくて安心してしまい、思わずホッとしながら少しだけ和んでしまう。

 私の長髪は、腰の位置まで頑張って伸ばしたんだけど、すっごくサラサラで超気持ちいいの。

 少し髪が気になったので、頭を左右に振ってみて、自慢のサラサラ髪を揺らめかせてみた。

 うん、水の鏡に映る私の髪は、綺麗な青い煌きを放つ髪質で、夢の中でも最高の出来栄え。

 その水の鏡に映る私の服装は、ベッドに倒れこむ前から着ていた、子供用の錬金術師専用の作業着を身につけている。

 その作業衣服は、白衣の長いコートみたいなデザインで、ポケットが一杯ついてて便利なんだよ。

 因みにこの錬金作業着は、私特性の一張羅で両脇の大きなポケットは、次元収納のポケットがついているんだからね。

 果物とかパンとかも入れても大丈夫で、サイズさえ合えば何でも入るんだから。

 いいでしょう!!欲しいでしょう!!でもあげないもん!!

 因みになんで夢の中でも、この錬金作業着姿なのかと言うと、それはこの姿で寝ちゃったから....。

 年頃のキャピキャピした女の子がそんな服装で寝るのは、間違っていると思うかもしれないけど.......

 これには、海よりも、と──ってもふか──い事情があるわけ!!

 ──それは、我が家が代々続く錬金術師の家系だからなの。

 それからね、私は幼い時から英才教育を受けさせられていて、本宅の離れに自分専用の工房も与えられ、日夜研究づけの楽しい毎日を送り、時間を忘れて研究に没頭していたら....。

 突然襲ってきた強烈な睡魔が、可愛らしいパジャマに着替える暇を与えないくらいの、強い睡魔が襲いかかってきて....。

 私も必死に睡魔に抵抗したんだよ!!

 ──でもね、やっぱり無理だったんだ。

 私は、あえなくそのままベッドに倒れ込み.....仕様がな──く、この超快適な錬金作業衣服を、夢の中で着せられてるんだよ。

 決して普段から、このとっても便利な錬金作業衣服を、四六時中着てる訳じゃないと思うよ。

 多分.....きっと....そのはず...だよね?

 ──そうそう、今は私のことなんか、どうでもいいはず。

 この夢世界の対策を、今はしっかりしないといけないのよ。

 無事に元の世界に帰れるように気を抜いたら、駄目なんだからね。

 よーし!!しっかり考察して考えよう。そうしよう。

 この夢世界はね、毎回同じ夢舞台を、寸分狂わず演じられているのを、毎回強制的に繰り返しように見せられるんだ。

 そんで、目覚めてからは、いつも頭の奥隅にが住み着いていて、必死に何かを訴えかけているような、なんだか説明しにくい変な感じがするんだよ。

 まあ、そのっていうのは、私の中では、既に何なのか判明しちゃってるんだけど...。

 その何かって言うのは、説明するのも毛嫌いするぐらい嫌なんだけど、それは、もう1人の私なんだよ。

 そのもう1人の私の言葉は、基本的に遮断して聞こえなくしてるから、何を言われてもガチ無視状態なんだけどね。

 まあ、その話をすると、私の気分が非常に重たくなるから、そろそろやめよう。

 気が向いたら、その話題を掘り下げてみるけど、今は気分が乗らないや。
 
 取り敢えず、その話題は横に置いて、さっきの話しに立ち返って夢の世界の話を進めていくよ。

 普通の夢の中ならその時の夢に沿って、ある程度は自由に振る舞えると思うけど、この夢に関しては全く違うんだ。

 多分、根本的に全然違うと思う。

 この夢の世界では、すーっごく、自由にできるんだもん!!

 凄く奥深い夢の世界なんだ。

 ただ、ちょっと他の夢と違うのは、私が全く存在しない透明人間のように、この夢世界に認識されて取り扱われているのよね。

 夢世界の内容は、もう何回も見た同じ演目だから知ってるけど、初めの内容はぜんぜん変わらないんだから。

 夢の前半部分の内容は、もう、大体そらで覚えちゃった。

 前半部分は全く変わらない舞台だけど、後半部分の舞台の内容が、毎回この夢を見るたびに、少しずつ、新しく内容が更新されていくからさ。

 私はぶっちゃけ後半部分だけ見れればいいんだよ。

 この夢は、最近夢の中の説明で判明したけど、どうやら私の前世が、舞台となっている夢みたい。

 その夢世界での前世の私は、下界投下目前もくぜんの水の女神様だったらしい。

 あえて、超ぶっちゃけて言うと、その水の女神様は、私の頭の片隅に無断で住み続けているもう一人の私みたいなんだ。

 そんな水の女神様は、どうやら下界投下されて暫くしたら、他の女神に上手い具合に救出されたようなんだけど、その後の夢世界でのやりとりを何度も繰り返し見物してたら、少しずつ判明してきたんだけど、どうやら女神同士で色々細かい取り決めなんかで、揉めているようなんだよね。

 その演じられる女神達のやりとりを、私は聞きながら、いろいろ理解しようとしていたんだけど、この頃は色々難しいし、女神様の前世なんか全然興味もないから知りたくもないし、面倒臭くなっちゃたから、思い切って宗旨替えをしたんだよ。

 そう──この夢世界を、心ゆくまで楽しむことにしたんだ。

 ぶっちゃけ、難しい話しを永遠と聞くより、夢世界の中で遊んでたほうが面白いもん。

 そろそろ、疲れたきたからこの辺で考察も終わりにしようかな。

 まあいいや、この夢世界をいつもの調子で、色々楽しみながら眺めていようかな。

 凄い胡散臭うさんくさい夢だけど、まあ、気にしない気にしない。

 だって、夢の中なんだもん。

 この胡散臭い夢は、まだまだ凄いことが色々できちゃう。

 その1つ──それは、視点操作。

 視点に関しては、離れたり近づいたり、いろいろな視点から見ることができちゃう。

 ちょっと調子に乗って、ノリノリの遊び心を発揮して、この前同じ夢を見た時は、白空間の高い空中からながめて見れて、ちょっと満足した夢の記憶が残っているよ。

 まあ、どの方向からでも見つめることが出来る、ちょっと変わった変な夢なんだ。

 ん──ん!!

「..........」

「....あー、そうだ!!思い出した」

「忘れてたよ──!!」

 思わず夢の中で、超大声をだしてしまった私。

 今その話を考えてたら、ピンと閃いてしまって、凄く大事な事を思い出したから、どうしても声を張り上げるように叫んでしまったよ。

「まあ、誰も聞いてないからいいや」

 寝ている私は、多分、凄い大声で、寝言を口走ったかもしれないけどね。

 でも、私の寝室兼工房研究所は本宅の離れにあるから、朝お姉ちゃんが起こしにくるまで、私以外、誰もいないしこないから、安心して大声を張り上げちゃいまーす。

 さっきは、まったり、なんて考えてたけど、この夢を見たら、是非確認しなきゃいけない課題があるのを忘れてたんだよ。

 今、ようやく思い出したよ。

 よーし、それじゃあ、いっちょやってみますか。

 今も、ちょっと遊び心満載気分で、視点を操作してと.....
 :
 :
 :
 :
 :
 .....よーし、視点確保完了!!

「万全万端!!準備完了!!」

 今回は地中の中からその夢を、じっくり堪能たんのうしちゃうよ。

 今の時間を使って地中の中から、空間を見えるか実験して確認したら万事OKで実験終了!!

 夢の中の他の登場人物と、その場で女優を演じている別人の女神わたしのおパンツの色を、今回の任務で──ばっちり!くっきり!しっかりと!確認しちゃうぞ!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。

朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。  そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。  だけど、他の生徒は知らないのだ。  スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。  真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた エアコンまとめ

エアコン
恋愛
冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた とエアコンの作品色々

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

処理中です...