自叙伝「或る変人の生涯(平成初期篇)」

夢笛メタ

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第0020撃「文化祭はクラスでフォルテする!!」の巻

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平成元年1989年、10月20日頃。
わが芝嶋中学では年に一度の華やかなイベントが開かれました。
文化祭! あるいは学園祭という名だったかは憶えていません。
ここでは便宜上、文化祭と呼ぶことにします。

遡ること1ヶ月くらい前。
文化祭の話し合いをするようになり、
各学年各クラスが出し物をするのだ!
楽しみでしようがないといった様子を露わにする者、
めんどくさそうにだらける者、
クラスは大きく二分されたかのようにみえましたが、
実のところといえばめんどくさそうにしてる連中も、
内心では嬉しさを隠しきれず、
思わず手を挙げて万歳しそうなところを、
ひたすらクールに我慢しているのでした。

小生ら中学1年は5つの全クラスとも、
それぞれ曲を決めて合唱することに相成りました。
そして小生の所属する1年4組では誰が言い出したのか、
HOUND DOG(ハウンド・ドッグ)の「ff (フォルティシモ)」に
決まってしまったのでした。
聴いたことのある曲でしたが、小生、少々不服を感じざるをえませんでした。
他に歌いたい曲があったのです。
しかし声を大にして異議申し立てをするほど歌いたいというわけでもない…。
まわりのクラスメイトは兎に角盛り上がりの勢いをみせていました。
「じゃあ、みんなこれでいっていいね!」
担任の中村先生が締めくくりました。

「ff (フォルティシモ)」の歌が録音されたカセットテープと歌詞のコピーが、
クラス全員に配られました。
小生も自宅で何度も聴きました。
BGMとして楽しむというより、
暗記を前提にした聴覚学習教材みたいだ。
授業の最終時限を終えて、
ホームルームの時間も使って一斉練習したように思います。

皆んなけっこう一所懸命に練習しました。
その甲斐あって文化祭当日、
失敗を多少恐れながらも存分に歌いきった瞬間(とき)、
4組の皆んなのハートの結束がフォルティッシモしました。
(イタリア語で「強い」「毅然とした」「丈夫な」などを意味する、
形容詞"forte"の最上級「きわめて強く」)

もっとヴィブラートをイヤミなほど効かせて、
情感こめて歌いあげれば主役になれたはずなのになあ、
小生に今更ながら邪心が湧いたのでした。

ハウンドドッグの「ff (フォルティシモ)」
Spotifyで聴く https://spotify.link/vjtvwbE42Db
YouTubeで観る https://youtu.be/AACRtrwpwvY?si=iIGwLkZ1vZAxaPC-

爆風スランプ「大きな玉ねぎの下で ~はるかなる想い」
YouTubeで観る https://youtu.be/Zgw2VP6SRVU?si=pMRC_1H-HuFwzaLm

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

懐かCMを観る1989年③10月
https://youtu.be/84cpmDbyzmI?si=X0F6YqdSN_SDyPmv

懐かCMを観る1989年④10月
https://youtu.be/4NwUv7YHnxs?si=YsZ0ZY5L5PThz75t


続く。果てしなく続く……。
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