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第0006撃「メタ氏、体育館の裏で密談す!!」の巻
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芝嶋中学に入学してしばらくは、
幼児期と小学生時代の幼馴染みである上緒修吾(仮名)に、
我が家へ迎えに来てもらい一緒に芝中へ向かいました。
小生は地元の小学校へ通っていなかったため、
地元の同年代の友人がほとんどおらず、
みんなの輪に入ってゆける自信はひとかけらもなく、
修ちゃんが小生の首に縄をかけて、
無理やり引っ張ってくれたのでした。
途中修ちゃんは芝嶋の住宅街にある、
芝嶋神社のそばの一軒の民家へ立ち寄りブザーを鳴らします。
小学生の男児が勢いよくサッシのドアを開きました。
「あ、お兄ちゃん着替えてるからちょっと待ってなあ」
そして学ランで身を包んだ緑谷が玄関から出てきて、
三人で中学校へとゆっくりと歩を進めました。
緑谷は孔雀王という漫画が好きで、
修ちゃんは緑谷から借りた孔雀王を読みながら、
二宮金治郎よろしく中学校までの道のりを歩くのでした。
中学での昼食というのは弁当を自宅から持参するか、
校舎の一階の中央部に位置する購買部で買うか、
(小学校のときの売店は給品部という名称だったので、
はじめ購買部と呼ぶのに違和感を感じたものだ)
選ぶことが出来ました。
午前中に昼食担当の生徒のもつ紙に記入しておけば、
昼ごはん休憩が始まると昼食担当の生徒が、
予約した生徒分の菓子パンをわんさか積んだ、
側面に神戸屋パンと書かれたカゴを
教室へ運んできてくれるのでした。
小生は美味しそうな菓子パンを羨ましそうに横目にしつつ、
持参している母の作ってくれたお弁当を、
ばくばくと美味しくいただいていたのでした。
いつまでもだらだらと昼食を頬ばっている余裕はない。
物質界における人生の残り時間は限られているからだ!
というのも昼食を済ませたあとは、
修ちゃんや緑谷との三人で体育館の裏側にまわり、
秘密の階段を同級生らに見つからぬようにバッと駆け上り、
近くの民家を手にとるように見渡せる二階へ場所を移し、
雑誌ムーで扱っているような、
オカルトや都市伝説の話で盛り上がるためです。
言うまでもなく小生たちは、
1999年を10年後に控え、
「恐怖の大王」の正体が何なのかも、
激しく論じ合いました。
途中おしっこがしたくなったら"公式"のトイレへはゆかず、
のそのそと隅の排水溝のほうへ行きそこで用を足します。
大のときはさすがに一帯がうんこのアロマテラピーになっては埒があかないので、
やむを得ず大変面倒なことですが"公式"のトイレへと足を運びました。
毎度のことながら「恐怖の大王」の正体を突きとめる寸前で、
昼休憩終了のチャイムが鳴りだすのでした。
いつのころか小生はその秘密の会合へ出向かなくなりました。
それは修ちゃんがUFOをプラズマで説明出来ると言い放ち、
小生のロマン溢れる異星人来訪説を軽く一蹴したからか、
否、そうではなく、
小生が修ちゃん修ちゃんと呼ぶところを、
修ちゃんが冷徹な眼差しで、
「夢野。これからは俺のことを修ちゃんと呼ばんといてくれへんか」
と言ったからだと思います。
中学入学と同時に修ちゃんは小生を、
「メタちゃん」ではなく、
「夢野」という呼称に変えていました。
しかしせめて小生のほうからだけでも、
幼少のよちよち歩きの頃から呼び合っていた、
「修ちゃん」にしておきたかった…。
修ちゃんは気恥ずかしさからではなく、
中学受験に失敗し落ち武者のように地元の中学へ降ってきた、
もしくは奇妙奇抜な動作を繰り返すトゥレット症候群の小生を蔑み、
第三者から仲のよかった幼馴染みと思われたくないということから、
お互いの距離を遠くしたいのだろうなと思ったのです。
空飛ぶ円盤のように音もたてずに、
小生は修ちゃんから去ることにしました。
幼児期と小学生時代の幼馴染みである上緒修吾(仮名)に、
我が家へ迎えに来てもらい一緒に芝中へ向かいました。
小生は地元の小学校へ通っていなかったため、
地元の同年代の友人がほとんどおらず、
みんなの輪に入ってゆける自信はひとかけらもなく、
修ちゃんが小生の首に縄をかけて、
無理やり引っ張ってくれたのでした。
途中修ちゃんは芝嶋の住宅街にある、
芝嶋神社のそばの一軒の民家へ立ち寄りブザーを鳴らします。
小学生の男児が勢いよくサッシのドアを開きました。
「あ、お兄ちゃん着替えてるからちょっと待ってなあ」
そして学ランで身を包んだ緑谷が玄関から出てきて、
三人で中学校へとゆっくりと歩を進めました。
緑谷は孔雀王という漫画が好きで、
修ちゃんは緑谷から借りた孔雀王を読みながら、
二宮金治郎よろしく中学校までの道のりを歩くのでした。
中学での昼食というのは弁当を自宅から持参するか、
校舎の一階の中央部に位置する購買部で買うか、
(小学校のときの売店は給品部という名称だったので、
はじめ購買部と呼ぶのに違和感を感じたものだ)
選ぶことが出来ました。
午前中に昼食担当の生徒のもつ紙に記入しておけば、
昼ごはん休憩が始まると昼食担当の生徒が、
予約した生徒分の菓子パンをわんさか積んだ、
側面に神戸屋パンと書かれたカゴを
教室へ運んできてくれるのでした。
小生は美味しそうな菓子パンを羨ましそうに横目にしつつ、
持参している母の作ってくれたお弁当を、
ばくばくと美味しくいただいていたのでした。
いつまでもだらだらと昼食を頬ばっている余裕はない。
物質界における人生の残り時間は限られているからだ!
というのも昼食を済ませたあとは、
修ちゃんや緑谷との三人で体育館の裏側にまわり、
秘密の階段を同級生らに見つからぬようにバッと駆け上り、
近くの民家を手にとるように見渡せる二階へ場所を移し、
雑誌ムーで扱っているような、
オカルトや都市伝説の話で盛り上がるためです。
言うまでもなく小生たちは、
1999年を10年後に控え、
「恐怖の大王」の正体が何なのかも、
激しく論じ合いました。
途中おしっこがしたくなったら"公式"のトイレへはゆかず、
のそのそと隅の排水溝のほうへ行きそこで用を足します。
大のときはさすがに一帯がうんこのアロマテラピーになっては埒があかないので、
やむを得ず大変面倒なことですが"公式"のトイレへと足を運びました。
毎度のことながら「恐怖の大王」の正体を突きとめる寸前で、
昼休憩終了のチャイムが鳴りだすのでした。
いつのころか小生はその秘密の会合へ出向かなくなりました。
それは修ちゃんがUFOをプラズマで説明出来ると言い放ち、
小生のロマン溢れる異星人来訪説を軽く一蹴したからか、
否、そうではなく、
小生が修ちゃん修ちゃんと呼ぶところを、
修ちゃんが冷徹な眼差しで、
「夢野。これからは俺のことを修ちゃんと呼ばんといてくれへんか」
と言ったからだと思います。
中学入学と同時に修ちゃんは小生を、
「メタちゃん」ではなく、
「夢野」という呼称に変えていました。
しかしせめて小生のほうからだけでも、
幼少のよちよち歩きの頃から呼び合っていた、
「修ちゃん」にしておきたかった…。
修ちゃんは気恥ずかしさからではなく、
中学受験に失敗し落ち武者のように地元の中学へ降ってきた、
もしくは奇妙奇抜な動作を繰り返すトゥレット症候群の小生を蔑み、
第三者から仲のよかった幼馴染みと思われたくないということから、
お互いの距離を遠くしたいのだろうなと思ったのです。
空飛ぶ円盤のように音もたてずに、
小生は修ちゃんから去ることにしました。
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