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挿話

75.5. 侯爵令嬢の侍女・前編

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 王宮なんてろくなところじゃない。
 こんな場所に内気で気弱なお嬢様を差し向けるだなんて……。

 与えられた部屋は、当主は歴代、王宮の要職に就いて宰相も輩出しているセギュール侯爵家への配慮は感じられるものの、年頃の侯爵令嬢が侍女連れで寛ぐには少々手狭に思えました。
 そもそも各家から伴っていい侍女は一名だけ、他に手が必要なら部屋付きで割り当てられる王宮使用人が世話をするといった規則だなんて……とぼやけば、お嬢様にやんわりとたしなめられました。

「わたくしほっとしているのよ、ジャンヌ」
「アンリエットお嬢様」
「だって、行儀見習いにはお手当てが出るのですもの。いくらかお父様の助けになります。それに生活に必要な費用も王宮が賄ってくださるのだもの、わたくし一人でも負担が減るのはよいことよ」
「お嬢様っ、王宮の行儀見習いは口減らしではございません。そもそも……」

 言いかけた私に、お嬢様は俯いたままゆっくりと首を横に振りました。
 いまは春。
 秋に十四歳になるお嬢様の桃色がかった金色の波打つ髪がふわふわと揺れて、綺麗な艶に輝きました。

「いまのセギュール家は困窮しているのですもの。それにお父様が投資詐欺に合って借金までといった噂もあっては……行儀見習いになれたことも不思議だわ」 
「そんな噂で、長年王宮にお仕えしてきた信用と実績が揺らぐような侯爵家ではございません。噂があまりに酷くて奥様はお屋敷に自重されていますが、王妃様のご友人でもありますし」
「けれど、“夫人がお茶会に出られないほど侯爵家は困窮している”のは、本当のことよ。持参金も望めない、ましてなんの取り柄もない侯爵令嬢だなんて煙たがられてしまうだけ」
「お嬢様、そんなことを仰ってはなりません」

 アンリエットお嬢様はたしかに派手な美女ではないかもしれませんが、白百合のような清廉で品のある美しさをお持ちです。
 文官として優秀な家系のご令嬢らしく、賢く細やかな気配りも出来る方なのです。
 王族に嫁いでもけしておかしなことはない方なのですが、とにかく内気で気弱で自己評価が若干低いのが難点です。

 旦那様がご友人経由のお話で投資した海運事業で大変な損失を被ることになってしまったのと、奥様が風邪をこじらせてしまったことが重なって、酷い噂があっという間に広がってからは、ますます内に縮こまって俯きがちになってしまいました。
 実際には借金はありません。損失は侯爵家の財と様々なものを売って用立てて支払い、なんとか埋め合わせたのです。
 ですが困窮していることは真実でした。

「お嬢様、気をしっかり持ってくださいませ!」

 これまで家格の高い侯爵令嬢として大切に養育されてきたお嬢様が、王宮に上がれる歳になった途端にこの不幸はあんまりだと、命運の女神様に嘆かずにはいられません。
 男爵家の三女で侍女奉公している、貴族とは名ばかりな底辺令嬢の私は身を持って知っていますが、貴族社会は弱肉強食。
 とにかく足の引っ張り合い、人の不幸は蜜の味で娯楽の種。
 まして家格の高い侯爵家の困窮なんて醜聞、同じ侯爵家として張り合ってきた家やあるいはいくらか格下とされていた家にはもうここぞとばかり責め立て、あわよくばご自分がその地位に取って替わろうとするもの。
 もちろんその下について恩恵に預かる貴族達も同調するでしょう。

「王族の一人や二人、虜にして見せる気概で臨まなければ」

 私の言葉に、ふるふるとお嬢様は首を振るばかり。
 ひとまず私はお茶を入れることにしました。

 王宮の行儀見習い。
 末は王国の要職を担う者たちを支える善き伴侶としての子女養育を名目に、貴族のご令嬢を集めるそれに選ばれたなら、余程のことでもない限り淑女としてはお墨付きをもらったも同然。
 未婚の令嬢に箔を付けるにあたり、これ以上ないものとなります。

 その身を保証する推薦者二名と基本的な教養と礼儀作法を身につけた、心身健康である十三歳以上二十歳未満の女子であること以外、実は爵位どころか出身階級すらも特に規定はないけれど、実際には伯爵家以上の上級貴族のご令嬢で受入枠のほとんどが占められます。
 それは、元を辿れば王族の伴侶、特に未来の王妃候補を選別するだけでなく、まだこの国に側室制度があった頃はその候補をも揃えるためのものであった名残でもあるのだとか。
 現在においては、王族の女性に仕える側近候補としての意味合いが強いようではありますが。

 表向きは上級女官として遇されるものの、王宮使用人とその扱いはまったく異なります。
 午前中は王宮儀礼や基礎教養をより深める講義を受けて、午後は基本的に自由時間という名の社交です。
 同じ行儀見習いのご令嬢や王宮に出入りする御夫人方とのお茶会、殿方を交えて複数人で庭園の散歩や読書会、あるいは王宮の催しに参加など。
 つまりは将来の人脈作り、婚約者がまだ決まっていない方同士ではお見合いに勤しむのです。

 ですからたとえ行儀見習いの枠に入れても、中級下級貴族の令嬢は不利な立場にいることには変わりなく、この場合、早々に上級女官職への伝手を得ようとするか、適当に釣り合いそうな中堅の文官や騎士の殿方を捕まえての結婚を目指します。
 めったにないことですが、平民階級の娘なら下級貴族との見合いのための箔付くらいのものです。商家など財力においては貴族を凌ぐ家もございますから。

 そう――ですから、あの方はそんな王宮の常識を覆す方でした。
 王妃の第一侍女のマリーベル・ユニ様。

 アンリエットお嬢様があの方と出会ったのは、お嬢様が王宮の行儀見習いとなってまだ三ヶ月ばかり、夏の始めの頃です。
 本当は行儀見習いになってすぐ、王妃様にお言葉をいただくご挨拶の時にもお二人はお会いしているはずなのですが、王妃様へのご挨拶以外はずっと俯いていたお嬢様は王妃様の後ろに控えるマリーベル様を見てはいませんでした。

 その後も、王宮の生活や他家のお嬢様ともなかなか馴染めず、午後はお一人でお部屋にいらっしゃるか私をお供に図書室でひっそりと過ごしていたお嬢様は、王宮にいらっしゃる方々のことがあまりわからないままでいたのです。
 ですから当然、夏の始めにマリーベル様と再会したその時も、お嬢様の窮地を救って下さった彼女がどこのどなたなのかわかりませんでした。
 折しもマリーベル様はお休みの日だったらしく、私服のドレスであったため尚更です。
 
 アンリエットお嬢様は、その時、王宮の廊下を一人で歩いていました。
 そのようなこと侯爵令嬢にあるまじきことなのですが、お嬢様がお部屋に戻る途中で私が王宮の文官に呼び止められ、お嬢様が大丈夫と仰ったためにお側を離れてしまったのです。
 その隙を突いて、こと女性関係にだらしなく手が早いといった悪い噂で有名な、内務大臣のご子息がお嬢様に強引に言い寄ったのです。
 
 彼がアンリエットお嬢様になにを囁いたか……お嬢様から聞き出した話を思い出してもはらわたが煮えくり返るような怒りを覚えます。
 お嬢様と同様、侯爵家の嫡男である彼は、自分の相手をすれば困窮したセギュール家を、父親の内務大臣の力で助けてやると持ちかけたのです。
 おまけに旦那様もお嬢様自身も、そのつもりで王宮に来たのだろうなどと。
 私が、お嬢様の側を離れることになったのも、後になって思い返せば内務大臣のご子息の仕業に違いありません。
 きっと一人で過ごしがちなお嬢様に目をつけていたのでしょう。

 旦那様や使用人以外の男性とろくに接したこともない、ただでさえ内気で気弱なお嬢様一人では、内務大臣のご子息を上手く追い払うことなど出来るはずがありません。
 お嬢様は反論の声も出せずにただもう震えて、あっという間に手を取り、腰に腕を回されてどこかへ連れて行かれそうになったそうです。
 その時でした。

「まあ、こんな所にいらしたのですか、アンリエット様。今日の課題のことで先生が貴女様を探していましたよ」

 突然、お嬢様にとっては見知らぬご令嬢に声を掛けられ、内務大臣のご子息に言い寄られて気が動転し切っていたこともあり、どうしていいかわからなかったそうです。
 それは、お嬢様を連れていこうとした彼もそうであったようで、彼女を睨み付けるばかりであったとか。
 そこでようやくマリーベル様は、内務大臣のご子息に気がついたように形ばかりの淑女の礼をとると、じっと彼の不埒な手元を見詰め、流石にそのようにされては居た堪れなかったのか彼は手も腕もお嬢様から離してくれたとのことでした。
 
「子爵様。こちらの方はこの春に王宮の行儀見習いに上がられたばかりのご令嬢ですよ」
「なんだお前は……」
「お茶のご用意ですか? それとも内務大臣様へのお言付けでしょうか? 女官に御用があるのなら直ちに適切な者をお呼びいたしますけれど?」

 行儀見習いは一応、表向きは上級女官の扱いではありますので、たしかに間違いのある言葉ではありません。お嬢様が聞いたマリーベル様の言葉を後々になって考えると、王妃様に煩わしいことが降りかからないよう、休日で私服でいたことを利用してどういった方かはっきりしない言葉を選んでいたようです。
 にっこりと笑んだマリーベル様に、彼は誰か気がついたようであっと声を上げてお嬢様からも離れ、そこへすかさず割り込んだマリーベル様に、早くお行きになられたほうがよろしいですよとお嬢様は囁かれたそうですが、もう頭の中が真白になってしまっていたお嬢様はどこへどうすればいいのかもわからず、そんな様子を見てマリーベル様はすべてを察してくださったようでした。

「お前は……っ」
「子爵様」
「お、お前如きが口を出すなっ」
「一体、なんのことですか? 王宮の行儀見習いは女官長様が担当されておりますから、なにか子爵様との間で困ったことが起きたのでしたら、女官長様にご報告申し上げますけれど。詳しくお聞かせいただけますか?」
「な……っ」

 にこやかに詰め寄るマリーベル様に、内務大臣のご子息はしどろもどろになにか言い訳をしてくるりと背を向けて足早にその場を立ち去ったそうです。
 彼が強く出られなかったのは、平民の女官に恋愛遊戯の邪魔をされたばかりか、にこやかに詰め寄られたのが広まるようなことになっては体面に関わることだったからでしょう。
 そして驚くべきことに、マリーベル様はそんな彼を追ってお嬢様に名乗ることもなく風のように去ってしまったとのことでした。

 一人、廊下に残されたアンリエットお嬢様は、悪意を持って強引に言い寄られた衝撃と恐怖で、ただもう人目につかないよう必死で廊下の柱の影に隠れ、その場にうずくまって震えていたのですが、しばらくしてそんなお嬢様にそっと声を掛け、気遣ってくださった方が現れました。

 お嬢様の父親である旦那様と同じ年頃の、年配の銀髪の紳士。
 王宮でも一際目立つような整った容貌と立派な身なりの、明らかに上級貴族とわかる男性だったそうです。

「大丈夫ですか? ああ、無理に応じようとしなくて結構」
「……いえ、その……少し絡まれてしまって……」
「成程。それは災難でしたね。彼女・・が貴女を助けたようなところも見てはいたのですが……彼を追いかけていった彼女になにかあってはと思ったのと、貴女も少し落ち着かれるまで人に声は掛けられたくはないだろうと少し様子見をしていました。よろしければ、こちらを」

 綺麗なハンカチを差し出されて、お嬢様は目から涙がこぼれていることに気がついたそうで、おそるおそるそのご厚意を受け取ると、なんとかお礼を声に出しました。

「……ありがとう存じます」
「王宮内とはいえ、貴女のようなご令嬢がお一人でいるとは。侍女はどうされたのですか?」
「少し用事で……離れて」
「では、またすぐこちらにいらっしゃる」
「……ええ、おそらく」

 お姿だけでなく、お声もそれはそれはうっとりしてしまうような美声だったそうで。
 一瞬、恐怖も忘れて惚けてしまったそうなのですが、ただ惚けてしまっただけで、そのような紳士と出会って親切にされても舞い上がったりしないところが、アンリエットお嬢様です。

 それに舞い上がるようなことでもなかったそうで、お嬢様曰く、とても物腰は優しく落ち着いていらしたけれどなんだかとりつくしまがない隙の無さであったとか。
 おまけに、お嬢様を助けてくださった方に関心があるらしく、お嬢様が話せるようになったと見るや次々と質問されたそうです。

「先程、貴女を助けた、黄色いドレスのご令嬢はお知り合いですか?」
「……いいえ」
「貴女は王宮の行儀見習いとお見受けしましたが、先輩も含めてお仲間にいらっしゃらない?」
「ええ……その、はっきりとはですが……見覚えございません」
「お心当たりは?」
「ありません。わたくしも……出来ればお礼を申し上げたいのですが、お名前もお聞きしないまま去ってしまわれて……どうしましょう……」
「そうですか……ああ、失礼。私はロタール公及びバラン辺境伯のルイ・メナージュ・ヴァンサン・ラ・フォート」
「えっ」

 お嬢様は、それから間もなく私がお嬢様を見つけて駆け寄るまで、本当に声が出なくなってしまったそうです。
 何故ならお嬢様を気遣ってくださったその方は、王族と実質同等の公爵様にして、この魔術の国でも偉大な“竜を従える最強の魔術師”だったのですから。
 
「もし貴女を助けた彼女にお礼を言うことが出来たなら、私にも教えてください。行きがかり上、少々気になりますから。おや……どうやら貴女の侍女が戻ってきたようですね」

 それでは私はこれで、と公爵様はゆっくりとした静かな足取りで、駆けつけた私とすれ違い、王宮の廊下の角を曲がって姿を消してしまいました。

 それから間もなくして、内務大臣のご子息は王宮からいなくなりました。
 なんでも連合王国へご遊学に出され、一年間は王宮に戻らぬよう父親の内務大臣様に厳しく言い渡されたといった話です。
 
 アンリエットお嬢様に言い寄る邪魔をしたばかりか、王妃の侍女といっても平民のマリーベル様が追いかけて意見してきたことに腹を立てたご子息が、父親の内務大臣にそのことを訴えたところ。
 王と王妃のお気に入りで政敵の法務大臣が後盾に控えている、マリーベル様の指摘による失点を恐れた父親になんということをしてくれたと叱られ、ほとぼりがさめるまで姿を消していろと反対に王宮どころか王国からも追い出されてしまった内幕を知ったのは、ずっと後のことです。

 そしてお嬢様がマリーベル様のことをようやく知ることが出来たのは、夏も過ぎた秋の始め。
 王様の誕生祭。
 あの王宮に集まった王国中の有力者達を仰天させた、公爵様の求婚をマリーベル様が受けた場面を見てのことなのでした。
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