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フォンルージュ家編
53-発作※⚠️
しおりを挟む数多に出した触手でラルクの服を脱がせた僕は、触手でラルクの肉棒を擦り、性欲のまま自身の両乳首を両手で虐め、触手をおしりの中に入れて拘束されてるラルクの上で公開オナニーをしていた。
普段の僕なら絶対しないが、今はもうどうでもいいから気持ちよくなりたかった。
ちんぽとも違う触手の先端がいい所を擦りゾワゾワとした快感が背骨を伝う。中の媚肉が疼いて触手に絡みつく。
「やばぁ…ッ、ぁっ…きもちぃっ…きもちいいい…ッ」
きもちいい。きもちいい。でも足りない。
もっと、もっと気持ちよくしないと、頭馬鹿になるまで、壊れるまでしないと、
『お前なんか死ねばいいのに』
まだ亡霊の声が聞こえる。この声が掻き消えるくらい壊さないと。
「ぁにうえッ…これとれって…!」
触手に拘束されたラルクが身を捩りながら僕を睨みつける。
弟の立場のラルクにこんなことして、僕って兄失格で最低。人として終わってる。
「やだ、とったら逃げるだろ」
ああ、はやくしにたい。
触手で擦っていたラルクの肉棒は完全に芯を持ち痛そうなくらい血管を浮かび上がらせながら、勃ち上がっている。
これを入れれば忘れられる!
舌なめずりをして、自身のおしりに入っていた触手を引き抜く。そのまま期待にヒクヒクしている穴を自分の指で拡げ、ラルクの肉棒を飲み込む。
騎乗位と言うやつだ。
ラルクの固くなった雁首が僕の前立腺を擦り、身体に衝撃が走る。
これっ…これもっとっ…
震える腰を何とか動かしながら、いい所に当たるように何度も何度も腰を落とす。
ピリピリした刺激で頭が真っ白になりかけるが、何故か意識が途切れない。いつもより気持ちよくない。
なんでっ、なんでぇ?
なにがちがう?なにがたりない?
たりない。たりない。
「あにうえっ…やめろよ…ッ…!」
なんでラルクもくるしそうなの?
きもちよくない?
何度も腰を持ち上げ、抜けきりそうなところで一気に腰を落とし刺激するが、きもちよくない。虚しい。
おかしい、これおかしい。
…あ、そっか。痛みが足りないんだ。
痛いのは嫌だけど、頭に広がるトラウマに比べればきっと気持ちいい。
アーノルドの時みたいに、僕が死んだ時みたいに、締めてしまえばいい。
あの苦しく痛い食い込む感触が過去を忘れさせてくれる。
…でも自分で自分を今は殺せないから。
苦虫を噛み潰したような顔のラルクを見下ろす。
そうだ、ラルクに締めてもらえばいい。
ラルクに覆いかぶさっている自身の影からまたわさわさと触手を顕現させる。
魔力を使いすぎているのかこめかみがズキズキと痛い。でも関係ない。
ラルクの腕を自身の手で掴み、ラルクの両手を自分の首をに当てる。
何をしようとしているか理解したラルクが手を引っ込めようとするが、触手が固定してそれを許さない。
細い触手がラルクの指一本一本に絡みつき、自由を奪う。
魔法を更に強めて手に力を込めさせる。
締まってる。そう、これ、これをすれば…
気管を塞がれ、徐々に酸欠になって顔が熱くなってくる。
苦しい。苦しい。僕今犯されて首締められてる。
嫌だったのに、痛いの嫌いなのに、苦しいの嫌いなのに。
亡霊の声が薄れていく。
もう少し、あともう少し。
「やめてくれ、やだ、やだ…」
ラルクが何か言っているが耳に入らない。
ああ、ぼくって、なんて、なんて可哀想ーーーー
………ぁ
頭から氷水を被ったかのように、一気に思考が冷えていく。
はっ、としてラルクの顔を見る。
僕以上に苦痛に歪んだ顔をして、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「やめてよ…あにうえ…っ」
中に入っていたラルクの肉棒も芯を失い萎えていた。
ぼく、何をしてるんだ…?今何をしている?
今ラルクに何をさせているんだ?可哀想ってなんだ?
ラルクを使って自分を痛めつけて可哀想って自分に酔いしれて、何も無い自分を満たそうとしていた。自分の感情をトラウマをラルクで昇華しようとしていた。
それって、まるで、まるでーーー
母親と同じじゃないか。
「おえッ……」
吐き気が胃から喉まで込み上げてきて両手で口元を抑える。
自分が今行っている行為の拒絶反応みたいに身体が悪寒に包まれる。
僕の暴走した感情が途切れたからか、触手がいつの間にか雲散していた。
「ら、ラルク…ごめ…っ」
跨ったまま硬直するラルクに手を伸ばす、ラルクの身体が僕の手に怯えたようにビクッと震える。
拒絶だ。ラルクの体が僕を拒絶しているんだ。
なんだよごめんって、何言ってんの?
謝ったところで許されるわけないだろ。
傷付けたのに、謝って許してもらおうなんて虫が良すぎるんだよ。本当に卑怯で人として終わってて気持ち悪いな、僕。
中からラルクを引き抜き、ラルクから、自分の犯した現実から逃げる。
脱いだ服を拾い、鍵を開け部屋を飛び出て、なるべく今のところから遠くへ遠くへと走る。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
僕はクソ野郎だ。どうしようもない。
僕みたいなやつなんかが人を傷つけてしまった。
亡霊がずっと僕に囁いてる。
『お前なんか死ねばいいのに』
本当に、こんな僕なんか死んじゃえばいいのに。
ギィィ、バタンッ…ガチャ
客室として使われている寝室に入り鍵をかけ閉じこもる。
部屋の隅で三角座りをして、止まらない涙を何とか抑えようと自分の頭を片手で何とか押さえつけるもとめどなく溢れ止まらない。
『なんで何にもできないの?』
出来損ないでごめんなさい。
『私に迷惑かけて楽しい?』
楽しくない。迷惑かけてごめんなさい。
胸が痛い。空っぽに穴が空いたところから血が垂れているように痛い。どす黒いタールみたいな血が止まらない。
頭を抱える左手とは逆の空いている右手で心臓辺りの皮膚を引っ掻く。胸の不快感を抑えようと、穴を塞ぐように手に力を入れようと、実際に空いている訳もなく、爪がくい込んでただただ皮膚だけが痛い。
でも今の僕にはそんな痛みすら鈍くなっていた。
亡霊の声に昔の僕の声が重なってくる。
『(何泣いて被害者ぶってんの?お前が全部悪いのに、泣いても無駄なのに。誰かに可哀想って思って欲しいわけ?)』
違う、そんなんじゃ、違うよ。泣いてごめんなさい。止めれなくてごめんなさい。生きててごめんなさい。
胸の空洞がヒュウヒュウと鳴り、息が浅くなる。鼻水が詰まり鼻で息ができず、口を開けっぱにしてヨダレを垂らしながら何とか呼吸するも、それも苦しい。
『(早く死ねよ。お前なんて生きてる価値ないんだから。また誰かに迷惑をかけないうちに早く死ね)』
死にたい。死にたい。消えたい。いなくなりたい。ころして、お願い。誰か殺して。
『(何処までも烏滸がましいな。お前。
本当に醜くて、浅ましくてどうしようもない。お前なんか誰も愛してくれないよ)』
分かってるよ。わかってる。僕はどうしようもないから、独りでいなきゃいけないから。分かってるよ。死にたい。死にたいよぉ…。
『私に迷惑ばかりかけて…こんなんだったら、あんたなんか産まなきゃ良かった』
僕も生まれたくなかった。なんで産んだの。母さん…。
許して、ごめんなさい。またちゃんと死ぬから。許してよ。ごめんなさい。
しん…としたベットとタンスしかない部屋に鼻をグスグスとすする音だけが響いていた。
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