上 下
51 / 79
フォンルージュ家編

50-横取り※

しおりを挟む
ーラルクsideー



兄上が消えた。おれが稽古と兄上と一緒の学園に行くための勉強という名の折檻中に。

使用人に問いただしても誰も何も知らない。いや、おれに言わなかった。

ふざけるな。なんで、なんで。

また置いていくのか。母と同じくおれを置いて行ってしまうのか?

あにうえ。あなたがいないとおれは。


地獄の日々だった。毎日毎日兄上を部屋で待つが、帰ってこない。
ベッドに残る兄上の匂いで何とか誤魔化そうとするも、あの温もりがないとおれはもう寝れなくなっていた。


…やりすぎたからだろうか。

兄上にも俺と同じでおれがいないとダメになって欲しくて、父上に直談判して兄上をおれの傀儡にするための調教の道具を用意して欲しいと頼み込んで、色々と手に入れた。

少しずつ、少しずつ、優しく、丁寧に。

そうするつもりだったのに、兄上に煽られてキレてそこからは好き勝手やっていた。

兄上は諦めてるのか、それともおれを傷つけたくないからか抵抗しなかった、それをいいことに兄上が泣いて懇願するまで、おれはやめなかった。泣いておれに縋ってくる兄上、本当に可愛かった。


…おれを嫌いになった?こんなおれに呆れた?
ごめんなさい。もうやらないから、帰ってきて。兄上、あにうえ…。





兄上が帰ってきたのはいなくなってから4日目の事だ。

稽古場に向かおうと中央広間を通りがかった時、外へと繋がる大扉が開いた。

目を向けるとおれの愛しい大切な人が少しやつれた様子で立っていた。


あにうえっ…!


反射的に兄上へと走り、その身体に抱き着く。その温もりに涙が出そうになる。


かえってきてくれた!おれの元にかえってきてくれた!
うれしい。あにうえ。あにうえっ!


衝動のまま兄上に頭を擦り付けて甘える。
すると兄上が遠慮がちにおれの頭を撫でる。よく母がおれを撫でてくれたのを思い出す。


やさしい。あにうえ、だいすき。


そう思い、より深く抱きつこうと身体を密着させた時だった。


…兄上の勃ってる。


おれに会えて兄上も嬉しかったから…?いや、まだそんな調教していない。じゃあ、なんで?

そう考えているとふとバラのような臭いが兄上から漂う。


……何処かで嗅いだことがある臭いだ。


そう、あの兄上の婚約者だと宣っているあの王子。おれと兄上の邪魔をするあいつ、あいつの臭い。


怒りを通り越してスー…と冷静になってくる。

おれに何も言わずにあいつと会ってた兄上にも怒ってるけど、何よりもあいつ。


…あいつ、兄上に何をした?


兄上の右腕を掴み、お風呂場へと向かう。

確かめなければ、あの男に何をされたのか。おれの兄上に、あいつが何をしたのか。ああ、考えるだけで腸が煮えくり返りそうだ。兄上。あにうえ。


ーーー



ぐち、ぐちゅん!グチュグチュ…


「ラゥク…ッごぇ、ごめんなさッ…ぁっ♡しょこだめッッ♡あ゛…っ♡」


兄上を脱がしたおれは風呂場で四つん這いにさせ兄上の尻の中に指を3本突っ込んで感情のまま掻き回す。

兄上の身体はあいつの大量の噛み跡と、キスマーク、そして何より首を締められたであろう跡があった。

兄上に危害を加えようとした証拠。

そしてこんな風になるまで甚振っておきながら、まるで自分のものだと言わんばかりに左薬指に嵌められてる指輪。


怒りで一気に頭に血が登る。


…ふざけるな。



「いやぁぁあ゛ぁぁッ♡ゆびッつよいっ…♡!とまってぇ…ッ♡!イクッ♡イっちゃうからァ…ッ♡♡!!」


無意識のうちに怒りで兄上のしこりを強く潰しすぎたらしい。兄上が善がり泣いている。


「…兄上、今キレイにしますから」


クパァ…


掻き回していた指で兄上のおしりの穴を拡げる。そのままシャワーからぬるま湯を出し、ヘッドを兄上のおしりの穴に当てて、中を洗浄する。

おれが知ってる時よりも拡がるので容易に洗える事実にまた頭が熱くなる。


先を越された。アイツに、あの王子に、
横取りされて食われてしまった。

こんなことだったら、こんなことだったら、早く食べてしまえばよかったんだ。

泣いて縋る兄上が可愛くて、愛しくて、
順番通りにしようと流暢にやってたおれが馬鹿だった。


…兄上を守ると決めたくせに、こんな危害まで加えられてしまった。

強く絞めない限り、こんな跡首に残らない。首の項に複数付いてる噛み跡も瘡蓋にはなっているが、相当深いのが分かる。

おれが前噛んだ時よりも。

痛々しい姿に、何も出来なかった自分に、先を越された自分に腹が立つ。


「…あにうえ」


シャワーを止めて洗浄をやめる。


兄上のヒクヒクと動いているピンクの縁の穴に自身のそそり立つ肉棒を押し当てる。

兄上の身体は相当仕込まれたのか、当てるだけでチュウ、とおれに吸い付いてくる。


ドチュッッ!!


「お゛ぁッッ♡!」


兄上の雌穴を肉棒で一気に奥まで貫く。

中はトロトロであつく、おれに絡みついてきゅうきゅうと締め付ける。

少しきついと思ったら兄上はどうやらイったらしい。プルプルと震えながらポタポタと床に精液を垂らしていた。


「っ…あにうえ、あにうえ…!」


兄上の華奢な腰を掴み自身の体を密着させ中に打ち付ける。

兄上に覆いかぶさりながら、兄上の身体の至る所についてる傷を舌で労わるように舐る。


「はっ…あアッ…♡あんっ♡!ラゥク…ッ♡!ラルクゥ…ッ♡!」


おれが舐める度にピクンピクンと身体を震わせ、喜んでいる。

こんなに淫乱になってしまった。
いや、元からか。素質はあった。だからアーノルドの調教の成果ではない。断じて違う。


背中の筋からツー…とそのまま一番痛々しい首の傷と跡まで舐る。

ちゅっと口付けをすると、痛いのか気持ちいいのかビクンと兄上の体が反応する。


あにうえ、あにうえ、おれはアーノルドとは違う。あにうえがおれを思ってくれる限り、おれはこんなに痛めつけたりはしない。


兄上の前立腺に雁首の出っ張りを当て、執拗に攻める。
兄上の雌肉がおれを締め付け、搾り取るように痙攣している。


コチュぱちゅぱちゅぱちゅ!


「っぁあぁあ゛ッッ♡♡!それぇッ♡やば…ッ♡♡ぁあッ♡!イ゛っ…♡イクからぁ…ッ♡!!」


「…ッ…あにうえ…ッ、俺でイって、イけよッ!」


「ラゥ…ッッッンぁあ゛あ゛あ゛あ♡♡!!」


「っ…く…」


兄上の中が更に強く締まり、おれも中に出してしまう。

兄上のプルプル震えるペニスを見ると、精液と一緒におしっこにしては透明な液体がプシッと漏れ出ていた。


潮吹いたんだ兄上…可愛い。


「潮吹くくらい気持ち良かった?あにうえ」


「ッ…るさ……」


耳まで真っ赤にして俺から顔を逸らす。

可愛い耳……そうだ。ピアスにしよう。
兄上がもう俺から離れないように、兄上が何処にいても分かるようにまじないをかけたピアスを付けよう。

父上やアーノルドは良くて、おれはダメなんてことはないだろ?


兄上の耳をスリっと撫でる。その感触にすら敏感になっている兄上の身体は反応しているのか、ピクピクと肩を震わせ、熱い吐息を吐く。


「ッ…みみさわるなぁ…♡!」


相変わらず口は生意気だな。身体は喜んでいるくせに。

その口も素直になるくらい甘やかしてやるよ。兄上。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました

十夜 篁
BL
 初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。 そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。 「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!? しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」 ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意! 「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」  まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…? 「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」 「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」 健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!? そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。 《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》

コパスな殺人鬼の兄に転生したのでどうにか生き延びたい

ベポ田
BL
高倉陽介 前世見ていた「降霊ゲーム」の世界に転生した(享年25歳)、元会社員。弟が作中の黒幕殺人鬼で日々胃痛に悩まされている。 高倉明希 「降霊ゲーム」の黒幕殺人鬼となる予定の男。頭脳明晰、容姿端麗、篤実温厚の三拍子揃った優等生と評価されるが、実態は共感性に欠けたサイコパス野郎。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️ 第10回BL小説大賞に参加中! よろしくお願いします🙇‍♀️

買われた悪役令息は攻略対象に異常なくらい愛でられてます

瑳来
BL
元は純日本人の俺は不慮な事故にあい死んでしまった。そんな俺の第2の人生は死ぬ前に姉がやっていた乙女ゲームの悪役令息だった。悪役令息の役割を全うしていた俺はついに天罰がくらい捕らえられて人身売買のオークションに出品されていた。 そこで俺を落札したのは俺を破滅へと追い込んだ王家の第1王子でありゲームの攻略対象だった。 そんな落ちぶれた俺と俺を買った何考えてるかわかんない王子との生活がはじまった。

俺は、嫌われるために悪役になります

拍羅
BL
前世では好かれようと頑張のに嫌われたので、今世では始めから嫌われようと思います。 「俺はあなた達が大嫌いです。」 新たに生を受けたのはアルフ・クラークソンという伯爵の息子だった。前世とは違い裕福な家庭へと生まれたが、周りの人々の距離は相変わらずだった。 「そんなに俺のことが嫌いなら、話しかけなけばいいのに…。」 「今日も、アルフ様は天使のように美しくて眩しいわ。」 そうアルフが思っていることも、それと反対のことを周りが考えていることも当の本人は知らなかった。

残虐悪徳一族に転生した

白鳩 唯斗
BL
 前世で読んでいた小説の世界。  男主人公とヒロインを阻む、悪徳一族に転生してしまった。  第三皇子として新たな生を受けた主人公は、残虐な兄弟や、悪政を敷く皇帝から生き残る為に、残虐な人物を演じる。  そんな中、主人公は皇城に訪れた男主人公に遭遇する。  ガッツリBLでは無く、愛情よりも友情に近いかもしれません。 *残虐な描写があります。

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。

えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな? そして今日も何故かオレの服が脱げそうです? そんなある日、義弟の親友と出会って…。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

処理中です...