死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

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別荘編

35-騎士ノール・ルーベンバーク

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アーノルドに強制連行された僕は大きな別荘に来ていた。

森の中にあり、色んな動物もいて自然豊か、フォンルージュの屋敷ほどではないが、でも普通の家では無いくらいの大きさの2階建ての洋風の別荘。隣には湖があり、白鳥みたいな鳥が泳いでいた。


「シュバルツ家のプライベート別荘だよ。綺麗でしょ」


「…ええ、素晴らしい場所ですね」


心からそう思う。これが別荘なんて、お金持ちってすごい。


「さ、早速入ろうか」


アーノルドにエスコートされ、僕は馬車から降りる。
別荘の大きな両開きの扉の前には、赤茶色の髪の色で短髪、灰色の瞳で凛々しい顔つきをした男が軍服を着て綺麗な背筋で立っていた。

…あれ?何か見た事あるシルエットだ。


「彼はノール・ルーベンバーク。僕の護衛として父から命を来たんだ。

僕専属の騎士候補でもある。剣の実力なら僕以上の信用出来る奴だよ」


ノールが僕の目を真っ直ぐ見て話す。


「お初にお目にかかりますフォンルージュ様。私はノール・ルーベンバークと申します。以後お見知りおきを」


そう言い僕の前に跪き、僕の手の甲にキスをする。


その瞬間思い出した。


ノール・ルーベンバーク。アーノルドお付の騎士で、アニメの公式絵でアーノルドの隣に立っている奴だ。

話の中ではアーノルドと共にルークの悪行を突き止め、主人公がピンチの時に助けに入る忠犬みたいな男。


「ノール、ルークにその挨拶はやめてくれないか。僕の大事な婚約者なんだ」


「申し訳ありません。シュバルツ様」


目の前でアーノルドとノールが喋っているが、内容が入ってこない。


…ここで主要キャラと遭遇とは。

全くここのストーリーは分からない。そもそも別荘に行くイベントなんてあったのかすらも。

やるしかない。ひたすら進んで行くしかない。


僕はアーノルドに引かれるままシュバルツ家の別荘の中に立ち入った。
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