死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

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別荘編

34-強制連行

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いつもの応接間で僕は王子を出迎えた。


「やぁ、この間ぶりだね。ルーク」


「ご機嫌麗しゅう、シュバルツ王子」



王子様スマイルにフォンルージュスマイルで返す。

アーノルドに会うとの事で、やたら滅多らフリルをあしらったTHE貴族の服に着替えさせられた。

メイドに着替えさせられたせいでプラグを抜けなかったのは本当に残念だ。急遽の事で1人になれる時間がなかった。


とにかく、アーノルドに今こんな恥ずかしいことになっているのがバレるのは非常に不味い気がする。

何故来たのかは分からないが、またすぐおかえり頂こう。


「王子、本日はどのような御用で?」


「連れないね。婚約者に会うのに用なんて必要なの?」


必要だろ。なんだ?急にキャラ変でもしたの?あの時のアーノルドとは思えない。

なんなんだこの変わりようは…?

ポーカーフェイスは健在で、相変わらず目を見ても何を考えているか分からない。


「君を僕の別荘に連れていこうと思ってね。4日間だけだけど。父上に親密を深める為と言ったら快く承諾してくれたよ」


今僕は背後に宇宙を背負っていた。


4日間…?別荘…??


「…あ…シュバルツ様…私目には用事が…」


「君の父上にも了承を得ている。物凄い笑顔で許可を出してくれたよ。君の父親もあんな風に笑うんだね」


クソ親父め。僕に拒否権はないってことか。物凄い笑顔ってなんだ。あの利己主義たぬきがどんな顔でアーノルドに許可を出したんだ。

絶対に逃がさない。そんな風に言っているような鋭い視線を受け、冷や汗が出てくる。


口だけの笑顔でアーノルドが僕に問いかける。



「…で?ルーク、用事って?」


「いえ…何もありません」


「そう、それは良かった」



僕はそのままアーノルドの用意した馬車に連行された。
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