死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

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31-ラルクの幸せ※R15

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ラルクと寝支度をし、2人でベッドにいつものように寝ていた。

僕は横向きに、ラルクは僕を後ろから抱きしめる形で。以前の僕なら慣れなくて中々寝付けなかったが、最近はもう慣れてしまった。


…ラルクはこのフォンルージュ家の家族の形は平気なのだろうか。

僕はどうでもいい。最初から信用などしていないから。

ただラルクは以前の家で親から捨てられ、ここに来ても僕の見張りを任され、ましてや父はあの調子だ。ラルクの事もどうでも良いのだろう。


「…ラルク、」


「はい、兄上」


兄上と呼ぶなと言ったのに、最近2人きりの時は僕のことを兄上と呼ぶ。

ラルクはやっぱり『家族』が欲しかったのではないか?


「ラルクはさ、平気なの…?父上は…その…ほら、あんな感じだけど…」


「…あんな感じとは?」


あんまり人にこういうこと訊いたことないから、中々上手く言葉で表せない。


「…父上は僕たちの事を人としてなんて見てないだろ。…ラルクは平気?」


「ああ、そういうことですか。おれは平気ですよ」


思ったよりも淡々と返される。気にしてないなら良かった。…いや何が良かったんだ。

僕はなんでこんなこと気にしているのだろうか。


「おれには…兄上がいますから」


ちゅっ

ラルクが僕の首の項に口付ける。ラルクの息が首にあたり、くすぐったい。


え、あ、これ、なんか変なスイッチ入ってない?

ラルクは僕を抱きしめる力を強める。


「おれは兄上以外要らない。フォンルージュも何もどうでもいい。兄上さえ居れば俺は幸せです」


父がいれば激怒するであろう言葉をラルクは僕の首に唇を付けながら続ける。


「だから兄上にも、そうなって欲しい」


カプリッ


「っ…ラルク…」


ラルクが後ろから僕の耳朶を優しく噛む。
吐息が耳に当たり、ゾクゾクとした快感が尾てい骨に響き、僕の下半身が反応してしまう。


「俺がいないと生きていけないように…」


「っぁ…ぅ…」


耳元で喋らないで…ッ



「兄上の口は素直じゃないので…まず身体に覚えてもらおうかなって」

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