死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

3-死にたがり⚠️

牛乳がゆを食べ、僕はベッドから出て早速部屋を物色する。


｢無駄に広すぎるな｣


いい所の坊ちゃんなのだろうな、この身体。アニメの設定をもう少し思い出せればどういう立ち位置なのか分かるのだろうが、何分アニメを見たのは僕が前世で死ぬかなり前。まだそれなりに動けた時の事だ。

それに、どうせ今からまた死ぬのに関係ないよね。


まずはベランダ。大きな2枚の窓を開ける。

開けた瞬間風が入り、一緒に桃色の花びらも部屋に入る。

花びら…？

そう思いベランダから下を見ると、広大なピンクと白のバラに似た花が咲き誇る庭園が拡がっていた。


｢…キレイ…｣


死ぬ前にこんな光景見れて僕は幸せ者だね。

他人事みたいに思う。


｢うーん…飛び降りるにしては心もとない高さだな｣


この屋敷は3階だった。確実に死ぬにしては中々厳しい。もう少し高さが欲しいのと…


｢下にいっぱい緑あるもんな。クッションになって中途半端に怪我しちゃうかな｣


痛いのは嫌だ。死にたいけど、卑怯で臆病な僕は痛いのは嫌いだ。


｢飛び降りはなし…かな｣


渋々窓を締める。

…やっぱり首吊り…かな。

広い部屋だが、さっきのメイドみたいな人達が片付けているのか、理路整然としていて、ロープみたいな物がないのは明白だった。

ベッドのシーツで代替えしようかな。


僕はシーツを外しひも状に縛っていった。