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〚第五章〛〜不幸な少女の”日常”編〜
〚155話〛「迎え」
しおりを挟む痛い…辛い…
そんな毎日を送る中、私は死を求めるようになった。
毎日毎日、殺してと拷問を繰り返す男に向かって何度も言った。
すると私の舌は切り取られた。
そして何年か経つと私は自殺を考えるようになった。
ある日男が離れた空きに拷問道具のハサミを手に取る。
そしたら見つかり両手両足の健を切られた。
私はそれから十何年、拷問道具として人形にされてきた。
もう何もかも諦めていたとき、誰かが私の名前を呼んだのだ。
いつもの気持ち悪い男の声じゃない、女の人の声だった。
その人は、私の名前を呼ぶと、近づいてきた。
本当はどうでも良かった、でも何故か顔を上げていた。
変えたかったのかもしれない、こんな日々を。
少しだけ希望を持っていたのかもしれない。
だけど…
私を抱き締めた女の人の事を私は知らなかった。
””
リーネの不思議そうな顔を見て思い出す、僕の容姿が違うことに。
使ったことないが…やってみるか。
僕は聖観音のスキル、変幻自在を使ってみることにした。もし、この姿のままナナだと明かしても信じては貰えないだろう。
なので、これできっとこれでリーネが気付くと信じて。
””
お姉ちゃん………?
その女性は靄がかかった様に見えなくなり、瞬きをするうちに見覚えのある人へと変わっていた。
お姉ちゃんに。
「久しぶり、リーネ、迎えに来たよ、さあ、家に帰ろう」
止まっていた時が動き出すかのように。
私の目頭が熱くなり、涙が溢れる。
その涙は視界を覆い瞬きをすると頬を伝い落ちてゆく。
涙が溢れ出し止まらなかった。
お姉…ちゃん…!!
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