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〚第五章〛〜不幸な少女の”日常”編〜
〚152話〛「僅かな願い」
しおりを挟む僕達は次の街へと着くことができた。
そこでは一応と言うことで冒険者が、15名程街の入り口に集まっていた。
この街では、二番目に危険で一番目の街に居る冒険者のランクが高い為かそこまで狂人の事を危険視していなく、一般人の出入りを禁止していないので、普通に一般人がまだ出入りしていた。
僕が剣を出そうと構えると、紅葉が「…私に任せて」と小さな声で言ってきたので任せて見ることにした。
さっきの街に行くまでは遠くに監視が居たが、この街の監視者は居ないようなので、即バレるということは無いだろうが…。
「そこ、止まってくれ」
近くまで行くと冒険者とは別に、待機していた門番に声を掛けられた。
「すまないが、怪しい者が居たら一応この街に来た理由を聞く事になっているんだ、この街に来た理由を教えてくれ」
まあ、怪しい…だろうな。両腕の無い少女を抱えているんだ。
「ご主人様は冒険者なのでいろんな街へ回ってクエストを受けているんですよ、街によっていいクエストが無かったりしますからね」
「ああ、クエスト目的か、確かに街によってクエストって結構違うらしいからな、まあ、了解だ、入ってくれ」
「ありがとうございます」
ご主人様、きっとそう呼んだことで奴隷とでも思ったのだろう。
そういえばさっきの街で…衛兵達が来ていたら紅葉は止めていたのだろうか。さっきは周りの奴らがビビって衛兵を呼ばなかったのと、奴隷商がかなり入り組んだ裏路地に有ったから衛兵達が来なかったんだと思う。
どうやらこの街は路地裏に入ってすぐ奴隷商だった。
「ねえ…シアルは妹が見つかったらどうするの…?」
もしここにリーネが居たら間違いなく奴隷商を潰すだろう、そしてもし衛兵が駆けつけてきたらついでに殺してしまうかもしれない。
紅葉に…嫌われるだろうか。
「さあ……、ただ…リーネと一緒にまた暮らしたい…あの家で」
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