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〚第四章〛〜絶望の底編〜
〚125話〛「准胝」
しおりを挟む30階層へ来たが特に変わり無く異形のレベルが少し高いだけだった。種類や新たなスキルは無くそのまま31階層への階段を見つけていた。
流石に疲れたのか、幻覚や幻聴を聞くようになっていて、更に腕がもう殆ど上がらなく震えている事に気付いたが、もう遅かった。
また幻聴の足音が聞こえ、視界の端に黒い影が見えて、そっちを向こうと振り返りそのまま倒れてしまい、そこで意識は途切れていった。
目を覚ますと調子が戻ったようで、腕は上がるし手は震えていなかった。原因はすぐに寝不足だと分かり、そのまま幻聴も幻覚も見ることなく更に深い階層まで潜っていった。
49階層。
もしかしたら次の階層にボスが、居るかも知れないな。
そんな思いと共に階段を降りていった。
そこには、壁一面を埋めるように蠢く肉塊が付いており、そのホール型に広がる大穴の真ん中には如意輪観音より少し小さめの黒い塊があった。
その黒い塊の周りには凄悪臭を放つ肉塊が覆うように着いていた。
階段を降りきる前に黒い塊、周りを警戒しつつ鑑定を…【解析】を発動した。
=========================
名前:准胝観音
年齢:20000
性別:---
種族:-■人形(聖観音により異形化)
職種:人間道(六道.六観音のみに赦された聖なる職)
《ステータス》
レベル:---
体力:20000000/20000000
魔力:20000000/20000000
筋力:20000000
俊敏:20000000
物理耐性:20000000(+99999999999)(千手観音により強化)
魔法耐性:20000000(+99999999999)(千手観音により強化)
《固有スキル》
■真言(マントラ):「オン・シャレイ・シュレイ・ジュンテイ・ソワカ」
《スキル》
□感覚強化
•気配感知
•魔力感知
•真言(マントラ):無詠唱
□物理無効(物理による攻撃を完全に無効化する)
□状態異常無効(状態異常を無効化する)
□■形化赤-召■(異形■-子■喚)
□召喚時体力回復
□+10再蘇生(10回のみその場で完全蘇生する)
《称号》
六道.六観音
===========================
解析を発動しても動きが無い事を見ると階段を降りきるまでは動いてこない…のかも知れない。
なら、と…解析結果を少しゆっくりと見直してみる。一応警戒は解かずに。
名前はあの時の如意輪観音と同じく”観音”と付いている。……称号を見る限りあとこいつも入れて5体…。
今まで戦った観音や異形は聖観音に強化されていたみたいだ。
そしてスキルの、【物理無効】は…かなり不味い。こっちは物理しかダメージが通る攻撃方法が無いのだ。
そして状態異常類の効果も効かない…か。
この文字がおかしくなってる所…召喚…だよな、ただでさえダメージがほとんど入れられない中、召喚のタイミングで回復されるとか冗談じゃない。
さらにそうして倒してもあと9回…残ってる。
ギリィッ…
こっちは急いでるって言うのに…。
そう愚痴りつつ突っ込む為もう一度周りを解析しながら見ようと目をやった瞬間。
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「は……?」
視界を埋め尽くさんばかりの【解析】結果が広がった。
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