34 / 67
二章 王都招集
No.34 闘技大会本戦④
しおりを挟む
準決勝。
「つーづいての闘いはかなり面白い試合になりそうだ~!元王都防衛騎士団メンバーアッシュ選手ゥゥ!対するのはァァァァ今大会のダークホースシンゲツ選手ゥゥ!」
「久しぶりだなぁ」
「覚えてましたか」
「あの少年と一緒にいたからな。よく覚えてる」
「…どう思ってるんです?あいつの事」
「面白い子だ。左半身に魔力が集中している」
「…気づいてましたか」
「あぁ…さて…全力でやろう」
「望むところです」
お互いに構える。
「試合ィ開始!」
合図と同時に突撃する両者。
まず仕掛けたのはアッシュ。
右から左に払う足払い。
「危ないなぁ」
シンゲツはこれを跳んで回避し、回し蹴り。
「っぶね」
距離を取り合う二人。
「やりますね」
「君こそこんなものではないだろう?」
「…言ってくれるじゃないですか」
再び突撃する両者。
「行きますよ?」
「あぁ」
二人の拳のラッシュラッシュ。
恐らく互いの拳を受け流しながら攻撃を行っているのだろう。
少しシンゲツが押されている。
「くっ─!!」
「貰った!!」
アッシュの拳がシンゲツの顔面を捉えようとした瞬間。シンゲツの右眼が紅く光る。
見間違いかと思ったが、確かに赤い軌道が見えた。
シンゲツは瞬時に体を捻り、このパンチを避ける。
「は?」
「危ないじゃないか全く…さて、ここからは私のステージだよ」
再びラッシュ。
つい先程とは裏腹に今度はシンゲツが押している。
まるで別人のように素早くなった。
「まるで別人じゃないすか?」
「よく分かってるじゃないか」
「え?」
「君には教えておくべきか。これは『魔皇』の力だ」
「魔…皇?」
「今はまだ知らなくてもいい」
鳩尾にシンゲツの拳がめり込む。
「ゴホ…ゴホ…どうやら俺の負け見たいですね…」
「アッシュ選手ここでギブアップ~!よって勝者はシンゲツ選手ゥゥ!実力の差を見せつけました!」
☩☩☩
「お疲れさん」
「強いやありゃ」
「だろうな。まぁお前は囚人生活とのおさらばが確定したんだからいいじゃないか」
しかしアッシュは釈然としない顔をしている
「?どうした」
「えっ?いや何でもないよ?」
「…そうかい。まっ!次は俺の番だ!」
「頑張っておくれよ?」
「善処する」
そして少年はフィールドへ足を運ぶ。
覚悟を胸に。
次回準決勝第二戦『閃光』アルフ・リッターVSエース
「つーづいての闘いはかなり面白い試合になりそうだ~!元王都防衛騎士団メンバーアッシュ選手ゥゥ!対するのはァァァァ今大会のダークホースシンゲツ選手ゥゥ!」
「久しぶりだなぁ」
「覚えてましたか」
「あの少年と一緒にいたからな。よく覚えてる」
「…どう思ってるんです?あいつの事」
「面白い子だ。左半身に魔力が集中している」
「…気づいてましたか」
「あぁ…さて…全力でやろう」
「望むところです」
お互いに構える。
「試合ィ開始!」
合図と同時に突撃する両者。
まず仕掛けたのはアッシュ。
右から左に払う足払い。
「危ないなぁ」
シンゲツはこれを跳んで回避し、回し蹴り。
「っぶね」
距離を取り合う二人。
「やりますね」
「君こそこんなものではないだろう?」
「…言ってくれるじゃないですか」
再び突撃する両者。
「行きますよ?」
「あぁ」
二人の拳のラッシュラッシュ。
恐らく互いの拳を受け流しながら攻撃を行っているのだろう。
少しシンゲツが押されている。
「くっ─!!」
「貰った!!」
アッシュの拳がシンゲツの顔面を捉えようとした瞬間。シンゲツの右眼が紅く光る。
見間違いかと思ったが、確かに赤い軌道が見えた。
シンゲツは瞬時に体を捻り、このパンチを避ける。
「は?」
「危ないじゃないか全く…さて、ここからは私のステージだよ」
再びラッシュ。
つい先程とは裏腹に今度はシンゲツが押している。
まるで別人のように素早くなった。
「まるで別人じゃないすか?」
「よく分かってるじゃないか」
「え?」
「君には教えておくべきか。これは『魔皇』の力だ」
「魔…皇?」
「今はまだ知らなくてもいい」
鳩尾にシンゲツの拳がめり込む。
「ゴホ…ゴホ…どうやら俺の負け見たいですね…」
「アッシュ選手ここでギブアップ~!よって勝者はシンゲツ選手ゥゥ!実力の差を見せつけました!」
☩☩☩
「お疲れさん」
「強いやありゃ」
「だろうな。まぁお前は囚人生活とのおさらばが確定したんだからいいじゃないか」
しかしアッシュは釈然としない顔をしている
「?どうした」
「えっ?いや何でもないよ?」
「…そうかい。まっ!次は俺の番だ!」
「頑張っておくれよ?」
「善処する」
そして少年はフィールドへ足を運ぶ。
覚悟を胸に。
次回準決勝第二戦『閃光』アルフ・リッターVSエース
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる