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23 病院での診断書

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 玲は再び病院に来ていた。

 主治医に頼み、診断書を発行してもらうからだ。健康診断も兼ねた来院だったが、事はすんなり運んだ。

「わかりました。玲君の体について、診断書を書いておきます。待合室で待っていてください」

 医者にはそう言われた。金を払うだけで、実に簡単だった。玲の診察に関しても、あとはゆっくりと体が作り替わっていくだけと診断された。薬もいくつかもらったが、体は安定期に入っていた。戸籍変更に関しても、他の性別の性器の部分に近似する外観を備えた時点で、変更可能だ。TS病は特殊で、20歳未満でも性別変更可能である。

 あと少しで、TS病の最終局面、性別変更可能まで来ていた。

 女性としての機能を完全に有するのはまだ先だが、もはや外見は女である。男装した女って感じである。

「玲君は病気の進行が早い。内臓は安定してきたが、今度は骨がもろくなりやすいので、激しい運動は控えるようにね」

「激しい運動? 先生、合気道はやっていいか? 軽い稽古しかやらないやつなんだけど」

「今の骨密度なら、ジョギング程度の運動なら問題ないよ。子宮に関しても、あまり振動を与えなければ問題ないだろう。合気道に関しては、自己責任だね。体を床に打ち付けるなどしなければ大丈夫だろうけど、あまりおすすめは出来ないな」

「そうか……」

 玲は亜里沙の道場について、少し考える。現状の稽古は、激しい運動や稽古は一切ない。どこをどうやれば人間が倒れるか。関節を固められるか。そう言ったことに注力した稽古だ。亜里沙が病気のことを考えていてくれているので、床に叩きつけられることは一切ない。道場に通うのは問題ないが、やはり自己責任になる。

「分かった。ありがとう先生」

 本当なら運動は避けるべきだが、玲に関しては別。今まで売ってきた喧嘩で、かなりの敵を作って恨みを買っている。自分を強化しないと、やられてしまう。武尊に頼り切りも良くないので、玲は改めて覚悟する。

 その後、診断書をもらうために待合室で待っている玲。専門の病院だからか、そっち系の人がよくいる。玲と同じ病気にかかった人間か分からないが、患者はそれなりにいた。

 今までは自分のことばかりであまり気にしなかったが、世の中には性別で苦しんでいる人が結構いるんだなと思い、玲は驚いた。玲の通っている病院は比較的大き目の個人病院で、患者も多くいた。待合室の椅子に座っている人は、玲と年齢が近い人もいたのだ。

 高校生と思われる人間もいたが、マスクをしている人が多かったので、玲には誰が誰か分からなかった。


 そこに、同じ学校の人間がいることは、玲は気づかなかった。











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