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18 引きこもった玲
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「玲君。ステージ3になってしまったようだね。このまま行くと、半年ほどで完全に女性になるだろう」
玲は今、病院に来ていた。そこで医師の診察を受け、衝撃の事実を聞く。
「大丈夫。玲君よりも進行の早い人はいた。前例がないわけじゃない。安心していいよ」
医者は玲に笑いかけるが、玲はそれどころではない。
「半年!? 半年って、マジですか!?」
身を乗り出して、医者の肩を揺さぶる。
「マジで!? マジか!? 一年も持たないのか!?」
医者の体をぶんぶん揺する。
「ちょ! 玲君、落ち着きなさい! 君たちも見ていないで玲君を止めてくれ!」
医者はすぐ近くにいた看護師に命令し、玲は取り押さえられる。
「玲君。君がここに運び込まれたとき、すでにステージ1の後半だったんだよ。痛みもなかったから、病気が進行しているのに気付かなかったんだ。今ステージ3になっても不思議じゃない」
医者は玲にゆっくりと説明するが、玲は学校生活のことで頭がいっぱいだ。どう考えても、クラスメイトをだませる状況ではない。
「ステージ3では、より女性に近づいていくための、肉体改造が始まる。生理も不定期になるだろうが、始まる。生理用品は絶対に手放さないようにね? わかったかい? 玲君?」
医者はゆっくりと説明するが、玲の頭には学校の中退という文字が浮かんでいた。最悪、学校を辞めて女になってから、定時制の学校に通うという手段もある。卒業資格を得るのは何も一つじゃない。それはわかっているが、将来の夢が粉砕された今、玲は何をしていいかよく分からなかった。今学校を辞めても、何をすればいいか分からないのだ。
「先生、見た目が女になるのは、正確にはいつごろだ?」
「正確には分からない。病気が終わるのはおおよそ半年とみているが、多分数か月もすれば、見た目は女の子になっているだろう」
その言葉を聞いて玲は愕然とする。
「気を落とさないでくれ。女の子になっても、男の子と同じように、たくさんの道がある。あきらめないで頑張りなさい」
玲は「はい」と返事をしたが、その目に光はなかった。
★★★
玲はそれから、学校を一週間休んだ。引きこもってしまったのだ。
何事にも負けない、元気いっぱいだった不良。それが斉藤玲。将来の夢は父親の会社を継いで、車いじりをしながら生きるつもりだった。もちろん、女になっても父親の会社が継げないわけではないが、結婚の問題もある。もしも嫁に行くと、苗字が変わる。かなり問題だ。嫁に行かなければそれでいいと思うが、今度は後継ぎがいない。玲が会社を継ぐことは、父親が許すとは思えなかった。
玲は学校を一週間休み、将来のことを考え続けた。馬鹿なりに、いろいろと考えていた。パソコンをいじりながら、必死に考えていた。そこへ、一人の男がやってきた。
「玲ちゃーん! 武尊君がお見舞いに来たわよー!」
武尊が見舞いにやってきた。自宅療養という扱いで学校を休んでいた玲は、病院に行ってから武尊に会っていなかった。
「あっ。わ、分かった。今いく」
玲は玄関まで行き、武尊に挨拶する。
「よ、よぉ。久しぶり」
「あぁ。心配になってきちまった。上がっていいか?」
「う、うん。いいぜ。散らかってるけど、上がってけよ」
玲は武尊を部屋に迎え入れた。
玲は今、病院に来ていた。そこで医師の診察を受け、衝撃の事実を聞く。
「大丈夫。玲君よりも進行の早い人はいた。前例がないわけじゃない。安心していいよ」
医者は玲に笑いかけるが、玲はそれどころではない。
「半年!? 半年って、マジですか!?」
身を乗り出して、医者の肩を揺さぶる。
「マジで!? マジか!? 一年も持たないのか!?」
医者の体をぶんぶん揺する。
「ちょ! 玲君、落ち着きなさい! 君たちも見ていないで玲君を止めてくれ!」
医者はすぐ近くにいた看護師に命令し、玲は取り押さえられる。
「玲君。君がここに運び込まれたとき、すでにステージ1の後半だったんだよ。痛みもなかったから、病気が進行しているのに気付かなかったんだ。今ステージ3になっても不思議じゃない」
医者は玲にゆっくりと説明するが、玲は学校生活のことで頭がいっぱいだ。どう考えても、クラスメイトをだませる状況ではない。
「ステージ3では、より女性に近づいていくための、肉体改造が始まる。生理も不定期になるだろうが、始まる。生理用品は絶対に手放さないようにね? わかったかい? 玲君?」
医者はゆっくりと説明するが、玲の頭には学校の中退という文字が浮かんでいた。最悪、学校を辞めて女になってから、定時制の学校に通うという手段もある。卒業資格を得るのは何も一つじゃない。それはわかっているが、将来の夢が粉砕された今、玲は何をしていいかよく分からなかった。今学校を辞めても、何をすればいいか分からないのだ。
「先生、見た目が女になるのは、正確にはいつごろだ?」
「正確には分からない。病気が終わるのはおおよそ半年とみているが、多分数か月もすれば、見た目は女の子になっているだろう」
その言葉を聞いて玲は愕然とする。
「気を落とさないでくれ。女の子になっても、男の子と同じように、たくさんの道がある。あきらめないで頑張りなさい」
玲は「はい」と返事をしたが、その目に光はなかった。
★★★
玲はそれから、学校を一週間休んだ。引きこもってしまったのだ。
何事にも負けない、元気いっぱいだった不良。それが斉藤玲。将来の夢は父親の会社を継いで、車いじりをしながら生きるつもりだった。もちろん、女になっても父親の会社が継げないわけではないが、結婚の問題もある。もしも嫁に行くと、苗字が変わる。かなり問題だ。嫁に行かなければそれでいいと思うが、今度は後継ぎがいない。玲が会社を継ぐことは、父親が許すとは思えなかった。
玲は学校を一週間休み、将来のことを考え続けた。馬鹿なりに、いろいろと考えていた。パソコンをいじりながら、必死に考えていた。そこへ、一人の男がやってきた。
「玲ちゃーん! 武尊君がお見舞いに来たわよー!」
武尊が見舞いにやってきた。自宅療養という扱いで学校を休んでいた玲は、病院に行ってから武尊に会っていなかった。
「あっ。わ、分かった。今いく」
玲は玄関まで行き、武尊に挨拶する。
「よ、よぉ。久しぶり」
「あぁ。心配になってきちまった。上がっていいか?」
「う、うん。いいぜ。散らかってるけど、上がってけよ」
玲は武尊を部屋に迎え入れた。
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