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11 学校での生活 朝のお出迎え編
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杉本第三高校というのが、玲の通っている高校だ。共学で程度の低い高校だが、少子化のあおりを受けて、第二高校と合併の話が出ている。玲の通っているうちは第三高校のままだが、いずれ取り壊しが決まっている高校だ。
校舎も古く、汚い感じが出ている。スプレーでの落書きは旧校舎にはあるが、本校舎にはない。不良が多くいるところだが、荒北高校よりも程度は上なので、実質、頭の悪い生徒が集まっているだけの高校だ。
その中で、玲は一番の危険人物と呼ばれているが、実際は違う。短気で喧嘩っ早いが、陰湿ないじめやカツアゲはしない。つるんでいるのも、武尊やごく一部の生徒だけ。実際は、悩み多き高校生である。
「あ~どうしよ」
朝、玲は自室で悩んでいた。
胸が大きくなってきたことに、悩んでいた。今は男と言う扱いなので、体育の授業の時は男子と一緒に着替える。上半身を露出させなければならないので、胸が大きければ一発でばれる。さらしを巻くのも怪しまれる。かといって、出席日数にも響くので、休めない。玲も、卒業はしたい。
「くそったれ。しばらくはトイレで着替えるしかねぇか?」
いつかはバレるが、ジャージはトイレで着替える。それしかない。玲が部屋の中でうんうんうなっていると、母親が大きな声を出して玲を呼んだ。
「玲ちゃーん! 彼氏が朝のお迎えに来たわよー!」
「ちょ! おばさん! 彼氏ってなんですか!」
「え? 武尊君、玲の彼氏じゃないの? つい最近までは迎えになんて来なかったじゃない。付き合いだしたんでしょ?」
「ち、違いますよ! 変なこと言わないでください!」
登校前、玲のボディーガードとして、朝の迎えに来た武尊。玲がTS病にかかってからは、毎日お迎えに現れる。それは仲の良い生徒を通り越して、玲を守る騎士のようだ。
「え~? でも、玲ちゃんって武尊君に気があると思うのよ。この前だって、武尊君の怪我を心配して、そわそわしてたんだから。あれは恋する乙女の顔よ?」
「え!? れ、玲が!? 俺にですか!?」
武尊と玲の母親、涼子は、玄関前でワイワイやっている。その喋っている会話が結構な大声なので、二階にある玲の部屋にまで聞こえてくる。
「おふくろ!? 何言ってんだ!?」
玲はドタドタと部屋から出てくる。まだ着替え途中だったのか、上を着ていない。上半身が裸だ。玲はまだ男の癖が抜けないのか、上半身は裸か、タンクトップ一枚でいることが多い。
「ちょ! 玲! 胸が見えてる! 胸が!」
武尊は目を隠して騒ぐ。
「あら、玲ちゃん。まだ着替えてなかったの? というか、上を着なさい。武尊君がいるわよ?」
玲の胸は、プルンと震えるくらいまでには大きくなっている。腹筋は六つに割れているが、胸だけが女体化してきている。
「うるせぇ! 変なことをいうな! それに胸なんていくらでも武尊に見せてやる!」
「あら、だめよ? 女の子は恥じらいが無ければ」
「恥じらいってそんな、俺はまだ男だ!」
玲がギャーギャー言っていると、「玲、頼むから騒ぐな! 近所にばれるぞ!」と、武尊が教えてくれる。武尊は目を隠したまま、若干顔を赤くしている。かなり初心な男である。
「くっ。武尊も俺の胸を見てそんな顔すんなよ。こっちが恥ずかしくなるだろ?」
玲も顔を赤くして、胸を手で隠す。その所作がやけに女っぽくて、武尊にはグッと来てしまう。
二人の様子を見ていた涼子は、「堕ちるのは時間の問題ね」とニヤニヤしていた。
「玲ちゃん、お弁当テーブルにあるから忘れないでね」
「わかってるよ!」
玲は仕方なく、スポーツブラで胸を隠しておいた。
校舎も古く、汚い感じが出ている。スプレーでの落書きは旧校舎にはあるが、本校舎にはない。不良が多くいるところだが、荒北高校よりも程度は上なので、実質、頭の悪い生徒が集まっているだけの高校だ。
その中で、玲は一番の危険人物と呼ばれているが、実際は違う。短気で喧嘩っ早いが、陰湿ないじめやカツアゲはしない。つるんでいるのも、武尊やごく一部の生徒だけ。実際は、悩み多き高校生である。
「あ~どうしよ」
朝、玲は自室で悩んでいた。
胸が大きくなってきたことに、悩んでいた。今は男と言う扱いなので、体育の授業の時は男子と一緒に着替える。上半身を露出させなければならないので、胸が大きければ一発でばれる。さらしを巻くのも怪しまれる。かといって、出席日数にも響くので、休めない。玲も、卒業はしたい。
「くそったれ。しばらくはトイレで着替えるしかねぇか?」
いつかはバレるが、ジャージはトイレで着替える。それしかない。玲が部屋の中でうんうんうなっていると、母親が大きな声を出して玲を呼んだ。
「玲ちゃーん! 彼氏が朝のお迎えに来たわよー!」
「ちょ! おばさん! 彼氏ってなんですか!」
「え? 武尊君、玲の彼氏じゃないの? つい最近までは迎えになんて来なかったじゃない。付き合いだしたんでしょ?」
「ち、違いますよ! 変なこと言わないでください!」
登校前、玲のボディーガードとして、朝の迎えに来た武尊。玲がTS病にかかってからは、毎日お迎えに現れる。それは仲の良い生徒を通り越して、玲を守る騎士のようだ。
「え~? でも、玲ちゃんって武尊君に気があると思うのよ。この前だって、武尊君の怪我を心配して、そわそわしてたんだから。あれは恋する乙女の顔よ?」
「え!? れ、玲が!? 俺にですか!?」
武尊と玲の母親、涼子は、玄関前でワイワイやっている。その喋っている会話が結構な大声なので、二階にある玲の部屋にまで聞こえてくる。
「おふくろ!? 何言ってんだ!?」
玲はドタドタと部屋から出てくる。まだ着替え途中だったのか、上を着ていない。上半身が裸だ。玲はまだ男の癖が抜けないのか、上半身は裸か、タンクトップ一枚でいることが多い。
「ちょ! 玲! 胸が見えてる! 胸が!」
武尊は目を隠して騒ぐ。
「あら、玲ちゃん。まだ着替えてなかったの? というか、上を着なさい。武尊君がいるわよ?」
玲の胸は、プルンと震えるくらいまでには大きくなっている。腹筋は六つに割れているが、胸だけが女体化してきている。
「うるせぇ! 変なことをいうな! それに胸なんていくらでも武尊に見せてやる!」
「あら、だめよ? 女の子は恥じらいが無ければ」
「恥じらいってそんな、俺はまだ男だ!」
玲がギャーギャー言っていると、「玲、頼むから騒ぐな! 近所にばれるぞ!」と、武尊が教えてくれる。武尊は目を隠したまま、若干顔を赤くしている。かなり初心な男である。
「くっ。武尊も俺の胸を見てそんな顔すんなよ。こっちが恥ずかしくなるだろ?」
玲も顔を赤くして、胸を手で隠す。その所作がやけに女っぽくて、武尊にはグッと来てしまう。
二人の様子を見ていた涼子は、「堕ちるのは時間の問題ね」とニヤニヤしていた。
「玲ちゃん、お弁当テーブルにあるから忘れないでね」
「わかってるよ!」
玲は仕方なく、スポーツブラで胸を隠しておいた。
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