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10 女になって困る事

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 女には、生理という現象が発生する。それは子宮が作られ、赤ちゃんを産める状態になったしるしのことである。詳しく言うと、子宮内にある内膜が剥がれ落ちて、血と一緒に出てくることを言う。この内膜は、受精卵を受け止めるマットのようなもので、定期的に新しい物へと作り替えられる。その為、生理は起こる。

「へぇ~、そうだったのか~」

 図解、生理のしくみ。

 玲は中学生が読む、生理の本を読んでいた。母親から買い与えられたものだ。

 今日、生理だからエッチは止めてね。

 玲は昔の彼女にそんなことを言われたのを覚えている。よく聞いたセリフだ。

「たしかに、血がドバドバ出るし、体調も悪くなるよな。女が生理中にセックスを嫌がるのは、なんとなく分かったぜ」

 玲はようやく生理の仕組みを学習した。

 玲の体は今、子宮が作られている段階だ。すでに臓器としてほとんど完成しているようだが、使用できる段階にない。初潮が来ていないからだ。

「あ~あ。生理用品とか買いたくねぇ。最悪だぜ」

 はふぅっと、大きなため息をつく玲。この頃、ため息ばかりが出るようになる。

 いろいろと体は作り替えられ、心の持ち方も変わってきたが、趣味嗜好は変わりがない。少年漫画が大好きだし、ロボットアニメやテレビゲームが好きだ。テレビ番組はバラエティしか見ないし、恋愛もののドラマは見ようとも思わない。

 このままいくと、見た目は女、心は少年という、変な人間が出来上がる。

 ただ、親友の武尊に対する思いが変わってきているのが、玲自身も感じ取っているところではある。

「今度生理用品買うか。しゃぁねぇな」

 玲は図解、生理のしくみをベッドに放り投げる。それから、父親に買い与えられたパソコンを開いて、ワードやエクセルの勉強をし始める。


「ちくしょう。肉体労働は出来そうにないからって、これはねぇよ」

 玲は今後のことを考え、パソコンを勉強するのだった。



 
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