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4章 咎人綾錦杯
11. 余程のアホ
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第二拠点の端にある、小さな石門。
その先はマスター級が暮らす区画、最終拠点である。
暗殺の依頼を受けたカガリとアーウィンは偵察のためにゲート前まで来ていた。
「あの先がマスター級の区画。で、どうするの? 入る?」
「入るのは当然。敵地の偵察は必須。情報も必須。警備を欺くは容易」
二人はプロの暗殺者。
最終拠点を守る警備を抜けることは容易い。
問題は入った後だ。怪物のマスター級たちが跋扈する地に入って、気づかれずに敵地を把握できるだろうか。
「まあ、入る前に色々決めておきましょう。あたしたちの標的は世界大会の出場者。ソラフィアート・クラーラクトはとりあえず無理ね。
で、ユニ・キュロイかレイノルド・アレーヌを殺さないといけないわけ。最低一人、可能ならば二人。それが契約条件」
「無論、出すは最大の成果。暗殺は二人。俺はレイノルド・アレーヌ。お前はユニ・キュロイ。これで結構。
一つあるのは、疑問。暗殺対象の両名は……暗殺容易?」
「その体言止め、わかりにくいからやめてくんない?
で、暗殺は……たぶん可能。あたしはマスター級と闘ったことがあるけど、正面から挑めば勝ち目はまずない。でも不意を突けば殺せる。
マスター級ってのはね、大体が天才なの。だからこそ他人を警戒するってことを知らないみたい。絶対的に自分が強いと確信してるからこそ、不意を突かれて殺されるとも思っていない」
強者の余裕が命取りになる。
彼らは決して慢心しているわけではない。ただ裏の世界の汚さを知らないのだ。
「了解。この口調は……なんかかっこいい、以上。
体言止めこそ至高」
「バトルパフォーマーのあっさいキャラ付けみたいね……ミラク教授も変な口調だったし。まあいいや。
じゃあ行ってみる? 最終拠点の偵察に」
「無論。出発」
二人は警備の視線を軽々と欺き、未知の領域へ踏み込んだ。
ー----
『綾錦杯』当日。
大会開始まであと一時間。レヴリッツは理事長室を訪れた。
ノックもせずに入って来たレヴリッツに、サーラは訝し気な視線を向ける。
「なに、レヴリッツ。大会参加するんじゃないの?」
「もちろん参加しますよ。せっかくだし初期位置を理事長室にしようと思って」
初期位置はパフォーマーに委ねられる。
自信のある者は拠点の中央を占拠することが多いのだが、レヴリッツはサーラ理事長の部屋を選んだ。
バトルパフォーマーの部屋は立ち入り禁止だが、ここは立ち入り禁止じゃない。荒らしても問題ない。
「あのさあ……ま、こんな事も予想して荷物は避難させておいたけどね。できるだけ部屋は荒らさないでよ」
「それは他のパフォーマー次第ですね。この理事長室を覗きにくる奇特なパフォーマーがいれば、ここで戦闘せざるを得ない」
正直なところ、レヴリッツは優勝する自信しかなかったのだが……一つ懸念がある。その懸念を伝えるためにも、レヴリッツは理事長の下へ足を運んだのだ。
「そういえば理事長、気づいてます?」
「え、何に?」
「変なのがバトルターミナルに入ってると思うんですけど。バッタの虫かごにイナゴが入ってるみたいな感じで」
「ああ、うん。気づいてるよ。でも大丈夫じゃない?」
理事長はすでに異常に気がついているらしい。
その上で、この無関心な反応。理事長が何も問題ないと判断したのならば、レヴリッツは何も言うまい。
「じゃあ、その高そうな椅子からどいてください。僕が座るんで」
「失礼な奴だなー……いいよ。私はそろそろ戦場から退避しないとね。大会の結果、楽しみにしてるよ。
特にOathはプロ昇格の最有力候補として注目されてるんだから」
「ああ、はい。いっそのこと僕をマスター級に飛び級させてもいいんですよ?」
「飛び級なんて天上麗華しか実例がないけどね。レヴリッツがすっごく人気になったら、飛び級もありえるかもね?」
理事長はそう言うと、窓を開け放って空を飛んで行った。
彼女の背には純白の羽が生えている。
「あの羽、本物なのかな……きも」
レヴリッツは遠のく理事長を見つめ、椅子に身を沈めた。
ー----
『【レヴリッツ・シルヴァ】初めてのバトルロイヤル!!【綾錦杯】』
「どうも、バトルパフォーマー界のうんちことレヴリッツです。綾錦杯の開始まであと五分を切りました」
〔よお〕
〔きたあああああ〕
〔(三・¥・三)
(三・¥・三)
(三・¥・三)〕
〔よおFラン〕
〔優勝候補の癖にうんちなのか…〕
「いやー緊張するね。まあ僕の優勝はほぼ確定みたいなもんだけど、油断はしないよ。大会が始まったらコメントの閲覧は禁止だから、あと五分でみんなとはお別れだ」
〔緊張なんて感情お前にはない〕
〔敢えて負けてみないか?〕
〔お別れ寂しいよ;;〕
〔『ナイトメア・ゴースト』行くわ (>u<)b〕
〔ペリシュッシュ・メフリオン最強!ペリシュッシュ・メフリオン最強!ペリシュッシュ・メフリオン最強!〕
レヴリッツは流れるコメントに目を通しながら、のんびりと椅子に座っていた。
「ペリ先輩はプロだから僕とは闘えないね、残念。リオートとかヨミとかカガリとかと闘いたいな。他の人に倒されないといいけど。イクヨリとかレナ先輩、ミラー先輩とか……今まで関わった人たち、全員僕と当たってほしい」
〔全員しばいていけ〕
〔ミ(三・¥・三・¥・三・¥・三)〕
〔かがりんと鏡は配信してないよ〕
〔今どこに居るんですか?〕
「あー……カガリは配信してないのか。位置バレ防止で配信しない人もいるんだよね。僕も初期位置は隠しておくよ。少なくとも試合開始までは」
きっとカガリが配信していないのは別の理由がある。
とっくにレヴリッツは把握していたのだ。
「それじゃみんな、応援よろしく! もしかしたら回線の問題で落ちたりグルったりするかもだけど、その時はヨミの配信でも見といてくれ」
〔了解!〕
〔またな〕
〔がんばれー〕
〔今五窓くらいしてるw〕
視聴者に一時の別れを告げて、彼はコメント欄を閉じる。
そして静かに瞳を閉じた。
数分後。
『みなさま、お待たせしました! これより綾錦杯を開催します!
視聴者の皆さまは盛り上がる準備、パフォーマーの皆さまは戦闘の準備、できていますね!?
それでは──玉座争奪、開始です!!』
アナウンスと共に、戦の火蓋が切られる。
レヴリッツは大きくカメラを引き、自分の居場所を映し出した。
〔うおおおおおお〕
〔戦争じゃああああああああ〕
〔理事長室!?〕
〔お偉いさんの部屋で草〕
〔炎上不可避〕
恐らく、理事長室を漁りに来る変人は中々いないだろう。
そもそもこんな場所で戦闘を行えば理事長に恨まれる。炎上を恐れるパフォーマーはまず来ない場所。
しかしレヴリッツはここで待つ、彼を。
人が来ない場所だからこそ……この闘いの裏に潜むネズミをあぶり出せるというものだ。
〔人来ねえ〕
〔そろそろ移動しないか?〕
〔これいつ面白くなりますか?〕
〔ミラクとノルンが接敵したぞ!〕
〔(三・¥・三)_U~~
(三・¥・三)_U~~
(三・¥・三)_U~~ レヴ粒子砲〕〕
〔オ フ 会 ゼ ロ 人〕
開始から十分。
誰も来ない。コメントも退屈ゆえにいい感じに荒れてきたが、レヴリッツはコメントを見ていないので知らぬ存ぜぬ。
「……やっぱり、余程のアホしか理事長室には来ないか」
彼は嘆息して椅子から身を起こす。
パフォーマーは誰もこんなところには来ないらしい。撮れ高を気にするならば、そろそろ街中に出るべきなのだが……今の彼はそんなことを気にしている場合ではない。
そう、余程のアホがすぐそこまで来ているのだから。
「…………あ、回線悪いな。落ちるかも」
回線の調子は悪くないが、彼は嘯く。
直後に自分の配信をぶつ切りした。
──コンコン。
理事長室の部屋にノック音が響く。丁寧で柔らかなノック音だ。きっと扉を叩いた人は礼節を弁えた、優しい人なのだろう。
「はい、どうぞ」
「失礼するよ」
ドアノブを回し、入り口から姿を現したのは一人の男。
男性にしてはやや長めの深緑の髪、浅葱色の瞳孔。
レヴリッツと酷似した黒い着物を纏う男は、にこやかに微笑んだ。
「はじめまして! いや、久しぶりと言うべきかな?
ごめんね、わざわざ配信を切ってもらって」
「ハド。相変わらず吐き気がするほど礼儀正しいね。
世の中では君のような人間を何と言ったかな?」
「慇懃無礼、だね。暗殺をしようと思ったんだけど……レヴ、君は中々に警戒を解いてくれなくてさ。
こうして真正面から殺しに来たんだ。覚悟はできいるんだろう?」
「さあね。殺される覚悟なんて、持ちたくないけど。
殺す覚悟ならできているとも」
両者、向かい合う。
レヴリッツは偽装を解除し、ハドリッツ・アルヴァと相対した。
闘いではない、本気の戦い。
──殺し合いが始まる。
*****
【バトルパフォーマー】BPアマチュア総合スレ Part586【綾錦杯】
763:名無しさん ID:o7Jcs6PkE
誰か戦況まとめて
774:名無しさん ID:U3DPQ3Sus
>>763
開始10分で
アマ162→141
プロ65→59
マス8人から変化なし
786:名無しさん ID:c9PX2KtDv
>>774
有能
去年より減り遅いな
787:名無しさん ID:eE4A3Yqa4
プロはバチバチでおもろいです🤗
アマチュアは及び腰の奴が多くて戦闘があっさり終わります
790:名無しさん ID:Vbpfi3vEU
玉子、既に三人倒しました…
798:名無しさん ID:X2Vk7W53N
玉子とケビンはアマチュアの癖に独壇場ある時点で無双できる
不意打ちされたら無理だろうけど
801:名無しさん ID:u2PwfRrD6
たその視点もおもろいんだ 🤗
802:名無しさん ID:FyGQmrL6h
エビ、回線落ちです
805:名無しさん ID:TNmZy9sv6
エビ絶頂は珍しいな
809:名無しさん ID:J7PpZGrpb
優勝候補が絶頂してどうすんねん😅
エビが言ってた通りたその配信でも見るか
821:名無しさん ID:5gwjE7m2t
バトロワは回線落ち多いからしゃーない
エビだけに海鮮落ちってか
833:名無しさん ID:3a5p8ipNV
たそ強いな
ズルチンが対処不能のチート異能だわ😍
(*ズルチン:ヨミの異能『ムキダシノシンリ』)
841:名無しさん ID:SVD3W4sSo
原人呑気に虫食ってて草
845:名無しさん ID:QLYwvduM7
プロ視点見た後にアマチュア視点見ると落差ひどいな
エビ落ちてるのも痛いしかがりんも配信してない
玉子見るしかないか
848:名無しさん ID:B2ggRJ3rK
マスター暇すぎてヤバいです
8人しかいないから仕方ないけど
855:名無しさん ID:m2FA5wpox
ペリカス普通にプロでも通用してる
その先はマスター級が暮らす区画、最終拠点である。
暗殺の依頼を受けたカガリとアーウィンは偵察のためにゲート前まで来ていた。
「あの先がマスター級の区画。で、どうするの? 入る?」
「入るのは当然。敵地の偵察は必須。情報も必須。警備を欺くは容易」
二人はプロの暗殺者。
最終拠点を守る警備を抜けることは容易い。
問題は入った後だ。怪物のマスター級たちが跋扈する地に入って、気づかれずに敵地を把握できるだろうか。
「まあ、入る前に色々決めておきましょう。あたしたちの標的は世界大会の出場者。ソラフィアート・クラーラクトはとりあえず無理ね。
で、ユニ・キュロイかレイノルド・アレーヌを殺さないといけないわけ。最低一人、可能ならば二人。それが契約条件」
「無論、出すは最大の成果。暗殺は二人。俺はレイノルド・アレーヌ。お前はユニ・キュロイ。これで結構。
一つあるのは、疑問。暗殺対象の両名は……暗殺容易?」
「その体言止め、わかりにくいからやめてくんない?
で、暗殺は……たぶん可能。あたしはマスター級と闘ったことがあるけど、正面から挑めば勝ち目はまずない。でも不意を突けば殺せる。
マスター級ってのはね、大体が天才なの。だからこそ他人を警戒するってことを知らないみたい。絶対的に自分が強いと確信してるからこそ、不意を突かれて殺されるとも思っていない」
強者の余裕が命取りになる。
彼らは決して慢心しているわけではない。ただ裏の世界の汚さを知らないのだ。
「了解。この口調は……なんかかっこいい、以上。
体言止めこそ至高」
「バトルパフォーマーのあっさいキャラ付けみたいね……ミラク教授も変な口調だったし。まあいいや。
じゃあ行ってみる? 最終拠点の偵察に」
「無論。出発」
二人は警備の視線を軽々と欺き、未知の領域へ踏み込んだ。
ー----
『綾錦杯』当日。
大会開始まであと一時間。レヴリッツは理事長室を訪れた。
ノックもせずに入って来たレヴリッツに、サーラは訝し気な視線を向ける。
「なに、レヴリッツ。大会参加するんじゃないの?」
「もちろん参加しますよ。せっかくだし初期位置を理事長室にしようと思って」
初期位置はパフォーマーに委ねられる。
自信のある者は拠点の中央を占拠することが多いのだが、レヴリッツはサーラ理事長の部屋を選んだ。
バトルパフォーマーの部屋は立ち入り禁止だが、ここは立ち入り禁止じゃない。荒らしても問題ない。
「あのさあ……ま、こんな事も予想して荷物は避難させておいたけどね。できるだけ部屋は荒らさないでよ」
「それは他のパフォーマー次第ですね。この理事長室を覗きにくる奇特なパフォーマーがいれば、ここで戦闘せざるを得ない」
正直なところ、レヴリッツは優勝する自信しかなかったのだが……一つ懸念がある。その懸念を伝えるためにも、レヴリッツは理事長の下へ足を運んだのだ。
「そういえば理事長、気づいてます?」
「え、何に?」
「変なのがバトルターミナルに入ってると思うんですけど。バッタの虫かごにイナゴが入ってるみたいな感じで」
「ああ、うん。気づいてるよ。でも大丈夫じゃない?」
理事長はすでに異常に気がついているらしい。
その上で、この無関心な反応。理事長が何も問題ないと判断したのならば、レヴリッツは何も言うまい。
「じゃあ、その高そうな椅子からどいてください。僕が座るんで」
「失礼な奴だなー……いいよ。私はそろそろ戦場から退避しないとね。大会の結果、楽しみにしてるよ。
特にOathはプロ昇格の最有力候補として注目されてるんだから」
「ああ、はい。いっそのこと僕をマスター級に飛び級させてもいいんですよ?」
「飛び級なんて天上麗華しか実例がないけどね。レヴリッツがすっごく人気になったら、飛び級もありえるかもね?」
理事長はそう言うと、窓を開け放って空を飛んで行った。
彼女の背には純白の羽が生えている。
「あの羽、本物なのかな……きも」
レヴリッツは遠のく理事長を見つめ、椅子に身を沈めた。
ー----
『【レヴリッツ・シルヴァ】初めてのバトルロイヤル!!【綾錦杯】』
「どうも、バトルパフォーマー界のうんちことレヴリッツです。綾錦杯の開始まであと五分を切りました」
〔よお〕
〔きたあああああ〕
〔(三・¥・三)
(三・¥・三)
(三・¥・三)〕
〔よおFラン〕
〔優勝候補の癖にうんちなのか…〕
「いやー緊張するね。まあ僕の優勝はほぼ確定みたいなもんだけど、油断はしないよ。大会が始まったらコメントの閲覧は禁止だから、あと五分でみんなとはお別れだ」
〔緊張なんて感情お前にはない〕
〔敢えて負けてみないか?〕
〔お別れ寂しいよ;;〕
〔『ナイトメア・ゴースト』行くわ (>u<)b〕
〔ペリシュッシュ・メフリオン最強!ペリシュッシュ・メフリオン最強!ペリシュッシュ・メフリオン最強!〕
レヴリッツは流れるコメントに目を通しながら、のんびりと椅子に座っていた。
「ペリ先輩はプロだから僕とは闘えないね、残念。リオートとかヨミとかカガリとかと闘いたいな。他の人に倒されないといいけど。イクヨリとかレナ先輩、ミラー先輩とか……今まで関わった人たち、全員僕と当たってほしい」
〔全員しばいていけ〕
〔ミ(三・¥・三・¥・三・¥・三)〕
〔かがりんと鏡は配信してないよ〕
〔今どこに居るんですか?〕
「あー……カガリは配信してないのか。位置バレ防止で配信しない人もいるんだよね。僕も初期位置は隠しておくよ。少なくとも試合開始までは」
きっとカガリが配信していないのは別の理由がある。
とっくにレヴリッツは把握していたのだ。
「それじゃみんな、応援よろしく! もしかしたら回線の問題で落ちたりグルったりするかもだけど、その時はヨミの配信でも見といてくれ」
〔了解!〕
〔またな〕
〔がんばれー〕
〔今五窓くらいしてるw〕
視聴者に一時の別れを告げて、彼はコメント欄を閉じる。
そして静かに瞳を閉じた。
数分後。
『みなさま、お待たせしました! これより綾錦杯を開催します!
視聴者の皆さまは盛り上がる準備、パフォーマーの皆さまは戦闘の準備、できていますね!?
それでは──玉座争奪、開始です!!』
アナウンスと共に、戦の火蓋が切られる。
レヴリッツは大きくカメラを引き、自分の居場所を映し出した。
〔うおおおおおお〕
〔戦争じゃああああああああ〕
〔理事長室!?〕
〔お偉いさんの部屋で草〕
〔炎上不可避〕
恐らく、理事長室を漁りに来る変人は中々いないだろう。
そもそもこんな場所で戦闘を行えば理事長に恨まれる。炎上を恐れるパフォーマーはまず来ない場所。
しかしレヴリッツはここで待つ、彼を。
人が来ない場所だからこそ……この闘いの裏に潜むネズミをあぶり出せるというものだ。
〔人来ねえ〕
〔そろそろ移動しないか?〕
〔これいつ面白くなりますか?〕
〔ミラクとノルンが接敵したぞ!〕
〔(三・¥・三)_U~~
(三・¥・三)_U~~
(三・¥・三)_U~~ レヴ粒子砲〕〕
〔オ フ 会 ゼ ロ 人〕
開始から十分。
誰も来ない。コメントも退屈ゆえにいい感じに荒れてきたが、レヴリッツはコメントを見ていないので知らぬ存ぜぬ。
「……やっぱり、余程のアホしか理事長室には来ないか」
彼は嘆息して椅子から身を起こす。
パフォーマーは誰もこんなところには来ないらしい。撮れ高を気にするならば、そろそろ街中に出るべきなのだが……今の彼はそんなことを気にしている場合ではない。
そう、余程のアホがすぐそこまで来ているのだから。
「…………あ、回線悪いな。落ちるかも」
回線の調子は悪くないが、彼は嘯く。
直後に自分の配信をぶつ切りした。
──コンコン。
理事長室の部屋にノック音が響く。丁寧で柔らかなノック音だ。きっと扉を叩いた人は礼節を弁えた、優しい人なのだろう。
「はい、どうぞ」
「失礼するよ」
ドアノブを回し、入り口から姿を現したのは一人の男。
男性にしてはやや長めの深緑の髪、浅葱色の瞳孔。
レヴリッツと酷似した黒い着物を纏う男は、にこやかに微笑んだ。
「はじめまして! いや、久しぶりと言うべきかな?
ごめんね、わざわざ配信を切ってもらって」
「ハド。相変わらず吐き気がするほど礼儀正しいね。
世の中では君のような人間を何と言ったかな?」
「慇懃無礼、だね。暗殺をしようと思ったんだけど……レヴ、君は中々に警戒を解いてくれなくてさ。
こうして真正面から殺しに来たんだ。覚悟はできいるんだろう?」
「さあね。殺される覚悟なんて、持ちたくないけど。
殺す覚悟ならできているとも」
両者、向かい合う。
レヴリッツは偽装を解除し、ハドリッツ・アルヴァと相対した。
闘いではない、本気の戦い。
──殺し合いが始まる。
*****
【バトルパフォーマー】BPアマチュア総合スレ Part586【綾錦杯】
763:名無しさん ID:o7Jcs6PkE
誰か戦況まとめて
774:名無しさん ID:U3DPQ3Sus
>>763
開始10分で
アマ162→141
プロ65→59
マス8人から変化なし
786:名無しさん ID:c9PX2KtDv
>>774
有能
去年より減り遅いな
787:名無しさん ID:eE4A3Yqa4
プロはバチバチでおもろいです🤗
アマチュアは及び腰の奴が多くて戦闘があっさり終わります
790:名無しさん ID:Vbpfi3vEU
玉子、既に三人倒しました…
798:名無しさん ID:X2Vk7W53N
玉子とケビンはアマチュアの癖に独壇場ある時点で無双できる
不意打ちされたら無理だろうけど
801:名無しさん ID:u2PwfRrD6
たその視点もおもろいんだ 🤗
802:名無しさん ID:FyGQmrL6h
エビ、回線落ちです
805:名無しさん ID:TNmZy9sv6
エビ絶頂は珍しいな
809:名無しさん ID:J7PpZGrpb
優勝候補が絶頂してどうすんねん😅
エビが言ってた通りたその配信でも見るか
821:名無しさん ID:5gwjE7m2t
バトロワは回線落ち多いからしゃーない
エビだけに海鮮落ちってか
833:名無しさん ID:3a5p8ipNV
たそ強いな
ズルチンが対処不能のチート異能だわ😍
(*ズルチン:ヨミの異能『ムキダシノシンリ』)
841:名無しさん ID:SVD3W4sSo
原人呑気に虫食ってて草
845:名無しさん ID:QLYwvduM7
プロ視点見た後にアマチュア視点見ると落差ひどいな
エビ落ちてるのも痛いしかがりんも配信してない
玉子見るしかないか
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マスター暇すぎてヤバいです
8人しかいないから仕方ないけど
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逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
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